中国四川省成都近郊遠征記:その13(最終回)
今回は、都江堰の次に出向いた観察ポイント、青城山の概要紹介です。都江堰/青城山両地区が2000年に世界遺産に登録されたことは既に述べました。「遺産」登録の際、重要視された点は、①都江堰:古代灌漑施設の遺構、②青城山:道教総本山であり、両者は全く異なる性格を持ちます。
青城山へ向かうルートは複数あり、以下の4ルートが一般的です。
(1)成都空港からの直行バス
(2)成都市内からの直行バス
(3)成都北站(駅)から新幹線
(4)都江堰市内からの連絡バス
管理人は都江堰を先に訪問したので、(4)のルートで青城山に向かいました。出発した7月13日は朝から生憎の雨。旅の疲れも出たこともあり、ホテル内でノンビリと過ごし、正午前にチェックアウト。离堆公园バスステーションを12:20発。青城山景区に13:10着。実は青城山と言っても、広大な地域を指しており、大別すると、前山地区と后山地区に分割されます。最初に訪れたのは前山です。青城山景区(前山)のバス停は前山入口ゲートから、1.5kmとムチャ遠い位置にあります。そこで、バス停から入口まで電動シャトルミニバスが運行されています。入口までの参詣道の様子。ここはもちろん徒歩可能。木製遊歩道が完備。
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
TG4@4.5mm, ISO=200、F2.8-1/320、-0.3EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月13日、13時16分
一般車両・観光バス・タクシーの運行は原則禁止されているので、静かな雰囲気が楽しめます。前山の入口です。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/640、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月13日、14時25分
入口の門構えを見ると、改めてこの地が道教の聖地であることを思い知らされます。入場料は都江堰同様、90元(約1800円)。この日は、月曜日にも拘らず大混雑。もっと閑散としていて、ゆっくり蝶撮影を楽しめるかと思っていたのですが・・・。但し、入口から離れた山道の雰囲気は都江堰とは全く異なり、豊かな自然、植物相がきちんと残されている印象です。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/500、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月15日、11時09分
事実、↑の画像付近で、Athyma属♀の産卵現場も観察できました。主参詣道以外に複数の脇道もあるので、入口付近の雑踏を忘れて撮影に専念することもできます。前山山頂(1280m)へはケーブルカー(往復60元≒1200円)の使用が便利。一気に標高を300mほど稼げます。時間がタップリある方は、延々と参詣道を登るのも一興です。山頂からの遠望です。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/2000、-1.0EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月15日、12時19分
本当に素晴らしい眺めでした。山腹は深い緑に包まれて、明らかに都江堰よりも蝶相が豊富なことが伺えます。尤も、管理人は天候に恵まれておりました。7月の成都近郊は雨模様の天候が多いらしく、雨天に遭遇すると、山頂から見えるものは霧のみ・・・の悲惨な状況になることも予想されます。まぁ、日頃の行いが良い人のみ、この景色を眺めることができるのですね(^^)
前山入口から入場せず、后山へ通じる道路沿いにも緑豊かな観察ポイントがあります。九十九折の車道の途中から抜け道に入ると、こんな景色が。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/500、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月13日、16時24分
但し、ここは見かけ倒しで、成果は上げられませんでした(^^;
7月14日は后山へ。しかし、朝方からドンヨリとした空模様で、嫌な予感。前山入口で、青城山バスターミナルから登ってくる后山行マイクロバスを拾いました(13元≒260円)。満席だと通過されてしまいますが、運よく、空席があって一安心。后山バスターミナルには10:37着。ここから后山入口料金所まで、ちょっと歩きます。料金所の様子。
TG4@4.5mm, ISO=200、F2-1/200、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月14日、10時48分
ここは意外と安く、20元(400円)。観光客数が前山に比較して、圧倒的に少ない事も価格に反映されているのでしょう。ここから更に歩くと旅館街に到達。雲行きが怪しいのでケーブルカー乗車は諦め、ひたすら歩いて、標高を稼ぐことにしました。ようやく、雰囲気のある渓谷沿いに到達。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2.8-1/30、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月14日、11時37分
晴間が覗けば、絶対蝶がやって来ると信じて待機しておりましたが、生憎、雨が降り出し、やがて本降りに。仕方なく下山です。旅館街で購入した月餅の売店。
TG4@4.5mm, ISO=400、F2-1/320、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月14日、15時05分
ここの月餅はムチャ美味しかったです。さて、管理人が宿泊した前山のホテルは最悪でした。入口ゲートにアクセスしやすく、かつ日本からネット予約可能なホテルは2軒しかなく、止む無く選択したホテルだったのです。先ずフロントの対応がいい加減で、通された部屋は湿っぽく、嫌な予感がしました。案の定、夜中寝入った直後に口元に妙な感触を感じました。それがゴキブリだと分かった時の驚きは今でも忘れられません。少なくともベッドの周辺に5頭以上のゴキブリがウロチョロしておりました。寝ぼけ眼で調べてみると、洗面所床の排水溝から彼らが這い上がって来ることを突き止めました。そこに持参のヨード嗽薬を流し、ティッシュで排水溝に蓋をする対策で、翌日からゴキブリの運動会?はピタッと止んだのです。管理人がこれまで15回以上行った海外遠征で、夜間、ゴキブリに顔の周りで遊ばれたのは、初体験。成都遠征と言えば、今でもゴキブリ・・・が想起されるのです。もちろん、このホテルには今後、二度と宿泊しないでしょうね。
フロント対応が杜撰な上に、客がチェックアウトした後は、従業員がフロントの目前で、麻雀に熱中する始末。
TG4@4.5mm, ISO=400、F2.8-1/320、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月16日、15時37分
「デポジットしていた荷物を引き取りたい・・・」と声掛けしても、『今、役満を自摸りそうだから待て・・・』な雰囲気で無視されたりします。これが中国のサービス業に従事する人達の実態です。もちろん、中国人の名誉の為に補足すると、都江堰で宿泊したホテル従業員のサービスの質はトップレベルでした。まぁ、中国でもピンからキリまであるのでしょう。このホテルで食べた夕食の一例。
TG4@4.5mm, ISO=400、F2-1/80、-0.3EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月15日、19時19分
炒飯(18元)と青菜の炒め物(18元)。合計36元(≒720円)。高いですね。しかし、ホテル周辺には全く飲食街が無いので、このホテル食堂を利用する以外、選択肢が無かったのです。
さて、そろそろ新生蝶も飛ぶシーズンになりました。13回にわたり連載してきた成都周辺遠征記も、ここでひとまず終了させて頂きます。ブログでご紹介できなかった蝶類は、本体ホームページ、「東南アジアの蝶ファン倶楽部」内に『中国の蝶(クリックでジャンプ)』頁を新設し、ここに順次登場させる予定です。とりあえず、5科10種をアップしました。お暇な方はご覧になって下さい。
<連載記事はこれにて終了>
※2019年2月3日追記:
シーズンオフに「遠征記:その14(クリックでジャンプ)」をスタートさせました。続きはそちらでどうぞ!!
青城山へ向かうルートは複数あり、以下の4ルートが一般的です。
(1)成都空港からの直行バス
(2)成都市内からの直行バス
(3)成都北站(駅)から新幹線
(4)都江堰市内からの連絡バス
管理人は都江堰を先に訪問したので、(4)のルートで青城山に向かいました。出発した7月13日は朝から生憎の雨。旅の疲れも出たこともあり、ホテル内でノンビリと過ごし、正午前にチェックアウト。离堆公园バスステーションを12:20発。青城山景区に13:10着。実は青城山と言っても、広大な地域を指しており、大別すると、前山地区と后山地区に分割されます。最初に訪れたのは前山です。青城山景区(前山)のバス停は前山入口ゲートから、1.5kmとムチャ遠い位置にあります。そこで、バス停から入口まで電動シャトルミニバスが運行されています。入口までの参詣道の様子。ここはもちろん徒歩可能。木製遊歩道が完備。
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
TG4@4.5mm, ISO=200、F2.8-1/320、-0.3EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月13日、13時16分
一般車両・観光バス・タクシーの運行は原則禁止されているので、静かな雰囲気が楽しめます。前山の入口です。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/640、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月13日、14時25分
入口の門構えを見ると、改めてこの地が道教の聖地であることを思い知らされます。入場料は都江堰同様、90元(約1800円)。この日は、月曜日にも拘らず大混雑。もっと閑散としていて、ゆっくり蝶撮影を楽しめるかと思っていたのですが・・・。但し、入口から離れた山道の雰囲気は都江堰とは全く異なり、豊かな自然、植物相がきちんと残されている印象です。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/500、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月15日、11時09分
事実、↑の画像付近で、Athyma属♀の産卵現場も観察できました。主参詣道以外に複数の脇道もあるので、入口付近の雑踏を忘れて撮影に専念することもできます。前山山頂(1280m)へはケーブルカー(往復60元≒1200円)の使用が便利。一気に標高を300mほど稼げます。時間がタップリある方は、延々と参詣道を登るのも一興です。山頂からの遠望です。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/2000、-1.0EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月15日、12時19分
本当に素晴らしい眺めでした。山腹は深い緑に包まれて、明らかに都江堰よりも蝶相が豊富なことが伺えます。尤も、管理人は天候に恵まれておりました。7月の成都近郊は雨模様の天候が多いらしく、雨天に遭遇すると、山頂から見えるものは霧のみ・・・の悲惨な状況になることも予想されます。まぁ、日頃の行いが良い人のみ、この景色を眺めることができるのですね(^^)
前山入口から入場せず、后山へ通じる道路沿いにも緑豊かな観察ポイントがあります。九十九折の車道の途中から抜け道に入ると、こんな景色が。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2-1/500、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月13日、16時24分
但し、ここは見かけ倒しで、成果は上げられませんでした(^^;
7月14日は后山へ。しかし、朝方からドンヨリとした空模様で、嫌な予感。前山入口で、青城山バスターミナルから登ってくる后山行マイクロバスを拾いました(13元≒260円)。満席だと通過されてしまいますが、運よく、空席があって一安心。后山バスターミナルには10:37着。ここから后山入口料金所まで、ちょっと歩きます。料金所の様子。
TG4@4.5mm, ISO=200、F2-1/200、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月14日、10時48分
ここは意外と安く、20元(400円)。観光客数が前山に比較して、圧倒的に少ない事も価格に反映されているのでしょう。ここから更に歩くと旅館街に到達。雲行きが怪しいのでケーブルカー乗車は諦め、ひたすら歩いて、標高を稼ぐことにしました。ようやく、雰囲気のある渓谷沿いに到達。
TG4@4.5mm, ISO=100、F2.8-1/30、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月14日、11時37分
晴間が覗けば、絶対蝶がやって来ると信じて待機しておりましたが、生憎、雨が降り出し、やがて本降りに。仕方なく下山です。旅館街で購入した月餅の売店。
TG4@4.5mm, ISO=400、F2-1/320、-0.7EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月14日、15時05分
ここの月餅はムチャ美味しかったです。さて、管理人が宿泊した前山のホテルは最悪でした。入口ゲートにアクセスしやすく、かつ日本からネット予約可能なホテルは2軒しかなく、止む無く選択したホテルだったのです。先ずフロントの対応がいい加減で、通された部屋は湿っぽく、嫌な予感がしました。案の定、夜中寝入った直後に口元に妙な感触を感じました。それがゴキブリだと分かった時の驚きは今でも忘れられません。少なくともベッドの周辺に5頭以上のゴキブリがウロチョロしておりました。寝ぼけ眼で調べてみると、洗面所床の排水溝から彼らが這い上がって来ることを突き止めました。そこに持参のヨード嗽薬を流し、ティッシュで排水溝に蓋をする対策で、翌日からゴキブリの運動会?はピタッと止んだのです。管理人がこれまで15回以上行った海外遠征で、夜間、ゴキブリに顔の周りで遊ばれたのは、初体験。成都遠征と言えば、今でもゴキブリ・・・が想起されるのです。もちろん、このホテルには今後、二度と宿泊しないでしょうね。
フロント対応が杜撰な上に、客がチェックアウトした後は、従業員がフロントの目前で、麻雀に熱中する始末。
TG4@4.5mm, ISO=400、F2.8-1/320、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月16日、15時37分
「デポジットしていた荷物を引き取りたい・・・」と声掛けしても、『今、役満を自摸りそうだから待て・・・』な雰囲気で無視されたりします。これが中国のサービス業に従事する人達の実態です。もちろん、中国人の名誉の為に補足すると、都江堰で宿泊したホテル従業員のサービスの質はトップレベルでした。まぁ、中国でもピンからキリまであるのでしょう。このホテルで食べた夕食の一例。
TG4@4.5mm, ISO=400、F2-1/80、-0.3EV、撮影年月日・撮影時刻:2015年7月15日、19時19分
炒飯(18元)と青菜の炒め物(18元)。合計36元(≒720円)。高いですね。しかし、ホテル周辺には全く飲食街が無いので、このホテル食堂を利用する以外、選択肢が無かったのです。
さて、そろそろ新生蝶も飛ぶシーズンになりました。13回にわたり連載してきた成都周辺遠征記も、ここでひとまず終了させて頂きます。ブログでご紹介できなかった蝶類は、本体ホームページ、「東南アジアの蝶ファン倶楽部」内に『中国の蝶(クリックでジャンプ)』頁を新設し、ここに順次登場させる予定です。とりあえず、5科10種をアップしました。お暇な方はご覧になって下さい。
<連載記事はこれにて終了>
※2019年2月3日追記:
シーズンオフに「遠征記:その14(クリックでジャンプ)」をスタートさせました。続きはそちらでどうぞ!!
by fanseab
| 2018-03-14 21:51
| 旅行記
|
Comments(2)
Commented
by
otto-N
at 2018-03-15 20:32
x
これで終わるはずはないと思っていましたが、
本命は、ブログではなくホムページに掲載でしたか!!
さすがです。
本命は、ブログではなくホムページに掲載でしたか!!
さすがです。
0
Commented
by
fanseab at 2018-03-15 21:13
otto-Nさん、時間切れで苦肉の策なのです。
ホームページとブログの二刀流だと、どうしても時間配分が難しく、あちらを
立てれば、こちらが。。。。大谷選手の心中が少しわかった気分です。
本命のクロオオムラサキは都江堰で登場させたので、一応義理を果たした?
つもりです。実は青城山で観察した蝶の種類数は都江堰より多いので、
ブログでじっくりご紹介したい・・・との思いもありました。
ホームページとブログの二刀流だと、どうしても時間配分が難しく、あちらを
立てれば、こちらが。。。。大谷選手の心中が少しわかった気分です。
本命のクロオオムラサキは都江堰で登場させたので、一応義理を果たした?
つもりです。実は青城山で観察した蝶の種類数は都江堰より多いので、
ブログでじっくりご紹介したい・・・との思いもありました。