ツマグロヒョウモン♀の前脚連打行動など(10月中旬)
タテハチョウは皆様ご存じの通り、通常の生活は4本脚、つまり中脚と後脚のみを使用しており、前脚は事実上退化して無用の長物?になっております。しかし、♀の場合は食草認識センサーとして前脚跗節(foretarsus)を有効活用している場合があります。昨年秋、ヒメアカタテハの産卵シーンを撮影中、偶然、前脚を連打する行動(dramming)を観察することができました(外部リンク)。
今回、ツマグロヒョウモンの産卵を子細に観察していると、ヒメアカ同様、前脚連打行動を確認できましたので、撮影を試みてみました。
++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分
D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
一枚目は露岩の上に生えている苔に対して連打しております。前脚を左右交互にボクシングのジャブのように物凄いスピードで繰り返し叩くと言うよりは擦るような動作をします。ここでは左前脚を伸ばしている瞬間です。2枚目はドクダミとスミレが混生している箇所でのdrammingで、両前脚が伸びている状態。3枚目はスミレの葉上を左前脚で叩いた瞬間。4枚目のように枯葉や枯茎を叩く場面(左前脚)も観察されました。母蝶は地面をウロチョロしながら、時折drammingを実行します。このタイミングは計り難く、撮影は産卵シーン以上に難しいものです。この手の画像採取は静止画よりもむしろ動画撮影の方が効果的と思われますが、管理人は未だ動画撮影に不慣れでして、オフシーズンにでも動画撮影の勉強をしたいと思っております。
さて、前回撮影に失敗した卵の超拡大像にもトライ。自宅に持ち帰りじっくり撮影できたので、いつもの深度合成像よりは見栄えのする絵が撮れました。
D71K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:21時38-42分
形状はチューリップの穂のようです。淡黄白色で高さ0.87mm、最大直径は0.82mm。縦隆起条は全21本。約半数は頂上部まで達しませんが、ウラギンと比較すると、中途で止まる高さがバラバラでです。ヒョウモン類の卵もよく似たようでいて、各々種の特徴が出ていて興味深いと思います。
今回、ツマグロヒョウモンの産卵を子細に観察していると、ヒメアカ同様、前脚連打行動を確認できましたので、撮影を試みてみました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分
D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
一枚目は露岩の上に生えている苔に対して連打しております。前脚を左右交互にボクシングのジャブのように物凄いスピードで繰り返し叩くと言うよりは擦るような動作をします。ここでは左前脚を伸ばしている瞬間です。2枚目はドクダミとスミレが混生している箇所でのdrammingで、両前脚が伸びている状態。3枚目はスミレの葉上を左前脚で叩いた瞬間。4枚目のように枯葉や枯茎を叩く場面(左前脚)も観察されました。母蝶は地面をウロチョロしながら、時折drammingを実行します。このタイミングは計り難く、撮影は産卵シーン以上に難しいものです。この手の画像採取は静止画よりもむしろ動画撮影の方が効果的と思われますが、管理人は未だ動画撮影に不慣れでして、オフシーズンにでも動画撮影の勉強をしたいと思っております。
さて、前回撮影に失敗した卵の超拡大像にもトライ。自宅に持ち帰りじっくり撮影できたので、いつもの深度合成像よりは見栄えのする絵が撮れました。
D71K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:21時38-42分
形状はチューリップの穂のようです。淡黄白色で高さ0.87mm、最大直径は0.82mm。縦隆起条は全21本。約半数は頂上部まで達しませんが、ウラギンと比較すると、中途で止まる高さがバラバラでです。ヒョウモン類の卵もよく似たようでいて、各々種の特徴が出ていて興味深いと思います。
by fanseab
| 2013-10-12 22:16
| 蝶
|
Comments(8)
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yoda-1 at 2013-10-13 06:10
これはすごい発見ですね。
私は、4本脚のタテハチョウ科では、♀雌でも前脚(brush-foot)は使用しないのかと思っていました。
よし、fanseabさんより先に動画を収めよう(笑)
私は、4本脚のタテハチョウ科では、♀雌でも前脚(brush-foot)は使用しないのかと思っていました。
よし、fanseabさんより先に動画を収めよう(笑)
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himeoo27 at 2013-10-14 20:36
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fanseab
at 2013-10-14 23:20
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yoda-1さん、全てのタテハチョウ♀が前脚連打をするとは思えません。恐らく草本をホストとする一部の蝶に限られると推測しております。ただ個々に実証が必要で、それだけでも凄い研究テーマになりそうです。
動画は是非小生に先んじて撮影し、拝見させて下さい。
動画は是非小生に先んじて撮影し、拝見させて下さい。
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fanseab
at 2013-10-14 23:22
x
himeooさん、蝶の卵は超拡大すると、必ず身近な事物を連想させるものが多いですね。どうして、こんな複雑な形状でなければならないのか?不思議でなりません。この秋はツマグロの個体数が多いので地元の公園でじっくり♀を観察すると、ドラミングに気づかれると思いますよ!
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Sippo5655 at 2013-10-15 22:42
ドラミングですか!
アゲハの母蝶が、そっと触れるように前足を添える
行動は観察していますが、ツマグロヒョウモンも、
食草をたしかめているのでしょうか。
下草は、本当にいろんな草がボーボーだから
入念にたしかめているのかなあ。。
ツマグロの産卵行動を何度か観察していますが、
本当に大変だなあって思います
卵・・・綺麗!!
今朝、我が家の庭では寄生による穴の空いた
アゲハのさなぎを発見しました。
アゲハの母蝶が、そっと触れるように前足を添える
行動は観察していますが、ツマグロヒョウモンも、
食草をたしかめているのでしょうか。
下草は、本当にいろんな草がボーボーだから
入念にたしかめているのかなあ。。
ツマグロの産卵行動を何度か観察していますが、
本当に大変だなあって思います
卵・・・綺麗!!
今朝、我が家の庭では寄生による穴の空いた
アゲハのさなぎを発見しました。
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fanseab
at 2013-10-15 23:30
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Sippo5655さん、アゲハも同様な行動を取りますが、引っ掻くような動きではなく、確かにソフトタッチですね。タテハ類は普段前脚を折り畳んだ状態なので、せわしない動きになるのだと思います。アゲハも寄生率が高いですね!
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中
at 2013-10-16 11:11
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横やり失礼します。
タテハのドラミングですが、少なくとも日本のタテハは全種やると思います。
枯葉や樹幹に産卵する大型ヒョウモンでも、スミレの葉をドラミングして産卵態勢に入るときがあります。また、樹木食のものも、普通にドラミングして産卵態勢に入ります。
タテハのドラミングですが、少なくとも日本のタテハは全種やると思います。
枯葉や樹幹に産卵する大型ヒョウモンでも、スミレの葉をドラミングして産卵態勢に入るときがあります。また、樹木食のものも、普通にドラミングして産卵態勢に入ります。
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fanseab
at 2013-10-16 22:52
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中さん、貴重なコメント有難うございます。
しかし、全てのタテハ♀の産卵行動を観察するのは至難の業ですよね。これからもなるべく多くの種で、同様な行動を取るか、実見・確認していきたいと思います。
しかし、全てのタテハ♀の産卵行動を観察するのは至難の業ですよね。これからもなるべく多くの種で、同様な行動を取るか、実見・確認していきたいと思います。