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探蝶逍遥記

信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ

 複数種の撮影目的に長野県・乗鞍岳東麓(標高1200-1300m)を探索してきました。この地域に足を踏み入れるのは初体験。因みに管理人は中央高速で松本ICを降りるのもこれが初体験(恥ずかしながら上高地に行ったこともありません)。長坂ICを過ぎる頃から雨がパラパラ降ってきて、現地に到着した7時前には本降りの状況でした。「あ~俺はやっぱり雨男なんやろか?」と嘆きつつ、傘を差しながらの探索・撮影です。

 今回遠征の主目的は課題としているオオミスジ♂のベタ開翅・閉翅画像の撮影。農道をゆっくりと車を転がしながら、梅、スモモの類をルッキング。ウメの木から飛び立つ1頭が飛び立つのを見逃さず追跡し、ベタ開翅を撮影。ド完品の♀でした。なお、今回ご紹介するオオミスジ画像は全て7/18の撮影です。               ++画像はすべてクリックで拡大されます++
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22345113.jpg
D90、ISO=400, F9-1/400、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分

 先月(6/27)、山梨で撮影した個体よりも、こちらの方が鮮度も良好で、スッキリした背景が得られ、幸先の良いスタートになりました。♀撮影ポイントから50m離れた別のウメの木の樹冠を2頭のオオミスジが飛んでいます。どうやら♂の探雌行動のようです。それにしても雨降りの中、♀を探す根性には頭が下がります(笑)。1頭の♂の動きをじっと追跡していると、下草付近で妙な動きをしています。もしや・・・と思って接近すると、予想通り、交尾個体を発見できました。
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22352656.jpg
D40-24、ISO=200, F6.3-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時30分

 上♀、下♂で後方に発生木となったウメが見えています。♀は羽化直と思われる新鮮な個体。
♂♀開翅・閉翅画像を一気に撮影できるチャンスの到来です。先ずは♂のベタ閉翅画像をゲット。
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22355296.jpg
GX100@5.1mm(トリミング)、ISO=80, F4.4-1/200、-0.7EV、撮影時刻:10時55分

 続いて、♀のベタ閉翅画像。
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22362110.jpg
D90、ISO=400, F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時02分

 羽化直の裏面は本当に綺麗ですね!この後、暫く他のポイント探索を実施して戻ってみると、♂が相変わらずしつこく交尾ペアにちょっかいをかけていました。
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22365220.jpg
D90、ISO=200, F9-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時41分

 右上の開翅個体が♂、中央が♀、その左側から交尾を迫る♂が必死にもがいています。♂の執念は相当なもので、この場面の7分後にまたしてもちょっかいをかけました。
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22372087.jpg
D90、ISO=800, F3-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時48分

 この騒動の過程で、それまで翅を閉じていた♂が開翅をしてくれましたので、ベタ開翅をゲット!
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_22374573.jpg
D90、ISO=200, F9-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時41分

 これで何とか目的の♂ベタ開翅・閉翅画像がセットで完成です。1枚目の♀開翅画像と比較すると、♂の前翅形が細長い特徴がよく理解できると思います。その後、交尾ペアでなく単独での♂開翅画像を撮りたくて、必死に頑張って何とか撮れたのがこの画像。
信州遠征(7月18-19日) (1)オオミスジ_f0090680_223854.jpg
D90、ISO=400, F6.3-1/500、-0.7EV、撮影時刻:15時46分

 交尾ペアの♂同様にかなりスレ・カケが目立ちます。標高1200mを超える今回の観察ポイントでも完品の♂を撮影するためには7月上旬頃に来訪しなければ無理なのかもしれません。

 さて6月より追跡してきた課題のオオミスジですが、交尾ペアに巡り会えた幸運も手伝って、何とか♂♀双方のベタ開翅・閉翅画像が完成できました。年1化の蝶は本当に撮影が難しく、特にオオミスジ♂は常に樹冠付近を探雌行動で滑空しているため閉翅画像の撮影難易度が高いと感じました。まぁ、オオミスジに限らず、閉翅画像を撮り難いのはNeptis属全般に共通すると言えますが・・・。次回はオオミスジ以外に出会った蝶達をご紹介しましょう。
by fanseab | 2009-07-21 22:43 | | Comments(10)
Commented by clossiana at 2009-07-22 08:46
オオミスジの開翅、交尾の撮影おめでとう御座居ます。一度私も交尾を見たことがありますが、その時は初めて近寄らせてもらえたときでもありました。未だ羽化前の♀の蛹に♂が群がっている写真を見たことがありますが、この♂の執拗さはエゾシロと似ていますね。
Commented by カオヤイ at 2009-07-22 14:24 x
こんにちは、
見事に綺麗なオオミスジをゲットされましたね。
今頃は、僕の田舎の家の梅の木にも来ているかなって、
ふと、思い出してしまいました。
Commented by banyan10 at 2009-07-22 15:32
オオミスジの交尾いいですね。
雨の信州で撮影する姿勢にも頭が下がります。(笑)
課題をクリアする責任感も素晴らしいですね。
Commented by maeda at 2009-07-22 20:16 x
今年の目標でしたが天候で諦めました。
こんな風に♀に♂が多数寄ってくると聞いていました。
蛹の周囲で羽化を待っていると。
見てみたい光景です。
Commented by fanseab at 2009-07-22 21:25 x
clossianaさん、有難うございます。交尾については、ご指摘のように、羽化直前の♀蛹にしがみついて羽化を待つ♂の画像をよく見ます。小生もいつかその姿を観察したいです。今回観察ペアもそのような状況から下草に降りてきた可能性もあります。
Commented by fanseab at 2009-07-22 21:28 x
カオヤイさん、こんばんは。標高を上げた分だけ♀は丁度適期で、新鮮な個体を撮影できました。一方、♂の撮影はいろいろと難しいです。貴殿のご実家は信州なのでしょうか?庭先の梅の木に舞うオオミスジをノンビリ眺めながら麦茶をすする・・・なんて素晴らしい一時でしょうね!
Commented by fanseab at 2009-07-22 21:32 x
BANYANさん、どんな蝶でも交尾シーンに出会うと嬉しいですね。今回はベタ閉翅の目標があったため、余計嬉しかったです。雨中と言っても、雨の止んでいる間は撮影には絶好の条件となりますので、よく傘を差しながらの撮影をしますよ。課題をクリアできて正直ホッとしております。
Commented by fanseab at 2009-07-22 21:34 x
maedaさん、北海道のオオミスジ、確かに十勝地方には分布していないようなので、撮影も大変でしょうね。蛹の羽化を待つ♂の光景、小生も一度見てみたいです。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2009-07-22 22:16
オオミスジ交尾は未撮影です。意外とタテハ類(ツマグロヒョウモンは除く)は交尾写真が難しいので、ラッキーでしたね。新手の♂が隙間を狙っているシーンがエエですね。
Commented by fanseab at 2009-07-23 07:06 x
ノゾピーさん、小生これまでコミスジの交尾画像も撮ったことがなかったので、ラッキーでした。この時合計2頭の♂が入れ替わりで交尾中の♀に迫っていました。見てて凄い執念を感じましたよ。
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