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探蝶逍遥記

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コヒョウモンの産卵行動を探る(8月上旬)

 今回遠征ではアカセセリ以外にも、オオミスジ、コヒョウモンモドキ、コヒョウモンの産卵シーン撮影まで画策しておりました。ちょっと欲張りなのですが、「かすりでもしたらラッキー(^^♪・・・」と思い、トライしてみました。コヒョウモンの食草は バラ科のオニシモツケFilipendula camtschatica。この高原では渓流沿いにのみ生えています。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm,ISO=200,F3.2-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:11時00分

 遠くから見ると白い花が綿毛のようにこんもりしているので、すぐに他の花と区別できます。この高原ではチダケサシも咲きますが、咲く時期はオニシツモツケよりも遅れます。また、コヒョウモンは今回の観察経験から、♂♀含めオニシモツケの生息範囲から離れることはないので、ホスト・蝶両者共に局所的な分布になるのでしょう。
 さて、渓流沿いでコヒョウモンモドキの産卵シーン探索をしている際、コヒョウモン♀がチダケサシで吸蜜している場面に出会いました。
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D500-34VR,ISO=400,F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:11時30分

 この直後、この♀はオニシモツケの葉上に舞い降り、なにやら腹端を葉上に擦るような行動を取りました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:11時31分

 コヒョウモンは通常葉裏に産卵するとされているので、これは「産気付いた」サインだと直感。この後、別のオニシツモツケへ飛び、株の根本付近に潜り込みました。管理人も必死にその姿を追いかけましたが、茂みに隠されて姿が見えません。そのうちパッと母蝶は飛び出して再度チダケサシで吸蜜行動を取りました。直前に母蝶が茂みに潜った場所で、オニシモツケの葉裏を必死に探索するも卵は発見できませんでした。産卵したかったけど、好みの葉ではなかったのかもしれません。その後、この母蝶は視界から消えました。以前、ヒョウモンチョウ(コウゲンヒョウモン)の産卵シーンを観察したことがありますが、母蝶は食草のワレモコウの根際付近に潜り込む習性がありました。兄弟種なので、母蝶の産卵行動も似ているのだと思いました。

 さて、2日目も11時頃、前日と同じポイントでコヒョウモンを待機しましたが、この日はチダケサシでの吸蜜シーンを観察したのみ。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時11分

 結局、コヒョウモンの産卵シーン撮影も叶いませんでした。考えてみると、アカセセリもコヒョウモンも産卵時間帯が11時~12時半頃なので、両者の産卵シーンを追跡することは、「二兎を追う者は一兎・・・」の格言通り、慎むべきなのでしょう。今回の観察で、コヒョウモンはオニシモツケの比較的根元に近い葉に産む感触を得たので、別途、当該部位のオニシモツケの葉捲りを試みてみました。葉裏はこんな感じ。
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TG4@4.5mm,ISO=200,F8-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時55分

 ちょうど人間の掌サイズです。残念ながらオムスビ型のヒョウモン類の卵は発見できず。一方、蛾類の卵は2種見出しました。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング),ISO=100,F4.9-1/100~500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時59分/13時21分

 いずれも蝶ならセセリ類(Hasora属)の卵に類似していますが、もちろん日本国内にはオニシツモツケ食いのセセリはおりません。さて、どんな蛾が産んだのでしょうね?
 次回はコヒョウモンモドキを再度ご紹介したいと思います。
by fanseab | 2019-08-17 21:58 | | Comments(0)

アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)

 7月中旬から続いた一連の信州遠征の主目的はアカセセリの産卵シーン撮影でした。昨年は同じ信州でもゴマシジミ生息地に共棲する本種♀を追跡しましたが、結局産卵シーン観察は叶いませんでした。今回は撮影仲間のアドバイスにより、場所変えしての再チャレンジ。食草とされるヒカゲスゲらしきホストが高原のどのあたりに密生しているか、過去2回の遠征で概ね把握することができました。前回7月下旬段階では未だアカセセリは未発生。アカセセリ確認前に前回ジョウザンが群れ飛んでいた渓谷沿いのポイントを訪問。午前10時過ぎですが、ジョウザンは全く確認できず。ジョウザンの代わりに葉に止まっていたのはアカセセリ♂でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時26分

 これまで観察してきたアカセセリ生息環境とは異なるので、ちょっとビックリ。ここでは♂の吸水活動も撮影。
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時29分

 ♂吸水シーンは管理人にとって恐らく初撮影。この後、本来の草原環境に移動し♀を探索。目星を付けた場所で、♀の飛来を待ちます。ポイント環境画像がこちら。
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TG4@4.5mm,ISO=100,F8-1/200、-0.7EV、撮影時刻:12時33分

 ヒカゲスゲと思しき食草が生い茂っています。「日蔭菅」と言っても必ずしも日蔭にある訳ではありません。そのうち草地を低空飛行する♀を発見。明らかに産卵行動です!しかし、管理人の期待をよそにこの♀はすぐに日蔭で休息に入りました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時30分

 セセリも含め、産卵と休息を交互に繰り返す行動は良く見られるので、暫くこの子を監視することに。しかし、炎天下でじっと監視する作業はつらいものがあります。標高1500m超の高原でも梅雨明け直後のこの時期、33℃ほど、かつ風も吹いていません。20分ほど注視するも♀はじっとしたまま。こちらも痺れを切らして他の蝶観察に移動。暫くして戻ってくると母蝶の姿はありませんでした。ただ予想通り、産卵行動が昼前後にあると確信しました。翌日、再度同じポイントで♀の飛来を待ちます。11時40分過ぎ、♀がホバリングしながら草地低く飛ぶのを観察。今度こそ・・・と念じながら、♀の産卵を待ちます。しかし、今回も期待に反し、♀は休息モードへ。ノンビリと開翅です。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時59分

 この母蝶は休息後、再度飛び出して低空飛行を開始。「三度目の正直・・・」と期待するものの急に遠くに飛び去り、ジ・エンド(^^; 結局今回も産卵シーン撮影には失敗。ガックリでした。撤収前、気晴らしにノアザミでの♀吸蜜シーンを撮ってみました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=400,F8-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:12時59分

 アカセセリの個体数がそれなりに多いこの高原でも、産卵に訪れるポイントは局限されているようです。今回、産卵時間帯が昼前後にあることは突き止めたものの、産卵シーン撮影はまた来年以降の課題になりました。
by fanseab | 2019-08-15 20:47 | | Comments(0)

コヒョウモンモドキの産卵(7月下旬)

 オオミスジ同様、この高原で期待したのが首題産卵。2014年に信州の別ポイントで本種産卵シーン撮影目的に結構拘って探索したのですが、当時同シーン撮影は叶いませんでした。今回は偶々現地でお会いした撮影仲間のMさんが産卵中の個体を発見して下さり、ようやく夢が叶ったのでした。母蝶は渓流すぐ脇のクガイソウの葉裏で産卵中。先ずは渓流対岸から遠目にパチリ。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時28分

 これ以上接近して撮影するには渓流に入らねばなりません。登山靴ではビショ濡れになるので、一旦愛車に戻り、準備してある長靴に履き替え、滑りやすい川床に留意しながら接近戦で撮影。
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F7.1-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時31分

 葉被りに注意しながら何とか腹端・卵まで表現できました。もう少し全体像を撮りたいので、準広角に変え、縦位置でトライ。
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EM12-Z1240@27mm,ISO=100,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時48分

 それまでどんよりとした曇り空でしたが、夏空が広がって来ました。夏空、卵塊含め数年来狙っていた構図が切り撮れて本当に満足いたしました。やはり卵塊で産む種は構図とかを考える余裕があって助かります。卵塊は少なくとも1時間半はかけて産み付けられたと推定されます。その卵塊の拡大像。
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EM12-Z1240@40mm+接写リング(トリミング),ISO=100,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時15分/右上囲みはTG4による接写画像

 合計186卵です。卵の直径は0.5mm弱で、結構小さいです。タテハチョウ科としては縦条があまり目立たず、ツルンとした印象の卵。クガイソウは輪生葉ですが、この卵塊の一段下の輪生葉にも、もう一つの卵塊がありました。同一母蝶によるものかは不明。
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EM12-Z1240@40mm+接写リング(トリミング),ISO=64,F8-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時19分

 こちらは合計313卵。2枚併せて何と499卵! しかし、これだけの個体数の幼虫を一株のクガイソウで養うことはできないでしょう。越冬前に食い尽くしたら別の株に移動するのでしょうね。
 母蝶が産卵していたクガイソウの花穂には♀が2頭吸蜜に来ておりました。
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EM12-P520@100mmX1.4TC,ISO=400,F8-1/1000、撮影時刻:12時15分

 定番画像ですが、このような光景もひょっとすると近い将来簡単には見られなくなる可能性もあります。何せクガイソウの株数が非常に少ないからです。母蝶が飛び回っていた周辺を歩いて勘定してみると10株ほどしかありません。それに葉が貧弱な株には母蝶はどうやら産まないようです。特定の株、つまり葉の面積が大きい株に集中して産む傾向があるように思います。クガイソウ吸蜜の2頭の拡大像。
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EM12-P520@200mmX1.4TC (トリミング),ISO=400,F8-1/1000、撮影時刻:12時15分

 共に♀ですが、サイズ、表翅の黒化度には個体差があります。右個体は今回遠征で出会った中で最も黒化が進んだ子。
 裏面のモザイク模様が綺麗なので、ついつい半開翅シーンを撮影してしまいます。
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EM12-P520@187mmX1.4TC (トリミング),ISO=400,F8-1/400、撮影時刻:11時20分

 求愛シーンも多数観察できました。
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EM12-P520@200mmX1.4TC (トリミング),ISO=800,F5.6-1/5000、撮影時刻:12時19分
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EM12-P520@140mmX1.4TC (トリミング),ISO=800,F5.3-1/4000、撮影時刻:12時21分
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EM12-P520@112mmX1.4TC (トリミング),ISO=800,F5.1-1/5000、撮影時刻:12時26分

 クガイソウに産卵にやって来た♀が産卵葉を吟味している途中、♂が乱入した場面。1枚目のようなお見合い場面(左♂右♀)はオオムラサキの求愛シーンでも観察できますね。2枚目はシロチョウ♀の求愛拒否場面のように♀(右)が腹端を上げてバタバタ翅を羽ばたいています。3枚目は♂から逃げた♀を♂が追いかけている場面。本来であれば、♀がサッサと逃げればよいのですが、♀はクガイソウ株に固執しているため、同じ場所で、求愛シーンが10分以上継続しておりました。
 次回は緑系ゼフについてご紹介したいと思います。
by fanseab | 2019-08-02 23:03 | | Comments(2)

コキマダラセセリの産卵など(7月中旬)

 信州の高原を飛んでいたセセリ類のご紹介。最初はコキマダラセセリの♂。開翅休息シーンです。


+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=200,F5-1/1000、撮影時刻:11時50分

 残念ながら縁毛が少し擦り切れた個体。しかし、前翅の橙色部分面積が近似種(ヒメキメダラ/アカセセリ)に比較して広いので、高原では一番橙色が輝いて見える気がします。次いで閉翅。
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EM12-Z1240@40mm,ISO=640,F4.5-1/400、撮影時刻:8時23分

 こちらは申し分ない鮮度の個体。続いて高原での定番、アザミでの吸蜜シーンです。
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=320,F5.6-1/1250、撮影時刻:9時53分

 アザミが申し分無い美しい株だったのに、この♂も縁毛がほぼ擦り切れ状態で、悔しい結果です。飛翔にもトライ。
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EM12-P520@50mmX1.4TC(トリミング),ISO=1000,F5-1/4000、撮影時刻:9時15分

 若干前ピン。セセリ類は飛び出す方向が予測し難いので、この手の画像は苦戦します。続いて♀の開翅。
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EM12-P520@150mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:11時48分

 こちらはほぼ完品。ついで運よく出会った♀の産卵シーン。
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:13時23分

 この絵は今回遠征で最大の成果。このセセリの産卵シーンは期待していなかっただけに喜びも一入でした。当初♀に求愛する♂の画像を狙っておりました。♂が諦めて飛び去った後、♀は小刻みに翅を震わした後、飛び立ち、目の前で産卵をしたのです。産卵された葉の状況。もちろんイネ科ですが、種名は不明。
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EM12-P520@181mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:13時23分

 コンデジ広角でも産卵状況を撮影。矢印が卵、右下囲みは卵の拡大像です。
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TG4@11.8mm,ISO=200,F5-1/400、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時23分:右下囲みはTG4@18mm(トリミング),ISO=320,F6.3-1/400、撮影時刻:13時23分

 卵は地上高約5cmと、低い位置に産附されております。色も白く、比較的大きいので目立ちます。しかし、同じコキマダラでも例えば富士山麓のススキ草原あたりだと、産卵シーン撮影は葉被り必死で、難易度は高そうです。
 コキマに比べると、ヒメキマダラセセリは比較的個体数が少ないように思えました。ウツボグサで吸蜜する♂です。
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/640、撮影時刻:11時04分

 紫色のウツボグサとヒメキマ(もしくはコキマ)のコラボは夏の高原の定番シーン。定番故、なかなか思い通りには作画できませんね。この場面でももう少しストローを表現したかったのですが・・・。次回はゼフ類のご紹介です。
by fanseab | 2019-07-26 22:03 | | Comments(0)

コヒョウモンモドキ(7月中旬)

 コヒョウモンとほぼ同じ狭いエリアで飛んでいるのが本種。コヒョウモンの飛翔高度もそれなりに低いですが、モドキは更に低い高さを緩やかに飛びます。本種も出始めで、いずれも新鮮な個体ばかりでした。最初はアカツメクサで吸蜜する♂。
 
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@180mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:13時18分

 「縁毛フェチ」を自認する管理人としては痺れる場面です。気温が低いこともあって、閉翅シーンをなかなか撮影できません。何とか粘って♂裏面を撮影。
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/640、撮影時刻:13時13分

 後翅裏面のモザイク模様~縁毛部までのデザインは本当に美しい蝶だと思います。広角でニガナの1種から吸蜜する場面も撮影。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=320,F5.6-1/500、撮影時刻:10時34分

 吸蜜を終えた♂がフワフワと飛んでワラビの葉上に舞い降りると、コキマダラセセリ♂とのツーショットが完成。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=320,F5.6-1/1000、撮影時刻:10時36分

 高原を代表する濃オレンジ色がワラビの葉上で輝きます。しかし、こうしてセセリ類と並んでみると、改めてコヒョウモンモドキの小ささが実感できますね。ついで全開翅休息する♀。
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EM12-P520@123mmX1.4TC,ISO=320,F5.6-1/1600、撮影時刻:10時29分

 続いてアザミ類で吸蜜する♀。
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EM12-P520@193mmX1.4TC(トリミング),ISO=500,F5.6-1/1600、撮影時刻:10時24分

 後翅のモザイク模様をどうしても表現したいため、下から覗き込むアングルで撮影。アザミがショボくてちょっぴり残念(^^; ミズナラ葉上からの飛び立ち飛翔にもトライ。
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EM12-P520@50mmX1.4TC(トリミング),ISO=1250,F5.6-1/4000、撮影時刻:10時28分

 抜けた背景だと、白いダンダラ模様の縁毛が引き立ちます。この日は時期的にクガイソウが未だ咲いておらず、ホストとのコラボ画像は撮れませんでした。1、2週間後には、そんな絵も狙えるのでしょう。それと期待した交尾シーンにも出会えませんでした。

 この高原では複数のカメラマンが蝶を追いかけておりました。そのお一人が「本種の蛹を撮影した」とお聞きしたので、勝手を言って場所をご案内頂きました。もちろん管理人にとって本種蛹は初撮影。1頭はスモモの実生、もう1頭はワラビの茎で垂下しておりました。
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EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=500,F7.1-1/800、撮影時刻:9時42分
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EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=500,F7.1-1/400、撮影時刻:9時42分

 2頭の比較画像も作ってみました。
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 体長は#1、#2がそれぞれ12mm、13mm。断言できませんが、尾端構造から推定していずれも♀だと思います。白地に黒点および橙色が混じる結構派手なデザイン。しかし、背景に紛れると、これが保護色として働くから意外です。垂蛹を見出した環境を少し引いて撮影。
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EM12-Z1240@14mm,ISO=500,F8-1/500、撮影時刻:9時40分

 高さ基準として置いたペットボトルは高さ20cm。矢印#1(地上高30cm)、#2(同31cm)の先に蛹が付いていますが、分かりますか(画像をクリックして拡大して初めて何とか認識できるレベル)? この画像、カメラ目線を相当下げて撮影しております。このポイントをなにげに歩きながら上から見下ろしても、蛹は葉陰に隠れて全く目に入りません。蛹を独力発見されたカメラマンの眼力に敬服いたします。

 次回はオオミスジやその他のタテハ類をご紹介します。
by fanseab | 2019-07-22 22:38 | | Comments(0)

コヒョウモン(7月中旬)

 2日間、久しぶりに信州の高原を訪れました。全く初めてのポイントなので、手探りでウロチョロ・・・(^^; 時折、小雨が降る生憎の天候。今回は、某種生態観察の下見および食草の状況把握が主目的。探索中出会った複数種をシリーズでご紹介したいと思います。最初はコヒョウモン。このタテハ、過去に撮影経験はありますが、いずれも時期遅れで綺麗な個体の撮影はできておりませんでした。今回は丁度出始めでピカピカ個体が多くて満足。先ずは♂の吸蜜。吸蜜源は恐らくミヤマイボタ。
 
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@175mmX1.4TC,ISO=400,F5.6-1/1000、撮影時刻:12時39分

 この子は例外的に縁毛が擦り切れた個体。吸蜜シーンは意外と少なく苦労しました。次に♂の開翅。
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=400,F5.6-1/800、撮影時刻:14時31分

 こちらは極めて新鮮。緑濃い高原で見ると濃橙色が誠に鮮やか。この個体は前翅第1b室中央の2個の黒班が合体して左右に伸び、ちょっと異質な印象。次いで♀の全開翅。
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EM12-P520@200mmX1.4TC,ISO=400,F5.6-1/800、撮影時刻:14時19分

 気温も低目なので、ワラビの上でノンビリと日光浴。同じ個体を正面からも狙います。
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EM12-P520@200mmX1.4TC(6コマ深度合成+トリミング),ISO=320,F6.3-1/320、撮影時刻:14時25分

 裏面のモザイク模様が良いアクセントになります。深度合成する場合、時折複眼にピントが合わない失敗をします。この絵がその好例(^^; さて、♂は探雌飛翔で全く止まらない時間帯があります。仕方なく、望遠で飛翔撮影。
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EM12-P520@200mmX1.4TC(トリミング),ISO=1000,F5.6-1/4000、撮影時刻:10時09分

 ワラビが繁茂した草間を縫うように飛んでいきます。広角でも飛翔にトライ。
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EM12-Z1240@17mm(トリミング),ISO=1000,F5-1/4000、撮影時刻:11時08分

 この個体は2枚目♂個体と比較すると、標準的な斑紋のように思います。本種は和名の通り、本当に小さいヒョウモンですが、高い梢の先まで♀を探す様は意外にもエネルギッシュ。ほぼ同じポイントを周回探索して撮影した途中で、偶然交尾ペアを発見! これは嬉しい出会いでした。
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D500-34VR,ISO=800,F9-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時46分

 左♀右♂です。本種の交尾シーンはもちろん初撮影。交尾シーン撮影中、突然別の♂が乱入。ペアに絡みましたが、すぐに離れ、近くのシロツメクサで吸蜜です。
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EM12-P520@134mmX1.4TC,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:11時49分

 この♂が飛び去った後、反対側からも撮影(右が♀)。
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EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=100,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時57分

 どんな種類でも交尾シーンでは♂♀裏面の斑紋特徴差がよく理解できます。本種も後翅の黄色いモザイク模様の大小、後翅外縁側眼状紋の明度に明らかな雌雄差が認められます。広角でも撮影。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=100,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時57分

 このシーン撮影後、7分経過して現場に立ち寄ってみると交尾は解消し、♀だけが残って開翅休息しておりました。
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EM12-Z1240@40mm,ISO=100,F5.6-1/250、撮影時刻:12時05分

 3枚目にご紹介した♀と比較すると、外縁側が黒化して、キリリと引き締まった印象を持つ個体です。この時、偶然尾端より透明の体液を出しているところでした。尾端に液滴が見えています。これは生理学的にどんな意味を持つのでしょうね。因みに交尾時間は概ね1時間30分と推定しました。
 次回はコヒョウモンモドキのご紹介です。
by fanseab | 2019-07-20 20:44 | | Comments(0)

クモガタヒョウモンなど(5月中旬)

 ウスバシロチョウの広角飛翔撮影中、不意に足元のハルジオンにオレンジ色のタテハが到来。ポイントに到着した時から確認していたクモガタヒョウモンの♂でした。この時期、このヒョウモンの濃オレンジ色は鮮烈です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z12(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時38分
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EM12-Z12,ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時38分

 広角飛翔を撮る絶好のチャンスなので、ハルジオンからの飛び立ちシーンを撮影。
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EM12-Z12(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時38分
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EM12-Z12,ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時38分

 敏感なこのヒョウモンの広角飛翔を撮るチャンスは滅多にありません。管理人の足元に偶然舞い降りたこの子に感謝です。この後、この個体はコデマリで吸蜜を始めましたが、こちらの撮影は失敗。クモガタはウツギの花にもよく来ます。こちらもウスバシロ同様、白系の花がお好みのようです。
 一方、ウスバシロが多数訪花していたウツギで、トラフシジミ春型を発見。
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時42分

 熱心に吸蜜していたこの個体、恐らく♀。この♀を追跡しておれば、産卵シーンもゲットできていたかも。でもこの日はウスバシロやら撮影対象が沢山あったので、諦めました。トラフ春型は今年2回目の出会いですが、ようやくまともな吸蜜画像にありつけた感じでホッとしました。
 このウツギの脇ではツマキチョウ♀が産卵行動を取っておりました。
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D500-34VR,ISO=250,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時23分
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時30分

 多摩川縁と異なり、ここには外来種のセイヨウカラシナやムラサキハナナもありません。あまり見かけないホストだなと思って調べてみると、どうやらジャニンジンCardamine impatiens。ジャニンジンへのツマキ産卵シーンは初体験なので、ホクホク顔になりました(^^)
by fanseab | 2019-05-26 20:31 | | Comments(0)

ツツジに集うアゲハ類(5月中旬)

 渓谷沿いの黒系アゲハの撮影には民家付近のツツジ類で待機するのが一番効率的です。この日も白いツツジの前で狙ってみました。最初はカラスアゲハの♀。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時11分

 カラスの♀はチャンスが少なかったです。この個体、左後翅外縁にやや大きな欠けがありますが、木陰に隠れて目立たないコマを選んでみました。高速連射では、このように見栄えのするコマを選択できる自由度があってやはり大変便利ですね。次はオナガアゲハの♂。
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時37分
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EM12-P520@122mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:11時14分

 この子を撮る時は、無意識に後翅表前縁の横長白斑が入るコマを選んでしまいます。この場合も高速連射では意図するコマが比較的楽にゲットできます。オナガアゲハは渓流沿いのウツギも大好きで、頻繁に吸蜜を観察できますが、この日、ウスバシロが大挙して吸蜜していたウツギには全く飛来せず、専らツツジで吸蜜しておりました。吸蜜行動以外の時間は川面スレスレに探雌飛翔する姿が目立ちました。川岸のコクサギ近辺で羽化した♀を狙っているのでしょうか?

 さてこの日、驚いたのはツツジでウスバシロチョウが吸蜜していたこと。
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時12分

 最初撮影した時は偶然飛来した個体かと思いましたが、その後の観察で、常時飛来していることが判明。この日はハルジオン、ウツギ類、ツツジ以外に植栽のコデマリでも吸蜜しておりました。いずれも花弁は白ですね。吸蜜源によらず、白系花に引き寄せられるようです。
 このツツジで撮影中、ミヤマカラスも期待したものの、こちらは坊主。カラス♂もオナガ♀も登場しませんでした。別途移動したポイントの木陰では、開翅休息する綺麗なカラス♂を撮影。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時06分

 どうやら羽化直らしく、ゆっくりと翅を広げて休んでおりました。次回は当日出会ったその他の蝶をご紹介しましょう。
by fanseab | 2019-05-24 21:10 | | Comments(0)

ウスバシロチョウ(5月中旬)

 某種のホスト探索のため、東京都西部の渓谷沿いを巡ってみました。ホスト探索の成果には触れませんが、渓谷の木陰では黒系アゲハが躍動し、明るい斜面ではウスバシロが緩やかに舞っておりました。今回はウスバシロのご紹介。最初は広角飛翔。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z12,ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時24分
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EM12-Z12,ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時40分

 1枚目の右側には鹿など動物侵入防止用ネットが見えています。最近、山村で当たり前に見かける光景ですね。ウスバシロのホスト、ケマン類の保護にも役立っているとプラス思考で考えたいですが、ここまで作物への食害が深刻なのかと溜息が出てしまいます。
 渓谷脇にはウツギ群落があり、ここにも多数のウスバシロが吸蜜に訪れておりました。ウツギを見下ろすことができる環境だったので、普段撮れないようなアングルからの飛翔画像がゲットできました。
f0090680_11225970.jpg
EM12-P520@156mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時31分
f0090680_11231850.jpg
EM12-P520@133mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時45分
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EM12-P520@144mm(トリミング),ISO=500,F6.3-1/5000、撮影時刻:11時04分

 1枚目のように正面に向かって来るシーンはやはり迫力が出ます。このウツギ群落では吸蜜する♂に誤求愛する♂の姿もありました。
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EM12-P520@156mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:11時10分

 個体数が多い環境ならではの画像かもしれません。ランチ休憩後、別のポイントに移動。長時間ハルジオンで吸蜜する♀を撮影。
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EM12-P520@88mm(トリミング),ISO=64,F3.5-1/1000、撮影時刻:13時17分
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EM12-P520@138mm(トリミング),ISO=64,F4.5-1/1000、撮影時刻:13時19分

 1枚目は敢えて引き気味に撮ったショット。300mm望遠1本で撮影している時には想定できなかったフレーミングです。やはりズームレンズでは構図の自由度が増すため、新鮮な発見がありますね。2枚目は意図した逆光狙いですが、完全逆光で撮れず、作画イメージからはちょっぴり外れてしまいました。ウスバシロのハルジオン吸蜜シーンは、ギフのカタクリ吸蜜同様、定番故の難しさがあり、奥が深いなぁ~と思います。次回は黒系アゲハをご紹介しましょう。
by fanseab | 2019-05-22 21:57 | | Comments(0)

アオバセセリ(5月上旬)

 拙宅近くの多摩丘陵には有名なアオバセセリのポイントがあります。しかし、例年凄い数のカメラマンが押し寄せるので、管理人は躊躇して真面目に訪れることがありませんでした。昨年、採幼して飼育したこともあって、今年は初めて真剣にこのセセリと向き合ってみました。ただ、意気込んで出向くと概ね、蝶に嫌われるもので、なかなか出会えません。現地でお会いした旧知のカメラマン曰く「今年は個体数が少ないねぇ~・・・」。それでも粘ってようやく画像をゲットできました。最初はヒメウツギでの吸蜜画像。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=1000,F5.6-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時30分

 粘った甲斐があって、縁毛もほぼ揃った綺麗な♂個体です。明るい緑色の背景で抜きたいところですが、いい場所に来ません。仕方なくウツギの白い花弁で個体を埋める構図を狙いました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1000,F5.6-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時36分

 高速連射で飛翔も狙いました。
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EM12-P520@100mm(トリミング),ISO=4000,F3.6-1/5000、撮影時刻:14時39分
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EM12-P520@133mm(トリミング),ISO=4000,F3.7-1/4000、撮影時刻:14時43分

 ムチャ暗い環境なので、発色が良くありません。この個体、左前翅表に油シミのような汚染があるようです。概ね完品個体だっただけに残念でした。
 ヒメウツギで吸蜜中の個体を撮影中、後方から撮った一コマをご紹介しておきます。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1000,F7.1-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時28分

 この角度から見ると、肛角部の紅紋は人面のようにも見えます。目尻を下げ、大きな口を開けたような・・・。恐らく野鳥の攻撃を意図的に肛角部に誘導するよう、殊更目立つ仕掛けを施しているのでしょう。トラフシジミなど、シジミ類にもこのような仕掛けが多々見られます。
 さて、アオバセセリは吸蜜時間帯の推測が非常に難しく、この日も偶々天候が急変し、雷雲で周辺が暗くなった時に突然出現しました。しかも2頭同時に飛来し、どうやら吸蜜場所のテリ張り争いの様子。今回撮影できた個体は恐らく、この陣地合戦に勝利したようです。それでも吸蜜していたのは僅か30分ほど。その後雨粒がポツリ、ポツリ・・・。雷鳴も轟き始めたので、慌てて駐車場に急行。車に乗り込んで暫くしたら土砂降りになりました。アオバも雨天来襲を予測していたのでしょうかねぇ?  この日このポイントで待機していたカメラマンは管理人只一人。周囲に遠慮せずに撮影できたのも誠にラッキーでした。なお、この日まで現地でお会いした多くのカメラマンの方と楽しいお話をさせて頂き、「待ち人来たらず」状態の中、辛い時間を有意義に過ごさせて頂きました。この場を借りてカメラマンの皆様に御礼申し上げます。
by fanseab | 2019-05-12 19:52 | | Comments(2)