探蝶逍遥記

アゲハの産み分け産卵(8月下旬)

「産み分け」と言っても、母蝶が♂と♀を産み分ける話ではありません。そんな事をしたら、適正?性比が保持できませんからね。さてまだ酷暑が残る昼下がり、拙宅庭先へアゲハが産卵にやって参りました。拙宅にはミカン科のホストとして、サンショウ、カラスザンショウ、コクサギを植えております。通常はサンショウかカラスザンショウに産み付けますが、この日は先ずコクサギに産みました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=4000,F8-1/1250,-0.7EV,撮影時刻:12時53分

 過去にこのコクサギ葉上から中齢幼虫を見出したことがあり、アゲハが産卵した事実はあったものの、産卵現場を現認したのはこれが初めて。貴重な画像になりました。証拠画像も撮りました。矢印が卵です。
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D500-34VR,ISO=500,F8-1/800,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時59分

 中脈上に産んでいます。この後、母蝶は繰り返し産卵場所を探索しながらフワフワと舞い飛びます。探索の過程で、フジバカマの葉にまで前脚連打をしております。
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D500-34VR,ISO=500,F8-1/800,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時54分

 実は左下に顔を覗かせているのはカラスザンショウの葉。柑橘系の臭気が隣に植えられているフジバカマにまで伝わっているのでしょうか。今度はそのカラスザンショウに産卵。
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D500-34VR(トリミング),ISO=900,F8-1/1250,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 母蝶の周辺の葉上には若齢幼虫が合計6頭確認できます。葉数と幼虫頭数の比は明らかにアンバランスで、すぐに餌が尽きてしまうでしょうね。母蝶は更に探索飛翔を続けた後、サンショウにも産み付けました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=2000,F8-1/1250,-0.7EV,外部ストロボ、撮影時刻:12時57分

 腹端の右横、葉裏に2個の卵が見えています。通常アゲハの産卵形式は葉上ですので、例外的な産附方式でしょう。同時に2個産み付けたのか、時間間隔を置いて産卵したのかは不明です。こうして、この母蝶は僅か4分間で、サンショウ、カラスザンショウ、コクサギの3種ホストに卵を「産み分け」たのです。これまでコクサギを除いた2種ホストについては、個別の産卵場面を観察・撮影した経験がありますが、同一時間帯で3種にも「産み分け」した場面に出会ったのはこれが初めて。少し得した気分になりました。
# by fanseab | 2018-09-13 21:20 | | Comments(2)

アオバセセリの幼虫観察:その3(8月下旬)

 拙宅近くのポイントで、首題幼虫の動向を継続観察しております。前回の観察は7月下旬。この間、酷暑で出かける元気も湧かず、38日振りの訪問となりました。先ずは前回も経過観察した4枚のアワブキ葉の様子。前回(左)と今回(右)を比較画像で示します。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:10時37分

 4枚の葉(#1~#4)の内で、#1、#3、#4の3枚に巣があり(矢印)、巣Aにのみ、3齢幼虫が潜んでおりました。今回巣Aを開封すると既に蛻の殻でした。葉#1の食痕面積は増えています。恐らく巣を放棄して、別の場所に新規に巣を造ったのでしょう。時期的には既に終齢に達していても不思議ではありません。そこで、大き目の巣を探すと、全部で4つ発見。最初は、お馴染みのパンチ穴が開いた、少し小さ目の巣(黒矢印)。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F4-1/100,外部ストロボ、撮影時刻:10時18分

 脚立に立って巣を手繰り寄せ、確認。巣の全景です。
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TG4@5.5mm(トリミング),ISO=100,F2.3-1/30,-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時18分

 全長ほぼ3cm。開封してみると・・・・。
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:10時23分

 例のド派手な幼虫が潜んでいます。胴体の黒色部分にブルーの斑点が出現しました。これは4齢以降に出る特徴。終齢は5ないし6齢ですが、ここでは何齢かは判断できません。
 さて、残りの3個の巣は結構大き目でした。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1600,F7.1-1/500,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分
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D500-34VR,ISO=1600,F7.1-1/500,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分
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D500-34VR,ISO=1600,F7.1-1/500,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時27分

 いずれもアワブキの葉の先端から豪快に折り畳んだ餃子状の代物。餃子と言うよりは柏餅のような雰囲気かな? 巣の特徴はパンチ穴が全くないこと。この3個の巣の中で、一つだけが手繰り寄せることのできる高さにあり、確認すると、4齢以降の幼虫が潜んでおりました。結局この株で目視できたのは、合計4個のみ。それなりに大きな株ですが、目の届く範囲内では4齢以降まで到達できる個体数は少ないようです。

 この後、少し場所を変えて別の株の様子を確認しました。この株からは前回、17個の卵殻を確認しております。しかし、確認できた幼虫巣は1個だけ。
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影時刻:11時51分

 巣の全長は65mm。やはり柏餅状で、中に4齢以降の幼虫を確認できました。前回観察時にアワブキ葉上に多数のアシナガグモがウロチョロしておりました。恐らく孵化直後の初齢幼虫はこれら蜘蛛の餌食になるのでしょう。初齢もしくは若齢幼虫の巣も殆どありません。かろうじて蜘蛛から逃げて、終齢近くまで到達できる個体はほんの僅かであるに違いありません。この株では、多く見積もっても終齢到達確率は(1/20)X100≒5%でしょうね。

 この観察の後、日を改めて9月初旬、別のアオバセセリポイントに出向いてみました。ここは成虫の生息が噂されている場所ですが、管理人は現認をしておりません。事前調査で、アワブキは2株確認しております。最初の株で初齢幼虫の巣を発見(矢印)。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1600,F7.1-1/500,-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時47分(9月上旬)

 ただ、これは時期的に空巣でしょう。これ以外には発見できず。別の株は樹高10m近い大木。こちらでは終齢幼虫巣を期待するものの、幼虫食痕のみ確認、巣は皆無。アオバは生息しているものの、最初に訪問したポイントに比較すると、個体数は圧倒的に少ないのでしょうね。
# by fanseab | 2018-09-08 21:19 | | Comments(4)

ルリタテハの産卵(8月中旬)

 拙宅近くにホトトギスの植え込みがあり、時々ルリタテハの幼虫が付いているのをこれまで経験しています。蒸し暑い日の午後、そこにルリタテハがやって来ました。明らかに♀の産卵行動。運よくカメラの持ち合わせがあったので、嬉々として撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=1400,F8-1/800,-0.7EV、撮影時刻:13時55分

 少し見難いですが、右脚先に産附済の1卵が見えています。どうやら、葉表・裏関係なく、産んでいるようです。この後、腹端も写し込むアングルを期待したものの、コンクリート上で暫し休憩モードに。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1400,F8-1/800,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時57分

 この後、様子を覗っていたのですが、産卵モードを再開せずに、諦めました。これまで本種の産卵シーンは全て、越冬明けの春先にサルトリイバラで写したもの。夏場、それも園芸種のホトトギスへの産卵シーンは初体験で、チョッピリ満足感を味わえました。
# by fanseab | 2018-09-04 21:46 | | Comments(2)