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探蝶逍遥記

アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)

 7月中旬から続いた一連の信州遠征の主目的はアカセセリの産卵シーン撮影でした。昨年は同じ信州でもゴマシジミ生息地に共棲する本種♀を追跡しましたが、結局産卵シーン観察は叶いませんでした。今回は撮影仲間のアドバイスにより、場所変えしての再チャレンジ。食草とされるヒカゲスゲらしきホストが高原のどのあたりに密生しているか、過去2回の遠征で概ね把握することができました。前回7月下旬段階では未だアカセセリは未発生。アカセセリ確認前に前回ジョウザンが群れ飛んでいた渓谷沿いのポイントを訪問。午前10時過ぎですが、ジョウザンは全く確認できず。ジョウザンの代わりに葉に止まっていたのはアカセセリ♂でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)_f0090680_10501836.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時26分

 これまで観察してきたアカセセリ生息環境とは異なるので、ちょっとビックリ。ここでは♂の吸水活動も撮影。
アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)_f0090680_10503278.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=200,F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時29分

 ♂吸水シーンは管理人にとって恐らく初撮影。この後、本来の草原環境に移動し♀を探索。目星を付けた場所で、♀の飛来を待ちます。ポイント環境画像がこちら。
アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)_f0090680_1050504.jpg
TG4@4.5mm,ISO=100,F8-1/200、-0.7EV、撮影時刻:12時33分

 ヒカゲスゲと思しき食草が生い茂っています。「日蔭菅」と言っても必ずしも日蔭にある訳ではありません。そのうち草地を低空飛行する♀を発見。明らかに産卵行動です!しかし、管理人の期待をよそにこの♀はすぐに日蔭で休息に入りました。
アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)_f0090680_10512266.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=640,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時30分

 セセリも含め、産卵と休息を交互に繰り返す行動は良く見られるので、暫くこの子を監視することに。しかし、炎天下でじっと監視する作業はつらいものがあります。標高1500m超の高原でも梅雨明け直後のこの時期、33℃ほど、かつ風も吹いていません。20分ほど注視するも♀はじっとしたまま。こちらも痺れを切らして他の蝶観察に移動。暫くして戻ってくると母蝶の姿はありませんでした。ただ予想通り、産卵行動が昼前後にあると確信しました。翌日、再度同じポイントで♀の飛来を待ちます。11時40分過ぎ、♀がホバリングしながら草地低く飛ぶのを観察。今度こそ・・・と念じながら、♀の産卵を待ちます。しかし、今回も期待に反し、♀は休息モードへ。ノンビリと開翅です。
アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)_f0090680_10521111.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=800,F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:11時59分

 この母蝶は休息後、再度飛び出して低空飛行を開始。「三度目の正直・・・」と期待するものの急に遠くに飛び去り、ジ・エンド(^^; 結局今回も産卵シーン撮影には失敗。ガックリでした。撤収前、気晴らしにノアザミでの♀吸蜜シーンを撮ってみました。
アカセセリの産卵行動を探る(8月上旬)_f0090680_10522963.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=400,F8-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:12時59分

 アカセセリの個体数がそれなりに多いこの高原でも、産卵に訪れるポイントは局限されているようです。今回、産卵時間帯が昼前後にあることは突き止めたものの、産卵シーン撮影はまた来年以降の課題になりました。
by fanseab | 2019-08-15 20:47 | | Comments(0)
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