探蝶逍遥記

カテゴリ:蝶( 974 )

ムラサキツバメ越冬集団の観察:その2(12月下旬および1月上旬)

 今年初めての首題集団の観察。場所は前回と異なり東京都内の某公園。撮影仲間のMさんより情報を頂きました。実は昨年暮れに集団の確認をした際、生憎カメラの持ち合わせが無く、仕方なく携帯で撮影。で、年が明けてから愛用カメラで撮り直すのが今回の目的。先ずは最大集団のあった葉を確認。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_1515582.jpg
EM12-Z12,ISO=200,F6.3-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:9時12分(1月上旬)

 正確に計数できませんが、恐らく17頭でしょう。葉柄側にドーム状にカーリングした別の葉が覆いかぶさって理想的な塒になっています。一方大きな葉の先端付近は日当たりが良過ぎて、気温変化が激しく越冬には不向きな場所だと思います。事実、昨年末にはこの先端付近に5頭程度が終結して合計20頭以上の集団になっておりましたが、その5頭が消えております。↑の絵では既に1♀が開翅状態です。その後、この♀はどこに飛び去ってしまいました。トリミングで塒中心部をもう一枚。
f0090680_1516308.jpg
EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F6.3-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:9時15分(1月上旬)

 この塒の裏側に回って観察してみると、2枚の葉が重なった部分に別の2頭が越冬していました。
f0090680_15164323.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=500,F7.1-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:9時18分(1月上旬)

 ふと、塒から離れて別の灌木に目を向けると、♀が開翅日光浴をしておりました。
f0090680_1517261.jpg
D500-34VR,ISO=500,F7.1-1/800、撮影時刻:9時31分(1月上旬)

 今冬初めてのムラツ開翅画像です(^^; 右前翅中室にある傷の特徴から、この開翅個体はどうやら、最初の縦位置広角画像で翅を開いていたのと同一個体。
 次にこの塒から程近い目線高さにある集団を見に行きました。しかし、全く「蛻の殻」状態でガックリ。
f0090680_15171930.jpg
TG4@5.5mm,ISO=100,F2.3-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時21分(1月上旬)

 参考までに年末、携帯で撮影した時の様子をアップしておきましょう。
f0090680_1517281.jpg
携帯(トリミング)、ISO=20,F1.8-1/125、内蔵LED、撮影時刻:13時29分(2018年12月下旬)

 恐らく16頭集団。結構ギッシリ感があって、見ごたえのする集団だっただけに残念でした。
 やはり12月中旬以降、安定的に大集団を観察するのは、結構難しいですね。しかし、来年集団が再形成されそうなポイントが把握できたことは収穫でした。
by fanseab | 2019-01-09 20:53 | | Comments(2)

アサギマダラの幼虫探索(1月上旬)

 今年最初の観察は越冬中のアサギマダラ幼虫探し。今回は昨年11月に訪れた東京都下ではなく、神奈川県北西部のポイント。もちろん初訪問です。針葉樹に囲まれ、アオキの群落がある付近がポイントと睨みキジョラン群落を探しますが、容易に発見できません。結構苦労して探し回った結果、ようやく25mX100mの狭い地域に比較的集中して生えている場所を見出しました。生息環境を整理すると、
①南向きの傾斜地(斜度約25度)
②針葉樹に囲まれて北西季節風をシャットアウト可能
③林床に陽ざしが差し込む
 特に③は大事な要素のようで、陽ざしが悪い場所のキジョランは少し枯れかけていたり、生育状況が悪く、アサギマダラ幼虫も付いておりません。逆にこの狭いポイントで一番陽ざしの良い高さ2mの株からは、6頭の2齢幼虫を発見できました。幼虫画像です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_166914.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:12時57分
f0090680_1661989.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時05分

 飼育した知見が活きて、この子は確実に2齢と言い切れます。体長は7mm。別の2齢幼虫2個体の姿です。
f0090680_1663178.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時07分
f0090680_1664866.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 1枚目の個体は脱皮直後らしく、脱いだ皮が左上方に残ったままです。この日確認できた幼虫は全て2齢で、それ以外はいませんでした。今後継続観察するには、東京都下のポイントより都合が良さそうなので、時折様子を覗いてみたいと思います。順調ならば4月下旬頃終齢幼虫もしくは蛹が見られそうです。
by fanseab | 2019-01-05 16:08 | | Comments(2)

謹賀新年

 皆様、新年明けましておめでとうございます。関東地方は昨年に引き続き、穏やかな元旦を迎えたようです。本年も拙ブログのご愛読の程、よろしくお願い申し上げます。コメントも沢山頂けると幸いです。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_2214111.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F5.6-1/4000、撮影年月日・時刻:2018年6月10日10時23分、撮影場所:中国陝西省(標高1800m)

 画像は、昨年6月、中国陝西省で撮影したマルバネヤマキチョウ(Gonepteryx amintha)♂です。和名は管理人が勝手に付けた仮名で、中国名「圆翅钩粉蝶」の意訳。中国大陸に棲むGonepteryx属(合計4種)の中で前後翅の尖出が最も鈍く、その名の通り、丸味を帯びた翅形です。本種は翅型の特徴からもわかるように、日本のヤマキチョウ(G.maxima)に極く近縁の蝶。maximaも陝西省に棲んでいますが、訪問したポイントで混棲しているのか、季節的に棲分けしているのかは、不明です。日本では絶滅危惧種扱いのヤマキと比べ、訪れたポイントでは、日本のスジボソヤマキのようにウジャウジャ飛び交っておりました。遠征で出会った蝶達も折を見てご紹介していきたいと思います。
 本年も拙ブログをご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます m(._.)m
by fanseab | 2019-01-01 06:55 | | Comments(24)

年の瀬のご挨拶

 一年が経つのは本当に早いもの。2018年もあと少し。巷では「平成最後の・・・」のフレーズで溢れています。さて、今年も拙ブログに訪問頂き、有難うございました。
 昨年末に拙ブログの年間記事数推移を計算したところ、見事に年ごとに減少していることがわかり、愕然としました。で、今年はどうか?と再計算したら、直前までで93記事。2017年が61記事でしたから、1.5倍の増加です。尤も質がそれだけ向上した訳ではないので、自慢にもなりませんが。。。。
 ここ数年のテーマである、産卵シーン撮影については、色々目論見はあったのですが、一番成果が出たのはウスバシロチョウ。ここで再掲載しておきましょう。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_21564183.jpg
EM12-Z60,ISO=400,F7.1-1/100,外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月11日13時42分

 同じ個体を1時間以上追跡して、やっと撮れた画像で一番思い出に残るショットでもありました。来シーズンもアップした画像同様、納得できる絵を撮りたいものだと思っています。    
 では、皆様良いお年をお迎え下さい。
by fanseab | 2018-12-29 20:23 | | Comments(2)

企画展のご案内(12月18日~28日)

 管理人も所属する日本チョウ類保全協会が毎年、この時期に開催している企画展です。読者の皆様、奮ってご参加ください。
12月28日まで、本案内をトップに掲載します。本文ページは、この記事の後をご覧下さい
+++++++++++++++++++++++++++++

◇◇企画展「チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~」◇◇
f0090680_2183636.jpg

 毎年、新宿御苑にて開催しております企画展を、今年は、下記の日程で開催いたします。チョウの生態写真(約70点)のほか、絵、保全に関するパネルなどの展示を行います。

日 時:2018 年12 月18 日(火)~ 12 月28 日(金)
      9:00 ~ 16:30(25日は休館日、最終日は12時まで)
場 所:新宿御苑インフォメーションセンター(クリックでジャンプ)1F(新宿門左側)
     「アートギャラリー」
      ☆入場無料☆
     
アクセス:JR・京王・小田急線:新宿駅南口より徒歩10 分
     東京メトロ副都心線・都営地下鉄新宿線:新宿三丁目駅より徒歩5 分
     東京メトロ丸ノ内線:新宿御苑前駅より徒歩5 分

内 容:チョウの生態写真・絵画・工芸品・チョウの保全に関するパネル、ほか

<ミニ講演会:22、23 日(土・日)に開催>

22 日(土):1 回目 11:00 ~ 11:30
  「絶滅の危機にあるチョウを守る」 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
     2 回目 13:00 ~ 13:30
  「運命の出会い~トルコのブナ林を舞うタイスアゲハ~」 永幡嘉之(自然写真家)
     3 回目 15:00 ~ 15:30
  「飛翔するチョウの魅力と撮影」 佐伯元行(日本チョウ類保全協会会員)

23 日(日):1 回目 11:00 ~ 11:30
  「絶滅の危機にあるチョウを守る」 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
     2 回目 13:00 ~ 13:30
  「奇跡の1枚~ロシアの草原で追いつづけたアカハネバッタ~」 永幡嘉之(自然写真家)
     3 回目 15:00 ~ 15:30
  「高山チョウ~その生態と魅力~」 清水晶(日本チョウ類保全協会会員)

※こちらの内容は、当協会ホームページ(クリックでジャンプ)にも掲載されております。
by fanseab | 2018-12-28 16:30 | | Comments(0)

アサギマダラの飼育メモ

 10月下旬、東京都下のポイントで採卵した1卵をフルステージ飼育した記録です。餌は全てキジョラン。11月3日に孵化。孵化直後は動き回って撮影できず。眠が近い初齢幼虫です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_2112543.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月4日

 体長5mm。孵化直後はほぼ無紋ですが、すぐに浅葱色の小紋が出現します。初齢段階で既に成虫の斑紋を想起させる色調を纏っていることには驚かされます。孵化直後はキジョランの葉裏を円形に「舐め食い」し、その後、葉の厚み全体を食い切っていきます。この時期の幼虫特有の円形食痕と初齢幼虫の姿です。
f0090680_21132719.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5-1/15,外部ストロボ、撮影月日:11月4日

 野外ではキジョランの葉裏に静止しておりますが、飼育でたまたま葉裏を上側に向けて置くと、幼虫は葉表側(光沢のある面)で静止しております。常に葉陰側に潜んで、外敵から目をくらます知恵なのでしょうね。5日に眠、翌6日に2齢へ。
f0090680_2113507.jpg
EM12-Z60(上段3コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=64/200,F4.5/5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月9日

 体長9.5mm。白斑が明確になり、気門線周りおよび腹節の一部に黄色紋も出現。更には、中胸部と第8腹節に棘状突起も現れました。9日に眠、翌10日3齢。
f0090680_21141490.jpg
EM12-Z60(上段3コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月13日

 体長14.3mm。2対の突起の長さが伸びて、本種幼虫らしい姿になりました。2齢に比較して亜背線にペアで配置される、やや大型黄色紋の範囲も伸びてきますが、未だ中央腹節部には白色班が残っています。13日眠、翌日4齢へ。
f0090680_21145193.jpg
EM12-Z60(上段5コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=64,F5/4-1/30,外部ストロボ、撮影月日:11月16日

 体長22.5mm。中胸部の突起は更に伸びて頭部より先に届くようになりました。なお体長は突起を含めず頭部から尾端までの長さを計測した値です。亜背線両側の大型黄色紋は腹節全体に広がりました。加えて、これまで黒一色だった頭殻にも白斑が入りました。4齢時の食痕も示しておきます。
f0090680_21151396.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F2.8-1/80,外部ストロボ、撮影月日:11月16日

 この齢数では、葉の縁からどんどん齧るため、食痕に規則性はありません。17日に眠、19日に5齢(終齢)到達。
f0090680_21153647.jpg
EM12-Z60(上段3コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30&1/50,外部ストロボ、撮影月日:11月24日

 体長39mm。幼虫体形が太くなり、白斑の数が増加し、いかにも「斑蝶」らしい幼虫の雰囲気が出てきました。4齢時からそうですが、中胸から突出した長大な突起は、能動的に動かせ、時折食草の表面に突起先端を接触させる行動が観察できます。明らかにこの突起先端には感覚センサーが付いているのでしょう。他のタテハチョウ科幼虫の棘状突起とは機能が異なるように思います。一方第8腹節から伸びる突起は、中胸のとは異なり動きません。単に、外敵から頭部と錯覚させる擬態部品として有効なのでしょう。参考のため、5齢頭部を正面から拡大した絵もアップしておきましょう。
f0090680_21341052.jpg
EM12-Z60(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:11月24日

 5齢より、頭部模様が複雑化して、浅葱色の斑紋が出ております。面構えはバイキンマンのような悪役イメージですね。
 なお、孵化から3齢途中までは、産附されたキジョランの葉を食べておりました。結局、前蛹までに食したキジョランの葉は合計4.7枚でした。また、野外採葉したキジョランには、マダラヤドリバエの微小卵が付いているようなので、スポンジで擦って微小卵を除去した後、幼虫に与えるなど、細心の注意を払いました。11月28日に前蛹。
f0090680_2117095.jpg
EM12-Z60(6コマ深度合成+トリミング),ISO=400,F5.6-1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:11月28日

 種類によらず前蛹時には体色が微妙に変化します。アサギマダラでは、これまで観察されなかった緑色を帯びてきました。当初、葉被りして画像が緑色に染まったのか?と誤解した位です。翌29日、無事蛹化しました。
f0090680_21172268.jpg
EM12-Z60(左4コマ/右3コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30&1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:11月30日

 体長(懸垂器部分を除く)24mm。まるで翡翠を彷彿とさせる宝石のような姿です。イヤリングとして販売したら売れるかも(^^) 前蛹時に緑色を帯びた理由が理解できました。孵化から蛹化まで要した日数は26日。蛹化から概ね10日ほどで羽化するだろうと期待しておりましたが、一向にその気配がありません。結局冬らしい寒さになって来た12月15日を過ぎて、ようやくストロー周りの組織が黒く変化。その後、本種らしい前翅の斑紋が透けて見えるようになりました。
f0090680_21181445.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日:12月18日

 どんな飼育事例でも、蛹に翅模様が透けて見えるようになると、ようやく95%飼育が成功したなぁ~と安堵できます。この画像を撮影した翌日、12月19日に無事♀が羽化しました。
f0090680_21185382.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日・時刻:12月19日9時36分

 前翅長は55mm。ごく普通のサイズと思われます。例によって羽化の瞬間には出会えませんでした。しかし、羽化直後の未だ翅が伸び切らない頃から、翅が伸びる様子は連続撮影できました。
f0090680_21191338.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/30~1/50,外部ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影月日・時刻:12月19日9時10分~31分

 翅の伸びから逆算して、恐らく9時10分頃羽化したと推察。撮影開始からほぼ2分で後翅が伸び切っています。前翅も伸び切るのは撮影開始後20分経過した時点でした。今回の個体の蛹期は20日間。異様に長いように思いますが、参考にしている図鑑(※)によれば、どうやら標準的な長さのようです。
 羽化した個体は折角ですので、マーキングを施した後、多摩丘陵の頂上から放蝶しました。因みに左右共に、前翅中室裏面に「1220」、後翅中室裏面に「FS1」のマークを入れました。真冬に屋外放蝶された彼女も迷惑がっているかもしれませんが、少しでも暖かい日を選び、南方へ渡ってくれれば良いなぁ~と、「育ての親」として勝手に祈っている次第。

※福田晴夫ほか(1982),原色日本蝶類生態図鑑(Ⅰ),保育社,大阪.

by fanseab | 2018-12-24 21:22 | | Comments(2)

アオバセセリの飼育メモ:失敗の巻

 8月下旬にアワブキから採幼した亜終齢個体を、晩秋まで飼育した記録です。結論から言うと、前蛹まで至らず、失敗談としてメモを残します。餌はアワブキ。最初は、5齢と思しき個体。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_21125821.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月4日

 体長は24mm。アオバをフルステージで飼育した経験がないので、この個体が4齢なのか5齢かは少し曖昧。ただ、腹節に出現する青色斑点が鮮明なので、5齢と推測しています。因みに3齢では同斑点が出ず、4齢で同斑点が出現するものの、斑点はやや不鮮明とされています。撮影時に苦労するのは、幼虫が真っすぐ伸びた姿勢を取らず、常に頭部を曲げて「Jの字」型になること。極端に驚かすと、撮影中葉から糸を引いて空中にぶら下がり、体を丸めた驚きのポーズを取ります。
f0090680_21132645.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月4日

 ただでさえ、極彩色を纏った外観ですが、丸まったデザインもかなり刺激的。外敵に対する威嚇行動と思われます。9月7日に眠、翌日6齢へ。
f0090680_21135051.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月19日

 体長27mm。5-6齢間での毎日の糞数は15個ほど。斑紋特徴は5齢と大差はありません。6齢時の食痕も示します。
f0090680_21141473.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F4-1/30,外部ストロボ、撮影月日:9月16日

 葉の縁から葉脈に沿って、食い進むパターン。一目でアオバの食痕と判別できそうです。5齢時に使用していた巣は、途中から離脱し、以降、巣を作ることはせず、概ね飼育プラケースの隅に静止しています。
f0090680_21143416.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影月日:9月24日

 飼育時に、アワブキの葉が空中にぶら下ったような、自然状態を再現できれば、造巣するのかもしれません。見方を変えれば、巣と同様な閉鎖空間さえあれば、巣を必要としないのでしょう。イネ科食いのセセリやヒカゲチョウ類のように、飼育プラケース内でも確実に造巣性を示すのとは、大きな違いがあると思いました。9月29日に眠、30日に7齢になりました。
f0090680_21145399.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影月日:10月7日

 体長32mm。6齢との斑紋形態の有意差は殆どありませんが、唯一、第9腹節が深みのあるワインレッド色に変わっています。5-7齢までの頭殻部の比較画像を示します。
f0090680_21151774.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ

 橙色の地色に4個の黒点が並ぶパターンは、各齢共に変わりありません。複眼周りの黒色部分まで含めると、「ムツボシテントウ」虫ですね。
 さて、7齢到達後、10日を過ぎても前蛹に移行する兆しがありません。11月10日過ぎから糞数が極端に減少、結局16日に衰弱死?で★様になりました。原因は不明ですが、秋口から飼育プラケースを屋外放置に切り替えた際、街路灯の影響で、日長を狂わして前蛹へのトリガーがかからなかったのかもしれません。残念ながら真っ白の粉を吹いた蛹の観察には至りませんでした。次回は卵からのフルステージ飼育でリベンジしたいと思っています。
by fanseab | 2018-12-19 21:52 | | Comments(2)

ムラサキツバメ越冬集団の観察:その1(12月中旬)

 この晩秋は、アサギマダラの産卵シーン撮影に注力したため、首題観察のスタートが大幅に遅れました。ようやく、川崎市内の里山公園を訪問。先ず昨年大集団が形成されていたクヌギをチェック。しかし、時期的に遅すぎたようで、葉が殆ど黄ばみ、落葉も始まっていて坊主。11月なら未だ集団があったかもしれません。仕方なく、これまで塒実績のある柑橘類もチェック。しかし、ここも坊主。単独越冬個体はおろか、ムラシ、ウラギンもおりません。この柑橘類、向かって左側の一部が大幅に伐採されて以降、北西風の遮断機能が低下したため、成虫越冬蝶達に嫌われるようになったと推測。仕方なく、昨年ムラシの集団越冬を観察できたアラカシ大木をチェック。ようやく9頭集団を見出しました。ヤレヤレ・・・(^^;

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_11191591.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/1000,外部ストロボ、撮影時刻:10時57分

 この時間帯はまともに日差しを受けていますが、気温が10℃をようやく超えたあたりなので、活動する気配はありません。角度を変えて撮ってみました。
f0090680_11193298.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800,外部ストロボ、撮影時刻:10時59分
f0090680_11194697.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=500,F6.3-1/1000,外部ストロボ、撮影時刻:11時06分

 2コマ目画像から、集団の上方に庇の役割を担う大きな葉が複数あることがわかります。概ねこのような庇の存在は、集団形成の必要条件のようですね。最後に広角でも撮影。
f0090680_11195975.jpg
EM12-Z12,ISO=200,F7.1-1/200,外部ストロボ、撮影時刻:11時52分

 と言っても高さ4mほどなので、持参の脚立に乗り、一脚を目いっぱい伸ばしてのインターバル撮影。撮影後、恥ずかしながら上腕筋に筋肉痛を覚えました(^^;
 この後、これまで塒実績のあったアオキ、シラカシをチェックしましたが、坊主。まぁ、ムラツはこんなもんでしょうが、ムラシを1頭も観察できなかったのにはビックリ。シーズン・種毎に、越冬蝶の個体数が結構変動があるものです。
by fanseab | 2018-12-16 21:22 | | Comments(4)

オオミドリシジミの越冬卵(11月下旬)

 アサギマダラ幼虫を探索した林道の一角に、東側が開けた急斜面がありました。6月頃、いかにもオオミドリシジミ♂がテリを張りそうな環境。ひょっとすると、♂に誘引された♀が産卵しているかもしれない・・・、そう思って、木陰のコナラ実生の枝をチェックしました。すると・・・ピンポーン! 子枝の分岐から本種越冬卵を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_10454666.jpg
EM12-Z60(4コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:11時39分

 2卵ですが、下の卵は寄生されています。オオミドリ越冬卵を見つけたのは久しぶり。実生を更に詳しく調べると、合計4株で15卵ほど見つけることができました。管理人は一度にこれほど多くの本種越冬卵を見出したのは初体験です。他の産卵事例もご紹介しておきましょう。まずは単独卵。
f0090680_10463274.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:11時43分
f0090680_10465470.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:11時44分
f0090680_10471330.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 続いて2卵の事例。
f0090680_10473568.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:11時47分

 小枝分岐部の窪みを上手く利用していますね。3卵の事例も。
f0090680_10475135.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:11時52分

 こちらは2卵が寄生種脱出済。単独卵の中で、一番汚れが少なく、かつ照明が楽な卵(↑でアップした単独卵の3コマ目)を選び、超拡大してみました。
f0090680_10481332.jpg
EM12-P1442@42mm-P14R(上段16コマ/下段22コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ

 直径0.97mm。高さ0.49mm。これまで管理人が撮影できた本種越冬卵画像の中でも、一番汚れが少なく、かつ綺麗な仕上がりで満足しております。それでもやはり、産卵直後の純白な姿を写したいものです。今回のポイントは複数のコナラに想定外の複数卵が産み付けられておりました。これまでの本種越冬卵の探索経験では、ポツンポツンと離散的に見出すことが多かったので、今回の事例はかなり特異的です。よほど産卵環境がよかったのでしょう。その産卵環境画像も2枚アップしておきます。それぞれ矢印が越冬卵を見出したコナラ実生です。
f0090680_10491620.jpg
TG4@4.5mm,ISO=400,F2-1/250,内蔵ストロボ、撮影時刻:11時20分
f0090680_10493036.jpg
TG4@4.5mm,ISO=400,F2.3-1/320,内蔵ストロボ、撮影時刻:11時28分

 早朝を除いて、ほぼ終日日蔭になっている環境です。実は本種♀の産卵シーン撮影も数年前から試みておりました。しかし、♀がいつ・どの株に産み付けるか、待機するポイントが非常に絞り難い対象だと思っていたのです。つまり、狙って撮るのが難しいかもしれない・・・と。しかし、今回見出したポイントでは、ひょっとすると来年夏も♀の複数卵産卵が再現されるかもしれません。今から期待が膨らんでおります。
by fanseab | 2018-12-13 22:07 | | Comments(2)

アサギマダラ幼生期観察(11月下旬)

 これまで本種産卵シーン撮影に訪問した、東京都下のポイントを再訪。流石に♀はもういないだろうと思いながら、林道を歩いてみました。この日の気温もこの時期としては異常に高く、手元の温度ロガー表示は何と最高23℃! しかし予想通り、母蝶の姿は全くありません。キジョランポイントに到着し、葉裏捲りをしてみます。驚いたことに前回11月中旬に確認した幼虫がほぼ姿を消していました。当時確認した卵数から予測しても、少なくとも10頭程度の2齢幼虫がいるはずなのに、全くいません。かろうじて孵化直後の初齢幼虫を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_11161919.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/160,外部ストロボ、撮影時刻:12時07分

 初齢でも後半には明確な黄色・黒色の斑紋が出るはずなので、文字通りの孵化直後個体と推定。画面中央左下には食痕が見えています。幼虫は丁度脱糞の最中で、尾端に緑色の糞が付いております。別の初齢幼虫を見出した際、近くにヤドリバチの姿が。。。
f0090680_11164557.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 幼虫体長は3mm程度ですから、ヤドリバチの体長は5mm程度。その大きさからタマゴヤドリバチではなく、幼虫もしくは蛹に寄生するグループと思われます。脚の特徴から恐らくアシブトコバチ科(Chalcidinae)の1種と推定。暫く、葉裏や葉の縁をウロチョロ歩き回っておりました。
f0090680_11171035.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分
f0090680_11172044.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/80,外部ストロボ、撮影時刻:12時04分

 触覚の先端も結構膨らんでいるのが、この手の蜂の特徴。時折片方ずつ触覚先端を葉の表面に当てて、何かを探っております。残念ながら、葉裏や幼虫に産み付ける決定的場面を観察することはできませんでした。アサギマダラ幼虫の寄生種としては、マダラヤドリバエ(Sturmia bella)が有名です。この蠅は、キジョラン葉上に微小卵を産み付け、比較的体格のデカい4齢・5齢幼虫の摂食と同時にアサギマダラ体内に潜入する戦略を使っています。果たして今回見出したヤドリバチも同じ方式を使うのでしょうかね?
 さて、アサギマダラの卵がどの程度あるのだろうか?と、こちらも探索。しかし、見出したのは僅か1卵のみ(矢印)。
f0090680_11244092.jpg
D500-34VR,ISO=1000,F8-1/400,外部ストロボ、撮影時刻:13時20分

 以上の結果から、このポイントでの本年秋の母蝶最終産卵時期は11月20日頃と推定しました。2齢以降の幼虫が皆無だったことから、外敵による摂食も過酷ですね。冬場に寒さと戦いながら越冬するアサギマダラ幼虫の姿を観察したいと思っておりましたが、少なくともこのポイントでは実現しそうにありません。目算が狂ったので、別ポイントを開拓せねばならないようです。
by fanseab | 2018-12-10 21:13 | | Comments(2)