探蝶逍遥記

アオバセセリの幼虫観察:その3(8月下旬)

 拙宅近くのポイントで、首題幼虫の動向を継続観察しております。前回の観察は7月下旬。この間、酷暑で出かける元気も湧かず、38日振りの訪問となりました。先ずは前回も経過観察した4枚のアワブキ葉の様子。前回(左)と今回(右)を比較画像で示します。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:10時37分

 4枚の葉(#1~#4)の内で、#1、#3、#4の3枚に巣があり(矢印)、巣Aにのみ、3齢幼虫が潜んでおりました。今回巣Aを開封すると既に蛻の殻でした。葉#1の食痕面積は増えています。恐らく巣を放棄して、別の場所に新規に巣を造ったのでしょう。時期的には既に終齢に達していても不思議ではありません。そこで、大き目の巣を探すと、全部で4つ発見。最初は、お馴染みのパンチ穴が開いた、少し小さ目の巣(黒矢印)。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=400,F4-1/100,外部ストロボ、撮影時刻:10時18分

 脚立に立って巣を手繰り寄せ、確認。巣の全景です。
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TG4@5.5mm(トリミング),ISO=100,F2.3-1/30,-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時18分

 全長ほぼ3cm。開封してみると・・・・。
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:10時23分

 例のド派手な幼虫が潜んでいます。胴体の黒色部分にブルーの斑点が出現しました。これは4齢以降に出る特徴。終齢は5ないし6齢ですが、ここでは何齢かは判断できません。
 さて、残りの3個の巣は結構大き目でした。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1600,F7.1-1/500,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分
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D500-34VR,ISO=1600,F7.1-1/500,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分
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D500-34VR,ISO=1600,F7.1-1/500,-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時27分

 いずれもアワブキの葉の先端から豪快に折り畳んだ餃子状の代物。餃子と言うよりは柏餅のような雰囲気かな? 巣の特徴はパンチ穴が全くないこと。この3個の巣の中で、一つだけが手繰り寄せることのできる高さにあり、確認すると、4齢以降の幼虫が潜んでおりました。結局この株で目視できたのは、合計4個のみ。それなりに大きな株ですが、目の届く範囲内では4齢以降まで到達できる個体数は少ないようです。

 この後、少し場所を変えて別の株の様子を確認しました。この株からは前回、17個の卵殻を確認しております。しかし、確認できた幼虫巣は1個だけ。
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EM12-Z60,ISO=200,F5.6-1/30,外部ストロボ、撮影時刻:11時51分

 巣の全長は65mm。やはり柏餅状で、中に4齢以降の幼虫を確認できました。前回観察時にアワブキ葉上に多数のアシナガグモがウロチョロしておりました。恐らく孵化直後の初齢幼虫はこれら蜘蛛の餌食になるのでしょう。初齢もしくは若齢幼虫の巣も殆どありません。かろうじて蜘蛛から逃げて、終齢近くまで到達できる個体はほんの僅かであるに違いありません。この株では、多く見積もっても終齢到達確率は(1/20)X100≒5%でしょうね。

 この観察の後、日を改めて9月初旬、別のアオバセセリポイントに出向いてみました。ここは成虫の生息が噂されている場所ですが、管理人は現認をしておりません。事前調査で、アワブキは2株確認しております。最初の株で初齢幼虫の巣を発見(矢印)。
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D500-34VR(トリミング),ISO=1600,F7.1-1/500,-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時47分(9月上旬)

 ただ、これは時期的に空巣でしょう。これ以外には発見できず。別の株は樹高10m近い大木。こちらでは終齢幼虫巣を期待するものの、幼虫食痕のみ確認、巣は皆無。アオバは生息しているものの、最初に訪問したポイントに比較すると、個体数は圧倒的に少ないのでしょうね。
by fanseab | 2018-09-08 21:19 | | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2018-09-08 22:03
アオバセセリの幼虫は、憧れです。
この子を見たくて庭にアワブキを植えたくらいですから^^;
柏餅の中に・・居ましたかぁ(*´∇`*)
淡々と綴っていらっしゃいますが
見つけるまでのご苦労は相当あったのではないでしょうか!
ブルーの斑点も印象的ですね!

↓ルリタテハの産卵も、やはり午後ですか。
先日、11:30頃産卵のような様子のルリタテハがいました。
遠くだったので、詳細は見極められませんでした。
我が家の近所の線路下の小さなスペースにホトトギスが植えられていて
幼虫がいっぱいついていたっけ。
そのホトトギスも今は抜かれてしまいました。
Commented by fanseab at 2018-09-09 22:47 x
Sippo5655さん、アオバの幼虫は初齢から終齢にかけて本当に斑紋・色彩が変わる
ものだと思います。前回からの継続観察なので、幼虫巣の探索は比較的楽でした。
ブルーの斑点も確かにアクセントになっています。
ルリタテハの産卵は正午前後から午後にかけてやや広い時間帯があると思います。
幼虫が付いた葉は気色悪いですから、どこでも駆除の対象になりますね。
Commented by clossiana at 2018-09-12 17:25

幼虫が4齢以降の巣が4っも確認出来るとは驚きでした。少ないですが自分の今までの経験や本に記載されている内容からしても大抵は途中で全くいなくなるのが普通で余程の幸運に恵まれた個体だけが羽化にまで至るのだと考えていたからです。
大きな巣になるとパンチ穴が無いなど、大変、興味深く読ませて頂きました。
Commented by fanseab at 2018-09-12 21:12 x
clossianaさん、小生より観察経験の長い貴殿のコメントから、今回は比較的幸運に
恵まれたようです。柏餅状巣には、パンチ穴が全くないか?は今後、観察数を増やして
みたいと思います。
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