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毎年、夏はオオムラサキを見るため、山梨県・甲府盆地周辺を逍遥しております。ご存知の通り、今年は全ての種で発生時期が異例に早く、例年なら新鮮個体♀が期待できるこの時期でも擦れている可能性があります。そんな不安を胸に、去年新たに見出したポイントに直行。台場クヌギに近寄ると、早速パタパタと翅音を立てて♂が飛び出しました。この力強い翅音を楽しむために山梨に通っているようなものです。去年の訪問より1週間早いことを差し引いても、個体数が2-3倍多い感覚です。どうやらオオムラサキの当たり年のようです。この日の目的は未だきちんと撮影できていない♀開翅画像の撮影。すぐに♀は見つかりましたが、適当なタイミングで開翅を撮るのに一苦労。先ずは最初のショット。
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++

D500-34VR,ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時40分
ストロボを照射した影響で、前翅は見た目と異なる紫色の幻光が出てしまいました。明らかに構造色で、♂同様、♀前翅の鱗粉も構造食を発現するような微細構造を有しているのでしょう。次は紫色幻光が少し緩和されたショット。

D500-34VR,ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時59分
左前後翅の色調はほぼ見た目に近づきました。殆どスレ・欠けの無い個体でホッといたしました。さらにバシャバシャ撮影して、ようやく見た目にほぼ近い画像をゲット。

D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:9時37分
左上の個体は既にボロボロ状態の♂です。ここまでの3カット共にディフューザーを装着していない外部ストロボでの撮影。しかし、殆ど類似したアングルでの撮影にも拘らず、紫色幻光の出現状態は大きく異なります。経験上、アカボシやゴマダラ、オオムラサキ共にディフューザーを単純にかませただけでは、地色の再現は上手く行きません。野外では実現困難なのですが、モノブロックストロボを3方向からスレーブ照射するような大掛かりな仕掛けが無いと自然光同様な拡散光は実現できないと思っていました。しかし、今回の結果は、撮影アングルの工夫で、ディフューザー無しでも地色表現が可能なことを示唆しております。改めてオオムラサキ♀色調表現の難しさを悟ったのでした。
樹液吸蜜シーンは同じようなカットばかりで飽きてしまいます。運よく二股に分岐した場所に♀が来てくれたので、背景が抜けたスッキリしたショットも撮れました。

D500-34VR,ISO=800,F8-1/320,外部ストロボ,撮影時刻:9時41分
♀は暫く吸汁した後、サッと飛び立って周辺の木陰で休息することが多いです。全開翅休息のシーン。

D500-34VR(トリミング),ISO=1250,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:10時02分
上手い具合に、ホストのエノキ葉上に止まってくれました。こうした雰囲気は、熱帯アジアのオオイナズマ(Lexias属)を彷彿とさせますね。オオムラサキ♀が、いかにも重たそうに羽ばたく滑空飛翔は、やはり見応えがあります。この日、もちろん♂は既にボロボロ状態の個体が殆どでしたが、奇跡的に綺麗な個体が1頭おりました。

D500-34VR,ISO=500,F7.1-1/800,撮影時刻:13時47分
今年は完品個体♂狙いなら、6月下旬頃訪問しなければならなかたのでしょうね。また♀の樹液吸汁シーン撮影中、♂が♀に言い寄ってくる場面もみかけました。

D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時48分
中央下の♀に対し、右上の♂が巨大なバルバを露出させて迫ってくるシーン。もちろん「大願成就」はなりませんでした。♂がボロボロだと、このような求愛失敗した♂に余計感情移入してしまいますね(笑)
この日は昨年までお馴染みにしていた別ポイントでも撮影。こちらは環境の激変で、個体数が激減してしまいました。かろうじて3頭の♂が群れている台場クヌギで♂飛翔シーンを撮影。

EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:11時28分
♂の翅裏はクリーム色が脱色して、まるでクヌギ樹肌と同化したかのような色調ですね。やはり♂の飛翔を撮るなら、7月上旬頃訪問しなければなりません。年々甲府盆地の平均気温も上昇傾向にあるのでしょうから、オオムラサキ撮影の適期もこれまでの常識が通用しなくなるかも。。。。この日は♀産卵シーンも期待していたのですが、そちらは期待外れ。樹液吸汁する個体数を観察すると、正午以降、♀が激減していました。恐らくこの時間帯に産卵が行われると睨んで、付近のエノキを見張っていたのですが、酷暑で集中力が続かず、結局産卵シーンは観察できませんでした。来年以降、再チャレンジです。
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D500-34VR,ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時40分
ストロボを照射した影響で、前翅は見た目と異なる紫色の幻光が出てしまいました。明らかに構造色で、♂同様、♀前翅の鱗粉も構造食を発現するような微細構造を有しているのでしょう。次は紫色幻光が少し緩和されたショット。

D500-34VR,ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時59分
左前後翅の色調はほぼ見た目に近づきました。殆どスレ・欠けの無い個体でホッといたしました。さらにバシャバシャ撮影して、ようやく見た目にほぼ近い画像をゲット。

D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:9時37分
左上の個体は既にボロボロ状態の♂です。ここまでの3カット共にディフューザーを装着していない外部ストロボでの撮影。しかし、殆ど類似したアングルでの撮影にも拘らず、紫色幻光の出現状態は大きく異なります。経験上、アカボシやゴマダラ、オオムラサキ共にディフューザーを単純にかませただけでは、地色の再現は上手く行きません。野外では実現困難なのですが、モノブロックストロボを3方向からスレーブ照射するような大掛かりな仕掛けが無いと自然光同様な拡散光は実現できないと思っていました。しかし、今回の結果は、撮影アングルの工夫で、ディフューザー無しでも地色表現が可能なことを示唆しております。改めてオオムラサキ♀色調表現の難しさを悟ったのでした。
樹液吸蜜シーンは同じようなカットばかりで飽きてしまいます。運よく二股に分岐した場所に♀が来てくれたので、背景が抜けたスッキリしたショットも撮れました。

D500-34VR,ISO=800,F8-1/320,外部ストロボ,撮影時刻:9時41分
♀は暫く吸汁した後、サッと飛び立って周辺の木陰で休息することが多いです。全開翅休息のシーン。

D500-34VR(トリミング),ISO=1250,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:10時02分
上手い具合に、ホストのエノキ葉上に止まってくれました。こうした雰囲気は、熱帯アジアのオオイナズマ(Lexias属)を彷彿とさせますね。オオムラサキ♀が、いかにも重たそうに羽ばたく滑空飛翔は、やはり見応えがあります。この日、もちろん♂は既にボロボロ状態の個体が殆どでしたが、奇跡的に綺麗な個体が1頭おりました。

D500-34VR,ISO=500,F7.1-1/800,撮影時刻:13時47分
今年は完品個体♂狙いなら、6月下旬頃訪問しなければならなかたのでしょうね。また♀の樹液吸汁シーン撮影中、♂が♀に言い寄ってくる場面もみかけました。

D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800,外部ストロボ,撮影時刻:8時48分
中央下の♀に対し、右上の♂が巨大なバルバを露出させて迫ってくるシーン。もちろん「大願成就」はなりませんでした。♂がボロボロだと、このような求愛失敗した♂に余計感情移入してしまいますね(笑)
この日は昨年までお馴染みにしていた別ポイントでも撮影。こちらは環境の激変で、個体数が激減してしまいました。かろうじて3頭の♂が群れている台場クヌギで♂飛翔シーンを撮影。

EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

EM12-Z12(トリミング),ISO=200,F5.6-1/250,外部ストロボ、撮影時刻:11時28分
♂の翅裏はクリーム色が脱色して、まるでクヌギ樹肌と同化したかのような色調ですね。やはり♂の飛翔を撮るなら、7月上旬頃訪問しなければなりません。年々甲府盆地の平均気温も上昇傾向にあるのでしょうから、オオムラサキ撮影の適期もこれまでの常識が通用しなくなるかも。。。。この日は♀産卵シーンも期待していたのですが、そちらは期待外れ。樹液吸汁する個体数を観察すると、正午以降、♀が激減していました。恐らくこの時間帯に産卵が行われると睨んで、付近のエノキを見張っていたのですが、酷暑で集中力が続かず、結局産卵シーンは観察できませんでした。来年以降、再チャレンジです。
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by fanseab
| 2018-08-07 21:29
| 蝶
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