人気ブログランキング | 話題のタグを見る

探蝶逍遥記

真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)

 ボヤボヤしていると、秋になってしまうので、これまでアップできなかった記事をご紹介しましょう。安曇野遠征をした7月、河川敷や河原でクロツバメシジミ、ミヤマシジミを撮影しました。

 土砂降りの上高地から下って松本市に降りてくると、雨は止んで強い夏の日差しが戻っていました。川の畔にあるミヤマ/クロツポイントを訪れると、彼らが元気に飛んでいます。ただ、クロツはちょっとこの時期終盤戦の様子でいずれもスレ個体ばかりで、何とかまともな個体を選んで吸蜜シーン。それでもこの程度でした。                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_2317248.jpg
D90-VR85、ISO=200、F13-1/250、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月17日、15時44分

 反対にミヤマは♀が丁度見頃でした。食草であるコマツナギからの吸蜜シーンです。
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_23172498.jpg
D90-VR85、ISO=200、F13-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日・時刻:7月17日、15時41分

 ストロボを使用したので、後翅外縁の青色鱗が強調されて、とても華麗な絵になりました。陽が差していたと言え、この日は梅雨明け直後でまだ天候は不安定。時々雲で陽が翳る時もありました。これが幸いして、それまで開翅するそぶりも見せなかった♀が運よく開翅してくれました。
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_23175032.jpg
D90-VR85、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月17日、15時55分

 後翅紅班の周囲にうっすらと青鱗粉が乗った大変綺麗な個体です。上高地からの帰りでもあり、照り返しの強い河原ではそんなに体力が続きません。1時間弱でこのポイントは切り上げ、北上して安曇野へ向かいました。一泊した翌日は既報の通り、午前中はカシワ林でゼフ探索をし、ランチの後は安曇野のクロツ/ミヤマポイントを訪れました。ここではキマダラモドキ探索に向かう途中、立ち寄られたダンダラさんとNさんも頑張っておられました。このポイントでもクロツは終盤戦で撮影意欲の湧く個体は少なく、唯一比較的新鮮な♀に狙いをつけていると、ツメレンゲの根元で産卵してくれました。
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_23182191.jpg
D5K-VR85、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月18日、12時36分

 ただ、いつもながらクロツの産卵シーンは手強いです。特に夏場は草陰に潜り込んで産卵するので、アングルの確保がとても難しく感じます。♂については証拠写真としてコマツナギからの吸蜜画像も撮っておきましたが、一番新鮮な個体でもご覧の通りの状態。
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_23184461.jpg
D5K-VR85、ISO=200、F5.6-1/2500、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月18日、12時47分

 こちらのポイントでもミヤマはとても綺麗な個体が多く、♂も前日よりも新鮮な個体が多かったように思います。ただ、この日は完全なピーカンなお天気で開翅は全く望めない状況。無理やり飛翔も撮影しましたが、翅を閉じた状態が多くガッカリでした。
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_23191988.jpg
D40-10.5-X1.4TC、ISO=400、F4-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影月日・時刻:7月18日、13時10分

 最後は夏空をバックに♂の縦広角を撮影。
真夏の河原でシジミと格闘(7月17-18日)_f0090680_23193372.jpg
D40-10.5-X1.4TC、ISO=200、F9-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影月日・時刻:7月18日、13時22分

 結局、このポイントも猛烈な暑さに閉口し、一時間弱で切り上げ、帰宅の途に就いたのでした。早朝のカシワ林探索から帰宅するまで、この日に飲んだ500mlペットボトルは合計8本! 本当に熱中症との戦いでありました。やはり河原でのクロツ/ミヤマは真夏ではなく、秋にじっくりと撮影に取り組むべき対象だと改めて実感したのでした。
by fanseab | 2010-08-23 23:21 | | Comments(12)
Commented by chochoensis at 2010-08-24 10:33 x
fanseabさん、上高地・八ヶ岳・・・と色々遠征されて、素晴らしい写真を拝見してため息をついています・・・小生、今年は遠征を全て諦めました・・・もっと身体の丈夫なうちに色々と行けばよかったかな・・・などと思っています。キべり・クジャクチョウ・ミヤマ・クロツにも暫く出会っていません・・・素敵な写真充分に堪能しました。感謝です・・・。
Commented by kmkurobe at 2010-08-24 15:34

真夏の河原はしんどいですね。
当地のミヤマシジミは第3化が出始めできれいな雄が飛んでいます。クロツはここへ来て数は随分増えましたが、傷んだ個体が多いようです。多分もう1回ずつは代をかさねると思われます。
Commented by himeoo27 at 2010-08-24 20:37
最後の青空バックのミヤマシジミが一番可愛らしいです。
一通り、望遠接写に成功したら、次は広角接写にチャレンジしたくなりました。
Commented by fanseab at 2010-08-25 07:10 x
chochoensisさん、今年は猛暑なので、体調回復に努められることが大事だと思います。小生もいつまでも自由に遠征できるか?判らないので、遠征先で出会った蝶達を丁寧に撮ってあげたいと思っております。
Commented by fanseab at 2010-08-25 07:15 x
kmkurobeさん、その節はお世話になりました。あれから1ヶ月以上たったので新しい世代が飛んでいるのでしょうね。機会があればまた訪問したいと思います。
Commented by fanseab at 2010-08-25 07:26 x
himeooさん、この時は♂も全く開翅する気配がなかったので、せめて裏面だけでも綺麗に撮ろうと思って広角でまとめたものです。マクロと違って敏感な蝶での広角接写は難しい撮影ですけど、上手く背景が写し込んで撮れた時の喜びは格別ですよ。ただブログだと背景でポイントがバレバレになってしまうことが多く、上手く撮れても、ブログに掲載できないコマも多いです。
Commented by clossiana at 2010-08-25 18:27
一日にペットボトル8本とはすごいです。でも、そうしなければ本当に熱中症になってしまいますね。私はそこまでの根性がありませんから途中で車に戻ってクーラーを全開にして休んでしまいます。ミヤマシジミの後翅表面の青鱗はこの時期でも見られるのですね。仰られていますようにとても華麗で見応えがありますね。
Commented by ダンダラ at 2010-08-25 18:33 x
この時はキマダラモドキのポイントに行きながら、fanseabさんのことだから、じっくりミヤマシジミとクロツバメシジミの写真を撮っているだろうなと話していました。
最後の写真はまさしくそんな粘りの成果ですね。
私がいた時にはこんなチャンスはありませんでした。
Commented by thecla at 2010-08-25 23:38 x
ミヤマシジミの少し青鱗がのったメス、しばらく見ていないので撮りたくなってきました。
ただこの暑さだと私もこの夏行きましたが滞在時間は30分が限度でした。
Commented by fanseab at 2010-08-26 07:09 x
clossianaさん、この時は梅雨明け直後の暑さに体が慣れていないのと、両日共に午前中の探索で結構頑張っていたので、疲労も溜って、水分補給も頻繁にしていました。夏場は駐車スペースが日陰でないと、エアコンの利きも悪くて辛いですね。
Commented by fanseab at 2010-08-26 07:17 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。この時はランチしながら貴殿のキマモ探索予定をお聞きして、誘惑に駆られましたが、体力を考えて近場で我慢しました。それでも30分で集中力が切れそうになりました。最後の絵を撮り終えたら、本当にグッタリしましたよ!
Commented by fanseab at 2010-08-26 07:23 x
theclaさん、貴殿も30分が限界でしたか?特にこの両種は急傾斜の生息地なんで、疲れが溜まりやすいですね。ここのクロツは未だジックリと撮影していないので、秋に再訪したいものです。
名前
URL
削除用パスワード