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探蝶逍遥記

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クロコノマチョウの産卵(5月上旬)

 先日、アオバセセリの撮影をした多摩丘陵の公園には小さな池があり、その畔で大型のジャノメがパタパタ舞っておりました。直ぐにクロコノマの産卵と気づき、慌ててカメラの準備をしました。しかし、確実に腹端を曲げるシーンがなかなか撮れません。最初の撮影コマがこちら。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:14時17分

 腹端を曲げかかっておりますが、結局は産卵を諦めた瞬間の画像です。この個体はこの直後、イネ科の葉上に止まって休憩モードに入りました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:14時18分

 このアングルだと葉被りしているので、反対側に回り込んで撮ってみました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=400,F8-1/400、外部ストロボ、撮影時刻:14時22分

 驚いたことに腹端付近に3卵確認できます。なんとこの母蝶は休憩しているポーズで葉表に産卵していたのです!通常、クロコノマは葉表に掴まり、腹端を曲げて葉裏に卵塊を産み付けます。よく見ると、この個体は脚を葉表に広げるように静止しており、もはや脚力が衰えて葉裏産卵ができない状態だったようです。それで仕方なく、葉表に産み付けたのでしょう。哀れなこの母蝶はこの後、移動して暫く静止モードに入りました。越冬後、必死に産卵してきた母蝶もこうして命が尽きてしまうのでしょうね。産卵モードはさておき、小生、クロコノマ産卵シーン撮影は初体験で嬉しかったのです。
 産んだ3卵の拡大像です。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング),ISO=100,F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時42分

 ホストは定番のジュズダマではなく、恐らくカモジグサElymus tsukushiensis。湿潤環境にあるイネ科であれば種類を問わず産むのかもしれません。卵表面はほぼツルツル状態で、ジャノメチョウ亜科全般に共通する形態。表面構造が明白でなく、面白みがありませんが念のため、お持ち帰りして超拡大撮影も実施。
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EM12-P1442@42mm-P14R(上段16コマ/下段18コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月10日

 ほぼ球形で直径1.3mm。微妙に上下方向に扁平しております。この手の卵はあまり超拡大撮影する意義はないかもしれません。ただし深度合成する前のコマに微細な編目構造が観察できました。
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EM12-P1442@42mm-P14R(トリミング),ISO=200,F5.6-1/40、外部ストロボ、撮影月日:5月10日

 同様な編目構造はMycalesisYpthima属卵にもありますが、この2属に比較してかなり軽微なものです。本来、深度合成で、この編目構造がきちんと反映されなければなりませんが、合成アルゴリズムに起因するのか、合成像では編目が消えているのです。ちょっと残念ですが、素人には改善手段が無く、諦めております。照明を工夫することで回避できれば良いと思うものの、良い知恵が浮かびません。なお、撮影した卵は飼育中で、現在初齢幼虫になっております。飼育の過程はどこかで「飼育メモ」としてご紹介する予定です。
by fanseab | 2019-05-19 20:08 | | Comments(4)

ジャコウアゲハの産卵(5月上旬)

 多摩川縁の堤防ではゴールデンウイーク中、いつものようにジャコウアゲハが登場。♀は緩やかに舞いながら、ウマノスズクサを求めて産卵行動をしておりました。しかし、毎度のことながら本種産卵は草藪に潜り込んで行うため、草被りを避けるのは至難の業です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@173mm,ISO=200,F4-1/1000、撮影時刻:11時41分
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EM12-P520@100mm(トリミング),ISO=200,F4-1/1000、撮影時刻:11時44分
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EM12-P520@133mm(トリミング),ISO=200,F4-1/1000、撮影時刻:11時49分

 母蝶頭部・腹端・卵の3点セットで画面に揃えることはできても、翅がどうしても草被り状態(^^; 日当たりが良く、かつ草被りしないウマノスズクサには絶対に産まないので、仕方ありません。続いて産卵株を求めて叢を探索飛翔する母蝶です。
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EM12-P520@191mm(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/5000、撮影時刻:11時47分
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EM12-P520@150mm(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/5000、撮影時刻:11時56分
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EM12-P520@116mm(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/5000、撮影時刻:11時58分

 1,2枚目の個体は産卵シーンに登場したのと同一個体。3枚目の個体は左後翅尾状突起が大破しております。本当に叢をかいくぐるような飛翔モードで食草を探索するため、翅の痛みも酷いのでしょう。
by fanseab | 2019-05-15 20:58 | | Comments(0)

ツマキチョウの求愛他(4月下旬)

 多摩川でセセリ探索をしている際、見かけた蝶をいくつかご紹介しましょう。最初はツマキチョウの求愛シーン。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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3コマ共通:EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=800,F4-1/5000、撮影時刻:11時39分

 ここで面白いのは、♂の後方を♀が追跡する飛翔形式であること。通常、ツマキは♂が♀の後方から追跡するシーンが殆どです。今回連射して初めてこのような追尾形式を見ることができました。モンキチョウだと確実に♂が♀の前に飛ぶスタイルです。2コマ目では♀が♂の上に覆いかぶさるような挙動をしています。これは♂を積極的に拒否する行動なのでしょうかね?

 菜の花ではツマキに混じって、ヒメウラナミジャノメも吸蜜にやって来ました。この時期でしか撮れないシーンなので、パチリ。
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EM12-P520@200mm,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:11時44分

 前回記事でご紹介した外来植物、ナヨクサフジの若葉にモンキチョウが産卵しておりました。
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=200,F5-1/1000、撮影時刻:11時35分

 この時期のモンキはカラスノエンドウに産むことが多いのですが、潤沢に生えているナヨクサフジもモンキチョウの個体数増大に役に立っているようです。
by fanseab | 2019-05-04 20:12 | | Comments(3)

ツマキチョウの産卵(4月中旬)

 異なるポイント、異なるホストで本種産卵シーンの撮り分けを試みました。最初は東京都下の多摩川縁で、スカシタゴボウ(恐らく?)への産卵。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=200,F4-1/2500、撮影時刻:11時21分
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/1600、撮影時刻:11時29分

 このポイントは1980年代前半にギンイチモンジセセリの豊産地だった河川敷。訪問前のグーグルアース画像下見により、オギ群落はほぼ消失していることを確認済。河川敷開発から逃れ、僅かに残った群落は長さ50m幅30m程度で、ギンイチは確認できず。ツマキを撮影した場所はゴロゴロ石が散らばる河原。一面菜の花が咲いておりました。しかし、母蝶は菜の花には見向きもせず、スカシタゴボウの蕾に執着していたように思います。
 産卵直後の飛び立ちシーンも撮影。
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F7.1-1/5000、撮影時刻:11時30分

 面白いと思ったのは、腹端の姿勢。通常翅を下向きに羽ばたく際、尾部を上方一直線に伸ばしてバランスを取るのですが、ここでは産卵姿勢と全く同じ屈曲した姿勢を取っています。空中に飛び上がっても未だ産卵したがっている様子。

 次は、ムラサキハナナへの産卵。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/1000、撮影時刻:13時57分

 この日はミヤマセセリ♀産卵シーンを目的に東京都下の里山公園へ。しかし、コナラの新芽は既に完全に開いており、♀の姿は観察できず。どうやらタイミングが遅すぎた様子。仕方なくツマキに目を向けました。薄曇りが幸いしてムラサキハナナの花弁が落ち着いた発色をしてくれて、凄く良い雰囲気に仕上がりました。
 最後は、菜の花への産卵。ここは拙宅近くの多摩川河川敷。午前中、気温があまり高くならない頃合いを見計らっての撮影。それでも産卵時間が非常に短く、合焦する前に飛び立ってしまうので、苦労しました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F6.3-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時21分
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D500-34VR(トリミング),ISO=140,F5.6-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時58分

 ホストによらず、母蝶は蕾塊の隙間に産み付けるので、産附された卵と腹端の同時写しこみは厳しいですね。今回も、いずれの画像でも卵の写し込みには失敗(^^;
by fanseab | 2019-04-18 21:39 | | Comments(4)

谷戸の蝶(3月下旬)

 コツバメを撮影したポイントで観察した他の蝶をご紹介しておきましょう。この時期期待すべきはスギタニルリシジミ。♂は白梅で吸蜜しておりましたが、残念ながら場所が高く証拠画像レベル。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.3EV、撮影時刻:10時27分

 同時に発生していたルリシジミよりもサイズが小さく、かつ鈍い色なので、つい見逃してしまいますね。次いで♀。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F4.5-1/400、撮影時刻:9時31分

 ルリシジミ♂に誤求愛されていたので、ようやく気が付きました。未だ上手く飛べない正真正銘の羽化直個体。もう少し良い位置で撮りたかったものの、この後姿を見失いガックリ(^^; コツバメ同様、モフモフ感が半端なく、春の蝶らしい姿ですね。白梅にはトラフシジミもやってきました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F5-1/640、撮影時刻:9時33分

 こちらもピッカピカの個体。これまた直ぐに飛び去ってしまいました。エノキの梢ではテングチョウ♀がしきりに産卵しておりました。例によって高い枝先で青空バックになってしまいます(^^;
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時56分

 産卵管を枝先に突き刺している場面。産卵管のすぐ下には既に産附された卵が見えます。通常新芽の脇に潜り込ませるように産附されるのですが、この卵は枝に直接産んでいます。例外的な産卵パターンでしょう。この枝は特に母蝶にお気に入りだったらしく、合計8卵ほど産み付けられておりました。次いで同じ枝で別の産卵場面。
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分

 こちらは新芽の基部に産卵管を押し当てております。その直後の画像がこちら。
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分

 矢印先に産附された卵が確認できます。エノキではヒオドシチョウの卵塊産卵場面も期待したのですが、全く姿がありませんでした。同時に期待したヤマトスジグロチョウも坊主。こちらは少し発生が遅れているのかもしれません。
by fanseab | 2019-04-03 20:58 | | Comments(0)

中国四川省成都近郊遠征記:その19

 イチモンジチョウ亜科の続きです。最初はイナズマチョウ類。先ずはコンフィキウスイナズマ(Euthalia conficius conficius)♀。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400,F9-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、8時56分
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400,F9-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、8時57分

 青城山前山入場口の脇は小渓谷で、その梢高く、小飛を繰り返す個体がおりました。飛翔挙動から明らかに♀だろうと推測。ムチャ遠くて目一杯トリミングしています。後日、画像をイナズマチョウの権威、Yさんに同定して頂いたので、間違いありません。conficiusとは「孔子」様のこと。本種は中国以外にも分布しますが、ここ中国で孔子様に敬意を表して撮影すべきでしょう。管理人にとって、Limbusa亜属の♀を撮影したのはこれが初めて。今回遠征でも私的珍品の部類に属します。この♀を撮影したすぐ近くで、高所を滑空飛翔するEuthaliaの♂がおりました。本種なのか、或いは次に紹介するkardamaなのかを明らかにすることはできませんでした。いずれにせよ、午前8時30分頃、Euthaliaは既に活動をスタートしている模様です。
 次いで、カルダマイナズマ(E.kardama)♂。本種は都江堰でも撮影済ですが、人工物が背景になりやすい欠点がありました。その点、緑濃い青城山では自然な背景で撮影できます。
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D71K-34VR,ISO=400,F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、10時06分
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D71K-34VR,ISO=400,F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、10時07分
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D71K-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月16日、15時17分

 上2枚はケーブルカー乗り場に近い林床で、ひっそりと開翅していた個体。右前翅の一部を除けば完品で、独特な緑色に輝く姿にハッとさせられました。3枚目は結構擦れた個体。午後の暑さに耐えかねて敷石から吸水活動をしておりました。

 次はミナミイチモンジ(Athyma)属。最初はヒラヤマミスジ(Athyma opalina constricta)♂。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=200,F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、13時33分

 前山山頂での撮影。切株上でテリ張りしている姿です。完品だと絵になります。次も恐らく同じ個体。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400,F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、13時38分

 こちらは葉上で全開ポーズを取っています。ついでランガシロミスジ(A.ranga serica)♂。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400,F10-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、10時33分

 ケーブルカー乗り場前の広場脇の樹木上で全開しております。丁度逆光で、本種独特のゴマダラ模様が美しく切り撮れました。Athymaの3種目はニトベミスジ(A.jina jinoides)。都江堰では観察できなかった種です。最初は♂の吸水シーン。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400,F9-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年7月15日、9時43分

 遊歩道の鉄製手摺の上に止まっています。鉄分でも補給していたのでしょうか?次いで、♀の産卵行動。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400,F10-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年7月16日、13時50分

 前山8合目付近の草地でタッチアンドゴーを繰り返しており、明らかに産卵挙動を示しておりました。 但し、本種のホストはスイカズラ類(Lonicera sp.)もしくはツクシヤブウツギ(Weigela japonica)。この画像で止まっている草本はスイカズラとは思えず、偶々食草チェックで止まったのかもしれません。結局、産卵の現場も確認できませんでした。次回はNeptis属のご紹介です。
by fanseab | 2019-03-08 20:55 | | Comments(0)

アサギマダラの産卵行動探索・その2(11月中旬)

 前回失敗に終わった(クリックでジャンプ)産卵シーン撮影のリベンジマッチに行ってきました。この日も、快晴ほぼ無風のコンディション。林道起点近くにあるアズマヤマアザミは完全に枯れていて、アサギマダラの姿が全く見えません。ちょっとガッカリしながら標高を上げると、1頭がフワフワと林道を横切りました。但し未だ産卵行動には至らない時間帯らしく、そのまま姿を消しました。前回の反省から、産卵時間帯を午前10~11時頃と予測し、一番産附卵数の多いキジョラン群落に午前10時迄に到着し、母蝶を待ちます。しかし、正午を過ぎてもアサギマダラは姿を現しません。どうやら個体数が前回(10月下旬)よりも減少している印象です。待機途中、我慢できず、ちょっと別のポイントへ移動。日光浴している♀個体に出会いました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800,撮影時刻:11時18分

 前翅の浅葱色部分には円形の染みが目立ちます。恐らく夏眠中に生じたものでしょう。気温が高めなので、開翅は持続せず、すぐに翅を閉じてしまいました。
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EM12-Z12,ISO=200,F3.5-1/640,撮影時刻:11時24分

 結局、この個体も産卵挙動を示さずガックリ。元のポイントに戻り正午過ぎまでランチを取りながら待機。しかし、母蝶は1頭も現れません。またぞろ我慢できず、このポイントを離れてやや標高を下げた地点で、明らかな産卵挙動を取る♀個体を発見。時間は12時40分頃でした。但し残念ながらこの個体も近くにあったキジョランへの産卵は実現せず、森の奥に姿を消しました。再度元のポイントに戻り待機したのですが、午後1時半頃からドン曇り状態になったので、午後2時過ぎに撤収しました。
 キジョランポイントで母蝶を待機する時間を利用して、キジョランの葉捲りもしてみました。前回時点で見出した卵はほぼ孵化したらしく、新たに10卵ほどを見出し、幼虫も数頭発見。10月下旬から11月初・中旬までコンスタントに産卵行動をしていることが示唆されました。捲った葉裏の画像です。最初は幼虫と卵(矢印)が付いていた葉。
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EM12-Z12,ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:12時09分

 幼虫は恐らく2齢。次に単独幼虫を見出した葉裏です。
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EM12-Z12,ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 こちらも2齢でしょう。このような葉裏画像を撮る際、バリアングルモニターは大変便利ですね。前回訪問時、1つの葉裏に3卵も産附されていた葉には卵が全て消失しておりました。
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EM12-Z12,ISO=200,F5.6-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時12分

 アサギマダラ初齢幼虫は孵化後、卵殻を全て食切るので、孵化したのは間違いありません。但し、3頭の内、少なくとも1頭は卵が付いていた葉を食べる筈で、全て消失したのは、捕食者に食べられた可能性が高いと見ました。集中的に産卵されるポイントは、当然外敵にとっても狙い目のポイントになるのでしょうね。

 結局、この日も産卵シーン撮影は失敗。再リベンジをしたいのですが、流石に12月に入ってからは産卵シーンに出会う確率を減るでしょうから、今年はちょっと諦めかも・・・。今回、運よく正午過ぎに産卵行動を目撃したので、産卵時間帯はやはり正午前後と睨みました。長時間待機したポイントでは、確率的に母蝶に出会えなかった事が敗因なのでしょう。来秋季にチャレンジする際は、もう少し時期を早め、個体数の多い10月中旬頃狙うのもありかなと思っている次第。
by fanseab | 2018-11-25 20:16 | | Comments(2)

アサギマダラの産卵行動探索(10月下旬)

 新生蝶の観察もそろそろ終盤。♀産卵シーンのチャンスも、ヤマトシジミやベニシジミ或いはヒメアカタテハに限定されてきました。そんな事をボンヤリと考えていたら、突然思いつきました。「そうだ!アサギマダラを見に行こう!」、この時期、まだ産卵シーン観察のチャンスがあると聞いていたからです。向かったポイントは東京都下の低山地。標高は概ね200m。ブログ仲間のTGさんにお願いして情報開示をして頂きました。
 当日は快晴無風で絶好のコンディション。現地には9時30分着。のんびりと林道を歩き始めると、直ぐにアズマヤマアザミ(Cirsium microspicatum)で吸蜜中の個体を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=800,F4-1/1250,-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時43分

 この個体含め出会ったのは全て♀。延べ8頭ほど確認できました。それなりの個体数なので、産卵シーン撮影の期待が持てました。でも流石にこの時間帯はヒンヤリとしていて産卵行動には入らないと見て、キジョラン群落の場所まで先回りして環境の確認。恥ずかしながら管理人はキジョランをじっくり観察するのは、これが初めて。葉の面積が想像以上に大きいのにビックリ。
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TG4@5.5mm,ISO=200,F2.3-1/125,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時11分

 管理人の掌を一回り小さくしたサイズです。少し葉捲りをしたものの卵・幼虫は発見できず。林道をもう少し歩いて別の群落探しです。キジョランの分布は局地的で、この林道でも東向き、かつ急斜面に限定して生えていました。この時期、朝方から11時頃まで陽射しが当たるものの、午後は完全に日陰になるような環境を好むようです。キジョラン葉上には、円形にくり抜かれた特徴の幼虫食痕が沢山見つかります。
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TG4@5.5mm, ISO=100,F2.3-1/100,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時42分

 幼虫は基本的に葉裏生活者で、孵化直後は舐め食い状態。そのうち円形に切り抜くような食痕を付けていきます。この画像では右上に①舐め食い跡、左上に②円形線状食痕、中央左下に③円形刳り抜き食痕、の3形式の食痕が同時に観察できます。幼虫は不在で、恐らく前世代の幼虫が残した食痕なのでしょう。暫く探索し、更に何株かを葉捲りをしてようやく1卵(矢印)を発見!
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TG4@5.5mm, ISO=100,F2.3-1/30,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時50分

 真っ白な紡錘形で、シロチョウ卵とよく似ています。面白いもので1卵発見できると、連続して卵も幼虫も発見できました。卵と初齢幼虫(恐らく)のツーショット画像です。
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TG4@18mm(トリミング), ISO=100,F4.9-1/100,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時57分

 2齢幼虫と思しき個体も発見。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=64,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影時刻:11時41分

 体長は6.5mm。微妙に動くので深度合成に一苦労しました。ウロチョロ探索して、どうやら母蝶が集中的に産卵するポイントの特徴が見えてきました。低い位置の葉を好む傾向もあるようです。そうした直感をベースに捲った葉がこちら。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 林道路面から30cm高さにある2枚の葉(#1,#2)です。葉#1を捲ると、何と3卵も付いておりました。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時57分

 この画像には葉#2にも産み付けてあった1卵(矢印)がピンボケ状態で写っています。この画像からもよく分かるように、卵はキジョランの葉の縁から凡そ2cmほどの距離に産附されています。母蝶が葉縁に止まって腹端を延ばすと、丁度この位置に来るのでしょう。従って卵探索の際、葉を捲る時は葉の縁を掴んではいけません。誤って卵を握りつぶす可能性があるからです。葉柄部を掴んで慎重に裏返す配慮が必要です。葉#1の2卵塊を拡大してみました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=64,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 肉眼で見た感じと同様、本当にシロチョウ卵と雰囲気が似ています。高さは1.8mm,最大直径は1.2mm。やはり大きな卵だと思います。地表近くの葉に産附された事例をもうひとつご紹介しておきます。これがその葉。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 裏返すと2卵(矢印)付いておりました。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 この日は結局10卵、幼虫5頭を確認。ところが、肝心の産卵シーンはチャンスが全くありませんでした。時間帯は正午前後と睨んでキジョラン群落の近くで♀の登場を待機したのですけど、正午頃、一度現れた個体は全く産卵の気配を見せずに飛び去っていきました。天気が良いのにちょっと残念でした。この日は最高24℃まで気温が上がっており、ひょっとすると、産卵時間帯が1時間以上前倒しになった可能性もあります。11月に入っても未だチャンスがあると思われますので、再チャレンジしたいと思います。今回の観察について情報提供頂いたTGさんとは、なんと現地でバッタリ遭遇。色々と情報交換をしながら楽しい撮影談議ができました。この場を借りて御礼申し上げます。
by fanseab | 2018-11-04 20:36 | | Comments(2)

多摩川縁でお散歩撮影(9月上旬)

 出歩くのも嫌になる酷暑がようやく去って、多摩川縁を散歩する気力が出てきました。この時期、アカボシゴマダラ♀がエノキで産卵するシーンもよく見かけます。そろそろ第3化のシーズンでしょうかねぇ? ここはヨウシュヤマゴボウを背景に季節感を出してみました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、-0.3EV,外部ストロボ,撮影時刻:11時39分

 アズマネザサの上に新鮮なコミスジ♀を発見。曇り空の絶好の撮影条件なので、じっくり撮影。先ずはストロボ使用。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/320、-0.3EV,外部ストロボ,撮影時刻:11時55分

 背中の金緑色の輝きはいつ見てもワクワクします。しかし、画面右端の枝が邪魔!次は自然光で。
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D500-34VR,ISO=1000,F5.6-1/800、-0.3EV,撮影時刻:11時57分

 光の回り具合は抜群に良いのですが、右後翅右後方にある葉先の枯葉がまた邪魔をしました。なかなか思い通りに描けませんね(^^;
 明るい土手ではモンキチョウが求愛ダンス。思わずレンズを向けました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=2500,F8-1/4000、-0.3EV,撮影時刻:12時05分

 秋口はヤマトシジミの個体数も非常に多いです。すぐに交尾ペアを発見。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F2.8-1/1000,撮影時刻:14時06分

 強風に揺らいでいるので、結構撮影に苦労しました。河川敷は殆どクズで覆い尽くされています。クズの葉上を高速で飛ぶシジミは、やはりウラナミシジミでした。クズの花穂の周辺でスピードを緩めて♀探し。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F3.5-1/4000,撮影時刻:14時07分

 この子が多摩川縁を飛ぶのを見ると秋の到来を実感できます。メドハギの群落では、キタキチョウ♀が産卵行動。今回は産卵シーンではなく、その前後での飛翔シーンに重点を置いて撮影。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F3.5-1/4000,撮影時刻:15時07分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F3.5-1/4000,撮影時刻:15時08分

 この時期は、夏型と秋型が混在して飛んでいます。アップした個体は擦れが目立つ♀。2枚目矢印は既に産卵されたキタキチョウの卵です。多摩川の堤防は8月の上旬に定期的草刈りを受けて丸坊主状態になりましたが、今は緑濃い状態。ワレモコウの穂も色づいてきました。
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EM12-Z12,ISO=200,F3.2-1/640,撮影時刻:15時40分

 ワレモコウは多摩川縁ではやや珍品の部類に属します。北向きの急斜面に多いのは長野県あたりの里山と同じ状況です。ゴマが飛んでいたらなぁ~・・・といつも思います。
by fanseab | 2018-09-18 22:12 | | Comments(0)

アゲハの産み分け産卵(8月下旬)

「産み分け」と言っても、母蝶が♂と♀を産み分ける話ではありません。そんな事をしたら、適正?性比が保持できませんからね。さてまだ酷暑が残る昼下がり、拙宅庭先へアゲハが産卵にやって参りました。拙宅にはミカン科のホストとして、サンショウ、カラスザンショウ、コクサギを植えております。通常はサンショウかカラスザンショウに産み付けますが、この日は先ずコクサギに産みました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=4000,F8-1/1250,-0.7EV,撮影時刻:12時53分

 過去にこのコクサギ葉上から中齢幼虫を見出したことがあり、アゲハが産卵した事実はあったものの、産卵現場を現認したのはこれが初めて。貴重な画像になりました。証拠画像も撮りました。矢印が卵です。
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D500-34VR,ISO=500,F8-1/800,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時59分

 中脈上に産んでいます。この後、母蝶は繰り返し産卵場所を探索しながらフワフワと舞い飛びます。探索の過程で、フジバカマの葉にまで前脚連打をしております。
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D500-34VR,ISO=500,F8-1/800,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時54分

 実は左下に顔を覗かせているのはカラスザンショウの葉。柑橘系の臭気が隣に植えられているフジバカマにまで伝わっているのでしょうか。今度はそのカラスザンショウに産卵。
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D500-34VR(トリミング),ISO=900,F8-1/1250,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 母蝶の周辺の葉上には若齢幼虫が合計6頭確認できます。葉数と幼虫頭数の比は明らかにアンバランスで、すぐに餌が尽きてしまうでしょうね。母蝶は更に探索飛翔を続けた後、サンショウにも産み付けました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=2000,F8-1/1250,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時57分

 腹端の右横、葉裏に2個の卵が見えています。通常アゲハの産卵形式は葉上ですので、例外的な産附方式でしょう。同時に2個産み付けたのか、時間間隔を置いて産卵したのかは不明です。こうして、この母蝶は僅か4分間で、サンショウ、カラスザンショウ、コクサギの3種ホストに卵を「産み分け」たのです。これまでコクサギを除いた2種ホストについては、個別の産卵場面を観察・撮影した経験がありますが、同一時間帯で3種にも「産み分け」した場面に出会ったのはこれが初めて。少し得した気分になりました。
by fanseab | 2018-09-13 21:20 | | Comments(2)