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探蝶逍遥記

ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)

 前回の記事でも触れたように、観察した日は大変穏やかな晴天で、暖かな陽気に誘われて越冬態勢のムラツも、午前11時頃から飛び初めました。それでも体感気温は12-13℃程度でしょうか?まだ彼らにとっては寒いのか、最初にヨロヨロと路上に舞い降りたのは結構綺麗な♀でした。
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_21292038.jpg
D70、ISO=200、F8-1/400、 撮影時刻:11時11分

 恥ずかしながら、管理人はこれほどまでの至近距離でムラツ開翅を写すのは初体験。感激して少し大きめの画像を貼りました。左前翅先端にちょっぴり青色鱗粉が乗っているのがお洒落です。綺麗な開翅画像が撮れて余裕が出たので、お次は別の個体で縦位置広角に挑戦。
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_21294483.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F9.1-1/176、-0.7EV、撮影時刻:11時17分

 ムラサキシジミのつもりで露出補正すると、ちょっと紫色の発色が上手く表現できないことに気が付きました。この時期の個体は鮮度がマチマチなので、補正処理は結構面倒ですね。ついでにどこまで寄れるか試そうと伝家の宝刀?、魚露目を取り出し、↑と同じ個体に迫りますが、流石に嫌がられ、頭をそっぽ向かれた↓の画像が精一杯でした。やはり開翅状態での魚露目は難易度高いです。
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_2130910.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F12.6-1/60、撮影時刻:11時23分

 この個体は左前翅端に白く破損した部分があるので、今後、越冬個体を継続観察する場合の識別に使えると思います。さて、圧倒的に多かった♀に混じって♂も登場。管理人は未だ♂は未体験なので、大興奮でした(^^) 先ずは、紫色が正確に表現できるとされる真正面やや上から。
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_21303434.jpg
D70、ISO=200、F8-1/200、-0.3EV、撮影時刻:11時37分

 これ、紫色の幻光と言うよりは、藍色と言うべきでしょうね。とにかくクロシジミ♂やクロツの幻光色に通じる、渋い美しさですね。この♂個体、サービス精神満点で、色々な角度で開翅してくれましたので、その都度シャッターを切ったのですが、一番ビックリしたのが次の画像。
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_2131040.jpg
D70、ISO=200、F8-1/250、-0.3EV、撮影時刻:11時40分

 カメラに近い右前翅は真正面から見込んだのと同様な藍色。そして反対側の左前翅はくすんだ緑色、さらに後翅は♀に通じる赤紫色と、七色の虹のごとく、幻光のオンパレードです。♂を観察するのは今回が初めてですが、幻光フェチの小生の心を捉えて離さない魅力があるんですね!今年は10~11月頃、羽化したての新鮮な♂を求めて、再探索する価値がありそうです。

 さて、開翅で充分体を温めたムラツは元気良く飛び始めました。ムラツ撮影経験豊富なBさんは開翅撮影をすぐに切り上げて、管理人のお隣で、飛翔撮影をスタートさせました。バシャバシャと小気味良いシャッター音を聞くと、こちらもムズムズしてきて(笑)、飛翔シーン撮影に参戦です。いい大人が二人揃ってファインダーも見ずに、バシャバシャ無茶苦茶シャッターを押しているので、公園を通りかかった人達が珍しそうに足を止めるいつもの光景が見られました(冷汗) 何とか撮れたコマを3枚貼ります。
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_21324673.jpg
D70S-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F7.1-1/1000、外部ストロボ、調光補正1/8、撮影時刻:11時35分
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_21331495.jpg
撮影時刻:11時37分
ムラサキツバメ越冬集団の観察(1月4日):その(2)_f0090680_21333269.jpg
撮影時刻:11時45分

 最後の絵は、開翅中の♀の横を飛翔個体が通りすぎる、願ってもない構図ですが、いかんせん遠すぎて、トリミングでもちょっと無理がありました(^^;; ムラツあたりの大きさだと24mm広角でトライすべきだったかもしれません。それと、どういう訳か、成功したのは翅を閉じた状態の絵が殆どでした。飛翔中、翅を開いているのが極めて短時間なことが影響しているのでしょうか?経験上、他のシジミ飛翔モードとは挙動が異なるようです。お隣のBさんが撮影された画像にはちゃんと 紫色の表翅が表現できたシーン が写っていて、流石だと思いました。

 新春の暖かい一日、蝶仲間との撮影会は本当に楽しいものでした。Bさん、またどこかで、ミニ撮影会を実施しましょう!
by fanseab | 2008-01-07 21:36 | | Comments(12)
Commented by 虫林 at 2008-01-07 22:36 x
Gyoromeは残念でした。多分、気温が上昇して、蝶の活性が高くなりすぎたのかもしれませんね。
ムラツの♂の撮影はなかなか難しいと思いますが、僕は今までろくな写真が撮れていないので羨ましいです。まるで、ゼフみたいな輝きですね。
下から2枚目の飛翔も凄いですよ。
この真冬の時期に、蝶がこれだけ見れるのですから、天国ですね。
Commented by fanseab at 2008-01-07 23:09 x
虫林さん、連続コメント恐れ入ります。ムラツ♂は絶対数が少ない場所ではそもそも撮影が困難ですね。今回はラッキーでした。ご指摘されている通り、真冬にこれだけ楽しめたので、本当に実り多い一日でした。
Commented by banyan10 at 2008-01-07 23:39
飛翔撮影している2人は目立っていましたね。(笑)
1人だったら少し控え目に撮っていたかもしれません。(^^;
ムラツの場合は翅を開いた状態で撮れている割合が少ないですね。
翅を閉じて飛んでいる時間が長いというのは正解ではないかと思います。僕も飛翔中の翅表を撮影できたのは初めてでした。
Commented by maeda at 2008-01-08 06:19 x
活動性が低いので寄りやすいのでしょうね。
飛翔写真もばっちゃり撮れていて、冬眠中の私にはとっても羨ましいです。
Commented by chochoensis at 2008-01-08 19:35 x
fanseabさん、雄・雌・ともに=開翅写真=お見事ですね・・・雄のかがやきを出すのが難しそうですね・・・でも綺麗に撮影されていて羨ましいです。
Commented by fanseab at 2008-01-08 23:07 x
BANYANさん、やはり目立ちすぎでしたね!ムラツの飛翔、やはり貴殿でもそうですしたかぁ?今度、機会があれば、表を写しこみたいです。
Commented by fanseab at 2008-01-08 23:08 x
maedaさん、仰るとおり、一枚目の♀を撮影した時点では未だ、体が温まっていないのか?結構寄れました。冬眠中と仰らずに、冬眠中の越冬卵の画像をお願いします!
Commented by fanseab at 2008-01-08 23:11 x
chochoensisさん、まいどどうも。今回はラッキーなことに♂♀共に90mmマクロの射程に収まってくれました。気温の状態が適度でないと、すぐに活発になって、樹冠に飛んでいってしまうので、意外と開翅を狙う時間帯は短いように思えます。
Commented by kmkurobe at 2008-01-11 19:20
これはすばらしい。まるでゼフのような輝きですね。
こんなのを見ていると何十年ぶりに会いに行きたくなってしまいます。
すばらしい・・・・・
Commented by kenken at 2008-01-12 15:42 x
ちょっとPCを更新したりしておりまして、ご無沙汰しておりました~
う~む、ムラツの越冬個体撮影は、やはり関東のブログ仲間にご指導いただかんとあきませんねぇ~
実際に行ってみられて、関西でも見つけられそうなヒントは得られましたか?
Commented by fanseab at 2008-01-12 21:05 x
kmkurobeさん、この時期にシジミの幻光を楽しめるなんて、思ってもいませんでした。ゼフ天国の安曇野も、今は雪に埋もれているでしょうから、貴殿の思いもひとしおでしょう。
Commented by fanseab at 2008-01-12 21:08 x
kenkenさん、公私共にご多忙と拝察いたします。Bさんにご指導頂きながら、自らの目で越冬場所の環境について、かなりヒントが得られました。これまでの自仮説を覆すパラメーターも見つけられたと思います。この連休中もちょっと探ってみるつもりです。
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