探蝶逍遥記

アサギマダラの吸汁行動(5月下旬)

 平地性ゼフを撮影した日、植栽として植えられているフジバカマにアサギマダラの姿がありました。このポイントで本種を見るのを恐らく初めて。フワフワ飛んでいるのは、♂でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60, ISO=800、F4.5-1/4000、撮影時刻:7時18分
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EM12-Z60(トリミング), ISO=800、F4.5-1/4000、撮影時刻:7時20分

 飛翔してはフジバカマに止まり、葉上から吸水しているような行動を取りました。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=800、F8-1/640、撮影時刻:7時15分

 撮影日の早朝、結構強く雨が降った影響で、葉上には多量の水滴が残っていました。そこから吸水していたのでしょう。さらにドクダミの花弁にもストローを伸ばしました。
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EM12-Z60, ISO=800、F8-1/400、撮影時刻:7時17分
 
 ストローの位置から考えて、ドクダミからの吸蜜ではなく、単なる吸水行動のようです。

 よく知られているように、アサギマダラ成虫はフジバカマ類の吸蜜を好みます。フジバカマには本種の性フェロモン合成に欠かせない、ピロリジジンアルカロイド類(PA)を含有しているためとされています(※)。この習性を利用し、渡りの途中に本種を吸引させるため、意図的にフジバカマの大規模植栽を実施している公園もある位です。今回の「吸水」行動も単純な水分補給以外に、フジバカマや周辺植物の葉や花弁上に拡散した微量のPAを吸収していた可能性も否定できませんね。

※本田計一/加藤義臣編(2005)チョウの生物学,東京大学出版会,245-248.
# by fanseab | 2018-06-02 22:53 | | Comments(0)

平地性ゼフ色々(5月下旬)

 今年は蝶の発生が全て前倒しです。ミドリシジミも発生している筈なので、川崎市内のポイントを来訪。予想通り、綺麗な♂に出会えました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR, ISO=500、F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:7時32分

 この直後、開翅。
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D500-34VR(トリミング), ISO=500、F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:7時33分

 残念ながら後ろ向きで全く光りません(^^; この直後、樹冠に消えました。気温が高めで、思い通りにいきません。2日後、再チャレンジで出向くも、下草に降りている個体は皆無。仕方なくハンノキ上で開翅した♂を撮影。
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D500-34VR(トリミング), ISO=500、F8-1/640、-0.3EV、撮影時刻:7時09分

 これまた遠すぎるので思いっきりトリミングしてこの有様(^^; 親が駄目なら、幼虫でも・・・と思い、幼虫巣を探索。俗に「ハンノキ餃子」と親しまれている巣をいくつか発見。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=400、F5-1/200、撮影時刻:7時49分

 皮を空けて、餃子の餡、つまり終齢幼虫を確認するも、既に蛻の殻でした。例年なら終齢幼虫発見も可能なのでしょうが、やはり時期遅れですね。
 ハンノキ林の周辺では、例年よりアカシジミ・ウラナミアカシジミの個体数が多く感じられました。ネザサの生える斜面を歩いていると、パタパタともがく、ウラナミアカの羽化直個体を発見。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=400、F3.2-1/125、撮影時刻:6時47分

 但し、ゴソゴソもがいている際に、結構擦れてしまった様子。ハンノキ林を背景にした広角画像も撮影。
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EM12-Z12, ISO=400、F7.1-1/160、外部ストロボ、撮影時刻:8時27分

 朝方の雰囲気は上手く表現できたと思っております。ウラナミアカの個体数が多いので飛び出し撮影にもトライ。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=800、F4.5-1/4000、撮影時刻:8時03分
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EM12-Z60(トリミング), ISO=800、F4.5-1/4000、撮影時刻:8時03分

 この子はほぼ完品。明確に♀と判定できる画像になりました。特に2枚目は展翅品同様な開翅状態で撮れました。一昔前なら、「合成画像じゃないの?」と疑問を持たれそうですが、高速連射技術の進歩で、こんな絵が簡単に撮れるようになりました。残念なのは、右前翅端付近がイタドリの葉の陰で潰れてしまった点。別途、正面に向かってくる場面も撮影。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=500、F5-1/4000、撮影時刻:9時10分

 単射飛翔撮影では、絶対撮り切れない瞬間です。複眼の視線が進行方向(右側)に向いていることがよく理解できます。
 ウラナミアカに比較して、アカシジミは殆どがスレ個体で、レンズを向けるのを躊躇しがち。それでも飛び立ちの瞬間撮影にもチャレンジ。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=800、F4.5-1/4000、撮影時刻:7時58分

 この個体も、後翅肛角付近に大きな亀裂があります。ミドリシジミ開翅は再チャレンジを予定するものの、気温が全般に高目に推移していて、苦労しそうです。
# by fanseab | 2018-05-29 21:12 | | Comments(4)

ウスバシロチョウ卵の超拡大像

 先日撮影したウスバシロ産卵シーンで、採取した2卵を拙宅に持ち帰り、超拡大撮影を試みました。過去にこの手の撮影は実施済ですが、今回は深度ステップを少し多めに取って、より緻密な表現をすることが目的。ところが大きな失敗をしてしまいました。採卵から4日経過したこともあり、卵表面に細かいカビが生えてしまったのです。超拡大撮影にとって、これは致命的な誤算。仕方なく綿棒に水を湿らせて、卵表面を軽く拭って清掃したのですけど、細かい部分にカビが残り、見苦しい画像になってしまいました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P1442@42mm-P14R(上段23コマ/下段27コマ深度合成+トリミング), ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月15日

 直径1.42mm、高さ0.76mm。一見シジミチョウ卵のような複雑な構造を有しております。産附された直後、卵がサーモンピンク色を呈すことは以前の記事で述べました。産卵から24hrs.経過時点では卵の外観は、僅かにピンク色が残っており、48hrs.経過後、完全に白色になっておりました。但し、上記画像を見ると、精孔部は未だ濃いピンク色を呈しているようです。

 今回は卵表面に発生した「カビ」と思わぬ格闘を強いられました。モンシロチョウやツマキチョウなどシロチョウ卵は、産卵後4日を経過しても、卵表面にカビは生えません。アゲハチョウ科のPapilio属卵でも、同様にカビは生じません。ウスバシロの場合は、産卵時に多量の粘着液を卵表面に塗布するため、この液起因のカビが生えるのでしょう。液組成は不明ですが、おそらく多糖類でしょうね。湿った環境に放置されれば、カビが発生して当然なのだと思います。
# by fanseab | 2018-05-26 18:22 | | Comments(2)