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探蝶逍遥記

カテゴリ:蝶( 1037 )

オオミスジの産卵その2(8月上旬)

 前回7月下旬に引き続き、首題産卵シーンを狙ってみました。依然として多くの♀がスモモに産卵しておりました。今回の撮影目的は、より理想的な絵を撮ること。具体的には、①ほぼ真横から狙い、②翅と腹端を同時に写し込み、尚且つ③産み出される(出された)卵も同時表現すること。オオミスジはスモモの低い葉から樹冠に近い位置まで様々な部位に産んでいきます。当然、上記三条件を満足させるには低い位置から葉被り・枝被りを避けて撮らねばなりません。最初はほぼ理想的な感じで撮れたショット。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時48分

 しかし、上記③が表現されておらず、これでは自己評価の「A級ショット」とは言えません。この時、相手にした個体は比較的小さめな株に集中して産んでおりました。産卵行動に集中していると、葉のどこに産むか?産卵部位まで気配りできない場合があるのでしょう。珍しく葉裏への産卵シーンも見ることができました。
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D500-34VR,ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時49分

 成り行き上、葉上に掴まるより、葉にぶら下った方が楽だったのでしょうね。この子はこの後、樹高のあるスモモに移動し、産卵を続行。ようやく理想的なショットが撮れました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時51分

 少し見難いですが、腹端には緑色の産附卵も見えております。母蝶も汚損が目立たない個体だったので、見栄えがしました。地上低いスモモの葉に産む場合、時々産むべき葉を間違えることがありました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:10時35分

 これはアケビの葉上に誤産卵した事例です。左下囲み矢印が産附された卵。アケビ葉上からスモモまでは直線距離で僅か数10cmですが、孵化した幼虫にとっては、スモモまで辿り着くのに必死でしょうね。
 次回はその他のタテハチョウをご紹介しましょう。
by fanseab | 2019-08-21 21:15 | | Comments(0)

コヒョウモンモドキの産卵:その2(8月上旬)

 首題種の産卵シーンについては、8月2日付の記事で既にご紹介済です。今回は産卵シーンのみならず、孵化したての初齢幼虫まで観察できたので、まとめて記事にします。
 最初はクガイソウでの産卵シーン。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=400,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時20分

 流石にこの時期になると、母蝶(個体Aとします)も哀れな姿になっています。ここでは産附済の4卵が確認できます。2時間半後、同じ株に戻ると未だ母蝶が産卵しておりました。しかし、良く見ると、この子は先程とは別個体(個体B)。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 この葉裏にはどうやら2卵塊産み付けられています。母蝶が飛び去った翌日、この葉裏を撮影。
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TG4@8.9mm,ISO=100,F3.2-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時18分

 左下は210卵塊、右上は76卵塊。右上、左下は各々個体A、Bが産附したものと推定。このクガイソウ株から別途178卵塊を発見。
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TG4@8.9mm,ISO=100,F3.2-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時18分

 葉の主脈上には産み難いのでしょう。主脈上で卵塊に隙間ができています。今回産卵シーンを見出した株は小渓流の畔にあって、数株群れた場所。個体Bの産卵シーンを観察中、別の♀個体も飛来しました。
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EM12-Z60,ISO=200,F7.1-1/250、撮影時刻:12時59分

 個体の特徴から見て、上の葉にやって来た個体はA(下の葉で産卵中は個体B)と判断しました。
 さて、7月下旬に産卵シーンを観察したクガイソウ株に移動、産卵後の状況を確認してみました。最初は当時、産まれていた卵塊の状況。
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EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=100,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時37分

 未孵化状態ですが、黒い頭部の一部でしょうか、胚形成が始まっています。この時点で産卵後13日を経過しております。卵期はほぼ2週間と推定。結構長いですね。この株に産附されていた313卵塊はどうでしょう? 当該葉をチェックすると、葉の様子が少し変。
f0090680_1172858.jpg
EM12-Z60,ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 所謂「舐め食い」の食痕です。裏返してみると・・・。
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EM12-Z60,ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 大量の初齢幼虫が葉裏に群れ、これとは別に160卵塊が確認できました。前回以降、新たに産附された卵塊のようです。初齢幼虫の群れを拡大撮影。
f0090680_1183490.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 卵殻は殆ど残されたままなので、多くの孵化幼虫は卵殻を食することなく、葉裏を齧り始めるのでしょう。更に幼虫単独の拡大像をまとめてみました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 体長は2mm弱。念のため、このクガイソウの葉捲りを再度実施。すると驚いたことに、新たに下記4卵塊を発見。
①89、②80、③107、④111
 先程初齢幼虫集団傍から見出した160卵を加えると、結局、このクガイソウ株には何と合計1043卵も産まれていたのです!前回の記事でも述べたように、500卵でも明らかに食草が不足するはずですが、1000卵を超えると大変です。共食いの習性でもあれば、この問題は解消しそうですが、そんな習性もなさそうなので、越冬前に大半の幼虫は集団引っ越しをせねばならないのでしょう。考えてみると、国内のMelitaea属3種はいずれも越冬態は幼虫、しかも集団越冬方式です。しかもこの3種共に絶滅危惧種なので、「卵塊産附→幼虫集団越冬」は結果的にハイリスクな生活史と言えるかも・・・。コヒョウモンモドキも鹿食害等の影響で恐らく5年以内には、現在の「絶滅危惧1B類」から「同1A」に格上げになり、人工繁殖下でないと、種の存続が危うくなるでしょう。今のうちにクガイソウ&代替ホストの繁殖ノウハウ、人工交配等の飼育技術確立が必須でしょうね。
by fanseab | 2019-08-19 22:02 | | Comments(0)

コヒョウモンの産卵行動を探る(8月上旬)

 今回遠征ではアカセセリ以外にも、オオミスジ、コヒョウモンモドキ、コヒョウモンの産卵シーン撮影まで画策しておりました。ちょっと欲張りなのですが、「かすりでもしたらラッキー(^^♪・・・」と思い、トライしてみました。コヒョウモンの食草は バラ科のオニシモツケFilipendula camtschatica。この高原では渓流沿いにのみ生えています。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm,ISO=200,F3.2-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:11時00分

 遠くから見ると白い花が綿毛のようにこんもりしているので、すぐに他の花と区別できます。この高原ではチダケサシも咲きますが、咲く時期はオニシツモツケよりも遅れます。また、コヒョウモンは今回の観察経験から、♂♀含めオニシモツケの生息範囲から離れることはないので、ホスト・蝶両者共に局所的な分布になるのでしょう。
 さて、渓流沿いでコヒョウモンモドキの産卵シーン探索をしている際、コヒョウモン♀がチダケサシで吸蜜している場面に出会いました。
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D500-34VR,ISO=400,F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:11時30分

 この直後、この♀はオニシモツケの葉上に舞い降り、なにやら腹端を葉上に擦るような行動を取りました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:11時31分

 コヒョウモンは通常葉裏に産卵するとされているので、これは「産気付いた」サインだと直感。この後、別のオニシツモツケへ飛び、株の根本付近に潜り込みました。管理人も必死にその姿を追いかけましたが、茂みに隠されて姿が見えません。そのうちパッと母蝶は飛び出して再度チダケサシで吸蜜行動を取りました。直前に母蝶が茂みに潜った場所で、オニシモツケの葉裏を必死に探索するも卵は発見できませんでした。産卵したかったけど、好みの葉ではなかったのかもしれません。その後、この母蝶は視界から消えました。以前、ヒョウモンチョウ(コウゲンヒョウモン)の産卵シーンを観察したことがありますが、母蝶は食草のワレモコウの根際付近に潜り込む習性がありました。兄弟種なので、母蝶の産卵行動も似ているのだと思いました。

 さて、2日目も11時頃、前日と同じポイントでコヒョウモンを待機しましたが、この日はチダケサシでの吸蜜シーンを観察したのみ。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時11分

 結局、コヒョウモンの産卵シーン撮影も叶いませんでした。考えてみると、アカセセリもコヒョウモンも産卵時間帯が11時~12時半頃なので、両者の産卵シーンを追跡することは、「二兎を追う者は一兎・・・」の格言通り、慎むべきなのでしょう。今回の観察で、コヒョウモンはオニシモツケの比較的根元に近い葉に産む感触を得たので、別途、当該部位のオニシモツケの葉捲りを試みてみました。葉裏はこんな感じ。
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TG4@4.5mm,ISO=200,F8-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時55分

 ちょうど人間の掌サイズです。残念ながらオムスビ型のヒョウモン類の卵は発見できず。一方、蛾類の卵は2種見出しました。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング),ISO=100,F4.9-1/100~500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時59分/13時21分

 いずれも蝶ならセセリ類(Hasora属)の卵に類似していますが、もちろん日本国内にはオニシツモツケ食いのセセリはおりません。さて、どんな蛾が産んだのでしょうね?
 次回はコヒョウモンモドキを再度ご紹介したいと思います。
by fanseab | 2019-08-17 21:58 | | Comments(0)

アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)

 7月中旬から続いた一連の信州遠征の主目的はアカセセリの産卵シーン撮影でした。昨年は同じ信州でもゴマシジミ生息地に共棲する本種♀を追跡しましたが、結局産卵シーン観察は叶いませんでした。今回は撮影仲間のアドバイスにより、場所変えしての再チャレンジ。食草とされるヒカゲスゲらしきホストが高原のどのあたりに密生しているか、過去2回の遠征で概ね把握することができました。前回7月下旬段階では未だアカセセリは未発生。アカセセリ確認前に前回ジョウザンが群れ飛んでいた渓谷沿いのポイントを訪問。午前10時過ぎですが、ジョウザンは全く確認できず。ジョウザンの代わりに葉に止まっていたのはアカセセリ♂でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時26分

 これまで観察してきたアカセセリ生息環境とは異なるので、ちょっとビックリ。ここでは♂の吸水活動も撮影。
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D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時29分

 ♂吸水シーンは管理人にとって恐らく初撮影。この後、本来の草原環境に移動し♀を探索。目星を付けた場所で、♀の飛来を待ちます。ポイント環境画像がこちら。
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TG4@4.5mm,ISO=100,F8-1/200、-0.7EV、撮影時刻:12時33分

 ヒカゲスゲと思しき食草が生い茂っています。「日蔭菅」と言っても必ずしも日蔭にある訳ではありません。そのうち草地を低空飛行する♀を発見。明らかに産卵行動です!しかし、管理人の期待をよそにこの♀はすぐに日蔭で休息に入りました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時30分

 セセリも含め、産卵と休息を交互に繰り返す行動は良く見られるので、暫くこの子を監視することに。しかし、炎天下でじっと監視する作業はつらいものがあります。標高1500m超の高原でも梅雨明け直後のこの時期、33℃ほど、かつ風も吹いていません。20分ほど注視するも♀はじっとしたまま。こちらも痺れを切らして他の蝶観察に移動。暫くして戻ってくると母蝶の姿はありませんでした。ただ予想通り、産卵行動が昼前後にあると確信しました。翌日、再度同じポイントで♀の飛来を待ちます。11時40分過ぎ、♀がホバリングしながら草地低く飛ぶのを観察。今度こそ・・・と念じながら、♀の産卵を待ちます。しかし、今回も期待に反し、♀は休息モードへ。ノンビリと開翅です。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時59分

 この母蝶は休息後、再度飛び出して低空飛行を開始。「三度目の正直・・・」と期待するものの急に遠くに飛び去り、ジ・エンド(^^; 結局今回も産卵シーン撮影には失敗。ガックリでした。撤収前、気晴らしにノアザミでの♀吸蜜シーンを撮ってみました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=400,F8-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:12時59分

 アカセセリの個体数がそれなりに多いこの高原でも、産卵に訪れるポイントは局限されているようです。今回、産卵時間帯が昼前後にあることは突き止めたものの、産卵シーン撮影はまた来年以降の課題になりました。
by fanseab | 2019-08-15 20:47 | | Comments(0)

再びアイノの輝きを求めて(8月上旬)

 7月に2回訪問した信州の高原へ3回目の遠征です。今回遠征目的は色々あったのですが、アイノミドリシジミ♂の再撮影もその一つ。管理人としては、Chrysozephの構造色は「黄金色を帯びた金緑色」で表現すべきと思っているのですが、前回はその表現ができませんでした。もちろん時期的には汚損個体の可能性が高いですが、敢えてトライしてみました。最初はほぼ全開に近い開翅。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/640、撮影時刻:7時50分
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D500-34VR,ISO=320,F7.1-1/1000、撮影時刻:8時04分

 前回より陽射しの関係からか、より低い位置でほぼ正面から全開シーンを撮ることができました。構造色が最も輝くアングルです。1枚目は一眼ファインダー上では、理想的な黄金色に見えたのですが、撮影後液晶モニターで見ると、青味がかった絵になっています。理由は不明ですが、構造色表現の難しい点なのでしょう。次は半開、正面やや左手から。
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D500-34VR(トリミング),ISO=320,F7.1-1/1000、撮影時刻:8時02分

 ほぼ表現したかった色味が出ていますが、やや緑色が勝っています。次いで真横やや後ろ側からのショット。
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D500-34VR,ISO=500,F8-1/1000、撮影時刻:8時15分

 左前翅の輝きが将に管理人が求めていた色合いです。この日も日の出からピーカンで、8時を過ぎるとテリ張り位置に戻った個体は全開して僅か1~2秒で、半開もしくは更に翅を閉じ気味にするので、目的の色相表現は大変困難でした。助手役の方が傍にいれば、日傘を掲げて蝶の上に影を付け、開翅した瞬間に撮影・・・なんて技を使えますが、生憎この日は小生一人なので、それも無理。そこで、広角レンズにストロボを付け、ディフューザーで影を作り、アイノが開翅した状態でストロボを発光させる裏技?にチャレンジ。
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EM12-Z1240@12mm(トリミング),ISO=200,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:8時10分

 この作戦は見事成功!見たままの構造色が自然に表現できたと思います。おまけに被写体になってくれた♂はこの時期としては運よく傷無し個体!今回のアイノ撮影で、一番見映えする絵になったように思います。

 さて、静止画像を一通り撮影した後は、前回できなかった広角卍飛翔撮影に注力。卍形成ペアも前回より増加して撮影の効率も上がりました。
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EM12-Z1240@18mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:8時17分
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EM12-Z1240@18mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:8時18分
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EM12-Z1240@21mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:8時32分
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EM12-Z1240@17mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:8時39分
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EM12-Z1240@21mm(トリミング),ISO=200,F5-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:8時54分
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EM12-Z1240@12mm(トリミング),ISO=200,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:9時17分

 ズームレンズでの置きピン位置にもようやく慣れてきて、それなりに歩留まりが上がりました。いずれのペアもボロ個体ですが、表翅の輝きは静止画像よりもChrysoらしい色合いが楽に表現できるように思います。表現として適切でないですが、その輝きは「腐ってもアイノ」と言ったところでしょうか。至近距離では2頭共に視線を相手に向けているのが興味深いです。5枚目は卍ペアにメイガらしき蛾が闖入した場面。卍中に別のアイノやらコキマダラセセリ、アカネトンボが入り込んでお互いが追い掛け回すシーンは、何度見ても面白いですね。次回以降、今回遠征での撮影分を順次ご紹介していく予定です。
by fanseab | 2019-08-13 21:33 | | Comments(0)

カラスシジミの産卵行動(7月下旬)

 今回訪問した高原のスモモでは多数のオオミスジ♀の産卵行動を観察できました。「このスモモにはカラスシジミも生息している」との情報があったので、スモモ株を揺らしてカラスが飛び出すか、確認をしてみました。殆どの株は全く反応ありませんが、唯一樹高3m位の株から濃褐色の蝶影が飛び出しました。この個体はすぐにまた同じ株に戻ります。暫く探索してその姿を撮影できました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@193mmX1.4TC,ISO=800,F5.6-1/1000、撮影時刻:13時48分

 恥ずかしながら管理人にとって、カラスは初撮影。性標も見えないので、どうやら♀です。飛び立ちも狙ってみました。
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EM12-P520@50mmX1.4TC(トリミング),ISO=1600,F4.5-1/4000、撮影時刻:13時49分

 ちょっとピンボケ。表翅は濃褐色であることが分かります。その後、直ぐにこの子は小飛して別の葉に移動し、枝つたいにウロチョロ歩き始めました。明らかにシジミ類の産卵行動です。
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/500、外部ストロボ、撮影時刻:13時59分
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/500、外部ストロボ、撮影時刻:13時59分

 ご覧のように葉の茂みと枝に邪魔され、蝶影を捉えるのに苦心します。2枚目は腹端を曲げた瞬間ですが、腹端部は枝被り(^^; その後も似たような行動を取ります。
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EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=800,F7.1-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時59分
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EM12-Z1240@40mm(トリミング),ISO=500,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:14時03分

 1枚目は腹端から黒い産卵器官が突出していることがはっきり見えます。数分間に渡る産卵行動後、母蝶は別の株?に飛び去り、姿を見失いました。母蝶が去った後、産卵行動を取っていた枝先を子細に調査するものの、卵が確認できずガックリ(^^; 疑似産卵行動だったのか、それとも管理人の眼が節穴で発見できなかったのか? ちょっと心残りでした。
 実は5月下旬頃、東京都下の低山地で、本種の主要ホストであるハルニレの探索をしておりました。数個所ウロチョロしてハルニレが7-8株密集した理想的なポイントを見出したのですが、カラスの姿は無し・・・。そんな経緯もあって、今回カラスしかも、産卵行動に出会えたのは嬉しかったのですよ。
by fanseab | 2019-08-11 20:06 | | Comments(0)

ジョウザンミドリシジミなど(7月下旬)

 信州の高原で出会ったアイノ以外のゼフ類をご紹介します。最初はジョウザン。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=500,F8-1/1000、撮影時刻:10時10分
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D500-34VR(トリミング),ISO=1000,F8-1/1250、撮影時刻:10時12分

 ジョウザンは比較的低い位置に止まりやすいので、アイノよりは撮影難易度が下がりますね。
飛び立ちも撮影。
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EM12-P520@93mmX1.4TC (トリミング),ISO=1600,F5.6-1/5000、撮影時刻:10時03分

 飛び出し直後、体の向きをカメラ側に急激に曲げている場面。複眼がカメラ目線で迫力が出ました。続いてエゾミドリ。
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/1000、撮影時刻:14時54分

 今回訪問した高原でエゾの低いテリ張りポイントを知らないので、どうしても「高い・遠い」二重苦状態で苦戦します。続いてメスアカ。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1600,F8-1/800、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時00分

 アイノ撮影ポイントで他のカメラマンの方に発見して頂きました。残念ながらかなり汚損した個体。でもこの子を接近戦で見るのも久しぶりなので、思わず撮影。ここではアイノよりも発生が早いのでしょうか。同じアイノ撮影ポイントの下草には新鮮なウスイロオナガも佇んでおりました。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時41分

 この子は開翅するまでもなく、サッと飛び去ってこれ以上の撮影チャンスはありませんでした。次回はカラスシジミのご紹介です。
by fanseab | 2019-08-07 21:57 | | Comments(0)

アイノミドリシジミ(7月下旬)

 前回訪問した時点でフライングだった当地の緑系ゼフは概ね適期でした。初日にアイノポイントに到着したのは午前9時。アイノ観察には既にギリギリの時間帯です。おまけにドン曇りに近い空模様で、多くは期待できないな・・・と諦めておりました。一部のジョウザンがテリを張り始めているものの、予想通りアイノは姿を現しません。諦めかけた9時20分過ぎ、突然一組の卍が降下してきました。輝きの質から直ぐにアイノと直感。望遠高速連射で狙ってみました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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3コマ共通条件:EM12-P520@163mmX1.4TC (トリミング),ISO=1600,F5.5-1/4000、撮影時刻:9時23分/27分/27分

 2頭の♂共に完品で見栄えがします。3コマ目右上の個体はアイノらしい金緑色が出ていい感じに仕上がりました。卍は3分間ほど持続したので、途中から広角飛翔に切り替えたのですが、どうも置きピン感覚が合わず惨敗でした(^^; この卍ペアが出た後、全くアイノは出現せず、場所変えして他のゼフを狙うことにしました。
 さて、翌日は朝6時前にアイノポイントに到着。台風が接近中でしたが、想定外の快晴!しかしアイノは直ぐには登場しません。複数のカメラマンが集結して彼らを待機。8時過ぎにようやく低い位置にテリ張りを開始。
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:8時14分
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:8時16分
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時34分

 学名brillantinus(華麗なる輝きの意)に違わぬ素晴らしい構造色を堪能させて頂きました。↑の3コマ共に脚立に乗って撮影しておりますが、全開時に真正面上から見込むことができなかったので、「黄色みを帯びた金緑色の輝き」を表現できなかったのは誠に残念。唯一3コマ目、左後翅表にそれらしき輝きが再現できただけでした。この日はドピーカンの空模様だったので、テリ張りスタート直後に翅を全開から直ぐに半開状態に閉じてしまう等、制約条件が多すぎました。8時30分を過ぎると光線の関係で、テリ張り位置が徐々に上方に移動して行き、アイノ撮影はこれにて終了。しかし、久しぶりに本種独特の輝きを楽しむことができたように思います。次回はアイノ以外のゼフのご紹介です。
by fanseab | 2019-08-05 20:18 | | Comments(2)

コヒョウモンモドキの産卵(7月下旬)

 オオミスジ同様、この高原で期待したのが首題産卵。2014年に信州の別ポイントで本種産卵シーン撮影目的に結構拘って探索したのですが、当時同シーン撮影は叶いませんでした。今回は偶々現地でお会いした撮影仲間のMさんが産卵中の個体を発見して下さり、ようやく夢が叶ったのでした。母蝶は渓流すぐ脇のクガイソウの葉裏で産卵中。先ずは渓流対岸から遠目にパチリ。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時28分

 これ以上接近して撮影するには渓流に入らねばなりません。登山靴ではビショ濡れになるので、一旦愛車に戻り、準備してある長靴に履き替え、滑りやすい川床に留意しながら接近戦で撮影。
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F7.1-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時31分

 葉被りに注意しながら何とか腹端・卵まで表現できました。もう少し全体像を撮りたいので、準広角に変え、縦位置でトライ。
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EM12-Z1240@27mm,ISO=100,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時48分

 それまでどんよりとした曇り空でしたが、夏空が広がって来ました。夏空、卵塊含め数年来狙っていた構図が切り撮れて本当に満足いたしました。やはり卵塊で産む種は構図とかを考える余裕があって助かります。卵塊は少なくとも1時間半はかけて産み付けられたと推定されます。その卵塊の拡大像。
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EM12-Z1240@40mm+接写リング(トリミング),ISO=100,F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時15分/右上囲みはTG4による接写画像

 合計186卵です。卵の直径は0.5mm弱で、結構小さいです。タテハチョウ科としては縦条があまり目立たず、ツルンとした印象の卵。クガイソウは輪生葉ですが、この卵塊の一段下の輪生葉にも、もう一つの卵塊がありました。同一母蝶によるものかは不明。
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EM12-Z1240@40mm+接写リング(トリミング),ISO=64,F8-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:13時19分

 こちらは合計313卵。2枚併せて何と499卵! しかし、これだけの個体数の幼虫を一株のクガイソウで養うことはできないでしょう。越冬前に食い尽くしたら別の株に移動するのでしょうね。
 母蝶が産卵していたクガイソウの花穂には♀が2頭吸蜜に来ておりました。
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EM12-P520@100mmX1.4TC,ISO=400,F8-1/1000、撮影時刻:12時15分

 定番画像ですが、このような光景もひょっとすると近い将来簡単には見られなくなる可能性もあります。何せクガイソウの株数が非常に少ないからです。母蝶が飛び回っていた周辺を歩いて勘定してみると10株ほどしかありません。それに葉が貧弱な株には母蝶はどうやら産まないようです。特定の株、つまり葉の面積が大きい株に集中して産む傾向があるように思います。クガイソウ吸蜜の2頭の拡大像。
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EM12-P520@200mmX1.4TC (トリミング),ISO=400,F8-1/1000、撮影時刻:12時15分

 共に♀ですが、サイズ、表翅の黒化度には個体差があります。右個体は今回遠征で出会った中で最も黒化が進んだ子。
 裏面のモザイク模様が綺麗なので、ついつい半開翅シーンを撮影してしまいます。
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EM12-P520@187mmX1.4TC (トリミング),ISO=400,F8-1/400、撮影時刻:11時20分

 求愛シーンも多数観察できました。
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EM12-P520@200mmX1.4TC (トリミング),ISO=800,F5.6-1/5000、撮影時刻:12時19分
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EM12-P520@140mmX1.4TC (トリミング),ISO=800,F5.3-1/4000、撮影時刻:12時21分
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EM12-P520@112mmX1.4TC (トリミング),ISO=800,F5.1-1/5000、撮影時刻:12時26分

 クガイソウに産卵にやって来た♀が産卵葉を吟味している途中、♂が乱入した場面。1枚目のようなお見合い場面(左♂右♀)はオオムラサキの求愛シーンでも観察できますね。2枚目はシロチョウ♀の求愛拒否場面のように♀(右)が腹端を上げてバタバタ翅を羽ばたいています。3枚目は♂から逃げた♀を♂が追いかけている場面。本来であれば、♀がサッサと逃げればよいのですが、♀はクガイソウ株に固執しているため、同じ場所で、求愛シーンが10分以上継続しておりました。
 次回は緑系ゼフについてご紹介したいと思います。
by fanseab | 2019-08-02 23:03 | | Comments(2)

オオミスジの産卵(7月下旬)

 前回訪問した高原を再度探索。今回も出会った蝶達を連載でご紹介していきたいと思います。最初は本種産卵シーン撮影。前回見出した個体は全て♂でしたが、2週間近く経過して目論見通り♀が沢山発生しておりました。とびきり別嬪さんの裏面を撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P520@150mm,ISO=500,F8-1/250、撮影時刻:10時28分

 縁毛も完璧な羽化直個体ですが、既に交尾済のはずです。Neptis属の産卵は午前中に限定されますので、他種撮影を差し置いてスモモの周辺を見張ります。今回は比較的低目の葉に産卵するケースが多かったので撮影は楽でした。
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D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:10時47分
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D500-34VR(トリミング),ISO=500,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時08分

 ただ、茂みの入り組んだ場所に産卵するので、側面から腹端を表現しようとすると、途端に難易度が増します。そんな中、ようやく望み通りのショットが撮れました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=450,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時08分

 「やれやれやっと撮れた」と大喜びしたのですが、どうも様子が変。実はこの産卵態勢のまま休憩モードに入っていた様子。母蝶が飛び去った後、葉表を確認するも産んでおりませんでした。ちょっとガックリ。このような生態を観察したのは初めてです。その直後、今度は正真正銘の産卵シーンを側面から撮影。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時09分

 しかし、今度は腹端が葉被り(^^; これまでオオミスジの産卵シーンは複数回撮影しておりますが、今回も管理人が目指す「A級ショット」は撮れませんでした。最後にスモモ葉上のオオミスジ卵をご紹介します。
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TG4@16.5mm(トリミング),ISO=160,F4.7-1/100、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時48分

 葉先のみならず、様々な部位に産んでいたように思います。
by fanseab | 2019-07-31 22:58 | | Comments(0)