探蝶逍遥記

アサギマダラ幼生期観察(11月下旬)

 これまで本種産卵シーン撮影に訪問した、東京都下のポイントを再訪。流石に♀はもういないだろうと思いながら、林道を歩いてみました。この日の気温もこの時期としては異常に高く、手元の温度ロガー表示は何と最高23℃! しかし予想通り、母蝶の姿は全くありません。キジョランポイントに到着し、葉裏捲りをしてみます。驚いたことに前回11月中旬に確認した幼虫がほぼ姿を消していました。当時確認した卵数から予測しても、少なくとも10頭程度の2齢幼虫がいるはずなのに、全くいません。かろうじて孵化直後の初齢幼虫を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_11161919.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/160,外部ストロボ、撮影時刻:12時07分

 初齢でも後半には明確な黄色・黒色の斑紋が出るはずなので、文字通りの孵化直後個体と推定。画面中央左下には食痕が見えています。幼虫は丁度脱糞の最中で、尾端に緑色の糞が付いております。別の初齢幼虫を見出した際、近くにヤドリバチの姿が。。。
f0090680_11164557.jpg
EM12-Z60,ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 幼虫体長は3mm程度ですから、ヤドリバチの体長は5mm程度。その大きさからタマゴヤドリバチではなく、幼虫もしくは蛹に寄生するグループと思われます。脚の特徴から恐らくアシブトコバチ科(Chalcidinae)の1種と推定。暫く、葉裏や葉の縁をウロチョロ歩き回っておりました。
f0090680_11171035.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5-1/60,外部ストロボ、撮影時刻:12時03分
f0090680_11172044.jpg
EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F6.3-1/80,外部ストロボ、撮影時刻:12時04分

 触覚の先端も結構膨らんでいるのが、この手の蜂の特徴。時折片方ずつ触覚先端を葉の表面に当てて、何かを探っております。残念ながら、葉裏や幼虫に産み付ける決定的場面を観察することはできませんでした。アサギマダラ幼虫の寄生種としては、マダラヤドリバエ(Sturmia bella)が有名です。この蠅は、キジョラン葉上に微小卵を産み付け、比較的体格のデカい4齢・5齢幼虫の摂食と同時にアサギマダラ体内に潜入する戦略を使っています。果たして今回見出したヤドリバチも同じ方式を使うのでしょうかね?
 さて、アサギマダラの卵がどの程度あるのだろうか?と、こちらも探索。しかし、見出したのは僅か1卵のみ(矢印)。
f0090680_11244092.jpg
D500-34VR,ISO=1000,F8-1/400,外部ストロボ、撮影時刻:13時20分

 以上の結果から、このポイントでの本年秋の母蝶最終産卵時期は11月20日頃と推定しました。2齢以降の幼虫が皆無だったことから、外敵による摂食も過酷ですね。冬場に寒さと戦いながら越冬するアサギマダラ幼虫の姿を観察したいと思っておりましたが、少なくともこのポイントでは実現しそうにありません。目算が狂ったので、別ポイントを開拓せねばならないようです。
by fanseab | 2018-12-10 21:13 | | Comments(2)
Commented by Sippo5655 at 2018-12-11 21:51
はぁ。。
アサギマダラも大変だ!!
ハチって物凄い種類いるんですよね。
そういえば我が家の庭のアゲハ幼虫も、
常にハチに見張られている。
この秋見つけた蛹もダメでした。
自然界って本当に厳しい・・・
↓コミスジ幼虫、ほんと探すと見つからないものですよね。
必死に探して3つ見つけた後は、探すのも疲れてしまいました(苦笑)
Commented by fanseab at 2018-12-12 20:49 x
Sippo5655さん、アサギマダラの幼生期を野外観察するのは、これは初めてで、
アゲハ同様、食害が非常に多いのには驚きました。寄生された幼虫を未だ見ていない
し、この寄生バチが本当に幼虫を狙っていたかは不明です。中には、アサギマダラ幼虫に
寄生する蠅に寄生する寄生バチもいるみたいですから、話は簡単ではありません。
コミスジ幼虫、結構探すのは苦労しますよね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード