人気ブログランキング | 話題のタグを見る

探蝶逍遥記

ダイミョウセセリの飼育メモ

 秋口に実施した飼育メモの第2弾です。横浜市内の里山公園を散歩中、ヤマノイモ(※)葉上にダイミョウの巣を発見しました。
※恥ずかしながら、ヤマノイモとオニドコロの区別がつきかねていますが、ここでは「ヤマノイモ」としておきます。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21315746.jpg
TG2@4.5mm、ISO=200、F8-1/80、-0.3EV、撮影月日:9月27日

 この時点では幼虫の齢数が不明でしたが、飼育の結果、この時点で2齢の巣(矢印#1)と推定。同じ葉の上部(同#2)に孵化殻が見えています。以下、飼育には全てヤマノイモを使用。9/29に3齢になりました。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21322152.jpg
D71K-1855改@24mm(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:9月29日

 体長は3.1mm。3齢到達直後の幼虫巣の様子です。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21323716.jpg
D71K-1855改@18mm、ISO=200、F13-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:9月29日

 巣の脇に脱皮した2齢時代の頭殻(矢印)が残っています。その後、幼虫は古い巣(矢印#2)を放棄し、新規な巣(同#1)を造りました。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21325025.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月2日

 10/4に4齢到達。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_2133799.jpg
D71K-1855改@24mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月5日

 体長は11mm。頭部が肥大したため、ずんぐりむっくりの体型に変化してきました。10/10に5齢到達。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21332187.jpg
D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月13日

 体長20mm。頭殻は黒色から赤褐色に変化しました。胴体全体に粉を吹いたような黄白色の微小斑点が散布されています。ここで3-5齢の頭部正面を比較してみました。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21333960.jpg
D71K-1855改@55mmおよびD71K-85VR

 3-4齢はほぼ黒一色、5齢も赤褐色に変化しただけで、特有の斑紋もなく、あまり特徴の無い顔相ですね。10/18に前蛹になりました。先ずは巣を開封前に撮影。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_2134259.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月18日

 2枚の葉を綴って造巣しております(矢印が前蛹)。巣を開封してみました。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21341610.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月18日

 体長は17mm。他の蝶同様、透明感が増し、終齢幼虫で目立っていた黄白微小斑点も消失しております。この後、再度巣を造り直し、10/19に蛹化。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21344120.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月21日

 開封状態での蛹化を嫌うのでしょうね。再度開封して蛹を撮影。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_2135075.jpg
D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月21日
  
 体長18mm。独特の斑紋を持つ蛹の姿です。ダイミョウの飼育はこれが2回目ですが、この蛹の斑紋見たさに再飼育を試みたと言っても過言ではありません。近縁のTagiades属の蛹も同種の模様を有するらしいので、機会があれば撮影してみたいものです。蛹化から12日後にふと蛹を見ると十分に黒化しており、腹節も緩んで羽化間近を告げていました。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21352591.jpg
D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月31日

 翌日、無事♂が羽化いたしました。
ダイミョウセセリの飼育メモ_f0090680_21361937.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月1日

 完璧な関東型ですね。今回も羽化の瞬間は見逃しました。かなり寒くなってから放蝶するのも可哀想ですが、いつもの通り屋外に逃がしてやりました。今回の飼育では初齢・2齢幼虫の姿を撮影しておりません。フルステージ画像取得のため、来シーズン当該再撮影を計画しております。
by fanseab | 2014-12-17 21:38 | | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2014-12-17 22:14
今度ヤマノイモを見たら、気をつけて観察してみます!
黒い頭で、寝そべる様子が可愛いです^^
蛹はこんなんですか!
すごい変貌なんですね。
羽化直後、、幻想的!
白い足をちょこんと出した様子が愛らしいです。
Commented by yurinBD at 2014-12-17 23:07
ダイミョウセセリの幼虫、透明感がありますね!
顔はなかなか迫力があります。
是非、飼育してみたい蝶と感じました!
全てとてもクリアなお写真で凄いですね。
Commented by fanseab at 2014-12-18 21:11 x
Sippo5655さん、何と言っても蛹の姿が見ものです。セセリの蛹の中でも最もカラフルでデザインに凝った絵柄なんですよ!本当は低温で飼育して、来年羽化させたかったんですが、室温では成長が早すぎて、羽化後、寒い思いをさせてしまいました。
Commented by fanseab at 2014-12-18 21:13 x
yurinBDさん、3齢から4齢へ変化する段階で透明感が失われ、前蛹で再度透明感が出る感じですね。
飼育は簡単な部類に属しますので、来年夏にでも是非手がけてください。
名前
URL
削除用パスワード