探蝶逍遥記

アオバセセリ幼虫の観察:その4(9月下旬)

 前回観察(クリックでジャンプ)から1ヶ月が経過したので、幼虫の様子を覗いて来ました。最初は樹高の低い株。ここは唯一、1個体のみ亜終齢幼虫の巣を確認しておりました。巣は健在でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=400,F3.5-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 流石に1ヶ月経過して、巣は枯れかかってきています。巣の入口を覗いてみました。
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EM12-Z60,ISO=400,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 橙色のテントウムシ状の頭部が見えていました。明らかに頭部の大きさが拡大し、橙色がやや赤みを帯びてきました。恐らく終齢(5齢もしくは6齢)に到達していると思われます。それにしても、巣の入口に大事な頭部を晒している姿には驚かされました。ひょっとすると意図的に鮮やかな頭部を露出させて、外敵を驚かせる作戦なのかもしれません。
 どうやらアオバセセリの亜終齢~終齢幼虫は、齢を重ねても巣の更新はせず、古い巣を結構辛抱強く使い続けるタイプのようです。今回再度、この株の全体を観察すると、前回確認できなかった終齢幼虫巣(矢印)を発見。
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EM12-Z60,ISO=200,F3.5-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:9時38分

 樹冠近く高いので、中身の存在は確認できず。この後移動して、樹高10m近い別のアワブキ株をチェック。前回3-4個の亜終齢幼虫巣を確認しておりましたが、残念ながらいずれも無くなっておりました。いつも参考にしている生態図鑑(※)には次の記述があります。
『・・・幼虫が蛹化に先立ってそれまですんでいた自分の巣を切り落とす行動が観察されている。この行動は越冬蛹になる幼虫にも、第2回の成虫になる幼虫にも認められる。・・・』
 越冬前に蛹化準備のために巣を切り落とす行動はコチャバネセセリでも観察されています。今回観察した株の巣は上記行動で切り落とされたものか?あるいは自然に落下したものかは、不明です。但し、最初に観察した低い株に比較して陽当たりの良い場所に生えているので、紅葉・落葉の時期は早めに推移しているようです。従って幼虫も早めに越冬準備に入った可能性もあります。幼虫は地表を歩いて近辺の常緑樹の葉裏で蛹化するらしいので、念のため株近くの葉裏をガサゴソ調査しましたが、白い蝋で覆われた蛹を発見することはできませんでした。まぁ、野外でアオバセセリ越冬蛹を発見するのは素人には難しいのでしょうね。
 こうなると、最初にご紹介した巣がどのような経過を辿るのか?興味が出てきますので、もう少し、経過観察をすることにします。

※福田晴夫他,(1983)原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ).p.212,保育社(大阪).
by fanseab | 2018-10-04 22:08 | | Comments(2)
Commented by clossiana at 2018-10-08 08:13
一昨日はお疲れさまでした。見事な写真の数々に目を見張らされました。
さて(以前にも書いたかもしれませんが)アオバの幼虫は蛹になる直前ではなくても、例えば3齢であっても、それまで使っていた巣を切り落とす習性があるのではないか?と考えています。私も落ちている空の巣を見たことがありますしtef-tefさんも見ていますので。。それにしても終齢まで見られるなんて羨ましい限りです。
Commented by fanseab at 2018-10-08 15:04 x
clossianaさん、貴殿もお疲れ様でした。
そうですか!3齢でも切り落とす習性があるのですね。
了解です。ここは足元に膨大な枯葉の山があるので、
落ちた巣を見いだすことは実際には不可能なのです。
終齢幼虫はもうちょっと継続観察してみます。
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