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探蝶逍遥記

交尾2題(10月上旬)

 このところ東京近辺はスカッとした晴れ間がありません。多摩川縁をブラブラ歩いても、何となく蝶の姿も不活発です。ウラナミシジミも少し個体数が減った印象。そんな中、いきなりアレチウリの葉上でウラナミ交尾ペアを発見。


+++画像はクリック・タップで拡大されます(モニター環境に依存)+++

交尾2題(10月上旬)_f0090680_15473431.jpg
EM12-Z12ISO=400F8-1/250、撮影時刻:1315

 アレチウリは、クズ群落を覆い尽くして枯れさせてしまう、凄まじい生命力を感じますね。同じ画面をクローズアップレンズを使って蝶により接近して撮影。

交尾2題(10月上旬)_f0090680_15474463.jpg
EM12-Z12-CUL25ISO=400F8-1/250、撮影時刻:1314

 使用したのはケンコー製MC No.4(焦点距離25cm)。以降撮影データ上で「CUL25」と略記します。クローズアップレンズを付けない状態での最短撮影距離は20cm。レンズ前面からだと約10cm。クローズアップレンズを付けると、レンズ前面から約7cmまで撮影できます。僅か3cmの差ですが、上記2枚の画像を比較して頂ければ分かる通り、写り込む蝶の大きさにかなり差が出ます。CUL25は色消ししていない単玉レンズですが、解像度の劣化はあまり目立たず、結構使い物になりそうです。

 この日は運が良く、モンキチョウの交尾ペアにも出会いました。ウラナミ同様、クローズアップレンズ有り無しで比較してみました。

交尾2題(10月上旬)_f0090680_15475406.jpg

EM12-Z12ISO=400F9-1/250、撮影時刻:1349
交尾2題(10月上旬)_f0090680_15480137.jpg
EM12-Z12-CUL25ISO=400F9-1/250、撮影時刻:1350

 僅か3cmの距離差ですが、蝶が大きく写る効果は絶大です。もっとも、より接近する分、描写される背景の範囲は狭まるので、背景全体を説明的に描写したい場合は、クローズアップレンズを使用しない方が、良い場合もあるでしょう。このあたりケースバイケースで使い分けが必須です。折角交尾ペアを見つけたので、意図的に飛ばして交尾飛翔画像も撮りました。

交尾2題(10月上旬)_f0090680_15480848.jpg
EM12-Z12(トリミング)ISO=1250F5.6-1/4000、撮影時刻:1349

 曇り空だと飛翔画像も冴えないです(^^; まぁ、交尾飛翔形式「←+」ははっきり分かりますけど・・・。

 今回クローズアップレンズを試した理由をちょっと詳しく書いておきます。現在主力機のマイクロフォーサーズレンズは小型軽量である利点がある反面、「広角レンズの最短撮影距離が比較的長い」欠点があります。伝統的に「マクロに強い」オリンパス製のレンズでさえ、同距離は20cmです。蝶を広角で撮る場合、同距離が長いことは致命的な欠点で、これまでは仕方なく20cmで撮るか、或いはもっと接近できるコンデジで撮影しておりました。同距離を短縮するには、以下の3種類の方法があります。

クローズアップレンズを使用する

テレコンバーターを使用する

フランジバックの改造をする

 この中で②は市販コンバーターが存在しておりません。あの著名なプロ、海野和男氏も悩まれた末、所像レンズを改造してコンバーターを自作されたようです。また、③はレンズ交換マウントを取り外し、薄い板(シム)を挿入して作動距離(レンズ前面からの距離)を改造変更するもの。但し自己責任で実施すべき案件で、失敗しても当然メーカー保証外です。


結局、素人が一番簡単にできる手法は①のみで、今回管理人も飛びついた次第。市販されているクローズアップレンズは本来望遠レンズに装着して作動距離を短縮化するのが目的で、広角レンズには不向きとされています。まぁ、それも今回のテストの結果、結構使えるなぁ~との感触を得ました。使用したレンズは3000円弱ですので、管理人と同じお悩みの方は試してみる価値があると思います。



by fanseab | 2020-10-19 20:16 | | Comments(0)
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