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探蝶逍遥記

台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2

 9時頃から気温が少し上昇してきたようです。 路傍のヒルガオ?にクロセセリ(Notocrypta cruvifascia )が登場。                                                                    ++横位置画像はクリックで拡大されます++
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_2237054.jpg
D7K-34、ISO=500、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時53分

 クロセセリの吸蜜シーン撮影はいつも苦労します。吸蜜時は頭部を花芯に突っ込むため、ストローも表現できず、絵にならないことが多いのです。それで吸蜜開始直後を狙うのがベストなのですが、結局、今回も吸蜜直前の中途半端な画像しか撮れませんでした。この後すぐにウスコモンマダラ(Tirumala limniace limniace)♂も緩やかに舞い始め、吸蜜に訪れました。
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_22371491.jpg
D7K-34、ISO=500、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時54分

 草地にフラッと舞い降りたセセリはタケアカセセリ(Telicota ohara formosana)の♀。
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D90-85VR、ISO=400、F11-1/125、-0.3EV、撮影時刻:9時01分

 台湾産Telicota属は全3種(ohara,bambusae,colon)。ご存じの通り、このうちわが国では八重山でcolon(ネッタイアカセセリ)のみ観察することができます(八重山は分布の北限)。bambusae(ホリシャアカセセリ),colonとの区別点として、oharaは全体に地色が黒く、前翅後翅共に翅脈に沿って橙色斑が伸びない点が挙げられます。もっとも、撮影した♀個体はスレ品なので、「地色が黒い」例示にはならないでしょうね。

 更に林道を進むと左手の崖地に橙色のランタナが咲くポイントが出現。アゲハ類が出るといいなぁ~と願っていると、期待に応えて登場したのはクロアゲハ(Papilio protenor protenor)の♀。
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_22374446.jpg
D7K-34、ISO=500、F4-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時06分
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_2237542.jpg
D7K-34、ISO=500、F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時10分

 台湾ではクロアゲハは無尾型になります。過去に無尾型は香港でも出会っているのですけど、未撮影ですので、やや興奮しての撮影でした。しかし、国内の尾状突起付タイプに慣れ親しんでいることもあって、何だか完品クロに見えないんですね。習慣とは恐ろしいものです。一方、後翅裏面肛角部の赤橙色弦月紋の出方は独特で魅力的です。この後、蝶の出足がパタッと止まって暫く手持無沙汰状態に。そんな折、林道奥の谷あいに潜む猛禽類を発見。遠目から狙ってみました。
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_2238108.jpg
D7K-34(トリミング)、ISO=500、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時13分

 少し接近してもう一枚。
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_22381994.jpg
D7K-34(トリミング)、ISO=500、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時15分

 片足を上げて、ポーズを取ってくれました(笑) ネットで画像を検証すると、どうもサシバ(Butastur indicus)の雄成鳥のようです。間違っていたらご指摘願います。サシバだとすると、丁度秋口に冬越しのため、日本から集団で南下し、更に南方で行く途中、台湾で小休止状態だったのでしょうか?

★以下4/9追記★
ブログ仲間のyoda-1さんよりご指摘がありまして、この猛禽類は、カンムリオオタカ台湾産亜種(Accipiter trivirgatus formosae)、 中国名・鳳頭蒼鷹、英語名:Crested Goshawkだそうです。↑の1枚目をよく見ると頭部後方に冠の先端らしき部分が写っております。雌鳥に出会ったり、昂奮したりすると冠が立つのでしょうかね?ともかく、yoda-1さん、有難うございました。

 そのうち、路傍にイシガケチョウ(Cyrestis thyodamas formosana)が登場。
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_22383784.jpg
D7K-34、ISO=500、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時17分

 台湾産亜種は日本産亜種mabellaに比較して黒条・黒班がより発達するとのことですが、見た目、さほど変わりはありません。灌木の周囲を舞っていたボロのミスジを視界に捉えました。どうせリュウキュウミスジだろうとファインダーを覗くと、前翅中室の棍棒状白班が異常に細いです!
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_22384821.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻:9時29分

 管理人初撮影のタイワンミスジ(Neptis nata lutatia)♂でした。初物で贅沢を言えないけど、こんな個体ではなく、完品を撮りたいなぁ! 草地をチョロチョロ飛び回っていたのは、タイワンクロボシシジミ。結構な個体数がおりました。ここは吸蜜シーンをじっくり撮影。
台湾遠征記:(12)11月22日午前中その2_f0090680_22415031.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:9時43分

 前翅の尖り方から判断してこちらは♂でしょうか。曇りがちの天候で、このような白地のシジミ撮影には最高の条件でした。それにしても画面を斜めによぎる背景ボケが邪魔ですね(^^; <次回に続く>
by fanseab | 2012-04-05 22:42 | | Comments(4)
Commented by himeoo27 at 2012-04-06 21:21
クロシジミの白い紋を透過して見える朝顔の水色が綺麗です。
最後のタイワンクロボシシジミは、昨年4月末に石垣島について直ぐに初めて出会ったドキドキを思い出しました。
Commented by fanseab at 2012-04-07 20:30 x
himeooさん、クロセセリは黒地に白紋ですので、画像が周囲の色に被りやすいことが多いです。ここは白紋が透けているのではなくて、アサガオ(ヒルガオ?)のブルーで色被りしているのが原因かと思います。いずれにせよ、吸蜜撮影の難易度が高いセセリです。
クロボシは小さいのでウラボシあたりとの見極めに苦労しますね。裏面の目立つ黒班は印象的ですよね。
Commented by yoda-1 at 2012-04-08 23:34
綺麗に撮影されているこの猛禽類は、図鑑によると、学名:Accipiter trivirgatus、 中国名・鳳頭蒼鷹、英語名:Crested Goshawk、和名:カンムリオオタカだそうです。これは台湾固有亜種だそうで、台湾の留鳥(渡りはしない)だそうです。
因みに日本にいるツミ・ハイタカ・オオタカも同属です。
Commented by fanseab at 2012-04-09 22:56 x
yoda-1さん、貴重な訂正情報有難うございました。記事を修正させて頂きました。修正コメントにも書きましたが、この遊楽區で観察可能(通常は天空を舞っている状態)な野鳥リストに入っておりました。猛禽類は蝶で言えば、デカくて勇猛果敢なタテハみたいなものですね。小生も野鳥にのめりこむのであれば、猛禽類ファンになるでしょう。
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