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探蝶逍遥記

アカボシゴマダラの羽化(11月19日)

 自宅庭のエノキには毎年、アカボシが産卵しており、居ながらにして生態期のフルステージを観察することができます。特に秋口は幼虫の数が一番多く見られ、ブログネタが少なくなるこの時期に、絶好のブログネタを提供してくれます(笑)。

 さて、11月に入り、終齢幼虫が続々と蛹化しております。今年はこの時期の蛹化が異例に多く、現在12頭ついています。そして先月23日に蛹化した個体が昨日黒化し、羽化真近の兆候を見せていました。                                         ++横位置画像はクリックで拡大されます++
アカボシゴマダラの羽化(11月19日)_f0090680_23163668.jpg
D40-24、ISO=400、F9-1/15、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影月日・時刻:11月19日、6時38分

 この個体は当日の午後に羽化した(蛹期24日)のですが、その日は飛び立てず、今朝もまだ蛹の近くにおりました。
アカボシゴマダラの羽化(11月19日)_f0090680_23165379.jpg
D90-24、ISO=400、F10-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日・時刻:11月20日、8時33分

 後翅第5室の白班が外縁部に連続的に繋がり、全般に裏面がやや白い印象を受ける♂でした。10時過ぎになって、ようやく枝から動き出してエノキの葉上で全開日光浴を始めました。
アカボシゴマダラの羽化(11月19日)_f0090680_2317469.jpg
D90-24、ISO=200、F9-1/250、-0.7EV、撮影月日・時刻:11月20日、10時22分

 この個体は11時過ぎになって、空に羽ばたき、青空に消えていきました。自宅庭で羽化した最遅記録としては、2008年の11月27日 で、現在12頭いる蛹が、この記録を更新するのか?注目しているところです。
# by fanseab | 2010-11-20 23:18 | | Comments(10)

再びアサギマダラ(11月6日)

 前回の静岡遠征で谷あいに集団で暮らすアサギマダラ♀に出会いました。更に先日の鱗翅学会でアサギマダラの報告を聞いたこともあって、懲りずにまた静岡遠征です。今度は低山地のピークや尾根筋を重点に、ヒルトッピングして来る個体を探索しました。

 土曜日もムチャええ天気で、成果が期待されましたが、意外と目論見通りのポイントはありません。無駄に時間が過ぎていくなか、午後1時近くなって、ようやく車道横づけで撮影できる場所に出会いました。ここは一部に植栽としてフジバカマが植えられていて、目敏いアサギマダラ達が吸蜜に訪れていました。先ずは横位置で。                                                        ++横位置画像はクリックで拡大されます++
再びアサギマダラ(11月6日)_f0090680_23104894.jpg
D40-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時53分

 晩夏のヒヨドリバナと並び、この時期のフジバカマは絶好のアルカロイド吸汁源なのです。お次は縦位置で。
再びアサギマダラ(11月6日)_f0090680_2311732.jpg
D40-10.5-X1.4TC、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:13時08分

 2枚いずれも♂ですが、最初の個体は相当にボロでした。フワフワ飛ぶアサギマダラを見れば、当然飛翔に挑戦したくなります。この夏はアサギマダラに縁が無く、秋口に安曇野に集結する渡りの途中の集団も今年は観察できなかったので、ここぞとばかり乱射しました。最初は♀。
再びアサギマダラ(11月6日)_f0090680_23113973.jpg
D40-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時50分

 フジバカマに群れていたのは、全て♂だと思っていましたので、意外でした。お次は♂。
再びアサギマダラ(11月6日)_f0090680_2312280.jpg
D40-10.5-X1.4TC(ノートリ)、ISO=200、F5-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時55分
再びアサギマダラ(11月6日)_f0090680_23121892.jpg
D40-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F10-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時57分

 最初の画像は、珍しくノートリで上手く収まりました。ただちょっとピントが甘いです。おしまいに、この日撮影した飛翔のベストショットをやや大き目の画像でご紹介しましょう。
再びアサギマダラ(11月6日)_f0090680_23123552.jpg
D40-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:13時08分

 これ、左上の空間から右下のフジバカマに向かうアサギマダラの動線が表現できて気に入っています。まぁ、しかし、アサギマダラの飛翔は簡単そうに見えて奥が深いです。まだ「これだ!」っていう決定打を撮影できていません。「やったー!ホームランだ!」と思ったらファウル(つまりフレームアウトのこと)だったり・・・(^^; まだまだ挑戦は続きます。

 ところで、今回観察したヒルトッピング集団は渡りの途中なのか、それとも谷あいで暮らす個体が風で尾根筋に運ばれたものなのか?よくわかりませんね。
# by fanseab | 2010-11-09 23:15 | | Comments(10)

モンシロチョウ(11月3日)

 文化の日は所謂「気象上の特異日」とされていて、例年好天が期待できます。お約束通り、この日も神奈川県は雲一つない快晴になりました。しかし、悲しいことに所用で遠出ができず、仕方なくご近所の多摩川でお散歩撮影です。

 この日はモンシロチョウにちょっと拘って撮影してみました。管理人はモンシロの撮影はとても難しいと感じています。もちろん、撮るだけなら、コンデジを使えば小学生でも楽に撮れます。ただ、この蝶の持つ優しい雰囲気とか、黒斑紋、前翅前縁部の淡褐色グラデーション、裏面のベージュ色と表翅の純白との対比表現等、拘って写そうとすると途端に難易度が上がる蝶です。まぁ、モンシロを綺麗に撮れれば撮影テクニックは卒業したと言っても過言じゃないでしょう。で、今日はモンシロとちょっぴり、真剣勝負です(笑)

 最初はセイタカアワダチソウに拘っていた♂。クズが繁茂した空間を周回飛行で探♀した後、必ずこの株に戻ってきておりました。                                                 ++横位置画像はクリックで拡大されます++
モンシロチョウ(11月3日)_f0090680_044519.jpg
D90-85VR、ISO=200、F10-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:11時41分

 少しアングルを変えて、セイタカワダチソウの黄色い花房に被さるような構図で一枚。絞り解放気味でアワダチソウの房をボカす工夫をしてみました。
モンシロチョウ(11月3日)_f0090680_045986.jpg
D90-85VR、ISO=200、F4-1/3200、-1.0EV、撮影時刻:10時46分

 次に場所を変えてセンダングサに集まっていた個体を狙います。
モンシロチョウ(11月3日)_f0090680_052345.jpg
D90-85VR、ISO=200、F7.1-1/2500、-1.0EV、撮影時刻:11時58分
モンシロチョウ(11月3日)_f0090680_054346.jpg
D90-85VR、ISO=200、F7.1-1/2500、-1.0EV、撮影時刻:12時02分
モンシロチョウ(11月3日)_f0090680_055255.jpg
D90-85VR、ISO=200、F7.1-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:12時02分

 2枚目は少し大きめの画像でのご紹介。2枚目と3枚目は殆ど同じ角度ですけど、逆光でシロチョウを撮影していると、微妙なアングル差で表情が相当変化することに気が付きます。表翅の影が後翅に落ちたりすると、表情が一変するからですね。特に腹部がシルエットになって後翅に影を落とすと、意外と「優しさ」を表現できるように思いました。この一群の個体は面白いことに直ぐ傍にあるセイタカアワダチソウには全く見向きもしませんでした。よほど、センダングサの蜜が美味しいのでしょうね。

 モンシロを撮影しながら、ちょっとエノキの梢を検すると、お馴染みのアカボシゴマダラの幼虫がおりました。ここは敢えてシルエット画像で。
モンシロチョウ(11月3日)_f0090680_06267.jpg
D90-85VR、ISO=200、F7.1-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:12時04分

 既に短角型に変化して越冬準備が整ったようです。

 短時間でしたが、難題のモンシロに取り組んでみました。季節毎にもう少しモンシロにも時間をかけるべきでしょうが、ハイシーズンは、どうしても珍品に目移りして、撮影が叶いません。やはり、春先か晩秋にならないと撮影対象になりにくいですね。
# by fanseab | 2010-11-06 00:07 | | Comments(12)