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探蝶逍遥記

<   2019年 06月 ( 10 )   > この月の画像一覧

オオミドリシジミ(6月下旬)

 ♀の産卵シーン撮影目的に東京都下の里山公園へ。この日の最高気温は31℃。ついつい日蔭で一休みしてしまいます。産卵に来そうなコナラの実生をチェックするも、既に産まれた越冬卵は見つかりません。そのうち丘の高台のカエデ梢上でキラキラ絡む2個体を発見。最初は擦れたウラギンの絡みかと誤認しましたが、正体は飛び古したオオミドリシジミ♂でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F8-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:9時12分

 この公園にオオミドリ♂のテリ張りポイントがあることは知人から聞き及んでおりましたが、そのポイントを偶然発見した嬉しさから、汗も心なしか引きました。しかし、高く・遠いので接近戦は無理。そこで先日kmkurobeさん(クリックでジャンプ)からノウハウを伝授して頂いた「長竿+インターバル撮影」法をトライ。長竿は採集用の2.5m。小生が腕を目一杯伸ばせば、高さ4m程度までは届く仕組み。これに12mmの広角レンズを付けた最軽量システムで狙ってみました。
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EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/800、撮影時刻:9時26分
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EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/640、撮影時刻:9時34分
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EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/640、撮影時刻:9時39分

 バリアングルモニターでの位置決めだと、閉翅しているゼフは結構難問。輝きがないので、どこを狙っているのか・・・。何せ4m先の空間にある5X7cmのモニターを観察しなければなりません。この日はとにかく暑くてピーカン照りなので、開翅角度も狭く、何とか3枚目で目的に近い絵が得られました。全開シーン個体の真上からカメラを見下ろすように撮れば迫力が出るはずです。これは今後の課題。
 結局、今回は♀産卵シーンには出会うことができませんでした。
by fanseab | 2019-06-30 10:23 | | Comments(4)

トビモンオオエダシャク終齢幼虫(6月中旬)

 拙宅庭には樹高2.5m程のエノキがあり、ここに産卵するアカボシゴマダラやゴマダラチョウを観察して楽しんでおります。樹高を維持するため、毎年数回の剪定を実施しています。先日剪定した枝を捨てる際、エノキの枝とは異なる「ムニュ~」した違和感を覚え、慌ててその枝を離しました。枝と思ったのは枝ではなく、とんでもなくデカい尺取虫でした。早速愛用の「イモムシハンドブック」で調べると、トビモンオオエダシャクBiston robustusの終齢幼虫と判明。元のエノキに戻して全体像を撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:15時01分

 画面中央にいるのですが、場所わかります?アップしてもご紹介しておきましょう。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:14時55分

 背景のエノキの樹肌の質感とモノの見事に擬態しております。本種幼虫の体色は相当バリエーションがあるようで、食べるホストの枝や幹の色に応じて幼虫体色も変化するのでしょう。折角ですので、正面・側面像もまとめておきます。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:14時58分


 体長88mm。恐らく国内のエノキ食い鱗翅目幼虫で、最大サイズでしょう。オオムラサキも太さはこの尺蛾幼虫よりは太いですが、長さは完敗ですね。これまで毎日のようにこのエノキを観察していて本種幼虫を発見したのは今回が初。もちろん擬態の見事さで見逃していた事例もあるのでしょうが、拙宅庭のエノキに本種が卵を産むのは稀なことなのだと思います。
 さて、この幼虫の最大の美点では長さではなく、その頭部。拡大像です。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:15時00分

 ヒカゲチョウ幼虫頭部でよく見られる「うさちゃん」スタイルですが、その内部に淡い色で「ニャンコ」が隠れているのです! 随分凝ったキャラ顔ですよね。蛾の幼虫にも奇想天外な姿形を持つ種がいます。本種は全体的に地味な印象ですが、頭部で楽しませてくれるタイプの幼虫でしょう。
 この子を撮影して2日後に突然姿が消えました。恐らく土中に潜り蛹化準備に入ったのでしょう。これから夏~冬を蛹で過ごし、順調ならば来年4月頃羽化するはずです。本種もギフチョウ同様、立派な「スプリングエフェメラル」なのです。
by fanseab | 2019-06-25 22:05 | | Comments(2)

オオミスジの飼育メモ(羽化まで)

 5/30付の記事でミスジチョウの飼育メモをご紹介しました。ミスジチョウ2齢幼虫を採幼した同日に長野県で採卵したオオミスジの飼育記録をメモにまとめました。これまでの経緯は、下記記事でご紹介してきました。今回はその続き・最終回です。
(1)初齢~3齢まで(クリックでジャンプ)
(2)越冬準備状態(クリックでジャンプ)
(3)越冬中の様子(クリックでジャンプ)

 3月下旬、網掛けしたウメの鉢を覗いてみると、芽吹きが始まっており、オオミスジの幼虫も枝の二股から新芽脇に移動しておりました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=320,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:3月25日

 4月9日、新芽の摂食を開始。芽吹き前の固い部分を食うかは不明ですが、ここでは伸びた新芽を齧っています。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:4月11日

 体長は7mm。摂食以外は冬芽近傍を台座として静止しております。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F4.5-1/160、外部ストロボ、撮影月日:4月12日

 矢印#1が幼虫、#2が主として摂食している新芽。網掛けしているので、正確な日付は不明ですが、4月15日前後で4齢になりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:4月18日

 体長8.5mm。棘皮が伸び、色彩にメリハリが出てきました。驚いたことに、その色調は新芽と瓜二つ!第7-8腹節脇の淡緑色紋が冬芽から覗く新芽の色とソックリです。更に冬芽の周囲に巻き付くことにより擬態効果を高めているように思います。4齢時におけるウメの葉の食痕もご紹介しましょう。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F5.6-1/50、撮影月日:4月18日

 4月18日に屋外網掛け飼育から一旦プラケース内飼育に戻しました。4月21日頃、個体の色彩が顕著に変化していることに気が付きました。当初5齢になったものと思いましたが、飼育中、脱皮した頭殻を確認できなかったこと、およびこの前後での頭殻サイズに変化がないことから、4齢の途中で色彩が変化したものと推定しました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:4月23日

 体長13mm。緑色部分が増え、第6-8腹節側面の淡緑色が極めて鮮やかになりました。この頃既にウメの葉は全て伸張しているので、それに対応した擬態色に変化しているものと推察されます。4齢途中での劇的色彩変化については、実態を更に詳細に調査する必要がありそうです。タテハチョウ科の幼生期を詳述した手代木氏の図鑑(※)と照合すると、4月23日に撮影した画像と同氏図鑑上の4齢個体の色調が一致します。今回の飼育では頭殻について各齢の比較画像を撮ってはおりません。唯一撮影した4齢頭殻画像のみご紹介しておきましょう。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月16日

 高さはほぼ2mm。4月28日に眠。ここから3日間変化がなく、眠にしてはやや長く、ひょっとして病死したか?と懸念しましたが、5月2日に無事脱皮。5齢(終齢)になりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月8日

 体長は25mm。第3-8腹節背面側の緑色部が更に拡大しています。この緑の鮮やかさは印象的で、丁度オナガアゲハ終齢幼虫の色彩を想起させるものです。頭部付近の拡大像も示します。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月8日

 図体の割に頭殻サイズは小さめ(高さ3.5mm)です。自然な蛹化方法を取らせるように、終齢終盤の5月15日に再度屋外のウメに網掛け処理をして放置しました。5月17日、目論見通り、ウメの葉裏で前蛹となりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=64,F5-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月17日

 体長24mm。前蛹の通例として透明感が出てきました。蛹化した葉の表面画像です。
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/200、撮影月日:5月17日

 矢印#1の真裏が蛹化位置。蛹化前に葉を枯らして擬態工作をする旨、書かれている図鑑もありますが、ご覧の通り、今回の個体はそのような行動は一切しておりません。ただ当該葉の葉柄部(#2)には入念な吐糸が確認されます。翌18日に無事蛹化しました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=400,F4.5-1/160、撮影月日:5月20日

 体長は21mm。体色は淡褐色。周囲の葉の影響か、画像は多少緑色を帯びています。やはり、コミスジの蛹と比べるとデカいですね。5月30日に黒化。翅表の斑紋も透けて見えてきました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F5-1/80、外部ストロボ、撮影月日:5月30日

 翌31日、無事♀が羽化しました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影月日:5月31日

 羽化は13時頃。例によって羽化の瞬間は見逃して、既に翅が殆ど伸びた状態で撮影。前翅長39mm。本種として平均的なサイズでしょう。昨年8月に採卵してからこの日まで297日。ミスジチョウ同様、本当に長丁場の飼育をやり切った充実感と安堵感で一杯でした。

※手代木求, 1990.日本産蝶類幼虫・成虫図鑑 I タテハチョウ科.東海大学出版会,東京.
by fanseab | 2019-06-22 20:28 | | Comments(2)

ミドリシジミ(6月中旬)

 昨年は蝶の発生が異常に早かったのですが、今年はどうやら例年並みかな・・・。で、ミドリの撮影に適期と思い川崎市の谷戸に出向きました。前日までの雨が夜半に止み、彼らが下草に降りているチャンスと睨んだからです。しかし予想に反し、ポイントに着くと下草に降りているのは♂2頭のみ。取り敢えず綺麗な1個体に狙いを絞りました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@200mmX1.4TC(4コマ深度合成+トリミング),ISO=320,F5.6-1/250、撮影時刻:7時16分

 少し周りが明るくなると、開翅しました。
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EM12-P520@200mmX1.4TC(5コマ深度合成+トリミング),ISO=320,F5.6-1/250、撮影時刻:7時26分

 狙い通りのピカピカ個体。左右前翅端付近に水滴が付いて雰囲気満点。次にほぼ真正面から全開状態を狙います。
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EM12-P520@200mmX1.4TC(7コマ深度合成+トリミング),ISO=320,F5.6-1/250、撮影時刻:7時29分

 深度合成を使って複眼から尾状突起まで全域に合焦させると写真の雰囲気も結構変わります。次いで真横から。
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EM12-P520@200mmX1.4TC(5コマ深度合成+トリミング),ISO=320,F5.6-1/250、撮影時刻:7時33分

 曇り日の柔らかな光のお陰で理想的な発色になり、満足できました。いつも多数のゼフが舞い降りる下草ポイントにはこの日の朝方は1頭の♂のみでしたが、7時50分過ぎ、急に陽射しが増し、樹冠部に強烈な日光が差し込むと、多数の個体が一気に舞い降りてきました。先ずはB型の♀。
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D500-34VR、ISO=200,F8-1/800、-0.3EV、撮影時刻:7時55分

 表翅の傷も殆どない綺麗な個体。背景にハンノキ林を入れて、広角でも撮影。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=200,F9-1/160、撮影時刻:7時58分

 1時間後、ハンノキ葉上で開翅する個体も撮影。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=200,F7.1-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時55分

 やはり下草よりもハンノキ葉上開翅の方が自然な雰囲気が出て好きですね。続いてA型♀。
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D500-34VR、ISO=1600,F8-1/640、-0.3EV、撮影時刻:8時01分

 こちらは残念ながら前翅の擦り傷が目立ちます。O型・A型のような漆黒タイプは完品でないと見栄えがしません。華やかさのあるAB型なら多少の傷は「七難隠す」で、問題ないのですけどねぇ~。次にこの子を縦位置広角で。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=500,F4.5-1/800、撮影時刻:8時05分

 8時30分を過ぎるとほぼ全ての個体が樹冠に消えていきました。ただタケニグサの葉上で1頭の♂が残っておりました。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=200,F7.1-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時53分

 黄橙色のストローでしきりに吸水しておりました。ストローの長さが短く、必死に吸水している姿がチャーミングです。前夜来の雨滴が葉上に多数残り、面白い絵に仕上がりました。
 最後に残ったこの子も9時頃飛び去り、賑やかだった朝のショータイムはこれにて終了。久しぶりの「大漁」気分で帰宅できました。
by fanseab | 2019-06-16 20:21 | | Comments(2)

ビロードハマキ(6月上旬)

 鬱陶しい梅雨入りが宣言された日、買い物の途中、道路脇のクスノキ葉上に違和感が・・・。何と美麗蛾ビロードハマキCerace xanthocosmaが鎮座しておりました。慌てて帰宅し、カメラを携え現場に戻ってパチリ。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時35分

 前回観察したのは9月発生の第2化♀個体(クリックでジャンプ)でした。今回は時期的に第1化個体。しかも淡色斑紋サイズが全般に小さ目(細目)かつ斑紋数が少な目なので、♂個体でしょう。アングルを変えてもう1枚。
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EM12-Z60,ISO=320,F5-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:14時38分

 最後に広角で。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=400,F5-1/160、撮影時刻:14時45分

 背景に雨傘を差した女性を入れたくて、こちらも傘を差しながら数分間待機しての撮影。結構苦労したショットです(^^;
by fanseab | 2019-06-14 22:18 | | Comments(0)

ヒメジャノメ♂の卍飛翔(6月上旬)

 先日、横浜市内の里山でゼフ探索をしている時、林床で絡むヒメジャノメ♂2頭を目撃しました。所謂卍飛翔が数分間持続しました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z1240@14mm(トリミング),ISO=1600,F5-1/5000、撮影時刻:12時25分

 ヒメジャノメ♂の卍飛翔は以前、秋田県で15分以上持続した観察経験があります。それ以来の目撃事例です。卍飛翔と言えば、直ぐにゼフを連想しますが、ジャノメチョウの一部でも同様なバトルが観察できます。今回も前回も暗い環境を好んで飛んでいます。2頭が勢いで、一旦明るい林床に入ると、直ぐに暗い林床に戻り飛翔を続けます。本来であれば、ストロボを使用して撮影すべき対象ですが、ここは余裕が無く、ISO感度を上げて高速飛翔で撮る、「やっつけ仕事」。像がザラつき、色相も歪んで酷い仕上がりですが、まぁ、証拠画像としてご紹介する価値はあるでしょう。
by fanseab | 2019-06-12 21:51 | | Comments(0)

キアゲハ終齢幼虫(5月下旬)

 少し時間を巻き戻して先月下旬の話題。多摩川縁でキアゲハが好むハナウドHeracleum sphondyliumをチェックしていたら、多数の本種終齢幼虫がみつかりました。最初は茎に静止している個体。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@127mm,ISO=200,F5-1/640、撮影時刻:11時37分

 次にハナウドの果実を食う個体。
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EM12-P520@200mm,ISO=320,F4.5-1/640、撮影時刻:11時39分

 以前、ハナウドでキアゲハを飼育した経験があります(クリックでジャンプ)。この時は全て葉を食べておりました。今回の野外観察では、季節の進行で葉が黄ばみ始めていて美味しくないのでしょう。果実は茎より栄養価も高いこともあるのかな? ミカン科食いの黒系アゲハ幼虫がミカンの実を齧ることはありませんよね。セリ科食いのキアゲハならではでの摂食行動だと思います。今回は個体数が異常に多く、一つの株に複数の幼虫が付いている状況。
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EM12-P520@179mm,ISO=400,F4.5-1/640、撮影時刻:11時44分

 好んで食べている果実もあっという間になくなりそうです。記事がアップされた頃は全て蛹になっているはず。もっとも枯茎に紛れて、この子の蛹を野外で発見することは難しいでしょうけどね。
by fanseab | 2019-06-10 20:58 | | Comments(0)

里山のゼフ(6月上旬)

 近場の里山でゼフ探索。本日の主目的はアカ/ウラナミアカの産卵シーン。先ず川崎市内の谷戸を訪れました。目的のクヌギ低木に直行すると、何と3株とも切り倒されて綺麗に整地されておりました。例年複数頭のアカやウラナミアカが潜んでいて、恐らく産卵株と推定していただけにガックリです(^^; ここには複数のカメラマンが来られていて、状況を聞くと、「ミドリシジミは発生しているようだが、全く姿を見ていない。アカ/ウラナミアカもさっぱりだ」とのこと。こちらも下草やら必死に探索するも姿形もなし。ようやく1頭のウラナミアカを発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@200mm,ISO=200,F4-1/640、撮影時刻:10時17分

 縁毛が一応揃っていてまずまずの鮮度。時期的にアカは発生が終わったのでしょうか?栗の花穂にも全く姿がありません。ミズイロオナガもいないので、どうやらこのポイントは大不作の状況。そこで横浜市側へ転戦。農道脇雑木林の下草から飛び上がるミズイロオナガを発見。どうやら羽化直個体。
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EM12-P520@200mm,ISO=200,F4-1/1250、撮影時刻:11時49分

 腹端形状からは♂のようです。水田をバックに広角でもパチリ。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=200,F5-1/400、撮影時刻:11時52分

 開翅の期待も多少はありましたが、開く気配はありませんでした。ブラブラ歩きながら、クヌギの葉上に異様な物体を発見。
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EM12-Z1240@40mm,ISO=640,F4.5-1/640、撮影時刻:12時15分

 後翅が羽化不全のミズイロオナガでした。前翅を見る限り、比較的黒紋が発達した個体。後翅はどんな斑紋になるはずだったのか?と想像を膨らませました。こちらは腹端から判断して♀のように見えます。♀だとしたら、産卵だけはきちんとできることを期待しましょう。
 下草が綺麗に刈られた斜面の葉上にウラナミアカらしき個体が。でも近寄ってビックリ!ミドリシジミの♀でした。
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D500-34VR,ISO=1600,F6.3-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時21分

 どうやらこの子も羽化直個体。母蝶の脇を見上げると立派なハンノキがありました。このポイントへミドリシジミ撮影目的で訪れたことが無かったので、そもそもハンノキの存在すら知らなかったのです。この子がハンノキの在処を教えてくれたようなものです。広角でも一枚。
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EM12-Z1240@12mm,ISO=400,F4-1/640、撮影時刻:12時25分

 画面右奥の3本がハンノキ。株立ちしているので、実質1本です。これ以外にもう1本ハンノキがありました。しかし、それ以外には全く見当たらず、この2株を頼りに細々と発生を続けているのでしょうね。先ほどミズイロオナガの羽化不全個体を撮影した場所に戻り、ふとコナラを見上げると、葉裏にウラナミアカがおりました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F6.3-1/800、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時44分

 ひょっとして産卵行動中か!と色めき立ちましたが、どうやらこの子は♂。ちょっと葉裏で休憩していた様子でした。場所を変えたお陰で何とかそれなりの結果が得られましたが、当初目的としていた産卵シーンは次回以降に持ち越しになりました。

<6月10日追記>
 同日に撮影したウラゴの画像を貼るのをすっかり忘れておりました(^^;;
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D500-34VR(トリミング),ISO=2800,F8-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 帰宅準備でカメラを仕舞いかけてフト車脇の茂みを見上げると、♀らしき個体が静止しておりました。このポイントはイボタノキが豊富にある割にウラゴを確認した機会が少なく、ここではおよそ7年振りの再会。流石に本種は終盤戦で、かなり草臥れています。
 結果的にこの日、オオミドリ、アカを除けば平地で確認できるゼフの殆ど全てを観察できたことになります。最初はどうなることかと思いきや、満足すべき一日になりました(^^)

by fanseab | 2019-06-08 19:57 | | Comments(2)

大発生(6月上旬)

 ミスジチョウを撮影したポイント近くの林道を歩くと、あちらこちらからテングチョウが舞飛びます。場所によっては、まるで紙吹雪のように乱舞しています。どうやら今年はテングチョウが豊作、否大豊作なのでしょう。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時25分

 こんな単独飛翔画像では、「大発生」の状況が伝わらないですね(^^; 最近では2014年に全国的に大発生のニュースがあったように記憶しております。来年の春先、越冬個体が大量に乱舞するかはまた別でしょうけど・・・。
 テング同様に梢の上では、白い鱗翅目がそれこそ綿毛が舞っているように飛んでおります。キアシドクガIvela auripesです。
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=1600,F7.1-1/5000、撮影時刻:8時28分
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=1000,F5.6-1/5000、撮影時刻:9時25分
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EM12-P520@150mm(トリミング),ISO=640,F5.6-1/5000、撮影時刻:11時04分(5月下旬、別ポイントで撮影)

 いずれも♂の探雌飛翔。1枚目は木漏れ日を浴びた小枝が白く光っていて、これに♂がおびき寄せられています。丁度ウラゴが葉上の鳥の糞を♀と間違えて接近するのと同じ行動パターン。この子、飛翔スピードは緩いものの、結構不規則な飛び方をするので、意外と飛翔画像を撮るのに苦労します。ホストはミズキ科に限定されるようですが、果たしてこれだけの個体数をこの木本だけで賄えるのか?ちょっと疑問です。日本全国で一体、何億頭飛んでいるのでしょうね。集団飛翔の様子をyoutube動画にまとめてみました。

フェンス支柱で羽化直閉翅状態の♂を何とか見つけて撮影。
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EM12-Z1240@40mm(自動深度合成+トリミング),ISO=400,F4-1/125、撮影時刻:12時43分

 フサフサした前脚が和名の由来。しかし、羽化直個体では黄色と言うよりムモンアカシジミのオレンジ色に近い印象。一方♀はあまり活発ではなく、葉裏でじっとしていることが多いようです。
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EM12-P520@200mm,ISO=200,F5.6-1/1000、撮影時刻:9時52分

 触覚の幅は♂に比較してやや狭い感じ。これだけ多量の♂が飛び回っているのにも拘らず、交尾ペアを見つけることはできませんでした。不思議ですね。因みにこの蛾はストロー(口吻)が退化してありません。つまり羽化してから「飲まず、食わず」で飛び回っているのです。♀はともかく、♂は摂食もすることなく、全エネルギーを探雌に費やし、交尾した後朽ち果てていくので、何とも哀れなものです。成虫がこれだけ大量発生しているので、蛹も至る所に見出せます。こちらはフェンスに付いていた蛹。
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EM12-Z1240@40mm,ISO=200,F5-1/125、撮影時刻:12時47分

 何となくミヤマシロチョウの蛹に似ております。テングもキアシドクガも恐らく寄生昆虫類の発生消長とリンクしていて、数年置きに大発生するのでしょうね。
by fanseab | 2019-06-06 22:11 | | Comments(2)

ミスジチョウ(6月上旬)

 先日、ミスジチョウの飼育メモを記事にしました。その関連で、急に野外での成虫を見たくなって東京都下の谷戸へ出撃。朝方の吸水個体を何とか撮影できました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=200,F5-1/800、-0.7EV、撮影時刻:8時11分

 どうやら♀です。Neptis属を含むイチモンジチョウ亜科のタテハは♀でも吸水に来ますね。逆光でもパチリ。
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D500-34VR(トリミング),ISO=400,F7.1-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時33分

 逆光で狙うと裏面の傷がやや目立ってしまいました。そのうち、地上から離れ、梢上での吸水活動に移行しました。葉表で吸水しながら小飛行を繰り返していたので、飛翔を撮影。
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/5000、撮影時刻:8時39分
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EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/5000、撮影時刻:8時39分

 この二枚はいずれも別個体の♀。この日は、これ以外にも2個体(1個体は♀)、合計4個体見出すことができました。カエデ類での産卵シーン狙いで、複数のカエデ株で待機するも、この日は産卵場面には遭遇できませんでした。ミスジチョウの産卵シーンは過去に撮影済ですが、いずれも遠距離からのショットで、納得行く接近戦でのストックがありません。何とか実現したいと思っているのですが・・・・。
by fanseab | 2019-06-04 21:21 | | Comments(2)