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探蝶逍遥記

ツマキチョウの産卵(4月中旬)

 異なるポイント、異なるホストで本種産卵シーンの撮り分けを試みました。最初は東京都下の多摩川縁で、スカシタゴボウ(恐らく?)への産卵。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
ツマキチョウの産卵(4月中旬)_f0090680_15551682.jpg
EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=200,F4-1/2500、撮影時刻:11時21分
ツマキチョウの産卵(4月中旬)_f0090680_15552848.jpg
EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=200,F5.6-1/1600、撮影時刻:11時29分

 このポイントは1980年代前半にギンイチモンジセセリの豊産地だった河川敷。訪問前のグーグルアース画像下見により、オギ群落はほぼ消失していることを確認済。河川敷開発から逃れ、僅かに残った群落は長さ50m幅30m程度で、ギンイチは確認できず。ツマキを撮影した場所はゴロゴロ石が散らばる河原。一面菜の花が咲いておりました。しかし、母蝶は菜の花には見向きもせず、スカシタゴボウの蕾に執着していたように思います。
 産卵直後の飛び立ちシーンも撮影。
ツマキチョウの産卵(4月中旬)_f0090680_15554431.jpg
EM12-P520@200mm(トリミング),ISO=640,F7.1-1/5000、撮影時刻:11時30分

 面白いと思ったのは、腹端の姿勢。通常翅を下向きに羽ばたく際、尾部を上方一直線に伸ばしてバランスを取るのですが、ここでは産卵姿勢と全く同じ屈曲した姿勢を取っています。空中に飛び上がっても未だ産卵したがっている様子。

 次は、ムラサキハナナへの産卵。
ツマキチョウの産卵(4月中旬)_f0090680_15555969.jpg
D500-34VR,ISO=1000,F8-1/1000、撮影時刻:13時57分

 この日はミヤマセセリ♀産卵シーンを目的に東京都下の里山公園へ。しかし、コナラの新芽は既に完全に開いており、♀の姿は観察できず。どうやらタイミングが遅すぎた様子。仕方なくツマキに目を向けました。薄曇りが幸いしてムラサキハナナの花弁が落ち着いた発色をしてくれて、凄く良い雰囲気に仕上がりました。
 最後は、菜の花への産卵。ここは拙宅近くの多摩川河川敷。午前中、気温があまり高くならない頃合いを見計らっての撮影。それでも産卵時間が非常に短く、合焦する前に飛び立ってしまうので、苦労しました。
ツマキチョウの産卵(4月中旬)_f0090680_15561949.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=200,F6.3-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時21分
ツマキチョウの産卵(4月中旬)_f0090680_1556293.jpg
D500-34VR(トリミング),ISO=140,F5.6-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時58分

 ホストによらず、母蝶は蕾塊の隙間に産み付けるので、産附された卵と腹端の同時写しこみは厳しいですね。今回も、いずれの画像でも卵の写し込みには失敗(^^;
by fanseab | 2019-04-18 21:39 | | Comments(4)
Commented by べにしじみこむ at 2019-04-20 22:42 x
今晩は。
三番目の写真、興味深い御考察、私も思わず考え込んでしまいました。
翅のしなりから考えて、これは翅を打ち下ろしているところではなく、すでに挙上動作に入っているのでは?と初見では思ったのですが。であれば、尾端がこのように屈曲するのもありうるかと思います。因みに、コツバメの例ですが、https://www.youtube.com/watch?time_continue=17&v=qHsP9tRtiFA
打ち下ろした翅を挙上する時に、当然腹部も体幹軸方向へ直ってきますが、その時に尾端から回復していくこともあるのでは?とも思います(自信ないけど)。
 腹部がかなり、くの字型に屈曲していますが、腹部全てが体幹軸より挙上されていますので、飛翔態勢であると考えてもいいのではないかとも思われます。
連写されている?のであれば、前後のショットから回答が導き出されるかも?
 間違っていたらご免なさい。
Commented by fanseab at 2019-04-21 21:10 x
べにしじみこむさん、今晩は。
コメント有難うございます。この画像は♀が産卵を終えて9コマ目のショットです。
それまでに翅を2回打ち下ろしており、ご指摘の通り、このコマは翅を引き上げる
瞬間に相当します。この9コマ間、およびその後の4コマで全て同様に腹部を屈曲して
います。同じ♀個体の別の産卵後の連射画像でも同じ態勢でした。一方、本日アップした
記事で、♀が求愛を拒否して逃げるシーンでは、極普通に腹部を一直線に伸ばして
おりますし、過日記事にした♀の吸蜜後の飛び立ちシーンでも腹部は一直線でした。
ですので、産卵時に特別に取る態勢なのかなぁ~と思ったのです。もう少し観察事例
を増やして見てみたいです。
Commented by べにしじみこむ at 2019-04-24 09:09 x
丁寧な回答、有難うございます。お手数をおかけいたしました。
翅を打ち下ろす時は、常に腹部が挙上するのであると、今まで思っていました。バランスをとるため、というよりは、解剖学的な問題?神経、筋の問題?でそうなるのかと考えていました。勿論、バランスをとるため(飛ぶため)にそのように発達していったと想像します。打ち下ろす時も、尾端を曲げようと思えば出来るのですね。知りませんでした。面白くなってきた。
有難うございます。
Commented by fanseab at 2019-04-25 21:49 x
べにしじみこむさん、コメント有難うございます。
アゲハやタテハでも同様な行動があるか、産卵シーンで飛び立ちシーンが
撮影できたら、確認してみたいと思います。
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