クロツバメシジミの卵他(10月20日)
近所でツバメシジミの卵拡大撮影を実施したので、ついでに近縁のクロツの卵も撮ってみようと、久しぶりに山梨に遠征しました。クロツポイントには7時05分着。ツメレンゲの花穂は伸びて、白い花も真っ盛り。 ++横位置画像はクリックで拡大されます++
D7K-85VR、ISO=100、F7.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:7時54分
早速、卵探し。花穂に産まれた卵は花の白に紛れて発見が難しそうなので、葉上に絞っての探索です。30分程探索して2卵を発見。こんな感じで産まれておりました。
GXR@5.1mm、ISO=100、F8.1-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時47分
そして拡大撮影です。
D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:8時26分
産まれてから数日は経過しているのでしょう。色は白色です。微構造はツバメシジミによく似ていますが、比較図で詳しく見てみましょう。
直径はツバメが0.56mm、クロツが0.65mmと一回りクロツが大きく、レース細工模様も微妙に異なります。ツバメは卵殻外壁部にあるレースの結合点がビーズを入れたように尖るのに対し、クロツではツバメ卵の外壁をヤスリで擦って落としたように、やや平滑な網目になっています。なお、ツバメの卵が淡緑色なのは、産卵直後のためです。
卵も撮影できたので、ついでに幼虫、蛹も探しましたが発見できず、唯一、葉上の蛹殻を見つけました。
D7K-85VR、ISO=400、F16-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時26分
成虫を撮る目的で来たのではなかったのですが、8時30分過ぎ頃から数頭がツメレンゲ群落上を舞い始めました。予想通り、殆どがスレ個体(^^; ツメレンゲの花穂にやってきた♂と思しき個体もこの通りの有様。
D7K-85VR、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時07分
ツメレンゲの花の盛期とクロツの発生ピークが揃わないシンボリックな絵になってしまいました。それでもなるべく新鮮な個体を探して、逆光縁毛ブルー幻光にもチャレンジ。
D7K-85VR、ISO=400、F7.1-1/1250、-1.3EV、撮影時刻:9時11分
前翅の一部が何とかブルーに光ってくれました(^^) 驚いたのはこの撮影の途中に撮ったヒトコマ。
D7K-85VR、ISO=400、F10-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:9時10分
左前翅表中室付近にご注目下さい。なにやらゼフ♂を思わせる金緑色幻光が微かに出現しています。通常、クロツの翅表はある角度から見込むと鈍い緑色の幻光を示すことが知られていますが、管理人もこの光り方にはビックリです。スレ品だから光るのか?それとも完品でも光るのか?再度確認してみたいと思っております。
定番の開翅も一応撮ってみました。
D7K-85VR、ISO=200、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影時刻:9時15分
この個体、別途真横から撮影した腹部端形状から♀と判断しました。クロツの♂♀判定は難易度高いです(^^;
首尾よく、クロツ卵拡大撮影に成功したので、この日の次の目的、ミヤマシジミ越冬卵撮影のため場所を移動。母蝶が飛んでいればベストでしたけど、残念ながら最終化の発生は終わっている様子。仕方なく、河原のコマツナギの根元を睨めっこ。孤立した株、逆に密集した株。丈の低いもの、高いもの。風通しの良い枝、日陰の枝、あらゆる可能性を考えて1時間探索したものの発見には至りませんでした。元々、このポイントは個体数が少ない場所なので、現行犯逮捕(母蝶が産卵した直後の場所を確定して撮影)しなければ無理のようです。そのまま立ち去るのももったいないので、モンキチョウとヤマトシジミの産卵シーンにトライ。最初はシロツメクサに産卵するモンキチョウです。
D7K-85VR、ISO=200、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:12時09分
モンキの産卵は本当に瞬間芸で良いカットを撮るのに苦労しました。また偶然、黄色型♀の産卵シーンに出会えたのはラッキーでした。ヒメアカタテハ産卵で確認した前脚drummingがモンキでも実行されているのか?注意深く観察しましたが、明確な行動は確認できませんでした。と言うより、モンキは着地した瞬間には既に産卵しているので、恐らく食草の適否を空中で察知できる能力があるのではと、考えさせられました。高速動画撮影でもすれば、この問題に対する回答が隠されているかもしれません。別個体のモンキがカラスノエンドウの新芽に産卵した卵を拡大撮影いたしました。
D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:11時50分
シロチョウ科の卵を拡大撮影システムで撮るのはこれが初めてです。長さは1mm、太さは0.4mmほどです。付根の部分が葉被りになったのは反省材料。モンキの卵は完璧、トウモロコシそのものですね。一見正確無比な造形に見えて、縦筋が一部分綻んでいるのが興味深いです。お次はヤマトシジミの産卵。
D7K-85VR(トリミング)、ISO=320、F10-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時02分
いつでも撮れそうなヤマト♀の産卵ですけど、いざ撮ろうとすると、結構葉被りとかあって決して易しくはありません。どなたかのブログ名ではないですが、「たかがヤマトの産卵シーン、されどヤマトの産卵シーン」と言った所でしょうか。この後、最初のクロツポイントに戻り♀産卵シーン撮影を画策しましたが、陽が翳ったためか成虫は全く姿を現さず、仕方なく撤収しました。
D7K-85VR、ISO=100、F7.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:7時54分
早速、卵探し。花穂に産まれた卵は花の白に紛れて発見が難しそうなので、葉上に絞っての探索です。30分程探索して2卵を発見。こんな感じで産まれておりました。
GXR@5.1mm、ISO=100、F8.1-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時47分
そして拡大撮影です。
D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:8時26分
産まれてから数日は経過しているのでしょう。色は白色です。微構造はツバメシジミによく似ていますが、比較図で詳しく見てみましょう。
直径はツバメが0.56mm、クロツが0.65mmと一回りクロツが大きく、レース細工模様も微妙に異なります。ツバメは卵殻外壁部にあるレースの結合点がビーズを入れたように尖るのに対し、クロツではツバメ卵の外壁をヤスリで擦って落としたように、やや平滑な網目になっています。なお、ツバメの卵が淡緑色なのは、産卵直後のためです。
卵も撮影できたので、ついでに幼虫、蛹も探しましたが発見できず、唯一、葉上の蛹殻を見つけました。
D7K-85VR、ISO=400、F16-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時26分
成虫を撮る目的で来たのではなかったのですが、8時30分過ぎ頃から数頭がツメレンゲ群落上を舞い始めました。予想通り、殆どがスレ個体(^^; ツメレンゲの花穂にやってきた♂と思しき個体もこの通りの有様。
D7K-85VR、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時07分
ツメレンゲの花の盛期とクロツの発生ピークが揃わないシンボリックな絵になってしまいました。それでもなるべく新鮮な個体を探して、逆光縁毛ブルー幻光にもチャレンジ。
D7K-85VR、ISO=400、F7.1-1/1250、-1.3EV、撮影時刻:9時11分
前翅の一部が何とかブルーに光ってくれました(^^) 驚いたのはこの撮影の途中に撮ったヒトコマ。
D7K-85VR、ISO=400、F10-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:9時10分
左前翅表中室付近にご注目下さい。なにやらゼフ♂を思わせる金緑色幻光が微かに出現しています。通常、クロツの翅表はある角度から見込むと鈍い緑色の幻光を示すことが知られていますが、管理人もこの光り方にはビックリです。スレ品だから光るのか?それとも完品でも光るのか?再度確認してみたいと思っております。
定番の開翅も一応撮ってみました。
D7K-85VR、ISO=200、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影時刻:9時15分
この個体、別途真横から撮影した腹部端形状から♀と判断しました。クロツの♂♀判定は難易度高いです(^^;
首尾よく、クロツ卵拡大撮影に成功したので、この日の次の目的、ミヤマシジミ越冬卵撮影のため場所を移動。母蝶が飛んでいればベストでしたけど、残念ながら最終化の発生は終わっている様子。仕方なく、河原のコマツナギの根元を睨めっこ。孤立した株、逆に密集した株。丈の低いもの、高いもの。風通しの良い枝、日陰の枝、あらゆる可能性を考えて1時間探索したものの発見には至りませんでした。元々、このポイントは個体数が少ない場所なので、現行犯逮捕(母蝶が産卵した直後の場所を確定して撮影)しなければ無理のようです。そのまま立ち去るのももったいないので、モンキチョウとヤマトシジミの産卵シーンにトライ。最初はシロツメクサに産卵するモンキチョウです。
D7K-85VR、ISO=200、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:12時09分
モンキの産卵は本当に瞬間芸で良いカットを撮るのに苦労しました。また偶然、黄色型♀の産卵シーンに出会えたのはラッキーでした。ヒメアカタテハ産卵で確認した前脚drummingがモンキでも実行されているのか?注意深く観察しましたが、明確な行動は確認できませんでした。と言うより、モンキは着地した瞬間には既に産卵しているので、恐らく食草の適否を空中で察知できる能力があるのではと、考えさせられました。高速動画撮影でもすれば、この問題に対する回答が隠されているかもしれません。別個体のモンキがカラスノエンドウの新芽に産卵した卵を拡大撮影いたしました。
D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:11時50分
シロチョウ科の卵を拡大撮影システムで撮るのはこれが初めてです。長さは1mm、太さは0.4mmほどです。付根の部分が葉被りになったのは反省材料。モンキの卵は完璧、トウモロコシそのものですね。一見正確無比な造形に見えて、縦筋が一部分綻んでいるのが興味深いです。お次はヤマトシジミの産卵。
D7K-85VR(トリミング)、ISO=320、F10-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時02分
いつでも撮れそうなヤマト♀の産卵ですけど、いざ撮ろうとすると、結構葉被りとかあって決して易しくはありません。どなたかのブログ名ではないですが、「たかがヤマトの産卵シーン、されどヤマトの産卵シーン」と言った所でしょうか。この後、最初のクロツポイントに戻り♀産卵シーン撮影を画策しましたが、陽が翳ったためか成虫は全く姿を現さず、仕方なく撤収しました。
by fanseab
| 2012-10-23 22:52
| 蝶
|
Comments(10)
Commented
by
himeoo27 at 2012-10-24 22:01
肉眼で見るとクロツも普通のツバメシジミの卵も
それほど変わらぬように感じましたが、
ここまで鮮明に拡大してみるとかなり違うものなんですね!
吃驚しました。
それほど変わらぬように感じましたが、
ここまで鮮明に拡大してみるとかなり違うものなんですね!
吃驚しました。
0
Commented
by
fanseab
at 2012-10-24 22:22
x
himeooさん、ルーペレベルでは両種の微構造差は確認できませんね。ゼフのハヤシとオオミドリあたりだと、さらに難しいです。拡大システム画像でも大きさの表示がないとFavonius属とだけは理解できても、種同定にまでは至りません。
ツバメと同属のタイワンツバメの拡大像も撮りたくなりましたが、こちらはおいそれとはいかないのが残念です。
ツバメと同属のタイワンツバメの拡大像も撮りたくなりましたが、こちらはおいそれとはいかないのが残念です。
Commented
by
otto-N
at 2012-10-24 22:52
x
今回は、思わず、「あっ」、でした。恥ずかしながら、でも、光栄です。産卵シーン、1枚くらい撮っているだろうと思って捜しましたが、ヤマト画像は膨大な数なので捜すのを諦めました。産卵の「きばった」瞬間を撮ろうと狙ってはいますが、おっしゃるように、叢の中をごそごそやっていてなかなか出てきませんし、草被りでハードルは高いです。産卵場所を念入りに選んでいるいるようです。産卵シーン、あらためて挑戦します。
Commented
at 2012-10-24 22:58
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
fanseab
at 2012-10-24 23:40
x
otto-Nさん、貴ブログ名を勝手に引用して申し訳ございません。ヤマトの産卵は極端は話、拙宅の小さな庭でも撮影可能ですが、やはり「いつでも撮れる」との思いから、意図的に撮影はしないです。まぁ、飛翔シーンと一緒で数打ちゃ、それなりの絵は撮れる自信はあるのですけど、意欲がなかなか・・・・普通種の難しい所です。
Commented
by
fanseab
at 2012-10-24 23:42
x
いつもどおりの超精細画像とはいえ、改めてクロツバメとツバメの卵の精密撮影にも驚いております。
さすがのfanseabさんでも、ヤマトシジミの産卵シーンはなかなか難しいんですね。普通種で、いつでも撮れる、でも結構めんど、ってなことでモチベーションを掻き立ててくれる要素が少ないですしね。笑
さすがのfanseabさんでも、ヤマトシジミの産卵シーンはなかなか難しいんですね。普通種で、いつでも撮れる、でも結構めんど、ってなことでモチベーションを掻き立ててくれる要素が少ないですしね。笑
Commented
by
fanseab
at 2012-10-25 23:49
x
OTTOさん、産卵シーンは種類によらず難しいです。
珍品だろうと普通種だろうと同じです。
仰る通り、普通種は産卵シーンに限らず撮影を回避するので、
いつまでたっても目的の絵が撮れない悪循環に陥ります(^^;
珍品だろうと普通種だろうと同じです。
仰る通り、普通種は産卵シーンに限らず撮影を回避するので、
いつまでたっても目的の絵が撮れない悪循環に陥ります(^^;
Commented
by
fanseab
at 2012-10-28 23:45
x
ダンダラさん、産卵シーン撮影のエキスパートである貴殿でも
やはり難しいのですね。安心しました。小生の場合は、卵の
写し込み以前に触覚も含めて葉被りをなくした画像をゲット
することでしょう。卵まで写すにはカタバミの葉が平坦である
事が必要で、これは数打って撮るしかないんでしょうね。
やはり難しいのですね。安心しました。小生の場合は、卵の
写し込み以前に触覚も含めて葉被りをなくした画像をゲット
することでしょう。卵まで写すにはカタバミの葉が平坦である
事が必要で、これは数打って撮るしかないんでしょうね。