探蝶逍遥記

エサキ型アオスジアゲハ(4月下旬)

 近所の里山公園を散策。朝方8時、丘の樹冠には既に陽が差し込んできているものの、谷間はまだ暗く、少しヒンヤリとしています。すると、ウツギにアオスジアゲハが吸蜜にやってきました。随分早い登場だと思いながら、シャッターを押しました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-20(トリミング), ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時40分

 暗いのでストロボを使用。アオスジの黒い複眼がとっても可愛いです。その後も、この白い花に惹かれるように、複数頭のアオスジがやって参りました。明るくなった後、高速連射モードで撮影。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=2500、F4-1/4000、撮影時刻:12時37分
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EM12-Z60(トリミング), ISO=2500、F4-1/4000、撮影時刻:12時38分

 アオスジはウツギのみならず、定番のハルジオンにもやって来ます。
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D500-34VR, ISO=640、F5.6-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時46分

 背景を何とかスッキリできました。ハルジオンのお花畑を渡り飛ぶ飛翔も高速連射でパチリ。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=2500、F5-1/4000、撮影時刻:12時42分

 この日の陽射しはやや物足りなく、初夏の爽やかな空気感が出せませんでした。
 ハルジオンの吸蜜個体をバシャバシャ撮影中、アレッと思いました。
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D500-34VR, ISO=3600、F8-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時16分

 何と、エサキ型(前翅中室に青色過剰紋が出現する異常型)でした。これまで、管理人はハンキュウ型撮影の経験があるものの、エサキ型は初体験。そうだとわかると、この子を暫く追跡。飛翔シーンを2枚ご紹介しておきましょう。
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D500-34VR(トリミング), ISO=2500、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時21分
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D500-34VR(トリミング), ISO=5000、F8-1/1250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時29分

 この日は、偶然、ブログ仲間のNさんと再会。二人してエサキ型を追いかけながら、楽しい一時を過ごしました。Nさん、またどこかで撮影ご一緒しましょう!
# by fanseab | 2018-05-02 20:58 | | Comments(2)

キアゲハ第1化の産卵(4月下旬)

 首題産卵シーン撮影目的には、低山地の休耕田に行き、セリ類の新芽に産む場面を撮るのが一番楽でしょう。但し、セリ類は株丈が低いため、葉被りを生じやすい欠点があります。昨年4月下旬、多摩川縁でキアゲハがハナウド(Heracleum sphondylium)に産卵するシーンを撮影できました(クリックでジャンプ)。

 ハナウドが背丈も高く、背景を綺麗に整理しやすい利点があります。但し、昨年撮影した産卵シーンはC級ショットでしたので、今年リベンジマッチを行いました。2日間かけて、正午前後の産卵時間帯に、ハナウドの前で待機。期待通り♀がやって来て、前脚連打でホストの適合性を確認するシーンを撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング), ISO=450、F7.1-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分

 その直後、産卵をしました。
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D500-34VR(トリミング), ISO=560、F7.1-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分

 産附位置は、花序が開裂する前の総苞?。ようやく腹端まで写し込め、ほぼ満足すべき画像になりました。欲を言えば、もう少し前景・背景をスッキリさせたい場面。次は株の頂上部、花序の蕾に産卵する場面。
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D500-34VR(トリミング), ISO=640、F7.1-1/1600、外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 次は、今回の一連の画像中、最もバランス良く整理できた作例。
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D500-34VR(トリミング), ISO=640、F8-1/1250、外部ストロボ、撮影時刻:12時06分

 苞葉が開く前の花穂に産卵しています。このパターンも比較的多いように思います。この画像からも分かりますが、♀の腹部、後翅には、ハナウドの花粉と思しき白い微粉が多数付着しています。ハナウド達にとって、キアゲハは受粉媒介者として有用なのでしょうね。また比較的新鮮な♀は産卵直前のホバリング時間も短く、サッと産んでいくので、シャッターチャンスが遅れることが多いものです。一方、やや飛び古した♀は、ホバリング力も弱く、比較的撮影は楽ですが、逆に見栄えがしない問題点もあります。次は後翅が半分ほど欠落した♀個体の産卵直前シーン。
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D500-34VR, ISO=450、F8-1/1250、-0.3EV、撮影時刻:12時12分

 この直後に産卵。
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D500-34VR(トリミング), ISO=640、F8-1/1250、-0.3EV、撮影時刻:12時12分

 後翅が欠落している分、ホバリングでバランスを取るのが難しいらしく、この体勢で、産卵に至るまでの時間が長く、その分シャッターを沢山切れるのです。

 今回、2日間かけて産卵シーンを観察した結果、ホストの選好性についても大まかな知見を得ることができました。ハナウドは結構広い範囲に生えていますが、次の条件を満たす株を選ぶように思います。

①日陰の株には殆ど産まない。陽当たりの良い株を好む。
②産附位置は苞・花穂・若葉・成葉と様々だが、株の高い位置に集中している。

 丈が比較的低くても、多数の卵が産附されている特異株もありました。
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EM12-Z60, ISO=400、F5-1/800、撮影時刻:11時48分

 周囲がイタドリに囲まれて、余り目立たない株ですが、何と13卵産んでありました。次に産附位置毎の卵画像を一部ご紹介しておきましょう。最初は総苞?に産み付けた事例。
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EM12-Z60, ISO=400、F5.6-1/1000、撮影時刻:12時10分

 中央やや下に黄色い卵が確認できます。実は見難いですが、花穂の茎部分にも別の1卵が確認できます(矢印先)。続いて若葉上の2卵。
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TG4@5.5mm(トリミング), ISO=100、F9-1/250、-1.0EV、撮影時刻:10時52分

 最後は成葉上の4卵。
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EM12-Z12(トリミング), ISO=64、F5-1/640、撮影時刻:12時13分

 こちらは色が橙色で、黒色胚も発達し、孵化も間近と思われます。

 キアゲハの撮影に集中した2日間は共に夏日。ふと木蔭を見ると、キジの♂が佇んでおりました。レンズを向けても平然とした様子。
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D500-34VR, ISO=2500、F8-1/400、-0.3EV、撮影時刻:12時14分

 日陰で暑さを避けているのでしょうか? しかし、こうして見ると本当に美しい佇まいです。「日本の国鳥」らしい風格を備えていると、改めて思いました。
# by fanseab | 2018-04-29 21:15 | | Comments(2)

ツマキチョウ卵の拡大像(4月中旬)

 ツマキ産卵シーン撮影の際、採卵した卵の超拡大撮影にトライしました。ツマキ卵の超拡大像は以前に撮影済ですが、産卵直後状態の撮影が今回の目的。他のシロチョウ類同様、ツマキ卵は産卵直後、白色を呈しますが、時間経過と共に黄橙色に変化していきます。色の変化について記録したメモをご紹介しておきましょう。室温(19-20℃)保管での結果。
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産卵後22hr.経過:白色
同上30hr.経過:僅かにクリーム色を帯びる
同上46hr.経過:黄色
同上72hr.経過:黄色
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 産卵後概ね50hr.経過で色変化は飽和し、孵化直前まで色変化はないようです。今回は、産卵後4hr.および82hr.経過した時点での撮影・比較をしております。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段12コマ/下段16コマ深度合成)、ISO=64、F6.3-1/50、外部ストロボ

 モンシロチョウが、水平な葉裏に産み付けるのに対し、ツマキの産附位置はセイヨウカラシナの蕾が入り組んだ隙間。そのため、ストロボ光を回し込むのに苦労します。卵は縦隆起と横隆起が組み合わさった構造をしており、横隆起の起伏が低いのが特徴。そこで、横隆起構造を卵全体に渡り綺麗に表現するのが、ツマキ卵拡大像撮影の重要ポイントだと思います。左側画像では、卵の右下部分に光が回らず、横隆起構造が完全に消えています。そこで、ストロボ光(2灯配置)の配置を試行錯誤して卵全体に光を回し込んだのが、右画像です。卵の高さは1mm。最大径は0.47mm。
 卵表面構造の起伏が明確なゼフ卵等に比較して、シロチョウ卵の微構造表現は遥かに難易度が高いと実感した次第。
# by fanseab | 2018-04-26 22:21 | | Comments(2)