探蝶逍遥記

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ナガサキアゲハの飼育メモ(前蛹まで)

 昨年実施した飼育メモシリーズ。今回はナガサキアゲハです。最初は横浜市内で観察したカラタチ葉上への産卵状況と卵の拡大像です(再掲載)。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F9-1/640、-1.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時29分(2013年7月中旬):拡大像はD71K-1855改@55mm(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+2灯スレーブ増灯

 7月17日に孵化。孵化翌日の初齢幼虫です。
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D71K-1855改@26mm(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年7月18日

 体長は4mm。当初手近にあるサンショウを与えましたが、食いつきが悪く、すぐにカラタチへ切り替え、その後更にミカン(ナツミカン?)に食餌を切り替えました(以後、終齢までミカンを使用)。孵化4日後の姿もご紹介しましょう。
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D71K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年7月21日

 体長は9.5mmにまで成長。7月23日に眠。翌24日に2齢になりました。
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D71K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年7月24日

 体長は12.5mm。動き回って画像を撮るのに苦労(^^; 27日頃に3齢になったと推測しますが、どうもこのあたり観察がいい加減になって正確な記録を取っておりません。で、4齢の画像をアップします。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年7月30日

 体長27mm。緑色の鳥糞状でナミアゲハとは明らかに異なる姿になりました。短い眠を経て7月31日に5齢(終齢)に到達。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年8月4日

 体長は56mm。アゲハチョウよりは一回りサイズが大きく、存在感がありますね。腹節の斜帯は白地に緑色の微小斑点が散りばめられております。8月6日に前蛹となりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年8月6日

 体長は32mm。しかし、この後、悲劇が待っておりました。前蛹となったその日の晩、蛹化挙動をスタートさせたまでは良かったのですが、途中でストップし、そのまま脱皮ができずに★様になってしまいました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:2013年8月6日

 前蛹までこぎつけながら、蛹化に失敗すると本当に疲れがドッと出ますが、ナガサキにとっても無念だったことでしょう。蛹化に失敗した原因は不明です。飼育中のウイルス感染によるものと推測しておりますが、よくわかりません。実は別途、記事にする予定のクロアゲハについても、蛹化に失敗する事例が続出して困り果てました。真夏に小さなプラケース内で飼育したことが原因かもしれず、どう対策を打つべきか思案しておるところです。以上の通り、ナガサキのフルステージ飼育は後一歩の所で失敗に終わりました。次回で再トライです。
by fanseab | 2014-01-25 23:58 | | Comments(10)

アオスジアゲハの飼育記録

 ジャコウと平行して、国内に棲むGraphium属普通種も飼育してみました。先ずはクスノキ新芽に産み付けられた卵と孵化前日の卵の拡大像です。

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D7K-85VR、ISO=400、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月13日、[拡大像] D71K-1855改@40mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月14日

 卵の拡大像では孵化する初齢幼虫の毛(Yの字型棘毛)が透けて見えております。5月15日に孵化し、直ぐに卵殻を食べ始めました。
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D71K-1855改@40mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月15日

 この時点での体長は2.9mm。全身毛むくじゃらの幼虫です。孵化後食樹からの摂食が進むとふっくらとした体形に変化します。孵化後2日後の初齢幼虫です。
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D71K-1855改@28mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月17日

 体長は4.8mm。5月18日に2齢。
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D71K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=100、F11-1/125、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月19日

 体長は7.1mm。前・中・後胸部に黒色の突起を残し、腹節にあった棘毛は第10腹節を除き、全て消失しております。この頃は葉裏生活者で、クスノキ若葉の赤褐色に類似した体色です。5月21日前後に3齢になった模様(撮影は失念)で、25日に眠に入り、26日~27日に4齢になりました。なお3齢から葉表生活に変わっています。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月29日

 体長は24mm。後胸部にある一対の突起を結ぶ細い黄色線が出現。体が太くなったため胸部の突起も相対的に目立たなくなります。5月31日に眠に入り、翌6月1日に終齢(5齢)に到達。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は37mm。胸部にあった突起は完全に消失。後胸部の突起は小さな眼状紋に変化しております。終齢幼虫は順調に発育し、6月9日に前蛹になりました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は32mmに縮小。頭部をクスノキの葉柄側に向けています。これはアオスジの特徴で、同属のミカドは反対に尾端を葉柄側に向けるのが普通。翌10日、無事蛹化しました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月10日

 体長は33mm。葉表に相当量の吐糸がされていることがわかります。通常ですと、ほぼ10日~2週間後の6月末頃には羽化する筈でしたが、現時点でも未だ羽化しておりません。死蛹でもないので、どうやら休眠蛹になったようです。アオスジにしろ、ミカドにせよ幼生期の日長長短で非休眠と休眠蛹に分かれるとされています。意図した訳ではありませんが、管理人の飼育条件が短日条件に相当したのでしょう。休眠時間は個体差があるようで、ひょっとすると来年の5月までこのまま眠っているかもしれませんし、あるいは9-10月頃羽化するかもしれません。今回久しぶりにアオスジの飼育を実施して、Graphium属蛹の休眠性について改めて考えさせられる機会となりました。
by fanseab | 2013-08-13 21:31 | | Comments(2)

ジャコウアゲハの飼育記録

 5-6月にかけて行った飼育記録です。最初はオオバウマノスズクサ葉裏への産卵状況と卵の拡大像。

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D7K-20、ISO=500、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時43分(5月上旬)、[拡大像] D71K-1855@55mm(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月12日

 卵の直径は1.6mm、高さ1.9mmです。孵化直前にはかなり黒化してきます。
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D71K-1855@55mm(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月16日

 翌17日に孵化しました。孵化当日の初齢幼虫の姿です。
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D71K-1855@55mm(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月16日

 体長は4.7mm。19日に眠に入りました。眠状態の初齢幼虫です。
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D71K-1855@18mm(トリミング+上段3コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/160~250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月19日

 体長は5.3mm。孵化直後よりもかなりメタボ体型(笑)。21日に2齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/180、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月21日

 地色が赤褐色からチョコレート色に変化しました。この地色は終齢まで保持され、この段階で既に沢山の突起を備えた特徴のある姿を呈しています。5月23日に眠に入り、翌24日に3齢になりました。なお、それまではオオバウマノスズクサで何とか飼育してきましたが、流石に萎れてきたので、ウマノスズクサに食餌を変更しました。食い付きに心配したものの、普通に食べてくれてホッとしました。眠状態の3齢幼虫の姿。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月29日

 3齢より体をよぎる白帯模様および背面を走る白線模様が明確になってきます。5月30日に4齢となりました。
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D71K-85VR(トリミング+上段2コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は25mm。3齢と比較して斑紋パターンにそれほどの変化はありませんが、各腹節をよぎる灰色の斜帯が顕著になり、地色も全般に黒化した感じです。6月4日に眠に入り、6日に5齢(終齢)に到達。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月10日

 体長は43mm。流石に大きくなった感じです。斑紋パターンは突起先端の赤色が顕著になる以外は4齢とさほど変化はありません。6月13日に下痢便(糞)を出し、翌14日に無事前蛹になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月15日

 体長は28mm。吐糸した糸が黒いのに驚きました。16日に無事蛹化。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月17日

 じっくり見れば見るほど、「お菊虫」と名付けられた理由がよくわかります。6月28日になって蛹が少し色づき始め29日には翅の模様が透き出て参りました。羽化直前の姿です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月30日

 
 ジャコウ独特の毒々しい胴体の色合いも透けて見えます。この後、無事♀が羽化いたしました(例によって羽化の瞬間には出会えず)。
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D71K-85VR、ISO=400、F9-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月30日

 この♀、結構立派な体躯で、多摩川縁で見るジャコウ(食草:ウマノスズクサ)♀よりも巨大な感じがします。オオバウマノスズクサ食いとウマノスズクサ食いの個体群では翅長に有意差があるのだろうか?とちょっと疑問が湧いてきました。ともあれ、何とかフルステージ飼育が終わってホッといたしました。
by fanseab | 2013-08-08 22:31 | | Comments(8)

ツマキチョウの飼育記録

 春先は同時に数種類の飼育をしておりまして、餌交換や写真撮影に大忙しでした。で、忘れないうちに記事にまとめておくことにします。多摩川縁で出会った♀の産卵直後に写したイヌガラシへの産卵状況と拡大像です。いずれも再掲載画像です。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月27日
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D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月30日

 5月2日に無事孵化。すぐにイヌガラシの蕾を食い始めました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月2日

 この時点での体長は1.8mm。5月5日に眠に入りました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月5日

 体長は3.5mm。黒い頭部の後ろ側に2齢の頭殻が既に形成されているようです。2齢幼虫の姿は撮り損ないましたが、色合いは初齢とよく似ていて、黄色味を帯びた緑色です。なお、2齢途中からイヌガラシの入手が困難だったので、セイヨウカラシナ(菜の花)の果実に給餌材料を変更しました。また3齢への脱皮時期も把握できず、5月10日の姿を撮影。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月10日

 体色が緑一色になり、白い側線が目立つようになります。基本、この色合いは終齢まで保持されており、先に飼育したキタキチョウとよく似た配色パターンです。5月11日に眠に入り、翌12日に4齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月12日

 体長は10mm。その後順調に育ち、15日に5齢(終齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月16日

 体長は28mm。セイヨウカラシナの細長い果実と姿形がそっくりです。ただ厳密に言うと5齢段階よりも4齢中期の方が、体の太さまで果実に忠実で、擬態の完成度が高い感じ。その後も順調に発育し、5月20日に前蛹になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月21日

 帯蛹の糸は太く、尾鉤先端の吐糸も相当に厳重な感じで、やはり蛹越冬種として長期に渡る備えをしっかりやっているのでしょう。↑の前蛹を撮影した同日、5月21日に蛹化しました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/60、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月22日

 蛹化直後は緑色をしておりますが、一日経過すると、ご覧のように褐色に変化します。この時点では緑色のセイヨウカラシナ果実と違和感がありますが、果実が枯れてくると遠目からは蛹の存在が目立たなくなります。蛹化11日後の姿です。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 もちろん、蛹の体色は同じ褐色と言っても色々とバリエーションがあるのだと思います。さて何とか蛹まで辿りつきました。この後、一番心配なのは「ツマキ蛹の存在を忘れてしまう」こと。来年の春、気が付いたら飼育プラケースの中で羽化不全のツマキチョウが干からびていた・・・・。こんな悲劇を起こさないように注意したいと思います。もっともツマキの場合は蛹が翌春に羽化せず、2年後の春に羽化する事例もあります。そのことも含め蛹が羽化するまで注意して管理していきたいと思います。
by fanseab | 2013-06-29 21:07 | | Comments(2)

ハヤシミドリシジミの飼育記録

 昨年11月に富士山麓のポイントでカシワの一年枝に付いていたFavonius属の越冬卵を撮影(外部リンク、自宅に持ち帰り飼育をしてみました。越冬卵は原則現地で自然状態のまま撮影することにしておりますが、ハヤシかオオミドリかの区別が越冬卵微構造確認では判断付きかねるため、仕方なく飼育・羽化させて判定するのが目的でした。先ずは越冬卵の微構造です(再掲載)。

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D7K-85VR-24R(トリミング+深度合成処理:上段5コマ、下段6コマ)、ISO=200、F29-1/160、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影月日:2012年11月中旬

 冬場は定石通り冷蔵庫に保管しました。飼育は産まれていたカシワではなく、クヌギの花穂を前提に、近所のクヌギ芽吹き状況をウオッチしておりました。昨年クロミドリ(外部リンクアイノミドリ(外部リンク)を飼育した際、クヌギの芽吹きは4月10日頃でした。ところが本年は3月に入って異常に気温が高かったせいか、3月中旬過ぎには既に芽吹きが始まっていたので、3月20日に冷蔵庫から越冬卵を取り出し、室温保管に切り替えました。クロミの場合は冷蔵庫から出して2日後、アイノは4日後に孵化したので、今回も1週間以内に孵化するだろうと推測しておりました。ところが10日経過しても精孔部の孔開きが認められません。無精卵か死卵だったかとちょっと心配になりましたが、3月31日になってようやく孔が開きました。
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D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影月日:3月31日

 孔は徐々に拡大し、4月2日に孵化しました。孵化直後の初齢幼虫です。
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D71K-1855@52mm(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-0.3EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月2日

 体長は1.5mm程度。クヌギの花穂へはそれほど迷わず食いついてくれてホッと一安心。実は初齢に与える餌はクヌギ等の新芽でも構わないのですが、クロミやアイノ飼育の経験から、新芽内に潜入されると初齢~2齢に至る過程の観察が困難になると思い、最初から花穂を与えたのでした。この作戦は大成功で、初齢眠から2齢に至る過程が正確に把握できました。クヌギ花穂に食いついている初齢幼虫です。
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D71K-1855@46mm(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月7日

 画面左に頭部があり、体長は約2.3mm。背面の台形模様もはっきりとしてきました。体色はクヌギの花穂にそっくりです。4月8日に眠に入り、10日に2齢になりました。
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D71K-1855@35mm(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月13日

 体長は6mm弱。体型が扁平化してきましたが、体色にさほど変化はありません。4月14日に眠に入りました。面白いのは眠の際、花穂から離れ、湿らしたティッシュペーパー上に移動して静止する行動です。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F7.2-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:4月15日

 自然状態では枝の分岐とかに静止して眠状態を過ごすのでしょう。この生態は終齢(4齢)まで同じでした。4月16日に3齢になりました(左が頭部)。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月19日

 体長は10mm弱。3齢で体色にかなり変化が出てきます。全体に黒味を帯び、相対的に背面の楔型模様がくっきりと目立ってきます。第6腹節のそれは特に白く目立ちます。更に側面の白線も明確になります。4月21日に眠に入り、24日に4齢(終齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング+上段5コマ/下段3コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月28日

 体色が更に暗化し、見た目真っ黒です。教科書(※)によれば、ハヤシの終齢幼虫の体色はバリエーションに富んでいて灰色から暗褐色まで確認されているようです。管理人の飼育個体は恐らく一番黒いタイプだったのでしょう。
※福田晴夫他、原色日本蝶類生態図鑑(Ⅲ)、p.171(保育社)
 4齢の斑紋を検して、ようやく飼育個体がオオミドリではなく、ハヤシであること確認でき、胸をなで下ろしました。オオミドリはもう少し体色が青味を帯び、第8腹節が横方向に拡がる等の特徴があるとされています。この絵では体長17mmほどですが、最終的には20mm程度まで成長し非常に巨大な印象を受けました。なお、終齢の途中で冷蔵庫保管してきたクヌギの花穂も在庫が尽きたため、最後はクヌギの若葉に切り替えました。その若葉の食痕です。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月3日

 先端から食って中脈は残し気味、葉の1/2~1/3程度食して隣の葉を食うパターン。結果、矢尻型の食痕が残されます。孵化から31日目の5月3日、前蛹となりました(左が頭部)。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段4コマ深度合成処理)、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月3日

 他のシジミ同様、淡い部分がピンク色を帯びています。面白いのは画面右端に写っている液体。アゲハの終齢幼虫が蛹化前に黒い液体を出すことを経験しておりますが、シジミ幼虫でもこのような体液(アゲハと異なり透明)を腹部から出すことを初めて知りました。5月5日、無事蛹化しました。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成処理)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月7日

 体色は褐色、全体に小黒点が散布されていて特別特徴のある姿ではありません。5月21日あたりから翅面が黒化し、羽化の接近を知らせてくれました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月23日

 翅面が紫色を帯びたブルーに輝き、♂が羽化することを確信いたしました。そして孵化後51日目の5月23日、予想通り♂が無事羽化いたしました(蛹期は18日)。
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D71K-85VR、ISO=100、F11-1/100、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月23日

 カシワがないので、クヌギに何とか止まらせての記念撮影。この後、野外に移動し「飛び去るなよ~」って願掛けしながら(笑)、記念撮影。先ずは真正面からお見合い写真。
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D71K-85VR、ISO=400、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影月日:5月23日

 実はLEDライトを照射して開翅を目論んだのですが、言うことを聞いてくれませんでした(^^; 仕方なく真正面から垣間見えるウルトラマリンの輝きをちょっぴり写し込むことに。続いて真横から。
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D71K-85VR、ISO=400、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影月日:5月23日

 ここに至るまでの過程で結構ビュンビュン羽ばたきをして暴れていたので、縁毛もちょっぴり痛んでしまいました。僅か1個の越冬卵からの飼育は非常にリスクが高いのですが、昨年のクロミドリ、アイノに引き続きハヤシの飼育に成功し、暫し達成感を楽しんだのでした。実はハヤシの飼育は中学生以来、ん十年振りなのです。当時は神奈川県に細々と残るカシワ林から今回同様僅か1卵採卵し、何とか♀を羽化させました。その時の展翅標本は奇跡的に未だ保管できていて、いずれ標本画像をご紹介したいと思います。当時、ゼフの飼育は「これで最初で最後だろう」と思っておりましたが、いいおっさんになってから再度飼育するとは夢にも思わなかったのです。結果、前回は♀、今回は♂で「一姫二太郎(?)」と飼育仕分けが出来たのもラッキーでした(^^)
by fanseab | 2013-06-11 20:27 | | Comments(0)

ルリタテハの飼育記録

【お断り】この記事には生々しい「毛虫」画像満載です。毛虫を見たくない方はパスして下さいネ!誤って画像を見て、気分を悪くされても管理人は責任を持てませんので、悪しからず。
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 3月下旬に神奈川県下でルリタテハの産卵現場を確認しました。その際、サルトリイバラから1卵を採卵し、飼育をしてみました。ルリタテハは大昔に飼育した記憶が微かにありますが、実質初めてかもしれません。最初は産卵されていた状況です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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GXR@5.1mm、ISO=200、F9.1-1/45、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:3月28日

 2卵見えておりますが、いずれも産卵日は不明です。自宅に持ち帰り、超拡大撮影を実施しました。
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D71K-85VR-24R(トリミング+上段2コマ/下段4コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/320(400)、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:3月31日

 樽型で精孔部が少し凹んだ形状。直径は1mm、高さ0.96mm。アカタテハやヒメアカと近似した形状ですね。孵化日は正確には不明ですが、恐らく4月5日だと思います。サルトリイバラの新芽に静止する初齢幼虫です。
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D71K-1855@35mm(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月7日

 ルリタテハの幼虫は後述するように葉裏でCの字型に体を丸めて静止しておりますが、初齢段階でもこの習性が見てとれます。「三つ子の魂、何とやら」ですね。幼虫の左側に新芽を齧った食痕が確認できます。4月8日に眠に入り、10日に2齢になりました。
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D71K-1855@35mm(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月10日

 体色は初齢と良く似ておりますが、飴色の地色に淡黄色の斑紋が入るようになります。4月13日に眠に入り、15日に3齢になりました。眠、静止時はいつもこのようにCの字もしくはJの字型です。
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D71K-1855@24mm(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月15日

 体色は黒味を増し、棘皮も黒く立派になります。4月17日に眠。翌18日に4齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月19日

 色調は3齢とさほど変わりません。摂食している時は、このように体を伸ばしておりまして、撮影時に刺激を与えると、急にCの字型に丸まって静止します。4月24日に眠に入り、翌25日に5齢(終齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月28日

 棘皮は黒から淡黄色に、地色の淡黄色が橙色に変化し、見るからにおどろおどろしい姿に変身です。蝶屋の皆さんでも、この姿にはちょっと引いてしまうものがあるかもしれません。5月4日に前蛹になりました。翌日、前蛹画像を撮影しようと機材を準備し、「さて撮影しようか」と食草を覗くと前蛹の姿がありません。おかしいなと思い、もう一度覗くと既に蛹になっていたのでした。一瞬の隙に蛹化してしまったのでした。あ~ぁ、これは大失敗。フルステージ飼育で大事な画像を撮り忘れてしまいました。いつか機会を見て、野外で終齢幼虫を採幼し、前蛹の撮り直しをせねばなりません。その代り、蛹化直後のフニャフニャな姿を撮影いたしましした。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月5日

 この段階ではまだ終齢幼虫の面影(橙と黒の虎班模様)が残っています。それでも2日後には本来の姿になりました。
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D71K-85VR(トリミング+左4コマ/右3コマ深度合成処理)、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月7日

 レフレクターは比較的小さく、数も少ないため地味な印象で全体の色調が成虫裏面そっくりな点も面白いですね。5月16日に黒化が始まり、17日に無事羽化しました。残念ながら羽化の瞬間には立ち会えず。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月17日

 屋外に出して太陽光を浴びさせたら開翅もしてくれました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月17日

 ルリタテハの性別判定は難しいですが、前後翅外縁の尖り具合が少ないことを考慮して♀でしょうかね?どんな種類であれ卵からのフルステージ飼育をやり遂げると達成感があります。羽化直後の瑞々しい姿はいつも惚れ惚れしてしまいますね。

 なお、今回の飼育にはサルトリイバラを用いました。多摩丘陵から調達してきましたが、水揚げが悪いのにビックリしました。一度水差しをした株を室内の窓際に置き忘れたら、あっという間に枯れてしまいました。サルトリイバラが薄暗い林床に生える植物であることを再認識させられた次第です。
by fanseab | 2013-06-02 21:28 | | Comments(8)

ツバメシジミの飼育記録

 今年の秋口は普通種の産卵シーン撮影に注力し、その副産物として卵の拡大撮影も実施してきました。折角、卵をゲットできたのでサトキマ同様、ツバメシジミも飼育をしてみました。因みに本種の飼育は初体験。10月13日にマルバヤハズソウへの産卵シーンを観察。この時点で採卵し、マルバヤハズソウで育てることにしました。10月17日に孵化。残念ながら孵化シーンは撮影できず。最初は食草の葉表を所謂「舐め食い」しておりました。                                                                                                                         ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855VR@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日

 葉脈は固くて食えないようです。この時点での糞は黒色です。その後、姿が見えなくなったので、捜索してみると、果実に頭部を突っ込んで食っていたようで、ようやく葉上に姿を現しました。
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D7K-1855VR@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日(産卵後9日)

 体長は1.5mm。初齢後期かひょっとすると2齢かもしれません。その後も基本、果実に食い込んでおります。
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D7K-1855VR@50mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月25日(産卵後12日)

 この時期、マルバヤハズソウの果実は茶色に熟したものと緑色の未熟果が混在しますが、ツバメの幼虫は熟果には目もくれず、未熟果に食いついております。その結果、糞の色も緑色ないしは緑褐色に変化しております。ヤハズソウの葉を取り去って、幼虫の全貌を明確にしたい衝動に駆られましたが、幼虫を傷めたりすることに躊躇して、このまま観察を続けました。産卵後17日目の姿です。
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D7K-1855VR@45mm、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後17日)

 体長は4mm。恐らく3齢だと思います。11月に入ると、少し摂食のペースが遅くなったような気がいたしました。脱皮したことに気が付かないまま4齢(終齢)になったようです。
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D7K-85VR、ISO=200、F14-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月5日(産卵後23日)

 体長はほぼ6mm。側面の濃褐色に縁取られた白線が目立つようになりました。食草のマルバヤハズソウもこの時点で屋外でも枯葉が目立つようになります。枯葉の中に潜れこんだ幼虫はプラケースの中とはいえ、時々見失うほど上手く枯葉に溶け込んでおります。そして11月10日頃、ほぼ摂食を停止し、体を丸めて越冬状態になりました。
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D7K-85VR(トリミング+深度合成:上段3コマ、下段2コマ)、ISO=200、F13-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月13日(産卵後31日)

 体長は7.5mm。体色がややピンク色を呈しております。シジミの幼虫類は前蛹直前にピンク色に変化することが多いですが、それに良く似た感じです。これまでご紹介してきた個体(個体#1とします)とは別に、食草として供給したマルバヤハズソウにもう1頭3齢の幼虫が付いていたようです。こちらを個体#2とします。この子の体色は当初褐色でしたが、10月30日に脱皮して4齢(終齢)になると緑色に変化しており、別種の幼虫かと思いました。両個体のその後の推移から、どうやらツバメシジミの終齢幼虫には体色で2型があるようで、#2は緑色型なのだと思います。
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D7K-1855VR@45mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後17日)

 体長は約6mm。暫くすると、この個体の体色は微妙に変化し、背面の暗線も少しボンヤリとしてきました。
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D7K-85VR(トリミング、下段のみ2コマ深度合成)、ISO=200、F14-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後17日)

 体長は7.5mm。この子も11月9日には越冬態勢に入り、体色は全体にピンク色を帯びた濃褐色に変化いたしました。
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D7K-85VR(トリミング+深度合成処理:上段3コマ、下段4コマ)、ISO=200、F14-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月5日(産卵後23日)

 元来褐色型であった個体#1と比較すると微妙に斑紋・体色が異なっておりますが、いずれの個体も枯葉の中では渾然一体となって見事な保護色になっております。屋外でも恐らく類似状態で越冬しているのでしょう。これを屋外で発見するのは極めて困難だと思います。サトキマ同様、現在拙宅冷暗所にて2頭の幼虫を保管中です。湿度管理を上手に行って来春の蛹化・羽化まで辿りつけると良いのですが。。。。
by fanseab | 2012-11-24 22:50 | | Comments(2)

サトキマダラヒカゲの飼育記録:その2

 前回の記事で3齢までの経過をまとめましたので、今回は4齢~蛹化までをご紹介します。3齢期間は6日。10月9-10日にかけて4齢になりました。                                                                                                                                              ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR(トリミング+画像処理)、ISO=200、F18~25-1/160~250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月10日(産卵後23日)

 体長は17mm。体色は3齢とさしたる変化はありません。4齢期間は9-11日で一番早い個体は10月18日(産卵後31日)に5齢に到達しました。
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D7K-85VR(トリミング+画像処理)、ISO=200、F11~13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月22日(産卵後35日)

 体長は28mm。尾端突起の長さが相対的に短くなり、体色は4齢に比較してやや赤みがかかった感じです。5齢中期には体長が最大37mmまで伸びました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月30日(産卵後43日)

 4齢以降、飼育プラケースの中の食草を交換する際、刺激で幼虫が葉上から落下し、体を丸めて静止し、仮死状態を呈することがありました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月13日(産卵後57日)

 屋外だと、葉上で静止している状態で外敵に襲われた際、地上に落下して生き延びる生存戦略なのでしょうか? ここで4齢および5齢幼虫の頭部拡大画像をご紹介しましょう。
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上段:D7K-85VR(トリミング)下段:D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=400/100、F29-1/80-320、-0.7EV/-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:10月10日(4齢:産卵後23日)、10月22日(5齢:産卵後35日)

 2-3齢において、S社の有名キャラクター、「ハロー○ティちゃん」を引き合いに出しましたが、5齢になると、頭部の上部一面に大仏様の頭を連想させる粒状突起が目立ち、有名キャラクターとは似ても似つかぬ面相になってしまいました(^^;

 さて、5齢幼虫は摂食を停止し、11月10~13日に前蛹になりました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=100、F14-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月11日(産卵後55日)

 数枚の葉を黒褐色の糸で簡単に閉じ、巣らしき形態を作っております。
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D7K-85VR、ISO=100、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月11日(産卵後55日)

 画面下側の葉裏中脈付近に尾鉤を掛け、懸垂しております。屋外では地上に降りた後、同様に枯葉等で造巣し、蛹化するのでしょう。前蛹期間は2-3日で11月12~16日に5頭全て無事蛹化いたしました。
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D7K-85VR(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月13日(産卵後57日)

 体長は約18mm。淡い褐色で、背面部分の模様は終齢幼虫の面影を残している感じです。
こうして、屋外で採幼した5個体共に無事蛹まで到達いたしました。ご存じの通り、サトキマは蛹越冬で来春まで冬眠状態に入っております。現在、拙宅の冷暗場所で保管しておりますが、そのうち、数頭を屋外に戻し、室内保管品と羽化時期等の比較検討をしたいと思っております。

★その後の羽化の記録は★
こちら(外部リンク
by fanseab | 2012-11-22 23:24 | | Comments(2)

サトキマダラヒカゲの飼育記録:その1

 9月中旬頃、サトキマの産卵行動の観察をしておりました。この際、合計9卵塊、110卵を確認したのですが、殆どは途中で食害等に遭ったためか、行方不明になり、野外での継続観察を諦めました。恐らくこんなことになるだろうと予測し、識別コードNo.8の卵塊から孵化した初齢幼虫を5頭採幼し、プラケース内で飼育をすることにしました。サトキマの飼育はかれこれ20年ほど前に一度トライしたことがあり、来シーズン予定しているヤマキマ飼育を前提に比較対象としてサトキマ飼育に再トライしたのでした。現在も飼育進行中ですので、今回は卵~3齢までの途中経過をまとめてみました。

 最初は卵。これは9/17に産卵直後に撮影したもの。再掲載画像です。                                   ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F13-1/125、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影月日・時刻:9月17日、16時48分

 次に初齢幼虫です。孵化した日時は把握しておりませんが、他の孵化事例から9/23頃と推定されます。観察・撮影した時点では5個体となっていて3頭が行方不明状態でした。
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GXR@5.1mm、ISO=320、F6.5-1/10、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:9月26日

 ご覧の通り、葉裏に群集状態です。体長は約7mm。初齢はメダケの先端から葉の中脈も含めて食い切る特徴があり、体も頭部も透明感があります。9/28に2齢になりました(産卵後11日目)。
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D7K-1855改@19mm(トリミング)、ISO=100、F22-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月30日(産卵後13日目)

 まだ群集状態です。体長は7.6~8.3mm。頭部は不透明な褐色に変化し、胴体は緑色を帯びた褐色に、尾部にはヒカゲチョウ類の幼虫らしく1対の突起が出てきました。群集状態の個体を真正面から眺めた画像です。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月30日(産卵後13日目)

 よく言われているように、愛嬌がある顔つきで、S社のキャラクター、「●ティちゃん」を連想させます。頭部の突起は本当に猫の耳のように見えますね! 10月2日(産卵後15日目)に眠に入り、翌10月3日(産卵後16日目)に3齢になりました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=100、F14-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月5日(産卵後18日目)

 体長は13mmほど。体色は緑色が消え、暗褐色を呈し、背面に斜交する黒線が明確になります。この背面パターンは特徴があり、昔飼育した個体の風貌を思い出したのでした。この幼虫画像の左側に食痕が見えています。中脈も含めて全て食い切る初齢と似たような食痕ですが、2齢後半から3齢の初期では中脈を残す食痕が普通です。
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D7K-85VR、ISO=100、F13-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月5日(産卵後18日目)

 ご覧のようにメダケの葉は乾燥して黄ばんでおりますが、サトキマ幼虫はこんな葉でも結構執着して食ってくれます。次から次へと新葉を供給しないと幼虫が食いつかない神経質な種もおりますが、サトキマはノンビリムードで飼育できて大変楽ですね。最後に頭部全面を初齢から3齢まで比較しておきましょう。なお、各齢の拡大倍率は一定ではありません。念のため。
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<撮影月日>初齢:9月26日(別の卵塊は孵化した個体:産卵後9日目と推定)、2齢:9月30日(産卵後13日目)、3齢:10月5日(産卵後18日目)

 初齢の画像はやっつけ仕事で撮ったため、酷い手振れ画像でご容赦下さい。来シーズンにでも撮り直す予定。それはともかく初齢では頭部突起がないこと、齢を重ねるに連れ、体毛の相対的な長さが縮小していくことが理解できます。先に例示した「●ティちゃん」に一番そっくりなのは、鬚の長さを考慮してやはり2齢でしょうか? 3齢になると、「額」の部分に黒い色素の沈着が出てきます。4齢以降は続報で報告いたしましょう。     <次回へ続く>
by fanseab | 2012-10-21 22:24 | | Comments(10)

ゼフ飼育メモ(2)アイノミドリシジミ

 クロミドリシジミが孵化した2日後の4月17日にアイノが孵化しました。孵化前画像(2月11日記事掲載分)と比較して示します。
                                                                                          ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR-24R(トリミング+深度合成)、ISO=400、F29-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、
撮影月日:4月20日

 ただ孵化はしたものの、幼虫は与えたクヌギの新芽に潜り込んだ様子で確認できません。新芽の表面にうず高く積もった糞で、幼虫の無事を確認できるのみ(孵化後3日目)。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/400、外部ストロボ、撮影月日:4月20日

 新芽をこじ開けて幼虫を撮影することもできますが、虎の子の初齢幼虫を傷つけたら元も子もないので、ここは我慢です。暫くしてようやく初齢幼虫の姿を拝めました。孵化後6日目で、体長は2.7mm。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月23日

 体色はややピンクがかった褐色。中胸部と第10腹節に黒色紋が目立ちます。初齢から2齢にかけての色彩は同時に飼育していたクロミドリとよく似ていて、飼育ケースに入れ間違えたのではないか?と慌てたこともありました。クロミ同様、若葉には見向きもせず、ひたすら花穂を食べ続けます。孵化後8日目の様子です。体長は3mm。
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D7K-1855改@55mm(トリミング+深度合成)、ISO=200、F29-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月25日

 静止している際は、このように花穂にしがみつくように体を丸めています。幼虫の体色および大きさが花穂と瓜二つなので、幼虫の姿を見失うことがしばしばありました(^^) 本当に見事な擬態です。その後、どうやら26日頃に2齢になった模様です。孵化後10日目の状況です。体長は5.7mm。
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D7K-1855改@34mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月27日

 2齢の体色・斑紋は初齢と基本変化はありませんが、中胸部と第10腹節にあった黒色紋が消えます。そして29日前後にどうやら3齢になったと思われます。孵化後14日目、体長は11.5mm。
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D7K-1855改@34mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月1日

 2齢から3齢への齢変化は脱皮殻が花穂に混在して確認できず、クロミ以上に困難を伴いました。3齢の斑紋パターンも2齢と類似しておりますが、胸部が暗赤褐色に変化し、第8・9腹節側面が白味を帯びる点が異なります。↑の画像の撮影後、眠に入り、翌5月2日に4齢(終齢)になりました。孵化後16日目、体長13mm。
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D7K-85VR(トリミング+一部深度合成)、ISO=400、F25~29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月3日

 ご覧のように終齢は独特な斑紋に変化します。先ず前胸部背面に淡いピンクを帯びた菱型模様が出現し、第6腹節の背面側の楔紋が著しく白化します。また腹節全体が暗色化するため、白い気門が大変目立ちます。クロミの記事でも述べたように、丁度この頃、花穂の在庫も尽き、屋外の花穂も完全に萎れた状態になってしまいました。アイノの終齢は既に黴が生えたような花穂にも固執して、若葉には全く食いつくそぶりもありません。クロミに比較すると花穂への執着が尋常ではないと言えます。6日になって流石に花穂は不味くなったのか、若葉に食いついてくれました。孵化後20日目の姿です。体長は18mm。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月7日

 食痕は中脈を残していくタイプ。8日(孵化後21日目)に前蛹になりました。体長は11.5mm。
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D7K-85VR(トリミング+一部深度合成)、ISO=100、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月9日

 2日後の5月10日に無事蛹化いたしました。孵化後23日目、体長は10mm。
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D7K-85VR(トリミング+一部深度合成)、ISO=100、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月10日

 背面部の模様は終齢幼虫の斑紋パターンを踏襲したような感じです。ここでちょっとした失敗に気が付きました。今回は終齢幼虫が生葉上で前蛹→蛹化しましたが、生葉だと、葉が萎れるに従い、カーリングして蛹の側面を隠してしまい、↑の画像のように側面全貌を把握できません。蛹化が近づいた時点で枯葉を飼育容器内にセットし、蛹化が枯葉上で行われるように誘導すべきでした。管理人はこのような飼育観察をする際のノウハウを保有しておらず、今後の飼育観察に向けて良き教訓となりました。アイノはクロミと異なり蛹の体色は基本褐色ですので、羽化の前兆は把握しやすく、翅面に顕著な変化が現れました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月25日

 翅全面が干渉色と思われる赤銅色に輝き、♂が羽化することが示唆されました。そして翌日、5月26日午後、予想通り♂が無事羽化。孵化後39日目でした。
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D7K-85VR、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月26日

 羽化は夜明け頃と推定しておりましたが、予想に反し、午後2時頃でした。所用で外出している隙に羽化が行われてしまいました。それでも羽化後間もないこともあり、未だ満足に飛べない状況だったので、ジオラマ風の背景で撮影できました。肩口から覗く金緑色は紛れもないCrysozephの輝きですね。残念ながら開翅する様子もなかったので、屋外に持ち出して記念撮影(笑)にもトライ。
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D7K-85VR、ISO=400、F6.3-1/320、-1.0EV、撮影月日:5月26日

 たまたまヒメウラナミジャノメ♂が誤求愛でアイノ君にちょっかいを出しましたが、「驚いて開翅・・・」を目論んだ管理人を後目に、堂々として全く開いてくれませんでした(^^; またこの日の夕方は風も強いこともあって、薄日が差しても開翅するそぶりも見せませんでしたので、諦めました。やはり、今シーズンは屋外でアイノ♂の輝きをじっくり堪能したいものです。

 さて、クロミ、アイノ共に僅か1卵の飼育で不安もありましたが、何とか両種共に成虫羽化までこぎつけてホッとしております。来シーズンはできればメスアカミドリあたりの飼育にチャレンジしたいと思います。
by fanseab | 2012-06-01 22:11 | | Comments(8)