人気ブログランキング |

探蝶逍遥記

タグ:幼生期観察 ( 31 ) タグの人気記事

ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)

 前回首題観察から2週間ほど経過しました。今回は多摩川中流域で最も個体数が多いポイントへ参戦。しかし、梅雨寒と降雨続きでその後の発生経過が読めません。朝方の雨がようやく止んで、9時過ぎから探索開始。オギ群落の株高さは2mを超え、群落に突入すると前方視界が遮られるほどです。一回りしても全く相手の姿無し。気温は20℃を超えていますが、陽射しが無いので♂は全く飛翔しない状態と推測。仕方なく、長竿でオギをペシペシやりながら、ギンイチを飛び出させる作戦を敢行。突然、かなり新鮮な個体が飛び出して、すぐに葉に止まりました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_1712329.jpg
EM12-P520@200mm,ISO=200,F5.6-1/400、撮影時刻:9時15分

 いきなりの♀でした。裏面は綺麗ですが、縁毛はスレ始めております。腹部も比較的細いので、既に相当数の産卵をした個体なのでしょうね。この子は結構すばしこく、すぐに姿を見失いました。この後、2個体目の探索に結構苦労。ようやく飛び出したのはスレた♂。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_1713522.jpg
EM12-P520@185mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/400、撮影時刻:9時55分

 草被りを避けるのに一苦労。曇天なので、すぐに開翅もしてくれました。縁毛も擦り切れており、マクロで撮るのは遠慮して広角でパチリ。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_17132183.jpg
EM12-Z1240@12mm,ISO=200,F3.5-1/400、撮影時刻:9時55分

 この個体に少し飛んでもらって、飛翔撮影。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_17133720.jpg
EM12-Z1240@18mm(トリミング),ISO=1250,F5.6-1/4000、撮影時刻:9時58分

 この子を追跡中、不意に別の新鮮な♂個体が絡みました。慌てて、新鮮個体を追跡。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_17135145.jpg
EM12-Z1240@18mm(トリミング),ISO=1250,F5.6-1/4000、撮影時刻:9時59分

 静止した同じ個体の飛び出し場面も撮影。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_1714680.jpg
EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=1250,F5.6-1/4000、撮影時刻:10時00分

 表翅は傷が少ないですが、意外にも縁毛は既にかなりスレています。この個体をもうちょっと追跡したかったのですが、オギの丈が高く姿を見失ってジエンド(^^; 泣く泣く別個体を探索。何とか2♂を発見。やや新鮮な個体を選んで飛翔撮影。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_17142548.jpg
EM12-Z1240@14mm(トリミング),ISO=1250,F5.6-1/4000、撮影時刻:9時59分

 置きピン位置を短めに欲張り過ぎたため、失敗コマが多かったのは反省点でした。
 さて、ギンイチ探索中、ミヤマチャバネセセリ第2化が出ていないか?注意しておりました。『おぉ!♂がテリ張りしている』・・・と慌てて撮影してみたら、チャバネセセリの♂でした。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_1715235.jpg
EM12-P520@200mm,ISO=200,F5.6-1/640、撮影時刻:10時35分

 これにはガックリ。結局ミヤチャ成虫は全く坊主。何とか川縁のオギ(もしくはセイバンモロコシ)の葉先端に作られた巣(矢印)より3齢幼虫を発見。
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_17234918.jpg
EM12-Z1240@12mm,ISO=200,F5.6-1/4000、撮影時刻:10時17分
ギンイチモンジセセリ第2化:その2(7月中旬)_f0090680_17241889.jpg
EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=200,F7.1-1/160、撮影時刻:10時18分

 体長13mm。ミヤチャ幼虫巣も本来もう少しみつかるものですが、極端に少ない感じ。幼虫の齢数から逆算すると、第2化が6月下旬頃には始まっていたと推測。それにしてもミヤチャ成虫個体数は2化になっても増加せず、やや下流域での定点観測ポイントと同じ結果になりました。ちょっと心配な状況です。
by fanseab | 2020-07-24 22:15 | | Comments(2)

アオスジアゲハ蛹の擬態(6月中旬)

 近所へ買い物に行く途中、道路脇のクスノキをふと見上げると、アオスジアゲハの終齢幼虫の姿が。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
アオスジアゲハ蛹の擬態(6月中旬)_f0090680_1051412.jpg
携帯(トリミング),ISO=20,F1.8-1/250、撮影時刻:15時20分

 画面中央、クスノキ葉上の幼虫を確認できますか? 通常彼らは日蔭にいるので、発見し難いですね。アオスジの幼虫は常々探索しておりますが、熱心に探しても徒労に終わることが多く、逆に偶然見あげた際に見つかったりするので不思議なものです。さて、この2日後、同じ場所を探すと幼虫が姿を消しておりました。さては蛹化したか・・・と更に周辺を探索すると、首尾よく蛹を発見。
アオスジアゲハ蛹の擬態(6月中旬)_f0090680_1052075.jpg
EM12-P520@106mm,ISO=1250,F4-1/500、撮影時刻:16時08分

 この画像は発見当時の状況を再現するため、敢えてアンダー気味に現像してあります。画面中央に蛹を配置した構図なので、分かりやすいですが、この日は風がそれなりに強く、葉が揺らいでいる時は、クスノキの葉陰に紛れて見失うこと暫し。次にストロボを使用して撮影。
アオスジアゲハ蛹の擬態(6月中旬)_f0090680_10523470.jpg
EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=250,F6.3-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:16時09分

 胸部背面突起はクスノキの葉柄そっくりで、蛹表面を貫く複数の黄色い筋はもちろん、クスノキ葉裏の葉脈を模したもの。何時見てもアオスジ蛹の擬態能力に感心します。↑のように、ストロボを使うとクスノキ葉とアオスジ蛹の反射率が異なる関係で、蛹の姿は一目瞭然になります。そこで、夜間LEDサーチライトを照らして、クスノキ葉陰を探るとアオスジ蛹は効率的に探索できます。もちろん住宅街でこんな行動をすると、一発で不審者扱いされるので、なかなか実行できないのですけど・・・(^^;

 さて、別のアングルからも撮ってみようと、裏側に回り込みました。するとどうでしょう! 蛹の姿が忽然と消えました。おかしいと思い、元の位置に戻り、枝振りや葉の付き方を記憶してから再度裏側へ。またも、姿が見えません。これを何回か繰り返してようやく蛹を発見。発見に手間取ったのは、蛹の姿形が想定外のものだったからでした。
アオスジアゲハ蛹の擬態(6月中旬)_f0090680_10533269.jpg
EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=250,F6.3-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:16時10分

 菱形のような紡錘形に「変身」していたのです!アオスジの蛹形状はいつも真横から見た姿で記憶しているため、「紡錘形物体」を脳がアオスジと認識できなかったのでしょう。紡錘形に変身することで、あたかもクスノキ葉に、もう一枚別の小さい葉が付着したように見えますね。改めて彼らの擬態戦略に驚かされた次第。
タグ:
by fanseab | 2020-07-07 22:12 | | Comments(0)

外来種アカボシゴマダラ・生死の境目(10月下旬)

 前回記事より少し時間を引き戻して、拙宅庭のエノキでの出来事。9月中旬頃、アカボシゴマダラ第3化世代が産んだ卵は順調に成長し、10頭以上の蛹が鈴なり状態になりました。この時期、真夏と異なり早朝ではなく午後に羽化がスタートするため、ほぼ日毎に羽化を観察できます。この日も1♀が羽化しました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
外来種アカボシゴマダラ・生死の境目(10月下旬)_f0090680_10195047.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時31分

 別のアングルからもう1枚。
外来種アカボシゴマダラ・生死の境目(10月下旬)_f0090680_1020765.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時41分

 羽化した♀個体のすぐ右に別個体の蛹が見えております。次いで40分後の姿。
外来種アカボシゴマダラ・生死の境目(10月下旬)_f0090680_10202151.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:15時14分

 ほぼ翅が伸び切って、♀らしい翅型が確認しやすくなりました。未だ夜間の冷え込みが厳しくなく、この時期羽化する個体の斑紋は特別白化が進んでおりません。
 さて、この観察の途中、他個体蛹の翅状態も確認しておりました。すると、エノキの樹冠に近い位置にあった蛹の様子がどうも変です。反対側に回り込んで望遠レンズで覗くと、驚愕の姿が!
外来種アカボシゴマダラ・生死の境目(10月下旬)_f0090680_10205233.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=800,F7.1-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時41分

 何と、ハラビロカマキリHierodula patelliferaがアカボシ蛹を摂食している真っ最中でした。以前から蛹が突如消失する事例があって、恐らく野鳥の仕業だろうと仮説を立てていたのですが、想定外の犯人がいたのです。アカボシの蛹もエノキの梢内に見事に溶け込む擬態の名人ですが、このカマキリの擬態も流石ですね。産卵前の♀にとって、確かにアカボシ蛹は食いごたえのある獲物なのでしょう。↑の画像を撮影した翌日、蛹を確認すると、懸垂器のみ残されておりました。
外来種アカボシゴマダラ・生死の境目(10月下旬)_f0090680_10212171.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/160、外部ストロボ、撮影時刻:9時13分(11月上旬)

 ほぼ同時刻。方や無事羽化、方やカマキリに食われ、敢え無く最後を遂げる・・・、生死の境目は将に紙一重ですね。
 ところで近年、件のカマキリに酷似した外来種、ムネアカハラビロカマキリHierodula sp.が日本国内に分布拡大していることが知られています。鎌の模様などから判断して、↑で観察した個体はどうやら在来種。そのうちムネアカがアカボシ蛹を食う光景が見られるのかもしれません。外来種蝶が外来種のカマキリに捕食される光景など、数10年前には想像できた人がいるでしょうか? 侵略生物は人知れず昆虫達の生存競争の構図まで変えていくのでしょう。

タグ:
by fanseab | 2019-11-13 21:37 | | Comments(6)

ミヤマチャバネセセリの卵探索(9月中・下旬)

 多摩川縁で画策していたミヤチャ第3化品の産卵シーン撮影は結局実現できませんでした。この撮影と同時に既に産附されていた卵の探索も行いました。今回の目的は、産附高さの再確認。これまでの管理人の観察経験から、イネ科のオギMiscanthus sacchariflorusに於いては、概ね地上50~80cmの比較的高い位置に産む知見がありました。しかし、これまできちんとデータと把握していなかったので、今回は多少n増しして再確認をしたのです。ミヤチャはオギ群落の場合、夏場は特に群落中央に産むことは稀で、群落の縁、もしくは単独株に多く産附します。風通しも日当たりも良い環境を好みます。先ずはその事例を2例ご紹介しておきましょう。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
ミヤマチャバネセセリの卵探索(9月中・下旬)_f0090680_2113835.jpg
D500-34VR,ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:15時56分(9月中旬)
ミヤマチャバネセセリの卵探索(9月中・下旬)_f0090680_2114997.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:9時52分(9月中旬)

 1コマ目はガガイモ群落からポツンと抜き出た株の事例。典型的にミヤチャが好む株形状です。株高は約80cm。矢印が卵。産附高さは38cm。産附されてから数日経過しているらしく、既に胚形成がされた卵でした。2コマ目は同様な単独株。よほど母蝶に気に入られたのか、3卵(矢印)も確認できます。産附高さは共にほぼ38cm。
 結局数日間の探索で合計20卵発見。このうち17卵について産附高さを記録しました。結果は下記の通り。#2/#2’は時期を違えて同じ株に産んだ事例です。

#1   80cm  #6  90cm  #13  74cm
#2#2’ 69/69  #7  38   #14   38
#3   89   #8  50   #15   58
#4   75   #9-11 38   #16   48
#5   50   #12  70

 平均高さは59.5cm。概ねこれまでの経験則と一致した値でした。それと、今回明らかになった事実として、これまで例外的と思われていたイネ科・セイバンモロコシSorghum halepenseへの産附例が少なくとも3例確認できたことです。上記観察結果で、#5,#12,#13は花穂が付いていた株だったので、明らかにセイバンモロコシと同定できました。更にそれ以外の株は花穂が付いていない状態なので、オギかセイバンかの判断が現時点では付きかねる状態。従ってもう少し時間が進行してそれぞれの株が花穂を付けた状態で、最終確認したいと思っております。
 どうやら管理人は、「セイバンへの産卵は例外的・・・」との思い込みをしていたようです。そこで、現在2卵を採卵し、初齢からセイバンモロコシで飼育し、フルステージ飼育完了可能かを確認中です。オギ、ススキ以外にもセイバンモロコシで問題なく発育していくことが確認できれば、多摩川流域でのミヤチャ存続にとってはかなりの朗報になると思います。河川敷土壌の乾燥化が進むとオギが縮退し、セイバンが優占種となるからで、多摩川中流域の多くのミヤチャポイントで上記植物相遷移が進行中と思われます。
 卵探索の途中、ミヤチャ幼虫を見出しました。巣形成がされていた株がオギか、セイバンかは不明です。巣から出てもらって撮影。
ミヤマチャバネセセリの卵探索(9月中・下旬)_f0090680_212575.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=100,F7.1-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:9時52分(9月下旬)

 体長は約30mm。頭殻にミヤチャ独特のパターンが認められるので、これは終齢幼虫でしょう。9月下旬段階では全ての産附卵が孵化済みですが、この時期、初齢~終齢までの全ステージ幼虫が生育しているようです。これまでの観察経験から蛹化(越冬蛹)は早くても10月下旬頃と思われます。
タグ:
by fanseab | 2019-10-05 21:07 | | Comments(0)

ミヤチャの卵探索(9月上旬)

 多摩川縁で、まずまずの個体数のミヤチャ第3化を観察できたので、オギ等に産附されている卵を探索。河川敷で先ず出会ったのはウラナミシジミの産卵シーン。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
ミヤチャの卵探索(9月上旬)_f0090680_14202283.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=320,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:15時01分

 クズの蕾への産卵。今シーズン初めてのウラナミ産卵画像。少し翅の向きが悪かったですね。
前回ミヤチャが群れている付近を重点的に探索すると、母蝶の姿が。
ミヤチャの卵探索(9月上旬)_f0090680_14204397.jpg
D500-34VR,ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:15時11分

 羽化直のようなとても綺麗な個体。葉陰でじっとしていて、一向に産卵挙動を示しません。時間的に遅すぎたのかもしれません。この母蝶の近くで最初の1卵を発見。オギの葉上です。
ミヤチャの卵探索(9月上旬)_f0090680_1421590.jpg
D500-34VR,ISO=400,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:15時09分

 次いで、セイバンモロコシ葉上でもう1卵発見。
ミヤチャの卵探索(9月上旬)_f0090680_14212299.jpg
D500-34VR,ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:15時12分

 管理人にとって、セイバンモロコシへの産附はこれが2回目の事例です。フルステージ、このホストで育つなら、ミヤチャにとっては朗報です。何故かと言えば、オギ群落が徐々に縮退し、外来種のセイバンモロコシが優占する場所が増加しているからです。上手く食草転換できれば良いのですが・・・。この日は結局、↑の卵含め、合計4卵を発見。まずまずの成果です。

 蛹も発見。
ミヤチャの卵探索(9月上旬)_f0090680_14221727.jpg
D500-34VR,ISO=800,F8-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:15時18分

 撮影のため、丸めた葉を開いています。残念ながらこれは寄生個体の様子。イチモンジセセリと異なり、ミヤチャは一枚の葉を軽く丸めて蛹化するのが特徴。イチモンジは必ず複数葉を巻き込んで蛹化巣を形成します。このため、両者の蛹は遠くからでの直ぐに識別可能なのです。
 この時期はイチモンジセセリが本当に群れるように飛んでいます。♀に複数頭の♂が絡むシーンも観察できました。
ミヤチャの卵探索(9月上旬)_f0090680_14223720.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:15時22分
by fanseab | 2019-09-10 20:58 | | Comments(2)

コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)

 首題種の産卵シーンについては、8月2日付の記事で既にご紹介済です。今回は産卵シーンのみならず、孵化したての初齢幼虫まで観察できたので、まとめて記事にします。
 最初はクガイソウでの産卵シーン。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1143071.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=400,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時20分

 流石にこの時期になると、母蝶(個体Aとします)も哀れな姿になっています。ここでは産附済の4卵が確認できます。2時間半後、同じ株に戻ると未だ母蝶が産卵しておりました。しかし、良く見ると、この子は先程とは別個体(個体B)。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1145011.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 この葉裏にはどうやら2卵塊産み付けられています。母蝶が飛び去った翌日、この葉裏を撮影。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_115718.jpg
TG4@8.9mm,ISO=100,F3.2-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時18分

 左下は210卵塊、右上は76卵塊。右上、左下は各々個体A、Bが産附したものと推定。このクガイソウ株から別途178卵塊を発見。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1152783.jpg
TG4@8.9mm,ISO=100,F3.2-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時18分

 葉の主脈上には産み難いのでしょう。主脈上で卵塊に隙間ができています。今回産卵シーンを見出した株は小渓流の畔にあって、数株群れた場所。個体Bの産卵シーンを観察中、別の♀個体も飛来しました。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1161419.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F7.1-1/250、撮影時刻:12時59分

 個体の特徴から見て、上の葉にやって来た個体はA(下の葉で産卵中は個体B)と判断しました。
 さて、7月下旬に産卵シーンを観察したクガイソウ株に移動、産卵後の状況を確認してみました。最初は当時、産まれていた卵塊の状況。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_11163388.jpg
EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=100,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時37分

 未孵化状態ですが、黒い頭部の一部でしょうか、胚形成が始まっています。この時点で産卵後13日を経過しております。卵期はほぼ2週間と推定。結構長いですね。この株に産附されていた313卵塊はどうでしょう? 当該葉をチェックすると、葉の様子が少し変。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1172858.jpg
EM12-Z60,ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 所謂「舐め食い」の食痕です。裏返してみると・・・。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_117504.jpg
EM12-Z60,ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 大量の初齢幼虫が葉裏に群れ、これとは別に160卵塊が確認できました。前回以降、新たに産附された卵塊のようです。初齢幼虫の群れを拡大撮影。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1183490.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 卵殻は殆ど残されたままなので、多くの孵化幼虫は卵殻を食することなく、葉裏を齧り始めるのでしょう。更に幼虫単独の拡大像をまとめてみました。
コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)_f0090680_1185086.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 体長は2mm弱。念のため、このクガイソウの葉捲りを再度実施。すると驚いたことに、新たに下記4卵塊を発見。
①89、②80、③107、④111
 先程初齢幼虫集団傍から見出した160卵を加えると、結局、このクガイソウ株には何と合計1043卵も産まれていたのです!前回の記事でも述べたように、500卵でも明らかに食草が不足するはずですが、1000卵を超えると大変です。共食いの習性でもあれば、この問題は解消しそうですが、そんな習性もなさそうなので、越冬前に大半の幼虫は集団引っ越しをせねばならないのでしょう。考えてみると、国内のMelitaea属3種はいずれも越冬態は幼虫、しかも集団越冬方式です。しかもこの3種共に絶滅危惧種なので、「卵塊産附→幼虫集団越冬」は結果的にハイリスクな生活史と言えるかも・・・。コヒョウモンモドキも鹿食害等の影響で恐らく5年以内には、現在の「絶滅危惧1B類」から「同1A」に格上げになり、人工繁殖下でないと、種の存続が危うくなるでしょう。今のうちにクガイソウ&代替ホストの繁殖ノウハウ、人工交配等の飼育技術確立が必須でしょうね。

<8月30日追記>
動画も作成しました。
こちらをご覧下さい。


by fanseab | 2019-08-19 22:02 | | Comments(0)

コヒョウモンモドキ(7月中旬)

 コヒョウモンとほぼ同じ狭いエリアで飛んでいるのが本種。コヒョウモンの飛翔高度もそれなりに低いですが、モドキは更に低い高さを緩やかに飛びます。本種も出始めで、いずれも新鮮な個体ばかりでした。最初はアカツメクサで吸蜜する♂。
 
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_142932.jpg
EM12-P520@180mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:13時18分

 「縁毛フェチ」を自認する管理人としては痺れる場面です。気温が低いこともあって、閉翅シーンをなかなか撮影できません。何とか粘って♂裏面を撮影。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_1423163.jpg
EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/640、撮影時刻:13時13分

 後翅裏面のモザイク模様~縁毛部までのデザインは本当に美しい蝶だと思います。広角でニガナの1種から吸蜜する場面も撮影。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_1425199.jpg
EM12-Z1240@12mm,ISO=320,F5.6-1/500、撮影時刻:10時34分

 吸蜜を終えた♂がフワフワと飛んでワラビの葉上に舞い降りると、コキマダラセセリ♂とのツーショットが完成。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_1432488.jpg
EM12-Z1240@12mm,ISO=320,F5.6-1/1000、撮影時刻:10時36分

 高原を代表する濃オレンジ色がワラビの葉上で輝きます。しかし、こうしてセセリ類と並んでみると、改めてコヒョウモンモドキの小ささが実感できますね。ついで全開翅休息する♀。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_143572.jpg
EM12-P520@123mmX1.4TC,ISO=320,F5.6-1/1600、撮影時刻:10時29分

 続いてアザミ類で吸蜜する♀。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_144115.jpg
EM12-P520@193mmX1.4TC(トリミング),ISO=500,F5.6-1/1600、撮影時刻:10時24分

 後翅のモザイク模様をどうしても表現したいため、下から覗き込むアングルで撮影。アザミがショボくてちょっぴり残念(^^; ミズナラ葉上からの飛び立ち飛翔にもトライ。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_1443570.jpg
EM12-P520@50mmX1.4TC(トリミング),ISO=1250,F5.6-1/4000、撮影時刻:10時28分

 抜けた背景だと、白いダンダラ模様の縁毛が引き立ちます。この日は時期的にクガイソウが未だ咲いておらず、ホストとのコラボ画像は撮れませんでした。1、2週間後には、そんな絵も狙えるのでしょう。それと期待した交尾シーンにも出会えませんでした。

 この高原では複数のカメラマンが蝶を追いかけておりました。そのお一人が「本種の蛹を撮影した」とお聞きしたので、勝手を言って場所をご案内頂きました。もちろん管理人にとって本種蛹は初撮影。1頭はスモモの実生、もう1頭はワラビの茎で垂下しておりました。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_14304711.jpg
EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=500,F7.1-1/800、撮影時刻:9時42分
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_14305789.jpg
EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=500,F7.1-1/400、撮影時刻:9時42分

 2頭の比較画像も作ってみました。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_1440497.jpg


 体長は#1、#2がそれぞれ12mm、13mm。断言できませんが、尾端構造から推定していずれも♀だと思います。白地に黒点および橙色が混じる結構派手なデザイン。しかし、背景に紛れると、これが保護色として働くから意外です。垂蛹を見出した環境を少し引いて撮影。
コヒョウモンモドキ(7月中旬)_f0090680_14312123.jpg
EM12-Z1240@14mm,ISO=500,F8-1/500、撮影時刻:9時40分

 高さ基準として置いたペットボトルは高さ20cm。矢印#1(地上高30cm)、#2(同31cm)の先に蛹が付いていますが、分かりますか(画像をクリックして拡大して初めて何とか認識できるレベル)? この画像、カメラ目線を相当下げて撮影しております。このポイントをなにげに歩きながら上から見下ろしても、蛹は葉陰に隠れて全く目に入りません。蛹を独力発見されたカメラマンの眼力に敬服いたします。

 次回はオオミスジやその他のタテハ類をご紹介します。
by fanseab | 2019-07-22 22:38 | | Comments(0)

イチモンジチョウの卵(6月中旬)

 東京都下の谷戸でスイカズラの葉上をチェック。運良く首題種の卵を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
イチモンジチョウの卵(6月中旬)_f0090680_1137479.jpg
TG4@18mm,ISO=100,F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時35分

 この卵は既に胚形成がスタートしていて黒い頭部が確認できます。コミスジなどNeptis属そっくりの形態をしています。このポイントは南向きの日当たりの良い林道脇にありました。よほど母蝶が気に入ったのか、卵、初齢幼虫含め合計10個体を確認できました。3卵を飼育目的で自宅に持ち帰りました。3卵の産卵位置をまとめておきます。
イチモンジチョウの卵(6月中旬)_f0090680_11373413.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F5-1/50、外部ストロボ

 スイカズラの葉先端ではなく、産卵位置は結構バラバラです。なお個体#1,2は孵化済。#3は未孵化状態。母蝶の産卵シーンは未確認ですが、恐らく茎か葉柄部に掴まり、殆ど後ずさりすることなく、腹端を伸ばして産んだものと思われます。初齢幼虫も撮影。
イチモンジチョウの卵(6月中旬)_f0090680_11375431.jpg
TG4@18mm,ISO=100,F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時35分

 体長3mm強。中脈を残し、糞を付近に集団でまとめて残す独特な習性です。持ち帰った卵を例によって超拡大撮影。
イチモンジチョウの卵(6月中旬)_f0090680_11381272.jpg
EM12-P1442-P14R(上段29コマ/下段30コマ深度合成+トリミング),ISO=64,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月21日

 最大直径1.14mm、高さ1.06mm(いずれも棘皮含む)のほぼ球形。六角形のハチの巣状凹みがあって、その各頂点から棘皮が伸びる構造。基本的にはNeptis属と共通します。なんせ共にイチモンジチョウ亜科なので、当然かもしれません。ハチの巣状凹みからの反射光は強烈で、レンズ特性からかブルーの色収差が出て、ちょっと不愉快。レンズ系を再度見直して色収差を消去したいものです。今回採卵した3卵の内、1卵は孵化せず、残り2卵は順調に飼育中です。飼育結果はまた記事でご紹介したいと思います。
by fanseab | 2019-07-04 21:25 | | Comments(0)

トビモンオオエダシャク終齢幼虫(6月中旬)

 拙宅庭には樹高2.5m程のエノキがあり、ここに産卵するアカボシゴマダラやゴマダラチョウを観察して楽しんでおります。樹高を維持するため、毎年数回の剪定を実施しています。先日剪定した枝を捨てる際、エノキの枝とは異なる「ムニュ~」した違和感を覚え、慌ててその枝を離しました。枝と思ったのは枝ではなく、とんでもなくデカい尺取虫でした。早速愛用の「イモムシハンドブック」で調べると、トビモンオオエダシャクBiston robustusの終齢幼虫と判明。元のエノキに戻して全体像を撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
トビモンオオエダシャク終齢幼虫(6月中旬)_f0090680_1038766.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:15時01分

 画面中央にいるのですが、場所わかります?アップしてもご紹介しておきましょう。
トビモンオオエダシャク終齢幼虫(6月中旬)_f0090680_10382774.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:14時55分

 背景のエノキの樹肌の質感とモノの見事に擬態しております。本種幼虫の体色は相当バリエーションがあるようで、食べるホストの枝や幹の色に応じて幼虫体色も変化するのでしょう。折角ですので、正面・側面像もまとめておきます。
トビモンオオエダシャク終齢幼虫(6月中旬)_f0090680_10384075.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:14時58分


 体長88mm。恐らく国内のエノキ食い鱗翅目幼虫で、最大サイズでしょう。オオムラサキも太さはこの尺蛾幼虫よりは太いですが、長さは完敗ですね。これまで毎日のようにこのエノキを観察していて本種幼虫を発見したのは今回が初。もちろん擬態の見事さで見逃していた事例もあるのでしょうが、拙宅庭のエノキに本種が卵を産むのは稀なことなのだと思います。
 さて、この幼虫の最大の美点では長さではなく、その頭部。拡大像です。
トビモンオオエダシャク終齢幼虫(6月中旬)_f0090680_1038567.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:15時00分

 ヒカゲチョウ幼虫頭部でよく見られる「うさちゃん」スタイルですが、その内部に淡い色で「ニャンコ」が隠れているのです! 随分凝ったキャラ顔ですよね。蛾の幼虫にも奇想天外な姿形を持つ種がいます。本種は全体的に地味な印象ですが、頭部で楽しませてくれるタイプの幼虫でしょう。
 この子を撮影して2日後に突然姿が消えました。恐らく土中に潜り蛹化準備に入ったのでしょう。これから夏~冬を蛹で過ごし、順調ならば来年4月頃羽化するはずです。本種もギフチョウ同様、立派な「スプリングエフェメラル」なのです。
タグ:
by fanseab | 2019-06-25 22:05 | | Comments(2)

キアゲハ終齢幼虫(5月下旬)

 少し時間を巻き戻して先月下旬の話題。多摩川縁でキアゲハが好むハナウドHeracleum sphondyliumをチェックしていたら、多数の本種終齢幼虫がみつかりました。最初は茎に静止している個体。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
キアゲハ終齢幼虫(5月下旬)_f0090680_20595516.jpg
EM12-P520@127mm,ISO=200,F5-1/640、撮影時刻:11時37分

 次にハナウドの果実を食う個体。
キアゲハ終齢幼虫(5月下旬)_f0090680_2101327.jpg
EM12-P520@200mm,ISO=320,F4.5-1/640、撮影時刻:11時39分

 以前、ハナウドでキアゲハを飼育した経験があります(クリックでジャンプ)。この時は全て葉を食べておりました。今回の野外観察では、季節の進行で葉が黄ばみ始めていて美味しくないのでしょう。果実は茎より栄養価も高いこともあるのかな? ミカン科食いの黒系アゲハ幼虫がミカンの実を齧ることはありませんよね。セリ科食いのキアゲハならではでの摂食行動だと思います。今回は個体数が異常に多く、一つの株に複数の幼虫が付いている状況。
キアゲハ終齢幼虫(5月下旬)_f0090680_2102912.jpg
EM12-P520@179mm,ISO=400,F4.5-1/640、撮影時刻:11時44分

 好んで食べている果実もあっという間になくなりそうです。記事がアップされた頃は全て蛹になっているはず。もっとも枯茎に紛れて、この子の蛹を野外で発見することは難しいでしょうけどね。
タグ:
by fanseab | 2019-06-10 20:58 | | Comments(0)