関西で出会った思い出の蝶(3月19日)
突然ですが、先月末に勤務先の内示を受け、3/21より神奈川県に赴任することになりました。兵庫県に転居してきたのは、2003年の8月。朝起きた時、メチャうるさいクマゼミの鳴き声で「関西に来たなんだなぁ~」と実感したことを思い出します。それから4年半。近畿から中国地方まで、西日本でしか見られない蝶達を中心に、思う存分蝶観察を楽しむことができました。全く知らない土地でポイントを開拓する楽しみにワクワクしましたが、ブログやHPで知り合った蝶仲間からの貴重な情報やアドバイスなくして、成果は挙げられなかったと思います。
さて、思い出の蝶と言っても、絞り込むのは難しいです。「あれも入れたい、これも入れたい」と迷った挙句、印象に残った蝶7種をご紹介することにしましょう。
トップバッターはキリシマミドリシジミ。真夏の鈴鹿で出会ったエメラルドグリーンは最も強い印象を残しました。

D70S-VR84@400mm、ISO=500、F8-1/800、-1.7EV、撮影:2006年7月30日@三重県・鈴鹿山地
昨年はしかし不作でした。今年は豊作だといいですね。続いてヒロオビミドリシジミ。

GX100@5.1mm、ISO=100、F7.2-1/42、+0.3EV、撮影:2007年6月23日@岡山県西部
キリシマは箱根や丹沢でも見ることができるけど、こいつは関西固有種。「今シーズンこそ♂の開翅を!」って意気込んでいただけに転勤はちょっぴり残念です。真っ暗な早朝に現地に着いて、長竿で叩き出した時、朝日にキラキラと輝いて落ちてきたゼフの輝きは忘れられません。
お次はシルビアシジミ。

90IS@70mm、ISO=100、F3.5-1/400、撮影:2004年10月2日@兵庫県東播磨地方
ブログ仲間のkさんと初めてご一緒して撮影した思い出のシジミです。神奈川県で必死の思いで探索していた本種が、田んぼの畦道で普通に飛んでいるのを見た時は唖然としました。溜池をシンボルとする東播磨の里山環境は日本の自然遺産とも言うべきものでしょう。
シジミ類の最後を飾るのはヤクシマルリシジミ。

D70、ISO=500、F11-1/500、撮影:2006年10月21日@大阪府南部
昨年の晩秋、紀伊半島南部で撮影に成功したサツマと並び、手近なポイントでじっくり生態を観察できたことは有り難かったです。生活史としては、蛹を発見できなかったのが唯一の心残り。晩秋は言うに及ばす、12月10日にまで♂の輝きを確認できたのにはビックリしました。
関西固有種として忘れられないのがMelicta、Melitaea達。最初はウスイロヒョウモンモドキ。

D70-24、ISO=400、F11-1/500、外部ストロボ、撮影:2005年7月2日@兵庫県ハチ高原
この蝶を語る時、地元の方を中心とした保護活動を忘れてはいけません。管理人が尊敬するHP仲間、tさんのご尽力もあって、但馬の高原に群れ飛ぶウスイロの姿に素直に感動しました。関東出身の管理人にとって、関西にもヒョウモンが乱舞する高原があることは新鮮な驚きでもありました。ここまで個体群が復活した努力が報いられて、いつまでもウスイロが健在であってほしいものです。
ウスイロのお次はヒョウモンモドキ。

D70S-10.5、ISO=500、F14-1/200、撮影:2005年6月16日@広島県世羅台地
この蝶も地元の方の努力で命脈が保たれているタテハです。しかし、その状態はウスイロに比較して深刻かもしれません。撮影した当日、偶然お会いした「保護の会」のメンバーからお聞きした苦労話、そして観察会当日。小雨の降る中、熱心に蝶の説明をされた農家の方達には頭の下がる思いでした。休耕田のような脆弱な環境を再現する困難な試みが現地で続けられていると聞きます。↑の画像を撮影した際、夕日を浴びた羽化したてのオレンジ色の輝きを忘れることができません。
さて、兵庫県に居を構えてから身近になった蝶と言えば、ヒメヒカゲで決まりでしょう。

D70S-10.5-X1.4TC、ISO=500、F9-1/40、撮影:2006年6月18日@兵庫県東播磨地方
自宅から車でわずか1時間。ほとんど平地とも言うべき低地で暮らすヒメヒカゲに出会った時は驚きました。そしてその個体数の多さにも二度ビックリしたものです。草いきれに汗ダクダクで撮影した思い出の写真でもあります。天然の日傘?を差した相手を羨んだシーンでもありました。このヒカゲチョウもまだ健在ですが、開発の煽りでいつ衰退するとも限りません。今年から基礎調査活動として、地元の方を中心とした個体数調査が開始されようとしています。全国的には個体数が激減しているなか、全国から当地のラベル欲しさにネットを振る方が当地に押し寄せていると聞きます。どうか節度ある行動、採集自粛を願うものです。
こうして振り返ると、あっという間の4年半でした。改めて関西でお世話になったHP・ブログ仲間、拙ブログにコメントを寄せられた皆様、そして保護活動をされている蝶仲間の方達には本当にお世話になりました。これから長年親しんだ関東に拠点を移し、新たな活動を続けていきたいと思います。なお、転居の関係で暫く更新が途絶えるかもしれませんが、今後とも、拙ブログの応援をよろしくお願いいたします。
さて、思い出の蝶と言っても、絞り込むのは難しいです。「あれも入れたい、これも入れたい」と迷った挙句、印象に残った蝶7種をご紹介することにしましょう。
トップバッターはキリシマミドリシジミ。真夏の鈴鹿で出会ったエメラルドグリーンは最も強い印象を残しました。

D70S-VR84@400mm、ISO=500、F8-1/800、-1.7EV、撮影:2006年7月30日@三重県・鈴鹿山地
昨年はしかし不作でした。今年は豊作だといいですね。続いてヒロオビミドリシジミ。

GX100@5.1mm、ISO=100、F7.2-1/42、+0.3EV、撮影:2007年6月23日@岡山県西部
キリシマは箱根や丹沢でも見ることができるけど、こいつは関西固有種。「今シーズンこそ♂の開翅を!」って意気込んでいただけに転勤はちょっぴり残念です。真っ暗な早朝に現地に着いて、長竿で叩き出した時、朝日にキラキラと輝いて落ちてきたゼフの輝きは忘れられません。
お次はシルビアシジミ。

90IS@70mm、ISO=100、F3.5-1/400、撮影:2004年10月2日@兵庫県東播磨地方
ブログ仲間のkさんと初めてご一緒して撮影した思い出のシジミです。神奈川県で必死の思いで探索していた本種が、田んぼの畦道で普通に飛んでいるのを見た時は唖然としました。溜池をシンボルとする東播磨の里山環境は日本の自然遺産とも言うべきものでしょう。
シジミ類の最後を飾るのはヤクシマルリシジミ。

D70、ISO=500、F11-1/500、撮影:2006年10月21日@大阪府南部
昨年の晩秋、紀伊半島南部で撮影に成功したサツマと並び、手近なポイントでじっくり生態を観察できたことは有り難かったです。生活史としては、蛹を発見できなかったのが唯一の心残り。晩秋は言うに及ばす、12月10日にまで♂の輝きを確認できたのにはビックリしました。
関西固有種として忘れられないのがMelicta、Melitaea達。最初はウスイロヒョウモンモドキ。

D70-24、ISO=400、F11-1/500、外部ストロボ、撮影:2005年7月2日@兵庫県ハチ高原
この蝶を語る時、地元の方を中心とした保護活動を忘れてはいけません。管理人が尊敬するHP仲間、tさんのご尽力もあって、但馬の高原に群れ飛ぶウスイロの姿に素直に感動しました。関東出身の管理人にとって、関西にもヒョウモンが乱舞する高原があることは新鮮な驚きでもありました。ここまで個体群が復活した努力が報いられて、いつまでもウスイロが健在であってほしいものです。
ウスイロのお次はヒョウモンモドキ。

D70S-10.5、ISO=500、F14-1/200、撮影:2005年6月16日@広島県世羅台地
この蝶も地元の方の努力で命脈が保たれているタテハです。しかし、その状態はウスイロに比較して深刻かもしれません。撮影した当日、偶然お会いした「保護の会」のメンバーからお聞きした苦労話、そして観察会当日。小雨の降る中、熱心に蝶の説明をされた農家の方達には頭の下がる思いでした。休耕田のような脆弱な環境を再現する困難な試みが現地で続けられていると聞きます。↑の画像を撮影した際、夕日を浴びた羽化したてのオレンジ色の輝きを忘れることができません。
さて、兵庫県に居を構えてから身近になった蝶と言えば、ヒメヒカゲで決まりでしょう。

D70S-10.5-X1.4TC、ISO=500、F9-1/40、撮影:2006年6月18日@兵庫県東播磨地方
自宅から車でわずか1時間。ほとんど平地とも言うべき低地で暮らすヒメヒカゲに出会った時は驚きました。そしてその個体数の多さにも二度ビックリしたものです。草いきれに汗ダクダクで撮影した思い出の写真でもあります。天然の日傘?を差した相手を羨んだシーンでもありました。このヒカゲチョウもまだ健在ですが、開発の煽りでいつ衰退するとも限りません。今年から基礎調査活動として、地元の方を中心とした個体数調査が開始されようとしています。全国的には個体数が激減しているなか、全国から当地のラベル欲しさにネットを振る方が当地に押し寄せていると聞きます。どうか節度ある行動、採集自粛を願うものです。
こうして振り返ると、あっという間の4年半でした。改めて関西でお世話になったHP・ブログ仲間、拙ブログにコメントを寄せられた皆様、そして保護活動をされている蝶仲間の方達には本当にお世話になりました。これから長年親しんだ関東に拠点を移し、新たな活動を続けていきたいと思います。なお、転居の関係で暫く更新が途絶えるかもしれませんが、今後とも、拙ブログの応援をよろしくお願いいたします。
by fanseab
| 2008-03-19 09:17
| 蝶
|
Comments(12)
関東へ転勤ですか。
フィールドでお会いする機会も増えるかもしれませんが、関西へ行く時に頼れる人が減ってしまいますね。(^^;
どの蝶も関東では撮影が無理か難しい蝶なので羨ましく拝見しました。
フィールドでお会いする機会も増えるかもしれませんが、関西へ行く時に頼れる人が減ってしまいますね。(^^;
どの蝶も関東では撮影が無理か難しい蝶なので羨ましく拝見しました。
あらぁ、お引っ越しですかぁ・・・。気の早い話ですが、来年の「斜め45度」の総会でお会いできたらと思っていたのですが・・・。残念です。
ブログの更新、これからも楽しみにしています。
ブログの更新、これからも楽しみにしています。

転勤は労力を使いますよね。
ちょっとだけ近くなりましたが、遊びにお越し下さい。
東京へ行く際はお会いできるかも知れません。
ちょっとだけ近くなりましたが、遊びにお越し下さい。
東京へ行く際はお会いできるかも知れません。
今春からは関東のお仲間と言うことですね。
関西でも色々素晴らしい活動をされてきて、私にはうらやましい写真がならんでいますが、これからは地元のお仲間としてよろしくお願いします。
関西でも色々素晴らしい活動をされてきて、私にはうらやましい写真がならんでいますが、これからは地元のお仲間としてよろしくお願いします。
4年半お疲れ様でした。フィールドは今後関東メインになりそうですが、楽しくて、ためになるブログ大いに期待しております。自宅からの通勤はやっぱりエエですよね。たまには関西にも遊びに来てくださいね。キリシマやヤクシマやヒロオビやウスイロやモドキがあなたをお待ちしておりますぞ。
4年と少し勤務されたのですね・・・お疲れ様でした・・・今度は関東ですか・・・少し近くなりましたね・・・小生も10数回転勤してきましたから、お察しいたしますが新しい境地でご活躍ください、期待しています。

お帰りなさ~い。
私は、関西に住んだことがないので、こうして見ると羨ましい画像が並んでいますね。
関東勢の中では、すぐ近くのはずですし、今シーズンはフィールドへご一緒できそうですね、楽しみにしております。
私は、関西に住んだことがないので、こうして見ると羨ましい画像が並んでいますね。
関東勢の中では、すぐ近くのはずですし、今シーズンはフィールドへご一緒できそうですね、楽しみにしております。
関西から関東へ異動されるのですね。
いつも同じフィールドで蝶を追いかけている者から見ると、ちょっぴり羨ましいです。
関東でもご活躍楽しみにしています。
いつも同じフィールドで蝶を追いかけている者から見ると、ちょっぴり羨ましいです。
関東でもご活躍楽しみにしています。
転勤は色々と大変ですね。
関西では大きな成果を挙げられて良かったですね。
関東にいらっしゃれば、いつかお会いできると思いますが、これからも宜しくご指導下さい。
関西では大きな成果を挙げられて良かったですね。
関東にいらっしゃれば、いつかお会いできると思いますが、これからも宜しくご指導下さい。

<コメントを寄せられた皆様へ>
一括してのレスですみません。ようやく引越し荷物の搬入が終わって一段落したとこです。今日は絶好の天気でミヤマセセリやギフも飛んでいるかもしれません。好天を横目で引越し荷物の片付けをするのも辛いです(^^;;
さて、関西での楽しかった蝶観察もひとまず終わり、新しい生活に慣れながら、関東での蝶観察を再開したいと思います。関東在住のブログ仲間の方達とはこれからフィールドでお会いするチャンスが増えると思います。その時も含め、これからよろしくご指導願います。
一括してのレスですみません。ようやく引越し荷物の搬入が終わって一段落したとこです。今日は絶好の天気でミヤマセセリやギフも飛んでいるかもしれません。好天を横目で引越し荷物の片付けをするのも辛いです(^^;;
さて、関西での楽しかった蝶観察もひとまず終わり、新しい生活に慣れながら、関東での蝶観察を再開したいと思います。関東在住のブログ仲間の方達とはこれからフィールドでお会いするチャンスが増えると思います。その時も含め、これからよろしくご指導願います。
亀レスにて失礼します。お引越し、お疲れさまでした。
シルビアとバッタの絵、拝見した瞬間に、ご一緒したシーンがくっきりとよみがえりました。
本コメントへのレスは不要ですよ~↑1つ上で、いただいていますから。
今度は、関東でお目にかかれることを楽しみにしています。
シルビアとバッタの絵、拝見した瞬間に、ご一緒したシーンがくっきりとよみがえりました。
本コメントへのレスは不要ですよ~↑1つ上で、いただいていますから。
今度は、関東でお目にかかれることを楽しみにしています。

kenkenさん、いろいろとお世話になりました。シルビアも含め絵を見ると撮影した時の状況が鮮やかに甦ります。またどこかでご一緒できればと思います。