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探蝶逍遥記

香港遠征日記(5)4月30日後半その3

 クヤニヤシジミを撮影したすぐ傍にオレンジ系のシジミがゆっくりと舞っていました。ウラフチベニシジミ(Heliophorus epicles phoenicoparyphus)の♀。                                        ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/400、-0.3EV、撮影時刻:13時10分

 これまで♂は撮影済で、♀は初体験。しかし、接近戦で撮るにはちょっとスレが酷かったです。そこから50mも歩かぬほどに、J・Yさんが「アンピッティア!」と叫びます。近寄って撮ったのがニセキマダラセセリ(Ampittia dioscorides etura)の♀。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.3EV、撮影時刻:13時14分

 和名の通り、ちょっと見、キマダラセセリ(Potanthus属)に似ていますが、その小さいこと! 何でも香港で二番目に小さいセセリだそうです。スレ品の上に、露出設定をマニュアルのままで失敗したため、酷い出来です(^^; これまたリベンジリストに挙げなくてはなりません。ファインダーからサッと消えたので、追跡するも直ぐに見失いました。代わりに登場したのが、「本物の」キマダラセセリ。帰国してから斑紋を詳しく検討し、タイワンキマダラセセリ(Pothathus confucius confucius)と判明。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.3EV、撮影時刻:13時14分

 香港では初撮影になります。この後、フウフウ言いながら、出発地の駐車場に戻り、ペットボトルをグッと飲み干して、鳳園に戻りました。鳳園では、香港蝶類学会の若手、A・Lさんと合流し、J・Yさんのスバルに同乗して、大埔墟の街中でランチです。日本から来た管理人に配慮されたのか、寿司屋に案内して頂きました。こちらはワンタン麺あたりで十分と思って居ただけに恐縮です。ここでネギトロ丼と厚切りのトロサーモン刺身を奢って頂きました。寿司屋のあった大埔墟の街並みのスナップ。
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GX100@5.1mm、ISO=80、F9.1-1/320、-0.7EV、撮影時刻:14時35分
 
 高層マンションは香港のシンボルとも言うべき、お馴染みの光景ですね。さて、再び鳳園に戻り、ここでJ・Yさんとお別れしてA・Lさんと撮影をご一緒しました。J・Yさん、本当にお世話になりました。15時頃からは、少し雲が出てきて蝶の活動もやや不活発になってきましたが、そんな中、ホシシジミタテハ(Zemeros flegyas flegyas )は相変わらず、活発に活動しています。ここは情緒的に切り撮ってみました。
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D5K-85VR、ISO=200、F6.3-1/320、-0.3EV、撮影時刻:14時56分

 お花畑で完品のシロオビアゲハ(Papilio polytes polytes)も撮影。
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D90-34、ISO=200、F7.1-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時03分

 もうちょっと寄りたいですけどねぇ。アゲハ類の撮影は本当に難しいです。午後の部は更に引っ張らせて下さいね(笑) <続く>
# by fanseab | 2011-01-07 00:03 | | Comments(4)

香港遠征日記(4)4月30日後半その2

 11時過ぎからのピーカン天気と想像以上にハードに歩いたため、途中からバテ気味の管理人です。先に行くJ・Yさんは軽快に歩いて、既に視界から消えました(^^; 何とか途中で追いついて、ハァハァ息をついて休んでいると、「ホラ、見てご覧!」と言って、J・Yさんが指さしたのは、トガリワモン(Dischophora sondaica tulliana)の2齢幼虫集団。

 毛虫画像がお嫌いな方はページを直ぐに飛ばしてくださいネ!

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GX100@5.1mm、ISO=100、F4.1-1/160、-0.3EV、撮影時刻:10時41分

 トガリワモン成虫は北タイ ・ボルネオで観察しておりますが、幼虫は初めて。と言うか、生活史に通じていなければ、葉裏を捲って直ぐに発見出来る訳がありません。流石J・Yさんだと脱帽です。ワモン類はどうやら卵塊で産み付け、若齢時に群居する性質があるようです。この後、笹類の葉を捲っては、「これはXXセセリの幼虫・・・」と矢継ぎ早に説明されるので、メモを取る暇もありませんでした(^^; 

 暫く歩くと渓流沿いの美味しそうな雰囲気のポイントに差しかかりました。
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GX100@5.1mm、ISO=80、F9.1-1/30、-0.7EV、撮影時刻:11時05分

 画面の人物がJ・Yさんです。「ここはゴマフフタオチョウ(Polyura nepenthes nepenthes)のポイントなんだよ!」と指さしてくれました。「おぉ!」急にアドレナリン全開になるも、持参したエビ&パイナップルトラップは既に使い果たしていて、渓流の岩場に置くことができず、歯ぎしりしました。暫くここで粘ったものの、フタオの姿は現れずガッカリでした。

 更に歩くと、「ここはロヒタキマダラルリツバメ[Spindasis(Cigaritis) lohita formosana]のポイントだよ」とのご宣託。何てことのない草原の真ん中なんですがねぇ・・・。
香港遠征日記(4)4月30日後半その2_f0090680_1045917.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F9.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:11時39分

 しかし、予言は正しかったのです。ここで休憩がてら小一時間ほど粘っていると、「あ、来た来た!」と言われた指先に、小さな黒い影が青空を横切りました。そのうち、上の画像真ん中あたりのセンダングサの群落で吸蜜を開始しました!
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時36分

 この絵ではもう吸蜜を止めていますね。ブログ仲間の kenkenさん は常々、「キマルリは4本の尾状突起全てを表現し、かつ各々の突起先端にある白班を描写しなければ画竜点睛を欠く」とコメントされています。管理人もこれを意識して風にたなびく4本の尾状突起が上に揃うタイミングまでジッと待っての撮影でした。ただ、やや飛び古した個体のため、1本の先端の白斑が欠損しているようで、ちょっと残念でした。

 この後、管理人の体力は限界に近くなり、J・Yさんに断って大休止をしました。暫くして山裾から戻ってこられた同氏は「クロボシツバメ(別名マクラータタカネフタオシジミ:Tajuria maculata)がいたよ!」と羨ましいお話。しかし、ここは諦めるしかありません。この時ばかりは、自分の体力の無さを嘆いたのでした。

 さて、これまで来た道を戻りつつ渓流の小橋を渡る時、やや大き目のシロチョウが沼地を飛んでいるのを目撃。そのうち沼地に生えた大きな葉裏に止まりました。何と撮影したかった、タイリクトガリキチョウ(Dercas verhuelli verhuelli)でした! 沼地で300mmでもいい絵が撮れず悩んでいる管理人を見かねて、長靴を履いたJ・Yさんが「私が撮ってあげるよ!」と親切に沼地に入って撮影して頂きました。
香港遠征日記(4)4月30日後半その2_f0090680_1054123.jpg
D5K-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時04分

 銀塩一眼時代からの豊富な撮影キャリアを誇る同氏だけあって、ツボを捉えた絵は流石です。トガリキチョウには前翅先端が黒くなるタイプと黄色の地色のままの2タイプあって、撮影した個体は普通に見られる黒化型。この絵のように葉裏に隠れた個体を逆光で観察すると風景に紛れてその気配を見事に隠しています。これも巧みな擬態かもしれません。

 トガリキチョウを撮って、少し元気になった管理人に対し、J・Yさんが次々に撮影種を発見して頂きました。センダングサに来たクヤニヤシジミ(Sinthusa chandrana grotei)♀を撮影。
香港遠征日記(4)4月30日後半その2_f0090680_1055932.jpg
D5K-85VR、ISO=200、F9-1/800、-0.3EV、撮影時刻:13時08分

 ほぼ完品ですね。反対側に回り込み、順光でも撮影しようとしたら、逃げられました。まぁ、今回遠征で撮影した中では珍品の部類でしょう。シジミ画像にまた新たなコレクションができて大変嬉しかったのです。この種は春先に多く、♂の活動は早朝と夕方で、♀とは活動パターンが異なるとのこと。午後の部はまだまだ続きます。<次回に続く>
# by fanseab | 2011-01-03 10:09 | | Comments(8)

謹賀新年

ロヒタキマダラルリツバメ(Cigaritis lohita formosana)                                     
謹賀新年_f0090680_1314180.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F7.2-1/400、-0.7EV、撮影地:香港・新界地区、撮影年月日・時刻:2010年5月1日、13時29分

皆様、あけましておめでとうございます。
新しい年がやってきました。新年を迎えると、もう春は目の前に迫っていますね!

 さて毎年、拙ブログでは、新年にその年の抱負ならぬ「撮らぬ蝶の皮算用」をご紹介しています。昨年は「アゲハを真面目に撮る」をテーマに掲げてみましたが、昨年の成果を振り返ってみると、まだまだアゲハはきちんと撮る対象が沢山残っています。Papilioでは、ナミアゲハやキアゲハ、それにナガサキ♂、それとGraphiumでは国産のミカドアゲハ等、指折り数えると結構な種類がきちんと撮り切れていないことに気が付きます。またヒメギフも実はデジ一で未だ撮影しておりません。アゲハ類については、今シーズンも、もう少し拘ってみたいと思っております。

 後はできれば北海道に遠征して、北の蝶でも撮ってみるかな?と。幸い、ブログ仲間が北海道にも居られるので、交流を深めてみたい気持ちもあります。やはり大雪のウスバキあたりは蝶屋の憧れでもありますから・・・・。

 皮算用はこの位で止めておきましょうね。

 今年も拙いブログですが、読者の皆様と対話しながら、楽しくやっていきたいと思います。
本年もよろしくお願いします!
# by fanseab | 2011-01-01 01:32 | | Comments(46)