探蝶逍遥記

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アサギマダラの産卵行動探索(10月下旬)

 新生蝶の観察もそろそろ終盤。♀産卵シーンのチャンスも、ヤマトシジミやベニシジミ或いはヒメアカタテハに限定されてきました。そんな事をボンヤリと考えていたら、突然思いつきました。「そうだ!アサギマダラを見に行こう!」、この時期、まだ産卵シーン観察のチャンスがあると聞いていたからです。向かったポイントは東京都下の低山地。標高は概ね200m。ブログ仲間のTGさんにお願いして情報開示をして頂きました。
 当日は快晴無風で絶好のコンディション。現地には9時30分着。のんびりと林道を歩き始めると、直ぐにアズマヤマアザミ(Cirsium microspicatum)で吸蜜中の個体を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=800,F4-1/1250,-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時43分

 この個体含め出会ったのは全て♀。延べ8頭ほど確認できました。それなりの個体数なので、産卵シーン撮影の期待が持てました。でも流石にこの時間帯はヒンヤリとしていて産卵行動には入らないと見て、キジョラン群落の場所まで先回りして環境の確認。恥ずかしながら管理人はキジョランをじっくり観察するのは、これが初めて。葉の面積が想像以上に大きいのにビックリ。
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TG4@5.5mm,ISO=200,F2.3-1/125,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時11分

 管理人の掌を一回り小さくしたサイズです。少し葉捲りをしたものの卵・幼虫は発見できず。林道をもう少し歩いて別の群落探しです。キジョランの分布は局地的で、この林道でも東向き、かつ急斜面に限定して生えていました。この時期、朝方から11時頃まで陽射しが当たるものの、午後は完全に日陰になるような環境を好むようです。キジョラン葉上には、円形にくり抜かれた特徴の幼虫食痕が沢山見つかります。
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TG4@5.5mm, ISO=100,F2.3-1/100,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時42分

 幼虫は基本的に葉裏生活者で、孵化直後は舐め食い状態。そのうち円形に切り抜くような食痕を付けていきます。この画像では右上に①舐め食い跡、左上に②円形線状食痕、中央左下に③円形刳り抜き食痕、の3形式の食痕が同時に観察できます。幼虫は不在で、恐らく前世代の幼虫が残した食痕なのでしょう。暫く探索し、更に何株かを葉捲りをしてようやく1卵(矢印)を発見!
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TG4@5.5mm, ISO=100,F2.3-1/30,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時50分

 真っ白な紡錘形で、シロチョウ卵とよく似ています。面白いもので1卵発見できると、連続して卵も幼虫も発見できました。卵と初齢幼虫(恐らく)のツーショット画像です。
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TG4@18mm(トリミング), ISO=100,F4.9-1/100,内蔵ストロボ、撮影時刻:10時57分

 2齢幼虫と思しき個体も発見。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=64,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影時刻:11時41分

 体長は6.5mm。微妙に動くので深度合成に一苦労しました。ウロチョロ探索して、どうやら母蝶が集中的に産卵するポイントの特徴が見えてきました。低い位置の葉を好む傾向もあるようです。そうした直感をベースに捲った葉がこちら。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 林道路面から30cm高さにある2枚の葉(#1,#2)です。葉#1を捲ると、何と3卵も付いておりました。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時57分

 この画像には葉#2にも産み付けてあった1卵(矢印)がピンボケ状態で写っています。この画像からもよく分かるように、卵はキジョランの葉の縁から凡そ2cmほどの距離に産附されています。母蝶が葉縁に止まって腹端を延ばすと、丁度この位置に来るのでしょう。従って卵探索の際、葉を捲る時は葉の縁を掴んではいけません。誤って卵を握りつぶす可能性があるからです。葉柄部を掴んで慎重に裏返す配慮が必要です。葉#1の2卵塊を拡大してみました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング), ISO=64,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:12時55分

 肉眼で見た感じと同様、本当にシロチョウ卵と雰囲気が似ています。高さは1.8mm,最大直径は1.2mm。やはり大きな卵だと思います。地表近くの葉に産附された事例をもうひとつご紹介しておきます。これがその葉。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 裏返すと2卵(矢印)付いておりました。
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EM12-Z60, ISO=200,F5.6-1/40,外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 この日は結局10卵、幼虫5頭を確認。ところが、肝心の産卵シーンはチャンスが全くありませんでした。時間帯は正午前後と睨んでキジョラン群落の近くで♀の登場を待機したのですけど、正午頃、一度現れた個体は全く産卵の気配を見せずに飛び去っていきました。天気が良いのにちょっと残念でした。この日は最高24℃まで気温が上がっており、ひょっとすると、産卵時間帯が1時間以上前倒しになった可能性もあります。11月に入っても未だチャンスがあると思われますので、再チャレンジしたいと思います。今回の観察について情報提供頂いたTGさんとは、なんと現地でバッタリ遭遇。色々と情報交換をしながら楽しい撮影談議ができました。この場を借りて御礼申し上げます。
by fanseab | 2018-11-04 20:36 | | Comments(2)

アオバセセリ幼虫の観察:その5(10月中旬)

 前回観察から凡そ2週間経過。再度幼虫巣の様子を確認してきました。最初は目線レベルにある低い位置の巣。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=400,F2,8-1/100,外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 巣の姿はなく、どうやら越冬準備で切り落とされた様子です。巣周辺の葉も食い尽くされた感じです。未だアワブキの葉は黄色く色づいていないのですが、越冬準備を早めに行ったのでしょう。樹冠近くにあった別の巣も消失しておりました。前回撮影画像と比較して示します。
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今回撮影分:EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F2.8-1/100,外部ストロボ、撮影時刻:13時08分

 巣(前回画像矢印部分)が無くなった分、重りが取れて、葉が上方に戻されている様子がわかります。この後、株周辺で、2頭あるべき越冬蛹を少しばかり探索しましたが、徒労に終わりました。やはり、蛹探索はそんなに簡単ではありませんね。これで今シーズン実施してきたアオバセセリ幼虫の野外観察は一先ず終了です。なお、これと並行して同幼虫の飼育も進行中で、現在終齢幼虫の段階です。こちらのレポートも区切りが付いたら、またご紹介したいと思います。
by fanseab | 2018-10-27 20:59 | | Comments(4)

ウラナミシジミ:躍動の果てに・・・(10月中旬)

 前回綺麗なウラナミ♀前翅に感動しました。一方、♂の飛び立ちは背景がアレチウリで、ちょっと雑然として不満の残る出来でした。そこで、この日は綺麗な♂を狙い、センダングサからの飛び立ちを撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=640,F5-1/4000、撮影時刻:10時59分

 前回よりも個体に接近し、トリミング率を少なくしたので、遥かに見栄えの良い出来になりました。♂の独特なブルーもそれなりに表現できたと思います。♀を求めて、ビュンビュンと元気に飛び回る♂。しかし、自然界には恐ろしい罠が仕掛けられています。ジョロウグモの餌食になった哀れな姿をご紹介しましょう。
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/200、撮影時刻:12時04分

 この状態では捕まった個体が♂か♀かの判断がつきかねます。いずれにせよ、この時期、個体数の増えるウラナミは蜘蛛達にとって、重要な栄養源なのでしょうね。
by fanseab | 2018-10-24 22:33 | | Comments(0)

オオミスジの飼育メモ:越冬準備(10月中旬)

 前回の記事(クリックでジャンプ)で、3齢到達後、摂食を止め越冬態勢に入ったことまでお伝えしました。
それまではプラケース内での飼育。その後、自然状態での越冬をさせる意図で、ウメの鉢を購入し幼虫を移動。寄生対策でネットで覆い、屋外飼育に移行させました。当初、結構高温だったこともあり、幼虫は葉上を動き回っておりました。管理人は、体力消耗による死亡を懸念しておりましたが、程なくして枝上に静止し、本格的な越冬態勢に入り一安心。その様子です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=250,F5.6-1/50、外部ストロボ,撮影時刻:13時50分

 細い枝に巻き付くような独特な態勢を取っています。体長は5mm弱で、存在を知らなければ、小さくて見逃してしまう大きさです。このウメは未だ若い株なので、枝が赤褐色をしており、幼虫との色彩差があるので、幼虫確認が容易です。しかし、屋外の黒褐色の枝に巻き付いた状態では、本当の保護色になって、発見は極めて難しいと思われます。事実、管理人は数年前、甲府盆地でゼフ越冬卵と並行して、本種越冬幼虫探しを試みたことがありますが、見事に失敗した記憶があります。来年春、活動を再開するまで、ひとまず観察はお休みです。
by fanseab | 2018-10-22 21:08 | | Comments(0)

多摩川お散歩撮影(10月上旬)

 10月に入ってようやく秋らしくなったものの、「これぞ秋晴れ!」と言える快晴の日は皆無の様相。今年の天気は本当に意地悪ですね。
 多摩川の河川敷にあったキバナコスモスの群落が数年前に草刈りでバッサリと刈られてから、秋口の撮影の楽しみが減ってしまいました。僅かに残るキバナコスモスで待機してツマグロヒョウモン♂を撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F4-1/4000,撮影時刻:11時01分

 やはりタテハはカメラに前進してくる場面がカッコエエですね。この日、お目当てのヒメアカタテハとコスモスのコラボは撮影できず。今年はヒメアカの個体数が少ないように思います。次は黄色いセンダングサの群落に移動してイチモンジセセリの撮影。標本画像のように、前後翅共に綺麗に全開した場面の撮影がこの日の目的。ホバリング気味にセンダングサを舞う♂個体に狙いを定めパチリ。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/4000,撮影時刻:11時35分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/4000,撮影時刻:11時35分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/4000,撮影時刻:11時36分

 3枚の中では、3枚目がベストショット。ホバリング中にも拘らず、イチモンジセセリの翅旋回速度は相当速く、1/4000sec.でも止め切れておりません。このような状況では、『前翅先端が少しブレて却って動感が得られた・・・』と言い訳するのも手ですね(^^) 真面目な話、ビタッと翅を写し止めるには1/6400sec.が必要なのでしょう。
 帰りしな、土手近くでヤマトシジミ♂を発見。ムチャ綺麗な♂個体なので、思わず撮影。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F3.5-1/500,撮影時刻:12時28分

 淡紫色のヨメナとのコラボが抜群の美しさ。♂は晩秋に入ると、この個体のように前翅前縁に銀白色の鱗粉が載って、えらく高貴な感じに変身します。ヤマト♂の美しさを再発見したのでした。ブログ仲間のブログ名ではないですが、将に「たかがヤマト、されどヤマト」ですね。真夏のヤマトを真剣に追いかける気はありませんけど、早春・晩秋にはやはり貴重な被写体です。
by fanseab | 2018-10-15 21:56 | | Comments(2)

ウラナミシジミ(10月上旬)

 先日の台風24号接近時は関東地方でも、物凄い強風が吹き荒れました。幸いにも雨量は思ったほどでも無く、所謂「風台風」でした。多摩川縁に出てみると、増水してオギ群落など、河川敷の植物が全て横倒しになっています。但し昨年秋に来襲した台風による増水に比較すると、水量は低目に推移したようで何よりでした。増水を間逃れたクズ群落の上ではウラナミシジミが数多く飛んでいました。この時期、既にクズの花は盛りを過ぎているので、彼らの吸蜜源は、主にアレチウリ(Sicyos angulatus)。「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定された『札付きのワル』ですね。最初は♂の吸蜜後開翅の場面。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/500,撮影時刻:12時11分

 非常に綺麗な個体。できれば尾状突起が風にたなびいて、伸びて欲しかった! 次はアレチウリ吸蜜からの♂飛び立ち場面。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F2.8-1/4000,撮影時刻:11時01分

 次は♀。残り少ない葛の花弁に産卵している個体が地表で開翅休息しておりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/320,撮影時刻:11時46分

 尾状突起が切れた個体ですが、深みのある色合いに感動して思わずパチリ。次は♀の飛び立ち場面。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=800,F3.5-1/4000,撮影時刻:12時05分

 撮影後、この子の美しさに思わず涙が出ました。特に前翅の地色とブルーのコントラストが際立った個体であること。ルリウラナミシジミ(Jamides bochus)♀を彷彿とさせる鮮やかさが抜群! 地表での♀開翅画像と比較すると前翅ブルー鱗粉の載りの良さが明快です。この数コマ後の画像もアップします。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=800,F3.5-1/4000,撮影時刻:12時05分

 こちらはちょっとピンボケで申し訳ありませんが、比較のため掲載します。上記2枚の左右前翅を比較して、前翅のブルー発色が「構造色」に基づいている点に気が付きました。羽ばたきの角度によりブルーの濃さが全く違います。こんな個性的な個体に出会えて、宝物を拾った気分でした。ウラナミシジミを馬鹿にしてはいけませんね!
by fanseab | 2018-10-07 20:57 | | Comments(4)

アオバセセリ幼虫の観察:その4(9月下旬)

 前回観察(クリックでジャンプ)から1ヶ月が経過したので、幼虫の様子を覗いて来ました。最初は樹高の低い株。ここは唯一、1個体のみ亜終齢幼虫の巣を確認しておりました。巣は健在でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=400,F3.5-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 流石に1ヶ月経過して、巣は枯れかかってきています。巣の入口を覗いてみました。
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EM12-Z60,ISO=400,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 橙色のテントウムシ状の頭部が見えていました。明らかに頭部の大きさが拡大し、橙色がやや赤みを帯びてきました。恐らく終齢(5齢もしくは6齢)に到達していると思われます。それにしても、巣の入口に大事な頭部を晒している姿には驚かされました。ひょっとすると意図的に鮮やかな頭部を露出させて、外敵を驚かせる作戦なのかもしれません。
 どうやらアオバセセリの亜終齢~終齢幼虫は、齢を重ねても巣の更新はせず、古い巣を結構辛抱強く使い続けるタイプのようです。今回再度、この株の全体を観察すると、前回確認できなかった終齢幼虫巣(矢印)を発見。
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EM12-Z60,ISO=200,F3.5-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:9時38分

 樹冠近く高いので、中身の存在は確認できず。この後移動して、樹高10m近い別のアワブキ株をチェック。前回3-4個の亜終齢幼虫巣を確認しておりましたが、残念ながらいずれも無くなっておりました。いつも参考にしている生態図鑑(※)には次の記述があります。
『・・・幼虫が蛹化に先立ってそれまですんでいた自分の巣を切り落とす行動が観察されている。この行動は越冬蛹になる幼虫にも、第2回の成虫になる幼虫にも認められる。・・・』
 越冬前に蛹化準備のために巣を切り落とす行動はコチャバネセセリでも観察されています。今回観察した株の巣は上記行動で切り落とされたものか?あるいは自然に落下したものかは、不明です。但し、最初に観察した低い株に比較して陽当たりの良い場所に生えているので、紅葉・落葉の時期は早めに推移しているようです。従って幼虫も早めに越冬準備に入った可能性もあります。幼虫は地表を歩いて近辺の常緑樹の葉裏で蛹化するらしいので、念のため株近くの葉裏をガサゴソ調査しましたが、白い蝋で覆われた蛹を発見することはできませんでした。まぁ、野外でアオバセセリ越冬蛹を発見するのは素人には難しいのでしょうね。
 こうなると、最初にご紹介した巣がどのような経過を辿るのか?興味が出てきますので、もう少し、経過観察をすることにします。

※福田晴夫他,(1983)原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ).p.212,保育社(大阪).
by fanseab | 2018-10-04 22:08 | | Comments(2)

彼岸花とアゲハ(9月下旬)

 この時期は恒例の彼岸花詣で。昨年とほぼ同じ時期にモンキ♂狙いで神奈川県東南部へ出撃。現地8時到着。しかし、ちょっと様子が変です。彼岸花の咲き方はいつも通り、ほぼ盛りの状態。でもアゲハの姿は本当に少ない!昨年は常時3頭、多い時は5頭ほどのモンキ、カラスが群れていたのとは大違いです。どうやらモンキは明らかに時期遅れだった様子。カラスは昨年同様ですが、やはり擦れ品ばかりです。先ずはカラスの♂。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/1250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 なるべく翅の汚損が目立たぬようなアングルでまとめてみました。飛翔中の姿も追跡。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F5-1/4000、撮影時刻:10時28分

 探♀行動の一環で、花の周辺をパトロールしている様子。吸蜜は殆どしておりません。
 次はアゲハ♀。この子だけはほぼ完品の個体に恵まれました。
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D500-34VR,ISO=800,F6.3-1/1600、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時22分

 次は飛翔。
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EM12-Z60,ISO=500,F6.3-1/4000、撮影時刻:10時24分

 実はこのポイントを訪れる1週間程前に、ブログ仲間のTさんと雑談した際、「どうも今年は黒系アゲハの出方がおかしい・・・」との情報を得ていました。少し悪い予感を持ちながら現地に赴いたのでしたが、予想が悪い方に当たってしまってガッカリです。新鮮なモンキ♂狙いなら9月上旬頃、遅くとも中旬頃までに訪問すべきでした。今シーズンは、春先から種によらず蝶の出現時期が10~14日程前倒しで推移してきました。黒系アゲハの最終化出現時期も例外ではなかったようです。
by fanseab | 2018-09-30 16:17 | | Comments(2)

オオミスジの飼育メモ:3齢まで

 現在ミスジチョウと並行して、オオミスジのフルステージ飼育を試みています。8月上旬の長野遠征で栽培用モモの葉から採卵しました(クリックでジャンプ)お持ち帰りした卵は、8月7日に孵化。初齢幼虫です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(上段のみ自動深度合成+トリミング),ISO=上段64/下段200,F5.6-1/50、外部ストロボ,撮影月日:8月8日

 体長は3mm。他の国産Neptis属初齢幼虫とさほど形態的な有意差はありません。初齢の食痕も示しておきます。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ,撮影月日:8月8日

 矢印先に卵殻が見えています。孵化直後に卵殻を食べ尽くさないタイプのようです。11日に眠。翌12日に2齢へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=64,F5.6-上段1/50下段1/30、外部ストロボ,撮影月日:8月16日

 体長5mm。背面の棘皮が目立つようになりました。なお、棘皮先端の一部に小さな水滴が付いています。これは室内飼育環境で暑熱を避けるため、飼育ケース上に置いた保冷剤が原因で結露したもの。本来は、水滴が消えてから撮影するべきでした。2齢時の食痕も示します。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50、外部ストロボ,撮影月日:8月15日

 矢印はボケて写っている2齢幼虫。モモの葉の中脈は残しますが、その他の葉脈には関係なく食い切っています。結構ランダムな食い跡と言えましょう。8月16日に眠、翌17日に3齢へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30、外部ストロボ,撮影月日:8月18日

 体長6.5mm。背面の黒化が拡がり、背線が顕著になりました。成長した背面棘皮形状は、他のNeptis属3齢幼虫に比較して、棘皮先端が細く尖らず、ゴジラの背面突起を連想させます。
8月20日になって、それまで食べていたモモの葉を放棄したため、代替餌としてウメの葉を入れました。フルステージ飼育における最大の難関は、食餌を変えることで幼虫が摂食拒否・餓死すること。今回はすんなりとウメの葉を食い始め、一安心。それまで葉上が静止位置でしたが、ウメ茎の分岐部に体を巻きつけるように台座を作りました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30、外部ストロボ,撮影月日:8月22日

 9月3日頃より、ウメの葉を全く食べなくなりました。最初は眠に入り4齢に移行するのかと思いきや、そうでもありません。さては摂食障害を起こしたのかと、心配になりました。結局現在に至るまで分岐部に体を巻き付けた状態で推移しています。9月4日の状態を示します。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/30、外部ストロボ,撮影月日:9月4日

 脱皮した訳でもないのに、白色部分が濃くなり、全体に褐色・黒・白色のメリハリある姿に移行してきました。台座となる茎上のみならず、枯れ始めた葉の基部にも半端ない吐糸がしてあります。どうやら越冬態勢に移行したようです。まだ冬の到来まで随分と時間があるのですけど、オオミスジ幼虫の体内で「越冬準備態勢に入れ!」の信号が発せられたのでしょう。以前飼育したフタスジチョウでは、同じ年1化なのに夏場もどんどん成長を続け、結局9月に成虫が羽化したのとは対照的な結果になりました。フタスジチョウはホシミスジと近縁種で、多化性(少なくとも近畿地方の平地では年3-4化)のホシミスジ同様、本来多化性の遺伝子を受けついでいるのでしょう。それが日本の生息環境(高標高地)に対応し、年1化発生となったと推察されます。平地のような温暖環境飼育下で、多化性が復活するのも興味深いですね。その点、オオミスジは飼育(生息)環境に拘らず、年1化を厳密に保持する感覚です。ミスジチョウも同じですね。
 現在3齢幼虫は、プラケース内で屋外放置しています。今後、晩秋頃にミスジチョウと共に網掛け屋外放置に切替え、越冬させたいと思っています。さて、無事越冬できますやら・・・。
by fanseab | 2018-09-21 21:56 | | Comments(4)

多摩川縁でお散歩撮影(9月上旬)

 出歩くのも嫌になる酷暑がようやく去って、多摩川縁を散歩する気力が出てきました。この時期、アカボシゴマダラ♀がエノキで産卵するシーンもよく見かけます。そろそろ第3化のシーズンでしょうかねぇ? ここはヨウシュヤマゴボウを背景に季節感を出してみました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、-0.3EV,外部ストロボ,撮影時刻:11時39分

 アズマネザサの上に新鮮なコミスジ♀を発見。曇り空の絶好の撮影条件なので、じっくり撮影。先ずはストロボ使用。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/320、-0.3EV,外部ストロボ,撮影時刻:11時55分

 背中の金緑色の輝きはいつ見てもワクワクします。しかし、画面右端の枝が邪魔!次は自然光で。
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D500-34VR,ISO=1000,F5.6-1/800、-0.3EV,撮影時刻:11時57分

 光の回り具合は抜群に良いのですが、右後翅右後方にある葉先の枯葉がまた邪魔をしました。なかなか思い通りに描けませんね(^^;
 明るい土手ではモンキチョウが求愛ダンス。思わずレンズを向けました。
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D500-34VR(トリミング),ISO=2500,F8-1/4000、-0.3EV,撮影時刻:12時05分

 秋口はヤマトシジミの個体数も非常に多いです。すぐに交尾ペアを発見。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F2.8-1/1000,撮影時刻:14時06分

 強風に揺らいでいるので、結構撮影に苦労しました。河川敷は殆どクズで覆い尽くされています。クズの葉上を高速で飛ぶシジミは、やはりウラナミシジミでした。クズの花穂の周辺でスピードを緩めて♀探し。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F3.5-1/4000,撮影時刻:14時07分

 この子が多摩川縁を飛ぶのを見ると秋の到来を実感できます。メドハギの群落では、キタキチョウ♀が産卵行動。今回は産卵シーンではなく、その前後での飛翔シーンに重点を置いて撮影。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F3.5-1/4000,撮影時刻:15時07分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F3.5-1/4000,撮影時刻:15時08分

 この時期は、夏型と秋型が混在して飛んでいます。アップした個体は擦れが目立つ♀。2枚目矢印は既に産卵されたキタキチョウの卵です。多摩川の堤防は8月の上旬に定期的草刈りを受けて丸坊主状態になりましたが、今は緑濃い状態。ワレモコウの穂も色づいてきました。
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EM12-Z12,ISO=200,F3.2-1/640,撮影時刻:15時40分

 ワレモコウは多摩川縁ではやや珍品の部類に属します。北向きの急斜面に多いのは長野県あたりの里山と同じ状況です。ゴマが飛んでいたらなぁ~・・・といつも思います。
by fanseab | 2018-09-18 22:12 | | Comments(0)