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探蝶逍遥記

ミドリシジミ探索(7月21日)

 この日は早朝から某所で某シジミの探索。霧雨降る中、傘を差しながら探したものの、どうやら未発生の様子。仕方なく目的を切り替え、神奈川県高標高地へ移動。今シーズン、未撮影のミドリシジミにターゲットを絞りました。現地9時着。相変わらず小雨模様で長袖でも肌寒い天気。傘を差しながらハンノキ林を巡ります。ほどなく、葉上に潜む個体を発見。どうやら♀の雰囲気。                                                   ++画像はクリックで拡大されます++
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21561739.jpg
D7K-34、ISO=640、F4.5-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時25分

 ハンノキの葉は、病変なのか部分的に茶色に変色していて、ミドリの裏面が結構保護色になって、探しにくいものです。左手で傘とレンズを支え、右手でシャッターボタンを押すスタイルも結構苦しかったです。この個体発見後、後が続かず、イライラしましたが、程なく別の個体をハンノキ樹上で発見。どうも後翅裏面に斑紋異常がある様子。シメシメと思ってファインダーを覗くと斑紋異常ではなく、雨滴が付いていたのでした。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21563372.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時02分

 「水も滴るいい男」ではなくて、どうやら♀のようなので、「いい女」かな? 正面から「水の滴り具合」を撮ってみました。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21564678.jpg
D7K-34(トリミング)、ISO=500、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時00分

 左右の翅に沢山雫がついていますね。水滴の形状から判断して、ミドリシジミの翅の撥水性能は相当な実力だと思いました。まぁ、蝶の鱗粉構造は本来素晴らしい撥水性能を備えているのでしょうね。この後、コンデジ広角で雰囲気描写をしようと、最近ブログ仲間で流行のインターバル撮影を試みますが、慣れないために四苦八苦。なかなか蝶が視野に入りません。ゴソゴソ格闘している間にミドリは嫌がって、サッと飛び立ち下草に舞い降りました。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21571266.jpg
D7K-34、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時26分

 水滴はほぼ完全に取れたようです。それにしてもややこしい場所に舞い降りたもんです。「ここで開翅されたら困るな~」と漏らした管理人の心を見透かしたのかのように、じわりと開翅。上方からだと葉被りになるので、仕方なく横から狙いました。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21573061.jpg
D7K-34、ISO=500、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時28分

 どうやらA型のようです。何とか♀の開翅も撮れましたが期待した♂は発見できません。もう♂の発生は終わったのだろうか?と気落ちしながらフト、下草を探していると、何と全開している♂を発見。ヤッター!
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21582246.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:10時47分

 ほぼ完品でラッキー♪ 続いて真正面に回り込んでパチリ。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21583216.jpg
D7K-34、ISO=500、F8-1/400、-0.7EV、撮影時刻:10時48分

 ミドリシジミ♂の輝きはChrysoともFavoniusとも異なる渋さがあって、格調高いものを感じます。それにしてもこの♂、両脚を目一杯伸ばして2枚の葉に跨っております。
「おい、写真撮ってるおっちゃんよ、はよう撮らんかい! このままやと脚が筋肉痛になってしまうでぇ~」と叫んでいるような・・・。痺れを切らしたのか、この♂、この直後サッと飛び立ってハンノキの梢に消えていきました。ようやく♂開翅をゲットできたので、ホッといたしました。少し余裕が出てきたので、下草中心に探すと何と♂を撮影したすぐ近くで♀の開翅個体を発見。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_21591144.jpg
D7K-34、ISO=500、F8-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時50分

 青鱗粉が微かに出現したB型でしょうか? このコマ撮影後、また小雨が降り出してすぐにこの子は翅を閉じました。
ミドリシジミ探索(7月21日)_f0090680_220035.jpg
D7K-34、ISO=500、F8-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時51分

 裏面も縁毛バッチリの別嬪さんですね。結果的にこの日は小雨混じりですが、時折雨が止んで薄日が差すゼフ開翅撮影には絶好の天候でした。また雨天でしか撮れない絵も切り撮れて満足して帰宅したのでした。「早起きは三文の徳」の諺はゼフ全般に適用できそうですが、今回は「雨天撮影は三文の徳」でございました。
by fanseab | 2012-07-23 22:04 | | Comments(12)
Commented by konty33 at 2012-07-23 23:03
神奈川県でもこの時期にミドリシジミの適期を迎える場所があるのですね。
雨の中、傘をさしての撮影は大変ですよね。
水滴が付着したカットや股が裂けそうな♂はとても面白く拝見しました。
それにしても某所の某シジミが気になりますね。その内出てくるのかな?
Commented by 虫林 at 2012-07-24 08:43 x
ご苦労様でした。
発生時期はなかなか難しいですねが、そちらのミドリも
新鮮なのですね。
ミドリシジミ系は♀が面白いようですが、B型モドキは特徴的
で興味深く拝見しました。
Commented by kmkurobe at 2012-07-24 16:18
水滴がきらめいて美しい仕上がりになっていますね。
こちらもミドリシジミが発生を始め、千秋楽まじかとなってきました。
Commented by naoggio at 2012-07-24 17:49 x
下から3枚目、面白いです。
御存知かどうかわかりませんが、TBSでやっていたSASUKE を思い出してしまいました。
SASUKEでは競技者が手足を一杯に開いてやっと届くくらいの壁と壁の間を進んで行きます。落ちると池です。
Commented by himeoo27 at 2012-07-24 21:36
ミドリシジミの「控えめな煌き」について昨年まで
良く分かりませんでした。
今年「ハヤシミドリシジミ」のカメラのピントを狂わす
ほどの鋭い輝きを見て、やっと理解出来ました。
雨天の中素晴しい成果でしたね!
Commented by fanseab at 2012-07-24 22:24 x
konty33さん、神奈川と一口に言っても広大で、結構蝶相は豊富です。雨中の撮影は6月~7月はある程度覚悟の上でいつも透明ビニール傘を持ち歩いております。
某シジミについては、そのうち記事アップできることを小生も期待しております(^^)
Commented by fanseab at 2012-07-24 22:26 x
虫林さん、貴殿の記事を拝見して殆ど出現時期が一緒だなと思った次第です。鮮度は大変不安でしたが、何とか新鮮な♂にも出会えてホッといたしました。ミドリ♀の多型はまだ全ての型を撮影し終えていないので、これからの課題です。
Commented by fanseab at 2012-07-24 22:28 x
kmkurobeさん、今シーズンはそちらにゼフでお邪魔することなく、もう7月下旬になってしまいました。千秋楽とは寂しい響きですね。
雨の中の撮影ではミドリ始め、いつもとは異なる表情を捉えることができるのがいいですね。
Commented by fanseab at 2012-07-24 22:30 x
naoggioさん、そう、確かに某テレビ番組のSASUKEのシーンを彷彿とさせますね。
ミドリは翅があるので、落ちないけど、これでは反則で失格でしょうか(爆)とにかく、ユーモラスな恰好には笑ってしまいました。
Commented by fanseab at 2012-07-24 22:32 x
himeooさん、ミドリの輝きは表現が難しいのですけど、微妙にくすんでいると言うか控えめな感じなんですよね。ハヤシとかアイノのぎらつくような輝きとは好対照にあると思います。
でも、雨降りの中ではとっても情緒ある輝きだと思いませんか?
Commented by yoda-1 at 2012-07-25 12:16
確かに水滴付きの個体はゼフィルスで見たことありません。
埼玉地元の公園では不作が続いているので、こうやって新鮮ミドリシジミは、うらやましく拝見しました。
特にsasuke止まりの色合いがいいですね。
Commented by fanseab at 2012-07-25 22:46 x
yoda-1さん、この日の早朝は結構強い雨足だったのと、葉陰に隠れた位置が悪くて雫を受けやすいことが作用して、翅に水滴が結構ついていたのだと思います。
埼玉だと有名な公園ポイントがあるし、横浜あたりの公園でも有名ポイントがありますが、ちょっと行きそびれたので、今回雨天でも決行していい感じで撮れました。
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