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探蝶逍遥記

播磨のお姫様と遊ぶ

早朝5時半起床。窓を開けると低い雲と強い風。暫く逡巡しましたが、日曜の天気も読めないので、思い切って播磨の乾燥草原へ、ヒメヒカゲ探索に赴くことにしました。実は昨年のこの時期、パスして、他種の撮影を狙ったこともあり、デジ一できちんと撮り直そうと期するものがありました。

現地、8時前着。風が冷たく蝶が飛ぶ気配なし。フライングかな? 仕方なく、終齢幼虫と蛹の探索を延々と1時間以上続けます。当然ではありますが、結果は坊主。簡単に発見できるものではありません。少し風が弱まった9時半頃、やっと主役が登場。期待感から、ヒメジャノメのようにデカく感じられました。
播磨のお姫様と遊ぶ_f0090680_23155023.jpg
D70-24, ISO=500、F5.6-1/640、+0.3EV

兎にも角にも今日は風との戦い。手ブレではなく被写体ブレをどう防いだらいいか?試行錯誤が続きます。結局この日出会った3頭の中で、羽化したての鈍い個体が風を避けて潅木脇に止まったところで、やっと90mmマクロでのきちんとした写真が撮れました。曇り空のお陰で発色は良好です。
播磨のお姫様と遊ぶ_f0090680_23161138.jpg
D70, ISO=500、F13-1/250、-0.3EV

このヒカゲ、眼状紋の個体変異が楽しみでもあります。愛読するブログ:My Favorite Butterflies of Japan新日記蝶のkさんが本年2月4日、後翅裏面第6室に出現する眼状紋の中に「アンドロメダ星雲が見える」との記事を書かれていました。↑の写真の同じ部分を見ると、「ガリレオ衛星を2つ持つ木星」のようにも見えます。ちょっと無理があるかな?(^^)

さて、今回観察したポイントは播磨の酸性土壌をベースにする代表的な草原で、食虫植物として有名なイシモチソウも見ることができます(↓の写真)。水滴のような粘着液体で昆虫を捕まえます。試しに指に液体をつけてみると、微妙にネバネバしています。
播磨のお姫様と遊ぶ_f0090680_23173913.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=400、F4.5-1/500、+0.3EV

ヒメヒカゲもイシモチソウも環境省のレッドデータブックでは共に「絶滅危惧第Ⅱ類」に区分されています。両種が末永く、当地で観察できるよう優しく見守りたいものです。

お昼に現地を後にして、いつものようにヒメヒカゲの新規ポイント探索に。この地域では珍しい湿性湿原を見出しましたが、結果はヌル。残念な気持ちを慰めてくれたのがアサマイチモンジの♀。これも羽化したてのようで、羽ばたきの練習中の個体。前翅基部から茶色の鱗粉が翅脈に沿って散布されているのにはビックリです。
播磨のお姫様と遊ぶ_f0090680_2317554.jpg
D70, ISO=500、F10-1/250

自宅から1時間半のドライブで辿り付ける貴重なお姫様達の楽園。きっと来週の土曜日頃が見頃になることでしょう。

【お知らせ】
本体HP、「日本の蝶」にスギタニルリシジミ、ミヤマセセリ、ギンイチモンジセセリを追加しました。お口直しにお立ち寄り頂ければ幸いです。
by fanseab | 2006-05-27 23:24 | | Comments(8)
Commented by nomusan at 2006-05-28 03:03 x
新鮮なヒメヒカゲ、綺麗ですね~・・・。この蝶も九州にはおりません。配色といい、デザインと言い、ほんまにエエですね~・・・・。ただただため息です(笑)。
Commented by fanseab at 2006-05-28 11:07 x
nomusan、深夜にも関わらずコメント、恐れ入ります。九州の九重高原あたりは、いそうな雰囲気ですが暑すぎるのでしょうか?
Commented by maeda at 2006-05-28 12:23 x
nomusanは早寝早起きです。
ところで、ヒメヒカゲいいです!
広島の頃は5月下旬からヒメヒカゲ追っかけしてました。兵庫から始まり次第に広島へ移行していました。8月上旬まで探し回っておりました。
キュートなヒカゲです。
Commented by banyan10 at 2006-05-28 16:55
ヒメヒカゲは信州の高原へ行かないと見れないので、7月の蝶なのですが、標高が低い場所ではもう見れるのですね。
新鮮なヒメヒカゲ、とても綺麗です。曇で翅を開いてくれればもっと良かったのでしょうね。
Commented by kenken at 2006-05-28 18:51 x
拙ブログの細かいとこまで良くご覧いただいてご記憶されているようで、有り難うございます。ガリレオ衛星・・・なるほど見えますなぁ(笑)ヒメヒカゲの眼状紋の多様性は本当に楽しませてくれますね。
むむ、アサマイチモンジではないですかっ。関西ではなぜか見られにくくなってるんですよねぇ。
やや雲が多い目の撮影日和のようですね、いずれも素晴らしい発色です。
Commented by fanseab at 2006-05-28 21:12 x
maedaさん、いつも恐れ入ります。8月上旬といえば、広島でも高標高地でないと無理でしょうね。確かにキュートなヒカゲで本日もう一度追っかけしてまいりました(笑)
Commented by fanseab at 2006-05-28 21:16 x
BANYANさん、兵庫と信州のポイントとは乾燥草原でありながらお互いにかなり雰囲気が異なります。愛知の湿性湿原は別の生息環境ですね。いずれにせよ、ピンポイントの植生条件で生きながられている蝶でしょう。開翅シーンは本日アップした画像でお楽しみください。
Commented by fanseab at 2006-05-28 21:20 x
kenkenさん、まいどおおきに。本日も懲りずに探索に出かけ「散開星団」状の個体も見つけました。ヒメヒカゲの裏面はハマりそうで怖いです(笑)
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