探蝶逍遥記

川崎市北部のアカボシゴマダラ(8/20)

 多摩川でセセリを撮影しての帰り道、ふと民家の庭先にあるエノキの小株(高さ1m)を覗くと、ゴマダラチョウの幼虫が。どれどれ・・・と手に取ると、「エッ、これ何か違うぞ。ひょっとして、え~、アカボシ・・・!!」。 頭部突起のトゲトゲ感、背面にある淡黄色突起対の特徴と数、二股に分離しない尾端の形状、紛れも無くアカボシゴマダラの終令幼虫でした。体長は頭部突起先端から尾端までの計測で54mmでした。
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D70S-24, ISO=500, F7.1-1/320

 神奈川県鎌倉市で放蝶されたとされる本種。次第に同県藤沢市、大和市、横浜市南部に勢力を伸ばしていることは周知の通りですが、まさか川崎市の北部まで進出しているとは驚きでした。いずれ、北上して東京都内・都下に進出するのも時間の問題と思っていましたが、実物がちっぽけなエノキに付いているのも見ると、「とうとう来たか!」の感がありました。

 藤沢(鎌倉)産が自力で北上したのか、それとも新たな放蝶の結果かは、わかりませんが、いずれにせよ、憂慮すべき事態に変わりはありません。暫く推移を見守りたいと思います。
# by fanseab | 2006-08-23 23:25 | | Comments(14)

多摩川セセリ探索:PartⅡ(8/20)

 前日(8/19)は猛烈な暑さもあって観察時間が制限され、セセリ成虫探索は消化不良の感が残りました。そこで連チャンで多摩川での観察です。本日は朝から曇り勝ちで助かります。7時半頃から探索開始。今日も土手の草地ではジャコウアゲハ♀が産卵に一生懸命です。すると、その草叢にセセリ発見。キマダラセセリ♂です。多少スレていますが、前日、寄生されてミイラ化した幼虫を見ていただけに元気な姿を見てほっとします。
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D70S-24, ISO=500, F9-1/200

 ウロウロすると、キマダラの個体数は多く、どうやら第2化♂発生のピークのようです。朝露に濡れた下草で、交尾ペアも発見。ペアを見るのは久しぶり、デジタルでは初撮影です。
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D70S-24, ISO=500, F9-1/60

 次にススキの原に突入。ススキ群落に面したアレチウリの葉上でもキマダラ♂がさかんにテリを張っています。そのキマダラ♂が突然飛び出した大きめのセセリと一瞬絡み、大型セセリはススキの葉のてっぺんに。高さ2mを越すススキに接近すると、いました、いました、待望のミヤマチャバネセセリ♂です! まだテリ張りには時間が早いのか、動きは緩慢ですが、なにせ静止位置が高過ぎて、撮影できず。そのうち、行方を見失ってしまいました。仕方なく、少しポイントを移動すると、今度は少し開けた場所で再び大型のセセリが飛び立ち、草叢に降り立ちました。慎重に接近して確認すると、ミヤマチャバネの(恐らく)♀です。縁毛もきれいに揃っていて羽化直後と思われる綺麗な個体。バシバシ写しまくりました。まずは、縦位置でパチリ。本種第2化個体の撮影もデジタルでは初です。ホワイトバランスが青味にブレるのを防止する意味でストロボを焚きました。
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D70S-24, ISO=500, F13-1/125、外部ストロボ

 この個体、かなり接近しても逃げず、一旦飛んでもせいぜい1m位で、すぐに草叢に降り立ちます。今度は自然光下、横位置で1枚。
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D70S-24, ISO=500, F13-1/60、+0.3EV

 ゴールデンウイークの頃発生する第1化個体に比較して、後翅裏面の白斑が若干小さめになるのが第2化の特徴。本種のトレードマークである基部側の小斑点も遠慮勝ちに付いていて、より一層エレガントな印象を受けます。

 このところ、相性が悪かった多摩川のセセリ成虫探索。本日はキマダラ、ミヤマチャバネ両成虫を撮影できて、久しぶりに満足する結果となりました。9時頃、急に暗くなって俄か雨が降り出しところで撤収。帰宅後、さっとシャワーを浴びて汗を流し、ビールを軽くあおると夏バテも少し吹っ飛びました(^^)

※実は、セセリ撮影の帰り道、意外なある物を発見してビックリ仰天です。これについては、後日更新いたします。その「意外なある物」とは・・・・??
# by fanseab | 2006-08-22 21:14 | | Comments(10)

木曽探索行(8/12-13) PartⅢ:シジミチョウ達

 御岳山麓は、開拓農家が苦労して開墾した畑が広がり、畑の間にはススキ野原や草原が多く残されています。そんな草原で必ず顔を出したのはヒメシジミ。ただ、8月の中旬ではさすがに時期が遅く、登場人物はいずれも、おじいさん・おばあさんの世界でした(^^)

 ところが、PartⅡでご紹介したオオウラギンスジ♀を撮影した林道脇に1頭の凛々しき青年(♂)が登場。このポイントは他の草原に比較して200mほど標高が高いので、新鮮な個体が残っていたのでしょう。実は管理人、この手のシジミ(ヒメ、アサマ、ミヤマ)は未撮影。そこで、心を込めて、この♂を追っかけました。まずは、対角魚眼で生息環境を写しこんだショット。純白の縁毛がブルーを際立たせています。
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D70S-10.5, ISO=500, F11-1/320

 この♂、ヒョウモン類と同様にヒヨドリバナが大好物。ここでは、ほぼ正面から吸蜜シーンを狙いました。全開シーンもさることながら、こんな角度からチラリと覗くブルーも美しい!
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D70, ISO=500, F8-1/800、+0.3EV

 今回のメインターゲット、チャマダラセセリの生息環境は殆ど裸地と呼べるような場所だったり、散髪用語で言えば坊主刈状態の草原になります。涼しさを求めてわざわざ信州の高原にやってきたわけですが、炎天下、牧場や牧草地を端から端まで、下を向きながらトボトボ探索すると、額から汗がポタポタ・・・。「俺は何しにこんなことしとるねん?」と辛気臭くなってしまいます。4箇所目の牧場の真ん中でやっと黒っぽい蝶の影が!地面スレスレを飛んでいる姿を見逃さないように慎重に接近すると、なんと、ベニシジミ(^^; 「頼むからベニシジミらしく、春型で登場してくださいな」トホホです。そんな辛気臭い探索作業の息抜きは牧場両端にある落葉樹林帯。長竿での叩きだしでストレスを発散させます。

 最初にシバグリ?の葉陰から褐色のゼフが飛び出し、下草に止まりました。慎重に接近して90mmマクロでパチリ。どうやらジョウザンミドリシジミの♀のようです(肛角橙色部の一部が欠損している点を判断根拠にしましたが、読者の方、同定間違いあれば指摘して下さい)。
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D70, ISO=500, F8-1/320

 数カット撮影していると、また飛び立って、今度はご開帳です。「オナガシジミさんを撮るんだったら私も撮ってね~♪」と言わんばかり。「ハイハイ、ちゃんと撮りましたよ~」
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D70, ISO=500, F8-1/320

 1週間ほど早ければもっと別嬪さんだったでしょうに。尾状突起や肛角付近に若干傷みが目立ちます。ほぼ同じ箇所からもう1頭のゼフが飛び立ちます。こちらも不活発で、すぐに下草に止まります。前翅の丸みを帯びた翅形、裏面の地色、肛角部の斑紋からミドリシジミの♀のようです(同定合ってますか?ちょっぴり自信ありません)。こちらは羞恥心の強い娘さんのようで、開翅シーンは拝めませんでした。 
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D70, ISO=500, F8-1/320

 さて、5箇所目のチャマ探索ポイントの近くで次のような環境に辿り着きました。
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D70S-10.5, ISO=500, F11-1/320

 画面中央右に深紅の花穂が! 賢明な読者の皆さんは管理人が何を期待したか想像できると思います。その蝶にとって、本当に理想的な環境に思えたのですが・・・。結局、今回遠征で第4あるいは第5のターゲットとした相手との遭遇はできませんでした。トホホ(今回遠征ではこの文言がよく登場します)。

 何かトホホの連続のようですが、別の楽しみもありました。当地は言わずと知れた蕎麦の名産地。いつもはコンビニのお握り弁当をフィールドでそそくさと済ます昼食スタイルですが、今回は探索に疲れた体を休める意味で、ちょっぴり贅沢に蕎麦を堪能しました。下の画像は二枚盛の天ザル(1900円也)。コシのある蕎麦の喉越し、瓜の天プラは絶品でした。それにしても、蝶以上に料理画像を撮るのは難しいものですね(^^; 多灯ライティングの技が必要なようです。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F3.5-1/50、内蔵ストロボ

 幻のチャマダラセセリを狙った今回の遠征。将に幻に終わりましたが、副産物を沢山用意してくれるのが、信州の懐の深さ。来シーズン以降の良き下見となりました。チャマについては、5月に訪れるのも手かなあ等と思いながら、高原を後にしました。  (了)
# by fanseab | 2006-08-20 20:24 | | Comments(6)