探蝶逍遥記

2018年 02月 13日 ( 1 )

中国四川省成都近郊遠征記:その6

 今回はタテハチョウ科のジャノメチョウ亜科/ドクチョウ亜科/タテハチョウ亜科のご紹介。最初はジャノメチョウ亜科のオオシロジャノメ(Melanargia montana)♀。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-34VR(トリミング), ISO=400、F11-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、14時06分

 玉塁山山頂にある玉塁閣横の茶店付近をやや大型のシロチョウが横切りました。何となく飛翔モードに違和感を覚え、追跡したのが本種。ほぼスジグロチョウのような姿形ですが、ジャノメチョウなのです。17年前、韓国江原道を訪れた際、Melanargia属を目撃しておりますが、撮影は今回が初めて。残念ながら大破した♀個体で、恐らく当地では発生末期だったと思われます。この子、その後産卵挙動を見せていたので、追いかけましたが、例によって遊歩道から外に出られない影響で、姿を見失ってしまいました。同属はユーラシア大陸に比較的広く分布していて、種epimedeは、現在冬季五輪開催中の韓国・江原道・平昌付近でも夏場に飛んでいるはずです。尤も本種の和名・タクサ共に結構混乱しているようで、管理人は正確な知識はありません。もしかすると、M.halimede montanaが正しいのかも?
 お次は日本でもお馴染みのツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)♂。
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D71K-34VR, ISO=400、F11-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、13時53分

 玉塁山山頂から西に延びる遊歩道は尾根沿いにあり、各種タテハがテリを張っていて楽しめるポイント。ツマグロも元気に追飛行動を取っておりました。次もお馴染みのアカタテハ(Vanessa indica)♂。
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D71K-34VR, ISO=400、F7.1-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月11日、16時46分

 この子もテリ張り時間帯が重なる他のタテハ類とバトルを繰り広げておりました。そんな中、ゆっくりと吸蜜していたのは、ドリスサカハチチョウ(Araschnia doris 別名キマダラサカハチチョウ)♀。
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D71K-34VR(トリミング), ISO=500、F8-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、13時46分
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D71K-34VR, ISO=500、F11-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年7月12日、13時51分

 日本のサカハチチョウ(A.burejana)、アカマダラ(A.levana)と同属。中国内に生息するAraschnia属は全6種。burejanalevanaは共に中国にも生息しておりますが四川省は両種共に分布外とされています。今回ご紹介したdorisはサカハチのように季節型を持たない種で、7月に撮影したにも拘らず、ご覧のようにサカハチの春型のような斑紋形態です。サカハチ春型に比較して橙色部分が拡がり、黒班も多数目立つため、別和名に『キマダラ』が冠せられたのでしょう。サカハチと異なり、後翅黄白色帯が直線状ではなく、湾曲することも本種の特徴。国産サカハチとの識別点を画像(クリックして拡大してご覧下さいね)にまとめてみました。
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最後にジャノメチョウ亜科/ドクチョウ亜科/タテハチョウ亜科の目撃・撮影種をまとめておきます。下記5種でした。
<ジャノメチョウ亜科>
・オオシロジャノメ(Melanargia montana)♀
・シロスジムカシヒカゲ(Neorina patria
<ドクチョウ亜科>
・ツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)♂
<タテハチョウ亜科>
・アカタテハ(Vanessa indica)♂
・キマダラサカハチチョウ(Araschnia doris)♀
<次回へ続く>
by fanseab | 2018-02-13 21:50 | | Comments(2)