探蝶逍遥記

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オオムラサキ♀探索(7月下旬)

 毎年、夏はオオムラサキを見るため、山梨県・甲府盆地周辺を逍遥しております。ご存知の通り、今年は全ての種で発生時期が異例に早く、例年なら新鮮個体♀が期待できるこの時期でも擦れている可能性があります。そんな不安を胸に、去年新たに見出したポイントに直行。台場クヌギに近寄ると、早速パタパタと翅音を立てて♂が飛び出しました。この力強い翅音を楽しむために山梨に通っているようなものです。去年の訪問より1週間早いことを差し引いても、個体数が2-3倍多い感覚です。どうやらオオムラサキの当たり年のようです。この日の目的は未だきちんと撮影できていない♀開翅画像の撮影。すぐに♀は見つかりましたが、適当なタイミングで開翅を撮るのに一苦労。先ずは最初のショット。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時40分

 ストロボを照射した影響で、前翅は見た目と異なる紫色の幻光が出てしまいました。明らかに構造色で、♂同様、♀前翅の鱗粉も構造食を発現するような微細構造を有しているのでしょう。次は紫色幻光が少し緩和されたショット。
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D500-34VR,ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時59分

 左前後翅の色調はほぼ見た目に近づきました。殆どスレ・欠けの無い個体でホッといたしました。さらにバシャバシャ撮影して、ようやく見た目にほぼ近い画像をゲット。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:9時37分

 左上の個体は既にボロボロ状態の♂です。ここまでの3カット共にディフューザーを装着していない外部ストロボでの撮影。しかし、殆ど類似したアングルでの撮影にも拘らず、紫色幻光の出現状態は大きく異なります。経験上、アカボシやゴマダラ、オオムラサキ共にディフューザーを単純にかませただけでは、地色の再現は上手く行きません。野外では実現困難なのですが、モノブロックストロボを3方向からスレーブ照射するような大掛かりな仕掛けが無いと自然光同様な拡散光は実現できないと思っていました。しかし、今回の結果は、撮影アングルの工夫で、ディフューザー無しでも地色表現が可能なことを示唆しております。改めてオオムラサキ♀色調表現の難しさを悟ったのでした。
 樹液吸蜜シーンは同じようなカットばかりで飽きてしまいます。運よく二股に分岐した場所に♀が来てくれたので、背景が抜けたスッキリしたショットも撮れました。
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D500-34VR,ISO=800,F8-1/320,外部ストロボ,撮影時刻:9時41分

 ♀は暫く吸汁した後、サッと飛び立って周辺の木陰で休息することが多いです。全開翅休息のシーン。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1250,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:10時02分

 上手い具合に、ホストのエノキ葉上に止まってくれました。こうした雰囲気は、熱帯アジアのオオイナズマ(Lexias属)を彷彿とさせますね。オオムラサキ♀が、いかにも重たそうに羽ばたく滑空飛翔は、やはり見応えがあります。この日、もちろん♂は既にボロボロ状態の個体が殆どでしたが、奇跡的に綺麗な個体が1頭おりました。
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D500-34VR,ISO=500,F7.1-1/800,撮影時刻:13時47分

 今年は完品個体♂狙いなら、6月下旬頃訪問しなければならなかたのでしょうね。また♀の樹液吸汁シーン撮影中、♂が♀に言い寄ってくる場面もみかけました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時48分

 中央下の♀に対し、右上の♂が巨大なバルバを露出させて迫ってくるシーン。もちろん「大願成就」はなりませんでした。♂がボロボロだと、このような求愛失敗した♂に余計感情移入してしまいますね(笑)
 この日は昨年までお馴染みにしていた別ポイントでも撮影。こちらは環境の激変で、個体数が激減してしまいました。かろうじて3頭の♂が群れている台場クヌギで♂飛翔シーンを撮影。
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EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:11時27分
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EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:11時28分

 ♂の翅裏はクリーム色が脱色して、まるでクヌギ樹肌と同化したかのような色調ですね。やはり♂の飛翔を撮るなら、7月上旬頃訪問しなければなりません。年々甲府盆地の平均気温も上昇傾向にあるのでしょうから、オオムラサキ撮影の適期もこれまでの常識が通用しなくなるかも。。。。この日は♀産卵シーンも期待していたのですが、そちらは期待外れ。樹液吸汁する個体数を観察すると、正午以降、♀が激減していました。恐らくこの時間帯に産卵が行われると睨んで、付近のエノキを見張っていたのですが、酷暑で集中力が続かず、結局産卵シーンは観察できませんでした。来年以降、再チャレンジです。
by fanseab | 2018-08-07 21:29 | | Comments(2)

ヒメシロチョウの産卵など(7月上旬)

 アサマの産卵シーンを狙ったこの日は、早朝コヒョウモンモドキのポイントを訪問(後日記事にアップ予定)、その後ヒメシロポイントへ移動し、更にアサマポイントへと分刻みのスケジュールで撮影しておりました。もっともアサマの産卵シーン撮影を主目的にしていたので、ヒメシロポイントには正午までしか滞在できません。しかも、ヒメシロの産卵時間帯は正午前後にあるため、午前中に産卵してくれる個体に期待するしかありません。現地には午前10時過ぎに到着。飛んでいるシロチョウはモンキのみでヒメシロの姿がありません。周辺の草地を飛び交っているヒョウモン類を撮影しながら待機していると、ようやく10時30分頃からヒメシロが飛ぶようになりました。ただ第2化発生初期のためか個体数は非常に少なく、厳しい状況。それでもツルフジバカマを求めて飛ぶ♀をようやく発見し、何とか産卵シーン撮影に成功しました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時45分

 この絵は正直B級ショット(^^; もう少しスッキリした場面で撮りたかったのですが、この時期はススキも含め他の草本類の草丈も高く、草叢内に潜り込むように産卵するので、結構アングルが規制されて難しいものですね。その後この母蝶は連続産卵することなく、飛び去っていきました。この母蝶を追跡後、産卵場所に戻ってみましたが、産卵位置を確認できず、卵の拡大撮影には失敗。産卵シーンを優先してしまうと卵画像が撮れない敗戦パターンです。ヒメシロの飛翔はご存知の通り、フワフワと緩やかで、♂の探♀飛翔と♀の産卵行動中の飛翔パターンが酷似しているため、遠目から♀を見分けるのが難しいものだとつくづく思いました。結局相手に接近して前翅端の黒班の状態を観察して♀個体を追跡するしかなく、探索効率が下がります。結局1時間30分滞在中、産卵シーンを観察できたのは僅かに一回でした。ここでもダラダラと発生が続きそうですし、第3化品で再度産卵シーンを狙うことにしました。個体数が少なかったものの、♂が♀(下)に言い寄る求愛シーンはここでも観察できました。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、撮影時刻:11時03分

 ♂の「大願成就」はならず、「感情移入」のみで終わったのはいつものパターンですね。さて、♀はノンビリと吸蜜に専念することが多かったので、これまできちんと撮影していなかった吸蜜シーンも撮影。
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D71K-85VR、ISO=200、F5.6-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:11時26分

 ヒメシロ以外のシロチョウとしては、スジボソヤマキの♂♀を撮影。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、撮影時刻:10時52分
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D71K-85VR、ISO=200、F7.1-1/1600、-0.3EV、撮影時刻:11時35分

 ヤマキ類裏面には翅脈間に繊細な襞模様があります。上質な和紙を連想させる皺模様は、いつ見ても不思議な美しさだと思います。
 さて、ヒョウモン類では圧倒的にウラギンが多く、その次にメスグロ♂♀、ミドリ♂、数が少ないもののオオウラギンスジ♂を確認。
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D71K-85VR、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 この手の個体を見ると、贔屓目でどうしても「ウラギンスジ」だと思いたくなりますが、残念ながらオオウラギンスジでした。その他、クモガタ♀もおりました。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時32分

 夏眠前のクモガタ♀もあまり撮影した記憶がありません。後翅への「花被り」がちと残念!ヒョウモン類が群れ飛ぶ草地にはヒメシジミも、それこそ蠅が飛ぶように多数群れておりました。で、すぐに交尾ペアを発見。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時55分

 ヒメシジミの交尾シーンって、ヤマトシジミのそれよりも観察頻度が多いような気がします。次回は時計を更に巻き戻して朝方実施したホシミスジの観察結果についてご紹介したいと思います。
by fanseab | 2014-07-10 21:07 | | Comments(4)