探蝶逍遥記

企画展のご案内(12月18日~28日)

 管理人も所属する日本チョウ類保全協会が毎年、この時期に開催している企画展です。読者の皆様、奮ってご参加ください。
12月28日まで、本案内をトップに掲載します。本文ページは、この記事の後をご覧下さい
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◇◇企画展「チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~」◇◇
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 毎年、新宿御苑にて開催しております企画展を、今年は、下記の日程で開催いたします。チョウの生態写真(約70点)のほか、絵、保全に関するパネルなどの展示を行います。

日 時:2018 年12 月18 日(火)~ 12 月28 日(金)
      9:00 ~ 16:30(25日は休館日、最終日は12時まで)
場 所:新宿御苑インフォメーションセンター(クリックでジャンプ)1F(新宿門左側)
     「アートギャラリー」
      ☆入場無料☆
     
アクセス:JR・京王・小田急線:新宿駅南口より徒歩10 分
     東京メトロ副都心線・都営地下鉄新宿線:新宿三丁目駅より徒歩5 分
     東京メトロ丸ノ内線:新宿御苑前駅より徒歩5 分

内 容:チョウの生態写真・絵画・工芸品・チョウの保全に関するパネル、ほか

<ミニ講演会:22、23 日(土・日)に開催>

22 日(土):1 回目 11:00 ~ 11:30
  「絶滅の危機にあるチョウを守る」 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
     2 回目 13:00 ~ 13:30
  「運命の出会い~トルコのブナ林を舞うタイスアゲハ~」 永幡嘉之(自然写真家)
     3 回目 15:00 ~ 15:30
  「飛翔するチョウの魅力と撮影」 佐伯元行(日本チョウ類保全協会会員)

23 日(日):1 回目 11:00 ~ 11:30
  「絶滅の危機にあるチョウを守る」 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
     2 回目 13:00 ~ 13:30
  「奇跡の1枚~ロシアの草原で追いつづけたアカハネバッタ~」 永幡嘉之(自然写真家)
     3 回目 15:00 ~ 15:30
  「高山チョウ~その生態と魅力~」 清水晶(日本チョウ類保全協会会員)

※こちらの内容は、当協会ホームページ(クリックでジャンプ)にも掲載されております。
# by fanseab | 2018-12-28 16:30 | | Comments(0)

オオミドリシジミの越冬卵(11月下旬)

 アサギマダラ幼虫を探索した林道の一角に、東側が開けた急斜面がありました。6月頃、いかにもオオミドリシジミ♂がテリを張りそうな環境。ひょっとすると、♂に誘引された♀が産卵しているかもしれない・・・、そう思って、木陰のコナラ実生の枝をチェックしました。すると・・・ピンポーン! 子枝の分岐から本種越冬卵を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(4コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:11時39分

 2卵ですが、下の卵は寄生されています。オオミドリ越冬卵を見つけたのは久しぶり。実生を更に詳しく調べると、合計4株で15卵ほど見つけることができました。管理人は一度にこれほど多くの本種越冬卵を見出したのは初体験です。他の産卵事例もご紹介しておきましょう。まずは単独卵。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:11時43分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:11時44分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=64,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 続いて2卵の事例。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:11時47分

 小枝分岐部の窪みを上手く利用していますね。3卵の事例も。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:11時52分

 こちらは2卵が寄生種脱出済。単独卵の中で、一番汚れが少なく、かつ照明が楽な卵(↑でアップした単独卵の3コマ目)を選び、超拡大してみました。
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EM12-P1442@42mm-P14R(上段16コマ/下段22コマ深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ

 直径0.97mm。高さ0.49mm。これまで管理人が撮影できた本種越冬卵画像の中でも、一番汚れが少なく、かつ綺麗な仕上がりで満足しております。それでもやはり、産卵直後の純白な姿を写したいものです。今回のポイントは複数のコナラに想定外の複数卵が産み付けられておりました。これまでの本種越冬卵の探索経験では、ポツンポツンと離散的に見出すことが多かったので、今回の事例はかなり特異的です。よほど産卵環境がよかったのでしょう。その産卵環境画像も2枚アップしておきます。それぞれ矢印が越冬卵を見出したコナラ実生です。
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TG4@4.5mm,ISO=400,F2-1/250,内蔵ストロボ、撮影時刻:11時20分
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TG4@4.5mm,ISO=400,F2.3-1/320,内蔵ストロボ、撮影時刻:11時28分

 早朝を除いて、ほぼ終日日蔭になっている環境です。実は本種♀の産卵シーン撮影も数年前から試みておりました。しかし、♀がいつ・どの株に産み付けるか、待機するポイントが非常に絞り難い対象だと思っていたのです。つまり、狙って撮るのが難しいかもしれない・・・と。しかし、今回見出したポイントでは、ひょっとすると来年夏も♀の複数卵産卵が再現されるかもしれません。今から期待が膨らんでおります。
# by fanseab | 2018-12-13 22:07 | | Comments(2)

アサギマダラ幼生期観察(11月下旬)

 これまで本種産卵シーン撮影に訪問した、東京都下のポイントを再訪。流石に♀はもういないだろうと思いながら、林道を歩いてみました。この日の気温もこの時期としては異常に高く、手元の温度ロガー表示は何と最高23℃! しかし予想通り、母蝶の姿は全くありません。キジョランポイントに到着し、葉裏捲りをしてみます。驚いたことに前回11月中旬に確認した幼虫がほぼ姿を消していました。当時確認した卵数から予測しても、少なくとも10頭程度の2齢幼虫がいるはずなのに、全くいません。かろうじて孵化直後の初齢幼虫を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/160,外部ストロボ、撮影時刻:12時07分

 初齢でも後半には明確な黄色・黒色の斑紋が出るはずなので、文字通りの孵化直後個体と推定。画面中央左下には食痕が見えています。幼虫は丁度脱糞の最中で、尾端に緑色の糞が付いております。別の初齢幼虫を見出した際、近くにヤドリバチの姿が。。。
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EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 幼虫体長は3mm程度ですから、ヤドリバチの体長は5mm程度。その大きさからタマゴヤドリバチではなく、幼虫もしくは蛹に寄生するグループと思われます。脚の特徴から恐らくアシブトコバチ科(Chalcidinae)の1種と推定。暫く、葉裏や葉の縁をウロチョロ歩き回っておりました。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/80,外部ストロボ、撮影時刻:12時04分

 触覚の先端も結構膨らんでいるのが、この手の蜂の特徴。時折片方ずつ触覚先端を葉の表面に当てて、何かを探っております。残念ながら、葉裏や幼虫に産み付ける決定的場面を観察することはできませんでした。アサギマダラ幼虫の寄生種としては、マダラヤドリバエ(Sturmia bella)が有名です。この蠅は、キジョラン葉上に微小卵を産み付け、比較的体格のデカい4齢・5齢幼虫の摂食と同時にアサギマダラ体内に潜入する戦略を使っています。果たして今回見出したヤドリバチも同じ方式を使うのでしょうかね?
 さて、アサギマダラの卵がどの程度あるのだろうか?と、こちらも探索。しかし、見出したのは僅か1卵のみ(矢印)。
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D500-34VR,ISO=1000,F8-1/400,外部ストロボ、撮影時刻:13時20分

 以上の結果から、このポイントでの本年秋の母蝶最終産卵時期は11月20日頃と推定しました。2齢以降の幼虫が皆無だったことから、外敵による摂食も過酷ですね。冬場に寒さと戦いながら越冬するアサギマダラ幼虫の姿を観察したいと思っておりましたが、少なくともこのポイントでは実現しそうにありません。目算が狂ったので、別ポイントを開拓せねばならないようです。
# by fanseab | 2018-12-10 21:13 | | Comments(2)