探蝶逍遥記

2018年 02月 22日 ( 1 )

中国四川省成都近郊遠征記:その8

 タテハチョウ科の最後は、コムラサキ亜科。お待たせしました。ようやく真打ち、クロオオムラサキ(Sasakia funebris funebris)に登場してもらいましょう。玉塁山に登った初日、13時頃山頂に着いてヒルトッピングして来る個体を待ちますが、全く姿がありません。こりゃ~坊主か?と一瞬覚悟して一旦山頂から下り、再度山頂付近に戻った15時過ぎ、黒い影が視界をよぎりました。イチョウの葉上に止まった個体をパチリ。これが初ショットになりました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-34VR, ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、15時17分

 良く見ると、前翅はボロボロ(^^; おまけに周囲にエノキ等の広葉樹があるのにイチョウの葉上。イチョウは明らかに人工的な植栽。恐らく遊歩道整備の過程で、樹木を伐採し、その後植えたものでしょう。こうした状況で、中国では土地古来の植物相を復元することなく、安易にポプラやイチョウ等を植えてしまうようです。クロオオムラサキのテリ張り場所はできればエノキやクヌギ類の上であって欲しい・・・、こちらの目論見は見事に外れてしまいました。その後、時間の経過と共に個体数が増加してきましたが、テリ張り位置が変化し、殆どの個体は、人工物の上で睥睨する状況に。こちらは屋根瓦の上に止まった個体。
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D71K-34VR, ISO=400、F8-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、15時26分

 この建物、何か歴史的に由緒あるものかと思いきや、どうやら気象観測所のようです。温湿度以外にSOxやNOxなど大気汚染物質のモニターも実施しています。
 次に広角で。
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GX7-Z12, ISO=200、F10-1/50、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、16時16分

 この日は土曜日とあって、ゾロゾロ観光客が遊歩道を歩いていきます。そのすぐ傍でこのように悠々とテリ張りを続けています。前翅の翅脈に沿って流れるような白条が墨を流したようで、とても印象的。接近戦でも撮影。
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D71K-34VR, ISO=400、F9-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、16時17分

 前後翅基部の真紅の紋、そして複眼も赤!良く見ると複眼の赤色はやや濁っていて、それが余計に迫力を感じさせます。玉塁山での観察後、青城山でもクロオオムラサキを撮影しておりますが、↑でご紹介した♂個体は現地滞在中唯一の完品でした。♂同士のバトルは激しく、直ぐに翅が痛むのは卍バトルするゼフ♂と同じ。鮮度の良い♂を探すのは極めて難しいことを実感しました。翌日、同一個体と思しき♂を対角魚眼で。
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GX7-P8, ISO=200、F14-1/250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、14時47分

 背景に玉塁閣を入れ、いかにも「中国で撮影した」雰囲気が出せて、お気に入りの画像になりました。
 尾根筋の遊歩道沿いには複数の♂がテリ張りをしており、時折、20-30m間隔で城壁を模した壁沿いに並ぶ光景も確認できます。
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D71K-34VR, ISO=640、F13-1/320、-0.3EV、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、16時06分

 中央の♂個体の後方、すぐ上に別の♂個体(ボケ画像で失礼!)が確認できます。中央は左側を監視、一方後ろの個体は右側の谷沿いを監視している状況です。当然、この2個体同士でバトルが発生します。しかし、飛翔はとんでもなく敏速で、300mmでジャスピン画像を撮るのは至難の業。ピンボケですが何とか2頭、画面に入った画像をご紹介します。
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D71K-34VR(トリミング), ISO=640、F6.3-4000、-0.3EV、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、16時09分

 クロオオムラサキの静止画像を撮影中、面白い事に気が付きました。下の画像をご覧下さい。
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D71K-34VR(トリミング), ISO=200、F6.3-250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、14時14分

 ストローの色にご注目あれ。コムラサキ亜科のストローは基本、黄色か橙色。しかしクロオオムラサキは漆黒!更に面白いことにストロー先端はルール通り黄色なのです。造物主たる神様はクロオオムラサキの全身をほぼ漆黒にしたのですが、ストロー先端だけ色を塗り忘れたのだろうか?などと、つまらぬ事を考えてしまったのです。

 飛翔についても何とかジャスピン画像を撮ろうと頑張ってみました。300mmでの飛翔は厳しいので諦め、広角飛翔にトライ。先ずは対角魚眼で。
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GX7-P8(トリミング), ISO=400、F3.5-1/4000、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、14時30分

 管理人に接近する直前でヒラリと身をかわして逃げるので、射程になかなか入ってくれません。そこで少しでも対象を大きく写し込めることができるように焦点距離が長めの12mmで再チャレンジ。
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GX7-Z12(3コマ合成+トリミング), ISO=400、F5-1/3200、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、16時10分

 3コマを合成したので、何とか迫力を出すことができました。このように飛翔中は前翅の白条が良く目立ちます。カラスアゲハやミヤマカラス前翅の白条とよく似ており、実際、初めてクロオオムラサキを目撃した時は、「変な飛び方をする黒系アゲハだな~」と誤認した位です。また、クロオオムラサキ自身も占有空間に入り込んた黒系アゲハを激しく追尾する姿が印象的でした。↑の画像中央下に写りこんでいる中国人は管理人の飛翔撮影風景を面白がって見物しておりました。お蔭様で、背景に人物が入り込んで、広角飛翔画像としては理想的な仕上がりになり感謝です(多謝旅客!)。
<次回へ続く>
by fanseab | 2018-02-22 21:12 | | Comments(4)