探蝶逍遥記

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アサギマダラの幼虫探索(1月上旬)

 今年最初の観察は越冬中のアサギマダラ幼虫探し。今回は昨年11月に訪れた東京都下ではなく、神奈川県北西部のポイント。もちろん初訪問です。針葉樹に囲まれ、アオキの群落がある付近がポイントと睨みキジョラン群落を探しますが、容易に発見できません。結構苦労して探し回った結果、ようやく25mX100mの狭い地域に比較的集中して生えている場所を見出しました。生息環境を整理すると、
①南向きの傾斜地(斜度約25度)
②針葉樹に囲まれて北西季節風をシャットアウト可能
③林床に陽ざしが差し込む
 特に③は大事な要素のようで、陽ざしが悪い場所のキジョランは少し枯れかけていたり、生育状況が悪く、アサギマダラ幼虫も付いておりません。逆にこの狭いポイントで一番陽ざしの良い高さ2mの株からは、6頭の2齢幼虫を発見できました。幼虫画像です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:12時57分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時05分

 飼育した知見が活きて、この子は確実に2齢と言い切れます。体長は7mm。別の2齢幼虫2個体の姿です。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時07分
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 1枚目の個体は脱皮直後らしく、脱いだ皮が左上方に残ったままです。この日確認できた幼虫は全て2齢で、それ以外はいませんでした。今後継続観察するには、東京都下のポイントより都合が良さそうなので、時折様子を覗いてみたいと思います。順調ならば4月下旬頃終齢幼虫もしくは蛹が見られそうです。
by fanseab | 2019-01-05 16:08 | | Comments(2)

アサギマダラの飼育メモ

 10月下旬、東京都下のポイントで採卵した1卵をフルステージ飼育した記録です。餌は全てキジョラン。11月3日に孵化。孵化直後は動き回って撮影できず。眠が近い初齢幼虫です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月4日

 体長5mm。孵化直後はほぼ無紋ですが、すぐに浅葱色の小紋が出現します。初齢段階で既に成虫の斑紋を想起させる色調を纏っていることには驚かされます。孵化直後はキジョランの葉裏を円形に「舐め食い」し、その後、葉の厚み全体を食い切っていきます。この時期の幼虫特有の円形食痕と初齢幼虫の姿です。
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/15,外部ストロボ、撮影月日:11月4日

 野外ではキジョランの葉裏に静止しておりますが、飼育でたまたま葉裏を上側に向けて置くと、幼虫は葉表側(光沢のある面)で静止しております。常に葉陰側に潜んで、外敵から目をくらます知恵なのでしょうね。5日に眠、翌6日に2齢へ。
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EM12-Z60(上段3コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=64/200,F4.5/5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月9日

 体長9.5mm。白斑が明確になり、気門線周りおよび腹節の一部に黄色紋も出現。更には、中胸部と第8腹節に棘状突起も現れました。9日に眠、翌10日3齢。
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EM12-Z60(上段3コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月13日

 体長14.3mm。2対の突起の長さが伸びて、本種幼虫らしい姿になりました。2齢に比較して亜背線にペアで配置される、やや大型黄色紋の範囲も伸びてきますが、未だ中央腹節部には白色班が残っています。13日眠、翌日4齢へ。
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EM12-Z60(上段5コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=64,F5/4-1/30,外部ストロボ、撮影月日:11月16日

 体長22.5mm。中胸部の突起は更に伸びて頭部より先に届くようになりました。なお体長は突起を含めず頭部から尾端までの長さを計測した値です。亜背線両側の大型黄色紋は腹節全体に広がりました。加えて、これまで黒一色だった頭殻にも白斑が入りました。4齢時の食痕も示しておきます。
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EM12-Z60,ISO=200,F2.8-1/80,外部ストロボ、撮影月日:11月16日

 この齢数では、葉の縁からどんどん齧るため、食痕に規則性はありません。17日に眠、19日に5齢(終齢)到達。
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EM12-Z60(上段3コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30&1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月24日

 体長39mm。幼虫体形が太くなり、白斑の数が増加し、いかにも「斑蝶」らしい幼虫の雰囲気が出てきました。4齢時からそうですが、中胸から突出した長大な突起は、能動的に動かせ、時折食草の表面に突起先端を接触させる行動が観察できます。明らかにこの突起先端には感覚センサーが付いているのでしょう。他のタテハチョウ科幼虫の棘状突起とは機能が異なるように思います。一方第8腹節から伸びる突起は、中胸のとは異なり動きません。単に、外敵から頭部と錯覚させる擬態部品として有効なのでしょう。参考のため、5齢頭部を正面から拡大した絵もアップしておきましょう。
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EM12-Z60(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:11月24日

 5齢より、頭部模様が複雑化して、浅葱色の斑紋が出ております。面構えはバイキンマンのような悪役イメージですね。
 なお、孵化から3齢途中までは、産附されたキジョランの葉を食べておりました。結局、前蛹までに食したキジョランの葉は合計4.7枚でした。また、野外採葉したキジョランには、マダラヤドリバエの微小卵が付いているようなので、スポンジで擦って微小卵を除去した後、幼虫に与えるなど、細心の注意を払いました。11月28日に前蛹。
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EM12-Z60(6コマ深度合成+トリミング),ISO=400,F5.6-1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:11月28日

 種類によらず前蛹時には体色が微妙に変化します。アサギマダラでは、これまで観察されなかった緑色を帯びてきました。当初、葉被りして画像が緑色に染まったのか?と誤解した位です。翌29日、無事蛹化しました。
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EM12-Z60(左4コマ/右3コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30&1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:11月30日

 体長(懸垂器部分を除く)24mm。まるで翡翠を彷彿とさせる宝石のような姿です。イヤリングとして販売したら売れるかも(^^) 前蛹時に緑色を帯びた理由が理解できました。孵化から蛹化まで要した日数は26日。蛹化から概ね10日ほどで羽化するだろうと期待しておりましたが、一向にその気配がありません。結局冬らしい寒さになって来た12月15日を過ぎて、ようやくストロー周りの組織が黒く変化。その後、本種らしい前翅の斑紋が透けて見えるようになりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:12月18日

 どんな飼育事例でも、蛹に翅模様が透けて見えるようになると、ようやく95%飼育が成功したなぁ~と安堵できます。この画像を撮影した翌日、12月19日に無事♀が羽化しました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日・時刻:12月19日9時36分

 前翅長は55mm。ごく普通のサイズと思われます。例によって羽化の瞬間には出会えませんでした。しかし、羽化直後の未だ翅が伸び切らない頃から、翅が伸びる様子は連続撮影できました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/30~1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日・時刻:12月19日9時10分~31分

 翅の伸びから逆算して、恐らく9時10分頃羽化したと推察。撮影開始からほぼ2分で後翅が伸び切っています。前翅も伸び切るのは撮影開始後20分経過した時点でした。今回の個体の蛹期は20日間。異様に長いように思いますが、参考にしている図鑑(※)によれば、どうやら標準的な長さのようです。
 羽化した個体は折角ですので、マーキングを施した後、多摩丘陵の頂上から放蝶しました。因みに左右共に、前翅中室裏面に「1220」、後翅中室裏面に「FS1」のマークを入れました。真冬に屋外放蝶された彼女も迷惑がっているかもしれませんが、少しでも暖かい日を選び、南方へ渡ってくれれば良いなぁ~と、「育ての親」として勝手に祈っている次第。

※福田晴夫ほか(1982),原色日本蝶類生態図鑑(Ⅰ),保育社,大阪.

by fanseab | 2018-12-24 21:22 | | Comments(2)

アオバセセリの飼育メモ:失敗の巻

 8月下旬にアワブキから採幼した亜終齢個体を、晩秋まで飼育した記録です。結論から言うと、前蛹まで至らず、失敗談としてメモを残します。餌はアワブキ。最初は、5齢と思しき個体。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月4日

 体長は24mm。アオバをフルステージで飼育した経験がないので、この個体が4齢なのか5齢かは少し曖昧。ただ、腹節に出現する青色斑点が鮮明なので、5齢と推測しています。因みに3齢では同斑点が出ず、4齢で同斑点が出現するものの、斑点はやや不鮮明とされています。撮影時に苦労するのは、幼虫が真っすぐ伸びた姿勢を取らず、常に頭部を曲げて「Jの字」型になること。極端に驚かすと、撮影中葉から糸を引いて空中にぶら下がり、体を丸めた驚きのポーズを取ります。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月4日

 ただでさえ、極彩色を纏った外観ですが、丸まったデザインもかなり刺激的。外敵に対する威嚇行動と思われます。9月7日に眠、翌日6齢へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月19日

 体長27mm。5-6齢間での毎日の糞数は15個ほど。斑紋特徴は5齢と大差はありません。6齢時の食痕も示します。
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EM12-Z60,ISO=200,F4-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月16日

 葉の縁から葉脈に沿って、食い進むパターン。一目でアオバの食痕と判別できそうです。5齢時に使用していた巣は、途中から離脱し、以降、巣を作ることはせず、概ね飼育プラケースの隅に静止しています。
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:9月24日

 飼育時に、アワブキの葉が空中にぶら下ったような、自然状態を再現できれば、造巣するのかもしれません。見方を変えれば、巣と同様な閉鎖空間さえあれば、巣を必要としないのでしょう。イネ科食いのセセリやヒカゲチョウ類のように、飼育プラケース内でも確実に造巣性を示すのとは、大きな違いがあると思いました。9月29日に眠、30日に7齢になりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:10月7日

 体長32mm。6齢との斑紋形態の有意差は殆どありませんが、唯一、第9腹節が深みのあるワインレッド色に変わっています。5-7齢までの頭殻部の比較画像を示します。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ

 橙色の地色に4個の黒点が並ぶパターンは、各齢共に変わりありません。複眼周りの黒色部分まで含めると、「ムツボシテントウ」虫ですね。
 さて、7齢到達後、10日を過ぎても前蛹に移行する兆しがありません。11月10日過ぎから糞数が極端に減少、結局16日に衰弱死?で★様になりました。原因は不明ですが、秋口から飼育プラケースを屋外放置に切り替えた際、街路灯の影響で、日長を狂わして前蛹へのトリガーがかからなかったのかもしれません。残念ながら真っ白の粉を吹いた蛹の観察には至りませんでした。次回は卵からのフルステージ飼育でリベンジしたいと思っています。
by fanseab | 2018-12-19 21:52 | | Comments(2)

アサギマダラ幼生期観察(11月下旬)

 これまで本種産卵シーン撮影に訪問した、東京都下のポイントを再訪。流石に♀はもういないだろうと思いながら、林道を歩いてみました。この日の気温もこの時期としては異常に高く、手元の温度ロガー表示は何と最高23℃! しかし予想通り、母蝶の姿は全くありません。キジョランポイントに到着し、葉裏捲りをしてみます。驚いたことに前回11月中旬に確認した幼虫がほぼ姿を消していました。当時確認した卵数から予測しても、少なくとも10頭程度の2齢幼虫がいるはずなのに、全くいません。かろうじて孵化直後の初齢幼虫を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/160,外部ストロボ、撮影時刻:12時07分

 初齢でも後半には明確な黄色・黒色の斑紋が出るはずなので、文字通りの孵化直後個体と推定。画面中央左下には食痕が見えています。幼虫は丁度脱糞の最中で、尾端に緑色の糞が付いております。別の初齢幼虫を見出した際、近くにヤドリバチの姿が。。。
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 幼虫体長は3mm程度ですから、ヤドリバチの体長は5mm程度。その大きさからタマゴヤドリバチではなく、幼虫もしくは蛹に寄生するグループと思われます。脚の特徴から恐らくアシブトコバチ科(Chalcidinae)の1種と推定。暫く、葉裏や葉の縁をウロチョロ歩き回っておりました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/80,外部ストロボ、撮影時刻:12時04分

 触覚の先端も結構膨らんでいるのが、この手の蜂の特徴。時折片方ずつ触覚先端を葉の表面に当てて、何かを探っております。残念ながら、葉裏や幼虫に産み付ける決定的場面を観察することはできませんでした。アサギマダラ幼虫の寄生種としては、マダラヤドリバエ(Sturmia bella)が有名です。この蠅は、キジョラン葉上に微小卵を産み付け、比較的体格のデカい4齢・5齢幼虫の摂食と同時にアサギマダラ体内に潜入する戦略を使っています。果たして今回見出したヤドリバチも同じ方式を使うのでしょうかね?
 さて、アサギマダラの卵がどの程度あるのだろうか?と、こちらも探索。しかし、見出したのは僅か1卵のみ(矢印)。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/400,外部ストロボ、撮影時刻:13時20分

 以上の結果から、このポイントでの本年秋の母蝶最終産卵時期は11月20日頃と推定しました。2齢以降の幼虫が皆無だったことから、外敵による摂食も過酷ですね。冬場に寒さと戦いながら越冬するアサギマダラ幼虫の姿を観察したいと思っておりましたが、少なくともこのポイントでは実現しそうにありません。目算が狂ったので、別ポイントを開拓せねばならないようです。
by fanseab | 2018-12-10 21:13 | | Comments(2)

コミスジ終齢幼虫(11月中・下旬)

 多摩川べりのお散歩撮影中、フジの葉上に首題幼虫を見つけました。本種終齢幼虫は探そうと思うとなかなか見つからず、不思議なことに目的無く歩いているような時に、楽に発見できるものです。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(5コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F2.8-1/250,撮影時刻:11時12分

 右上にボケて写っている枝は、恐らくこの幼虫が以前摂食していたらしく、特徴ある食痕が確認できます。真横からも撮影。
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EM12-Z60(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,撮影時刻:11時10分

 翌日も撮影。
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/400,撮影時刻:10時41分

 葉先の台座より、このように枝上にいると、枯葉への擬態がよりハマっているように思います。更に3日後、再度この枝を観察。
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EM12-Z60,ISO=64,F4.5-1/200,撮影時刻:13時41分

 もう、幼虫の姿はありませんでした。この株の枝を子細にチェックするも、幼虫は発見できず。地表に降りて枯葉に潜り込み、越冬準備に入った模様です。このまま冬を越し、4月に入ってから摂食せずに蛹化、同下旬から5月初旬にかけて羽化することでしょう。
by fanseab | 2018-12-09 21:40 | | Comments(0)

アサギマダラの産卵行動探索・その2(11月中旬)

 前回失敗に終わった(クリックでジャンプ)産卵シーン撮影のリベンジマッチに行ってきました。この日も、快晴ほぼ無風のコンディション。林道起点近くにあるアズマヤマアザミは完全に枯れていて、アサギマダラの姿が全く見えません。ちょっとガッカリしながら標高を上げると、1頭がフワフワと林道を横切りました。但し未だ産卵行動には至らない時間帯らしく、そのまま姿を消しました。前回の反省から、産卵時間帯を午前10~11時頃と予測し、一番産附卵数の多いキジョラン群落に午前10時迄に到着し、母蝶を待ちます。しかし、正午を過ぎてもアサギマダラは姿を現しません。どうやら個体数が前回(10月下旬)よりも減少している印象です。待機途中、我慢できず、ちょっと別のポイントへ移動。日光浴している♀個体に出会いました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800,撮影時刻:11時18分

 前翅の浅葱色部分には円形の染みが目立ちます。恐らく夏眠中に生じたものでしょう。気温が高めなので、開翅は持続せず、すぐに翅を閉じてしまいました。
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EM12-Z12,ISO=200,F3.5-1/640,撮影時刻:11時24分

 結局、この個体も産卵挙動を示さずガックリ。元のポイントに戻り正午過ぎまでランチを取りながら待機。しかし、母蝶は1頭も現れません。またぞろ我慢できず、このポイントを離れてやや標高を下げた地点で、明らかな産卵挙動を取る♀個体を発見。時間は12時40分頃でした。但し残念ながらこの個体も近くにあったキジョランへの産卵は実現せず、森の奥に姿を消しました。再度元のポイントに戻り待機したのですが、午後1時半頃からドン曇り状態になったので、午後2時過ぎに撤収しました。
 キジョランポイントで母蝶を待機する時間を利用して、キジョランの葉捲りもしてみました。前回時点で見出した卵はほぼ孵化したらしく、新たに10卵ほどを見出し、幼虫も数頭発見。10月下旬から11月初・中旬までコンスタントに産卵行動をしていることが示唆されました。捲った葉裏の画像です。最初は幼虫と卵(矢印)が付いていた葉。
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EM12-Z12,ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:12時09分

 幼虫は恐らく2齢。次に単独幼虫を見出した葉裏です。
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EM12-Z12,ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 こちらも2齢でしょう。このような葉裏画像を撮る際、バリアングルモニターは大変便利ですね。前回訪問時、1つの葉裏に3卵も産附されていた葉には卵が全て消失しておりました。
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EM12-Z12,ISO=200,F5.6-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時12分

 アサギマダラ初齢幼虫は孵化後、卵殻を全て食切るので、孵化したのは間違いありません。但し、3頭の内、少なくとも1頭は卵が付いていた葉を食べる筈で、全て消失したのは、捕食者に食べられた可能性が高いと見ました。集中的に産卵されるポイントは、当然外敵にとっても狙い目のポイントになるのでしょうね。

 結局、この日も産卵シーン撮影は失敗。再リベンジをしたいのですが、流石に12月に入ってからは産卵シーンに出会う確率を減るでしょうから、今年はちょっと諦めかも・・・。今回、運よく正午過ぎに産卵行動を目撃したので、産卵時間帯はやはり正午前後と睨みました。長時間待機したポイントでは、確率的に母蝶に出会えなかった事が敗因なのでしょう。来秋季にチャレンジする際は、もう少し時期を早め、個体数の多い10月中旬頃狙うのもありかなと思っている次第。
by fanseab | 2018-11-25 20:16 | | Comments(2)

ミヤマチャバネセセリ越冬世代幼虫の個体数調査(11月上旬)

 例年、10月中旬~下旬にかけて実施している簡易トランセクト調査結果です。調査領域は30mX800m。多摩川中流域ではミヤチャは基本年3化。第3化世代の幼虫が11月上旬頃、老熟後地表に降りて蛹化・越冬態勢に入ります。昨年も同様な調査をしております。過去7年間の結果は以下の通り(頭数には寄生個体も含む)。

2011年 13頭
2012年 29頭
2013年 21頭
2014年 データなし(記憶が曖昧だが10頭は確認?)
2015年  4頭
2016年  1頭
2017年 11頭
今年は、
2018年  6頭でした。但し、未だ幼虫の消長を議論できる十分なデータ量ではありません。
来年以降も同様な調査を長期的に継続し、事実確認をしていきたいと思います。そうは言うものの、お散歩観察で成虫個体に出会う確率は徐々に減少している感覚があります。今シーズンは結局、4月に出会った1個体のみ撮影できた状況。菜の花のベッドに包まれたような画像を再度アップしておきましょう。

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D500-24,ISO=500,F5.6-1/500,-0.3EV,撮影時刻:10時48分(2018年4月12日)
by fanseab | 2018-11-17 20:59 | | Comments(0)

マンサク葉上の三角帽子(11月上旬)

 拙宅庭にはウラクロシジミ飼育目的でマンサクの鉢があります。先日葉上に三角帽子に似た「虫こぶ状」の物体を発見。高さは約3mm。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/160,外部ストロボ、撮影時刻:10時17分

『へぇ、マンサクにも虫こぶができるんだぁ~』と見過ごしておりました。数日後、その虫こぶがあるべき位置を見ると、何と物体が消えています。おかしいなぁ~?と詳しく見ると、全く別の葉上にその物体がありました。虫こぶが移動していたのです!詳細にその物体を見ると、小さな枯葉の集合体であり、この時点でようやく「ミノムシ」と気が付きました。実は夏場に同じマンサク株で、オオミノガ(Eumeta japonica)と思しき蓑虫を観察しており、ここから発生した様子。よく知られているようにミノムシは通常、葉や茎からぶら下がったスタイルです。このように若齢幼虫時代には葉上に蓑を載せた形状であることには思い付きませんでした。この三角帽子、全体で4個体ありました。仲良く2個並んだ「兄弟」も発見。
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/125,外部ストロボ、撮影時刻:10時20分

 左側の個体はまさしく三角帽子の形状です。その右側の個体を拡大して二度ビックリ!
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/125,外部ストロボ、撮影時刻:10時15分

 寄生卵が2個確認できます。どうやらこれは、オオミノガの天敵、外来種のオオミノガヤドリバエ(Nealsomyia rufella)の卵。ネットで調べる(クリックでジャンプ)と、本種は外来種。中国山東省由来と推測されています。

 このハエが拙宅庭の一角にある、小さな三角帽子を探り当てる能力にはビックリです。通常、寄生蠅は葉裏に産卵し、ミノムシが卵を葉と同時に食して体内に侵入し、幼虫を蝕んでいく経路を辿るようですが、今回は直接蓑に産附した事例なのでしょうか。葉上の三角帽子が何齢から葉裏に垂下するスタイルに移行するのか、観察を続けたいと思います。
by fanseab | 2018-11-15 21:17 | | Comments(2)

アサギマダラの産卵行動探索(10月下旬)

 新生蝶の観察もそろそろ終盤。♀産卵シーンのチャンスも、ヤマトシジミやベニシジミ或いはヒメアカタテハに限定されてきました。そんな事をボンヤリと考えていたら、突然思いつきました。「そうだ!アサギマダラを見に行こう!」、この時期、まだ産卵シーン観察のチャンスがあると聞いていたからです。向かったポイントは東京都下の低山地。標高は概ね200m。ブログ仲間のTGさんにお願いして情報開示をして頂きました。
 当日は快晴無風で絶好のコンディション。現地には9時30分着。のんびりと林道を歩き始めると、直ぐにアズマヤマアザミ(Cirsium microspicatum)で吸蜜中の個体を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=800,F4-1/1250,-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時43分

 この個体含め出会ったのは全て♀。延べ8頭ほど確認できました。それなりの個体数なので、産卵シーン撮影の期待が持てました。でも流石にこの時間帯はヒンヤリとしていて産卵行動には入らないと見て、キジョラン群落の場所まで先回りして環境の確認。恥ずかしながら管理人はキジョランをじっくり観察するのは、これが初めて。葉の面積が想像以上に大きいのにビックリ。
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TG4@5.5mm,ISO=200,F2.3-1/125,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時11分

 管理人の掌を一回り小さくしたサイズです。少し葉捲りをしたものの卵・幼虫は発見できず。林道をもう少し歩いて別の群落探しです。キジョランの分布は局地的で、この林道でも東向き、かつ急斜面に限定して生えていました。この時期、朝方から11時頃まで陽射しが当たるものの、午後は完全に日陰になるような環境を好むようです。キジョラン葉上には、円形にくり抜かれた特徴の幼虫食痕が沢山見つかります。
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TG4@5.5mm, ISO=100,F2.3-1/100,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時42分

 幼虫は基本的に葉裏生活者で、孵化直後は舐め食い状態。そのうち円形に切り抜くような食痕を付けていきます。この画像では右上に①舐め食い跡、左上に②円形線状食痕、中央左下に③円形刳り抜き食痕、の3形式の食痕が同時に観察できます。幼虫は不在で、恐らく前世代の幼虫が残した食痕なのでしょう。暫く探索し、更に何株かを葉捲りをしてようやく1卵(矢印)を発見!
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TG4@5.5mm, ISO=100,F2.3-1/30,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時50分

 真っ白な紡錘形で、シロチョウ卵とよく似ています。面白いもので1卵発見できると、連続して卵も幼虫も発見できました。卵と初齢幼虫(恐らく)のツーショット画像です。
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TG4@18mm(トリミング), ISO=100,F4.9-1/100,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時57分

 2齢幼虫と思しき個体も発見。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=64,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影時刻:11時41分

 体長は6.5mm。微妙に動くので深度合成に一苦労しました。ウロチョロ探索して、どうやら母蝶が集中的に産卵するポイントの特徴が見えてきました。低い位置の葉を好む傾向もあるようです。そうした直感をベースに捲った葉がこちら。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 林道路面から30cm高さにある2枚の葉(#1,#2)です。葉#1を捲ると、何と3卵も付いておりました。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時57分

 この画像には葉#2にも産み付けてあった1卵(矢印)がピンボケ状態で写っています。この画像からもよく分かるように、卵はキジョランの葉の縁から凡そ2cmほどの距離に産附されています。母蝶が葉縁に止まって腹端を延ばすと、丁度この位置に来るのでしょう。従って卵探索の際、葉を捲る時は葉の縁を掴んではいけません。誤って卵を握りつぶす可能性があるからです。葉柄部を掴んで慎重に裏返す配慮が必要です。葉#1の2卵塊を拡大してみました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=64,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 肉眼で見た感じと同様、本当にシロチョウ卵と雰囲気が似ています。高さは1.8mm,最大直径は1.2mm。やはり大きな卵だと思います。地表近くの葉に産附された事例をもうひとつご紹介しておきます。これがその葉。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 裏返すと2卵(矢印)付いておりました。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 この日は結局10卵、幼虫5頭を確認。ところが、肝心の産卵シーンはチャンスが全くありませんでした。時間帯は正午前後と睨んでキジョラン群落の近くで♀の登場を待機したのですけど、正午頃、一度現れた個体は全く産卵の気配を見せずに飛び去っていきました。天気が良いのにちょっと残念でした。この日は最高24℃まで気温が上がっており、ひょっとすると、産卵時間帯が1時間以上前倒しになった可能性もあります。11月に入っても未だチャンスがあると思われますので、再チャレンジしたいと思います。今回の観察について情報提供頂いたTGさんとは、なんと現地でバッタリ遭遇。色々と情報交換をしながら楽しい撮影談議ができました。この場を借りて御礼申し上げます。
by fanseab | 2018-11-04 20:36 | | Comments(2)

アオバセセリ幼虫の観察:その5(10月中旬)

 前回観察から凡そ2週間経過。再度幼虫巣の様子を確認してきました。最初は目線レベルにある低い位置の巣。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=400,F2,8-1/100,外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 巣の姿はなく、どうやら越冬準備で切り落とされた様子です。巣周辺の葉も食い尽くされた感じです。未だアワブキの葉は黄色く色づいていないのですが、越冬準備を早めに行ったのでしょう。樹冠近くにあった別の巣も消失しておりました。前回撮影画像と比較して示します。
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今回撮影分:EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F2.8-1/100,外部ストロボ、撮影時刻:13時08分

 巣(前回画像矢印部分)が無くなった分、重りが取れて、葉が上方に戻されている様子がわかります。この後、株周辺で、2頭あるべき越冬蛹を少しばかり探索しましたが、徒労に終わりました。やはり、蛹探索はそんなに簡単ではありませんね。これで今シーズン実施してきたアオバセセリ幼虫の野外観察は一先ず終了です。なお、これと並行して同幼虫の飼育も進行中で、現在終齢幼虫の段階です。こちらのレポートも区切りが付いたら、またご紹介したいと思います。
by fanseab | 2018-10-27 20:59 | | Comments(4)