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探蝶逍遥記

多摩川縁のコムラサキ(8月29日)

 首題コムラサキについては、昨年10月、全く同じ記事名でご紹介したことがあります。多摩川中流域のコムラサキは、ここ数年の間に目撃例が急に増えており、小生も自宅近くでポイントを探索しております。今年に入ってヤナギの茂る一角に注目して重点的に調査し、今回何とか撮影することができましたので、ご紹介しましょう。最初はヤナギからゆっくりと飛び立った♀と思われる個体を撮影。           ++すべての画像はクリックで拡大されます++
     
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19462598.jpg
D90-VR84@400mm、ISO=400, F7.1-/2000、-1.0EV、撮影時刻:9時09分

 左後翅が大破しています。至近距離に降りてくるまで粘りましたが、そのうち逃げられました。続いて別の株の樹冠をまとわりつくように飛ぶ個体を発見。恐らく探雌行動を取る♂なのでしょう。木陰で休息したところをパチリ。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19463928.jpg
D90-VR84@400mm、ISO=500, F5.6-/2000、-0.7EV、撮影時刻:9時42分

 こちらは新鮮な個体のようです。コムラサキを探索中、豪快なアカボシゴマダラの滑空シーンに出会いました。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19465556.jpg
D90(トリミング)、ISO=500, F8-/2500、-1.0EV、撮影時刻:10時17分

 本当はヤナギの樹冠を飛ぶコムラサキの飛翔シーンを撮りたかったのですが・・・(^^; もう、すっかり多摩川のタテハチョウの主役に定着した感がありますね。午前11時頃、高さ10m近いヤナギの枝先で産卵するコムラサキ♀を発見。しかし、あまりにも遠すぎて撮影できませんでした。暑さも厳しくなったので、一旦自宅に帰り、小休止後、再チャレンジです。そのうち、比較的低いヤナギを飛ぶ個体を発見。ヤナギから出る樹液を求めてきた♀でした。ようやく、90mmマクロの射程に来てくれてホッとしました。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19471056.jpg
D90、ISO=400, F10-/160、+0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 逆光での縁毛、黄色のストローも表現できて、お気に入りの絵が切り取れました(^^) この後、ヤナギの葉に止まって良いモデルになってくれました。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19472618.jpg
D90、ISO=400, F10-/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時32分

更に縦広角でも撮影。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19474234.jpg
D40-24、ISO=400, F9-/250、+0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:13時50分

 残念ながら、開翅は披露してくれませんでした。本日確認した個体数は2♂2♀程度。個体数はそれほど多くはないものの、確実に生息していることがわかりました。推定ですけど、当地での1化は5月中旬頃、2化が6月下旬~7月上旬、3化が8月中下旬あたりになるのでしょう。昨年10月初旬に観察した個体が第4化なのか?第3化の生き残りなのか?興味のあるところです。何とか♂の最盛期に訪れて紫色の幻光をゲットしたいものです。

 さて、コムラサキ探索の途中、下草の木陰をのっそりと飛ぶ大型のセセリを発見。ミヤマチャバネセセリの♀でした。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19485486.jpg
D90-24、ISO=200, F8-/160、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時38分

 ♀の撮影は2年振りです。管理人の課題ではないですけど、ベタ閉翅を丁寧に撮ってあげました。
多摩川縁のコムラサキ(8月29日)_f0090680_19491130.jpg
D90、ISO=400, F11-/160、外部ストロボ、撮影時刻:10時46分

 近くに飛んでいたイチモンジセセリと比較すると遥かに大型で堂々していますね。関西だと比較的レアな本種も多摩川縁では楽に見られるので有難いことです。
by fanseab | 2009-08-30 19:52 | | Comments(14)
Commented by maeda at 2009-08-31 06:03 x
そう言えばこの夏はコムラサキを見ていません。
大概、吸水などよく見かける蝶なのですが、どうしたのでしょうね?
紫の光を捕らえるのが難しい蝶ですね。
Commented by fanseab at 2009-08-31 07:16 x
maedaさん、北海道とか本州の高原と違って、平地の夏場でのコムラサキ探索は結構しんどいです。朝方の吸水タイムを狙ったのですが、下に降りてくれませんでした。♂はともかく、♀のベタ開翅はどんなタイミングで撮影できるのか?見当がつきません。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2009-08-31 21:47
東京はあまり詳しくはありませんが、多摩川ってなかなか魅力的ですね。コムラ、ミヤマチャバネ、アカボシですか。ギンイチとかもいそうですね。今後の調査楽しみです。
Commented by ダンダラ at 2009-08-31 23:34 x
多摩川ではコムラサキが増えているのですか。
柳が生長して条件が良くなってきているのでしょうか。
いずれもきれいに撮影されていますね。
自宅付近にもコムラサキがいるのですが、今年はまだ見ていません。
もう少しすると次の発生期になると思うのですが。
Commented by fanseab at 2009-08-31 23:47 x
ノゾピーさん、はいギンイチも生息していて楽しめますが、自宅付近のギンイチポイントはブルドーザーで完璧に潰されてしまいました。河川敷はいつ開発されるか?分からないので、コムラサキやミヤマチャバネの先行きも決して安泰ではありません。アカボシはたくましい生活力を持っているのでエノキの潅木が潰されない限りはずっと生き残っていくと思います。
Commented by fanseab at 2009-08-31 23:52 x
ダンダラさん、小生は自宅付近でかれこれ20年以上継続観察をしていますが、コムラサキに出会ったのは昨年が初めてでした。確かに柳の生長は関係あるかもしれません。またある程度、柳の植生密度が高くないとポイントにはなり得ない感じがしています。まだ正確に当地での化数と発生時期を特定していませんが、4化の可能性もあるので、もう少し粘って調べたいと思います。
Commented by kmkurobe at 2009-09-01 20:11
うーんコムラサキいい絵ですね。特に雌はなかなか撮影できません。またミヤマチャバネセセリは今年も撮影できなかったのでうらやましいかぎりです。
Commented by fanseab at 2009-09-01 21:16 x
kmkurobeさん、こんばんは!小生、貴殿とは逆に♂の撮影チャンスに恵まれません。上高地あたりに行けば楽勝なのかもしれませんね。ミヤマチャバネは多摩川では確実に観察できます。同じイネ科を食草とするギンイチより生命力があるように思えます。
Commented by cactuss at 2009-09-01 21:48
柳にコムラサキ、広角写真はなかなかいい感じですね。
アカボシゴマダラの飛翔も青空の中で良く目立っていいですね。
Commented by fanseab at 2009-09-03 07:12 x
cactussさん、コメント有難うございます。シダレヤナギをバックにした広角画像は小生もお気に入りですが、ヤナギの葉が風にそよいで、結構厳しいものがありました。滑空するアカボシは何回見てもアサギマダラにそっくりです。
Commented by chochoensis at 2009-09-03 17:09 x
fanseabさん、ヤナギとコムラサキ・・・素敵な写真になっていますね・・・柔らかくて優しい感じの写真ですばらしいです!
Commented by fanseab at 2009-09-04 07:07 x
chochoensisさん、午後から撮影した画像は、曇りがちの空模様で光線の回り方がまろやかになって、雰囲気のある仕上がりになりました。次回は是非♂の開翅を撮りたいです。
Commented by Noreen05 at 2009-09-05 07:14
そろそろスレたコムラサキを多く見かけるようになりました。今年は新鮮な♀の写真が撮れていないので、こちらの美しい♀写真が羨ましいです。いつもながら綺麗な写真ですね~!
体調を崩されていたのですね~何度か訪問させて頂いていたのですが海外遠征では?と思っていました。もう回復されたようで何よりです。
コムラサキ♂の紫色に輝く幻光を楽しみにしています~♪
Commented by fanseab at 2009-09-05 19:30 x
Noreenさん、コメント有難うございます。コムラサキは当地では年3化で、そちら北海道は恐らく年1化。でも個体数で比べるとこのポイントは少ないので、北海道で観察する方が撮影には有利かもしれません。紫色幻光は来年の楽しみにとっておきます。ご心配かけましたが、今は体調がバッチリ戻っていますよ!
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