探蝶逍遥記

コチャバネセセリ幼虫の巣(6月下旬)

オオチャバネセセリの第1化撮影目的で、横浜市内の里山へ出撃。しかし、それらしき個体を2回目撃するも撮影には至らずガッカリです。ここは林床にアザマネザサがビッシリと覆われていて、幼虫探索に方針変更。すぐに怪しげな巣を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60, ISO=200、F5-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分

 巣の外観や食痕から、オオチャバネではなく、コチャバネセセリの巣、それも若齢幼虫のものと推測しました。ちょっと巣を開けてみると・・・。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=200、F5.6-1/125、外部ストロボ、撮影時刻:10時38分

 予想通りでした。恐らく2齢幼虫と思われます。更に探索すると、今度は更に特徴のある巣を発見。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:11時03分

 これは明らかに老熟幼虫の巣。こちらは葉の面積がやや広く、アズマネザサではないようです。ササ類の同定に詳しい方、ご教示頂ければ幸いです。比較的大き目の葉では、葉軸を中心に葉を折返し、略台形の巣を造ります。越冬世代だと、この巣の上部(葉軸)を切り離して地上に落下するとされています。中を開けてみると・・・。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=200、F4.5-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:11時05分

 自分の体長より1cmほど長い巣を造っています。更に探索し、別の巣を発見。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=200、F5-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時33分

 アザマネザサでは、2枚の葉を上下にきちんと貼り合わせた巣を造っています。葉の基部側、葉軸の両サイドを食い切る食痕を残します。これも開けてみました。
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EM12-Z60(トリミング), ISO=200、F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時36分

 ほぼ体長は25mm。終齢幼虫です。背線近傍に2個の卵巣が透けて見えるので、恐らく♀幼虫でしょう。
第5腹節背線近傍に2個の生殖巣が透けて見えています。鱗翅目では一般的に大き目の生殖巣は精巣なので、♂個体の可能性がありますが、正確には飼育してみないと分かりません(黄文字は6月27日追記修正箇所)。
この日は、以上ご紹介した3個含め合計6個体のコチャバネ幼虫巣を発見。コチャバネの第1化は、例年5月中旬前後ですから、ほぼ計算通り幼虫が育っていることになります。野外での蛹期を10日と見積もると、当地での第2化は7月10日前後から発生することになるのでしょう。今シーズンは、何とか第2化個体で産卵シーンを撮りたいと思っております。オオチャバネ探索にも再チャレンジしたいと思います。
by fanseab | 2018-06-25 21:24 | | Comments(2)
Commented by clossiana at 2018-06-26 16:47
へ~っ、これ卵巣なんですか。。コチャバネの幼虫は何度も見たことがありますが、まさか卵巣が透けて見えているとは。。大変、勉強になりました。ところで同じように透けて見えている細いヒモのようなものは何なんですか?
Commented by fanseab at 2018-06-27 09:52
clossianaさん、すみません。ちょっと記事の記述に誤りがありました。
卵巣ではなくて、精巣の可能性が高いです。これまで誤って記憶しておりましたので、
記事の該当部分を修正しておきました。幼虫の解剖学的知識は少ないのですが、「細いヒモ」
は、各腹節気管部を連結していることを踏まえ、「気管」と思われますが、これまたちょっと
自信ありません。
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