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探蝶逍遥記

真夏のクロツ探索(8月下旬)

 オオムラサキ産卵シーンに再挑戦すべく甲府盆地へ。樹液酒場のポイントに向かうも、影も形もありません。樹液に来ているのはルリタテハ1頭のみ。仕方なく付近の既知ポイント数箇所も巡った結果、オオムラサキはボロ♂1頭を発見しただけでした。9月上旬までは何とか♀産卵が期待できると踏んでいたのにガッカリです。丁度昼時。木蔭でランチ休憩した後、このまま帰宅するのも癪なので、久しぶりクロツバメシジミのポイントへ向かいました。このポイントを訪問するのは何と5年振り(^^; 環境変化が心配でしたが、到着してすぐにクロツが数頭飛んでいるのを見て一安心。先ずは開翅をパチリ。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR、ISO=200、F8-1/1250、外部ストロボ、撮影時刻:13時00分

 鮮度もまずまず。次は岩場での静止場面。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_1194591.jpg
EM12-Z60、ISO=200、F6.3-1/400、撮影時刻:13時20分

 岩場に腰かけた管理人の左脇に止まったので、体の向きを変えることができず、バリアングルファインダーを駆使して何とか撮れました。態勢が悪い場合は、バリアングルファインダーは便利ですね。次いで訪花シーン。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_1110673.jpg
EM12-Z60、ISO=200、F5.6-1/200、撮影時刻:13時37分

 キリンソウの1種でしょうか?クロツの生息環境に相応しい絵になりました。
 到着当初薄曇りでしたが、13時30過ぎから陽射しが強まって、岩場はサウナ状態(^^;しかし暑くなったのが幸いして、期待した♀産卵活動がスタートしました。結構苦労して撮った一コマがこちら。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_1110329.jpg
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:13時37分

 どうしても腹端までの表現ができません。概ね次のようなややこしい態勢で産んでいます。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_11104732.jpg
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:13時37分

 こうなると、腹端云々の議論にさえなりません。まだツメレンゲの穂は低いので、穂の先端に産み付けてくれれば撮影が楽ですけど、どちらと言えばやや暗い部位を好んで産み付けているようです。ツメレンゲに産卵された状況です。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_11111375.jpg
EM12-Z60(7コマ深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:13時42分


 撮影のため、株を少し持ち上げています。次に卵の超拡大像。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_11113481.jpg
EM12-P1442@42mm-P14R(上段13コマ/下段15コマ深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ

 直径0.54mm、高さ0.26mm。クロツ卵の超拡大像は以前にも撮影済みですが、今回初めて側面像も撮ってみました。ヒメシジミ亜族でサイズが小さいシジミ卵は直径が0.5mm程度なので、今回使用している拡大システムでは分解能が少し不足する感じです。

 さて、母蝶は産卵の途中、暑いこともあって、キリンソウの草陰で暫し休憩。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_11122339.jpg
EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時57分

 この子は縁毛もバッチリ揃った別嬪さんですね。ツメレンゲに産み付けられた卵探索の過程で思わず終齢幼虫を発見。
真夏のクロツ探索(8月下旬)_f0090680_111329.jpg
EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:13時30分

 管理人はクロツ幼虫を見るのはこれが初めて。しかしどうも雰囲気がおかしいと思ったら寄生種の卵が2卵産み付けられておりました。ツメレンゲの葉は赤紫色を呈しておりますが、幼虫の体色は緑色なので、今回何とか発見できました。仮にルリシジミ終齢幼虫のように赤紫色に擬態していたら、とても見いだせなかったでしょうね。

 この日の天気予報は曇り。しかも昼過ぎから降水確率が上昇するとのご宣託が・・・。しかし、予報に反して陽射しが強まったのには閉口しました。岩場からの輻射熱は想像以上に体力を消耗します。やはりクロツの探索はツメレンゲの穂が伸びる秋口か、潮風に吹かれての海クロツ探しが体に優しいですね。

 今回の産卵シーンの動画もyoutubeにアップしました。実は動画で産んでいる場面の方が静止画で紹介したシーンよりも見栄えがします。
by fanseab | 2017-09-02 11:15 | | Comments(6)
Commented at 2017-09-06 17:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Sippo5655 at 2017-09-06 21:56
撮影の大変さ、、
この植物の形状では本当難しそうですね><
動画も拝見しました。
綺麗に撮られていますね!

寄生卵、夏場に撮影したカメムシの背中に
ほぼ同じような形状のものが映り込んでいました。



Commented by fanseab at 2017-09-11 21:35 x
鍵コメさん、情報提供有難うございます。
馳参じるかは、ちょっと検討してみますね。
Commented by fanseab at 2017-09-11 21:38 x
Sippo5655さん、シジミの産卵では腹端を曲げた後、急に体を回転させて
翅の向きを変えてしまうことが多いので、クロツに限らず苦労させられます。
動画も最近はあまり気張らずに気楽に撮るようにしています。
やはり静止画を撮る時、見逃してしまいやすい行動が手に取るように
わかって大変参考になります。
Commented by himeoo27 at 2017-09-16 19:30
クロツバメシジミ卵の深度合成画像
表面形状も良くわかる素晴らしい写真
ですね!
Commented by fanseab at 2017-09-17 21:40 x
himeooさん、コメント有難うございます。
卵の深度合成画像も直径が1mmを切ると、途端に難易度が増します。
その代り、上手く全体が表現できると達成感がありますね。
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