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探蝶逍遥記

クロセセリとの格闘(8月25日)

 本体HP:「東南アジアの蝶ファン倶楽部」をアップしている管理人ですが、これまで国内外でクロセセリグループ(Notocrypta属)の撮影経験は恥ずかしながらありません。そこできちんと撮ろうと京都市内のポイントにでかけました。相手はこの仲間の広域分布種であるN.curvifascia(和名クロセセリ)です。ポイントには8時前に到着。早速芙蓉の花に1頭それらしき影が現れた後、姿を消しました。吸蜜タイムがわからないので、しばらく近くにある食草のミョウガ群落で幼虫探し。
巣はすぐに見つかりました。
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18411497.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F5.7-1/30、撮影時刻:8時30分

 中央手前とその左(葉が折れて下向きのもの)に2つの巣がありました。中央の巣を明けてみると、とても大きな終齢幼虫が現れました。10円玉と比較してみてください。体長は約40mmあります。
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18413069.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F3.6-1/13、-0.7EV、撮影時刻:8時44分

 セセリ幼虫をみつけると必ず画像採集するのが幼虫頭部の拡大画像。今回は魚露目を使ってパチリ。
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18414333.jpg
GX100-gy8, ISO=80, F7.1-1/25、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:8時38分

 幼虫頭部を様々なキャラに見立てるのが小生の趣味ですが、クロセセリは果たして何に見えますかな?「三角鼻の禿親父」と言ったら怒られますか?とにかく独特な斑紋であることは確かです。薄暗い環境下にあるミョウガ群落は薮蚊の巣窟でもあります。幼虫撮影中、容赦無い薮蚊の攻撃にさらされ、小生の顔は無残な姿に膨れ上がりました(^^;;

 さて、最初の芙蓉ポイントに戻って成虫を追いかけ始めた時、「こんにちは~」とカメラマンが登場。どなたかと思いきや、ブログ仲間、 My Favorite Butterflies of Japan のkさんでした。そう言えば、kさんは地元京都にお住まい。早速蝶談義がてらミニ撮影会に突入。ところがモデルのクロセセリ成虫はかなり気まぐれでして、芙蓉に来訪しても、高い枝先の花だったり、突然、林内に姿をくらます等、二人してセセリに弄ばれた感じでした。それでも9時30分頃から徐々に低い位置に来てくれるようになりました。これまでブログ仲間の芙蓉吸蜜シーンを拝見してある程度は覚悟していましたが、撮影は相当に難易度が高いものでした。①クロセセリに対して花弁が大きいので、花に潜りこむと、頭部が写らず翅のみの画像となること。それにセセリ吸蜜シーンのポイントである、②ストローを写しこむことが至難。さらには③薄ピンク色の花弁と真っ黒なクロセセリの露出補正バランスが大変難しい点も挙げられます。悪戦苦闘してようやく得られた吸蜜シーンを2枚貼っときましょう。
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18424160.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=500, F8-1/500、内蔵ストロボ、調光補正-0.7EV、撮影時刻:9時50分
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_1843320.jpg
D70, ISO=500, F5-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時12分

 通常は最初の絵のようにストローが隠れて見えません。2枚目では、何とか超長いストローを写しこめました。この時、撮影アングルを確保できるようにkさんに枝を手繰り寄せるよう協力して頂きました。kさん、お手数をかけました。

 吸蜜の途中は翅を休めてタテハのようにゆっくりと翅を開閉します。この時、アンテナを片方づつ、ゆっくり上げ下げする仕草が可愛いですね。吸蜜よりは楽なシーンですが、翅の質感表現は結構難易度が高いです。
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18432080.jpg
D70, ISO=500, F6.3-1/200、+0.3EV、撮影時刻:9時52分
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18433423.jpg
D70, ISO=500, F6.3-1/160、+0.3EV、撮影時刻:9時53分

 クロセセリに悪戦苦闘している最中、「気分転換に僕でも写したらぁ~♪」って登場したのが超新鮮なキマダラセセリ♂。ここは芙蓉の花をバックに魚露目でパチリ。
クロセセリとの格闘(8月25日)_f0090680_18434790.jpg
GX100-gy8, ISO=80, F4.4-1/64、-0.7EV、撮影時刻:10時50分

 この後、別の撮影ポイントに移動しましたが、こちらは坊主。kさんとは正午にご挨拶して別れ、更にミョウガ群落を求めてウロチョロ探索しました。この日の京都市内は36℃の猛暑が続き、さすがにヘロヘロになって午後2時に撤収です。初物のクロセセリ、相当に難易度が高く、特に吸蜜シーンは再トライが必要ですね。最後に撮影会場でカメラマン助手役他、お世話頂いたkさん、いろいろと有難うございました。
by fanseab | 2007-08-26 18:46 | | Comments(16)
Commented by maeda at 2007-08-26 20:17 x
おやおや、お二人で撮影会でしたか。
共通の趣味で繋がる話ですから尽きませんね。
楽しそうです。
Commented by thecla at 2007-08-26 21:25 x
kさんとの臨時撮影会でしたか。お二人とも蝶の話題が豊富だからさぞかし楽しかったことでしょうね。
クロセセリはこちらでは撮影出来ない種類ですからうっとりしながら拝見しました。
↓いよいよRAW活用ですか。私は、いまだ下手の鉄砲も派手JPEGオンリーですが、やっぱりRAWはいいですかね。ただPCのスペックを上げないといけないかもしれません。
Commented by ダンダラ at 2007-08-26 23:14 x
クロセセリ静止の質感描写はお見事です。
データを見るとストロボも使わずに実にきれいに撮影されていますね。
クロセセリのこの質感を出すのはすごく難しいと言うことを経験していますので驚きました。
Commented by chochoensis at 2007-08-27 18:03 x
クロセセリ、綺麗に撮影されましたね・・・素晴らしいです。もう何年も会っていません・・・羨ましいです。なんといっても素晴らしいのが「クロセセリ頭部」の写真です。とてもユニークな顔つきをしていますね。素晴らしい!
Commented by banyan10 at 2007-08-27 20:50
クロセセリは沖縄で撮影していますが、遠征だとじっくり撮影するせずに他の蝶を探してしまいます。近場で撮影できるのはいいですね。
静止の質感も見事ですし、吸蜜の2枚目もピンクの花弁が柔らかく表現され、ストローもしっかり写って素晴らしいです。
Commented by kenken at 2007-08-27 21:23 x
うまく遭遇できてよかったです。
しかし、ストロボの使い方が上手ですなぁ。私のは、芙蓉の花で吸蜜している写真はどれもこれも使いもんになりませんでした。ストロボ発光でF5-1/250、-1.0EVとなっ!自然光ではF6.3-1/160、+0.3EVですかっ!良い勉強になりました。
ううっ、Grorome8、見てしまうと欲しくなる・・・
Commented by fanseab at 2007-08-28 01:08 x
maedaさん、関西勢も時々偶然の撮影会になることが多いです。ポイントが限定されていますからね。そう、撮影派だけでの蝶談義は、蝶意外にカメラも話題や情報交換も重要ですね。
Commented by fanseab at 2007-08-28 01:11 x
theclaさん、今回はkさんのkissDXを手に取って見せてもらいました。液晶モニターの進歩は凄いですね。D70とは見えやすさが雲泥の差でした。RAWモード撮影、ご指摘の通り、小生もPCも能力アップせねばならないようです。いろいろと物要りですね。
Commented by fanseab at 2007-08-28 01:15 x
ダンダラさん、連続コメント恐れ入ります。クロセセリの静止場面はやや暗めなので、シャッター速度が稼げない状況下でアンテナから後翅まで合焦させるため、絞り込まねばならず、手ぶれに細心の注意が必要でした。暗い環境下を好むセセリの撮影は本当に難しいですね。
Commented by fanseab at 2007-08-28 01:18 x
chochoensisさん、このクロセセリポイントは比較的アプローチが楽ですので、関西方面にお越しになる際に立ち寄られたら撮影チャンスがあると思います。幼虫頭部は外部ストロボの条件がイマイチで、ノイジーな画面になったことが反省点です。
Commented by fanseab at 2007-08-28 01:21 x
BANYANさん、確かに沖縄ではこのセセリより魅力的な対象が多すぎてきちんと撮ることが困難かもしれません。芙蓉吸蜜の場面は吸蜜に訪れた瞬間を切り取らないとすぐに奥に潜ってしまうので、相当に難易度が高いのです。
Commented by fanseab at 2007-08-28 01:25 x
kenkenさん、その節は芙蓉の花を目線まで下げて頂いたり、お世話になりました。この辺が複数名での蝶観察の良さですね。ストロボの件、まだまだ勉強が必要です。このセセリの吸蜜シーンでは、花の後ろ側でもう1灯炊く、マルチライティングでもしないと望みの絵は無理ですね。
Commented by cactuss at 2007-08-28 21:50
kenkenさんのブログにストロボを効果的に使っていると紹介があり、撮影風景の写真も出ていました。自然光の中でストロボを使っていない様にきれいに写すのは試行錯誤により得られた長年の経験が必要なんでしょうね。
Commented by nomusan at 2007-08-28 23:58 x
クロセセリon芙蓉、綺麗です。kenkenさんのブログと合わせて拝読すると一枚の画像の背景がわかってより美しく思えてきます。エもん見せていただきました。
 ところが、私まだ今年九州でクロセセリ見ていないのですよ~・・・
Commented by fanseab at 2007-08-29 23:29 x
cactussさん、既にご承知かもしれませんが、内蔵ストロボ使用の場合は①スローシャッターモードを基本にして、②ブレない程度まで極力シャッター速度を遅くすることで、自然な感じに仕上がるようです。
Commented by fanseab at 2007-08-29 23:33 x
nomusan、クロセセリと芙蓉の組合せはいかにも南国って感じがしますね。最初はkさんとの蝶談義でしたが、そのうち撮影に格闘して二人とも黙って黙々と撮影しておりました(^^) このセセリ、暗くてジメジメしたとこが好きなので、探すのも骨が折れますね。ただアオタテハモドキよりは探索が簡単なのでは?
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