人気ブログランキング | 話題のタグを見る

探蝶逍遥記

ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)

 オオルリ記事の更新を優先したため、先送りにしていた記事のご紹介です。今シーズン課題にしている本種の開翅・閉翅セットでの撮影。特に年1化のバシロ♀の画像は撮影の尤度がありません(^^;; 阿蘇遠征の疲れが残っていて、本来なら完全休養日にしたかったこの日も♀の姿を求めて出撃しました。

 東京都のポイントに着くと、早速♂がお出迎え。気温の上昇と共に♂の個体数は増加し、将にバシロの楽園状態。なかには相当に黒化した♂個体も出現。          ++いずれの画像もクリックで拡大されます++  
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_2349109.jpg
D90, ISO=200, F11-1/320、-1.0EV、撮影時刻:8時35分

 福井県とか日本海側で多く見られる黒化型ですが、関東では珍しいように思います。しかし、♀らしき個体は見当たりません。必死に探索していると、林の影を怪しげに飛行する個体を発見。追跡すると、地面に降りてウロウロ歩き回り始めました。産卵行動をスタートさせていた待望の♀でした。

 ♂と異なり、草地の日陰を好んで静止するので、閉翅も開翅も難物です。気温が高い(~28℃)こともあって、特に開翅は厳しかった!先ずはその開翅。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23494222.jpg
D90, ISO=200, F9-1/160、-1.0EV、撮影時刻:9時53分

 腹部表面に毛が無い♀の特徴は表現できていますが、草被り、それと左前翅ピンボケで不満足な仕上がり。嗚呼、どなたか♀開翅画像代わりに撮って欲しいです(^^; 曇り空だと、草被りしない場所に出てきてくれるのでしょうか?♀の生態をもう少し勉強する必要がありそうです。お次は閉翅。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23501594.jpg
D90, ISO=200, F14-1/125、-0.7EV、撮影時刻:10時02分

 逆光で撮りたくなかったのだけれど、まともに撮れたのは、結局このコマのみ。まぁ、スフラギス(交尾嚢)も写って、♀の特徴は出ていると思います。課題に関して不満の残るなか、吸蜜シーンにもチャレンジ。オオジシバリ(同定あっているでしょうか?)を大変好み、長時間に渡って吸蜜してくれました。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23505464.jpg
D90, ISO=200, F4.5-1/3200、-1.0EV、撮影時刻:9時56分

 順光で撮れたこちらのコマのほうが、閉翅画像としては適切なのかもしれません。さて、草地の下に潜った♀の産卵行動も何とか撮影に成功。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23511123.jpg
D90, ISO=200, F9-1/200、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時52分

 直径1cm程度の枯茎に産卵しています。腹端部にピンク色の卵が確認できます。産卵は比較的長時間かけて行われるので、そっと手前の葉を数本除去して、何とか母蝶の全体像を写しこみました。産みつけられた場所の情景を魚露目でご紹介しましょう。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23513912.jpg
D90-1855@48mm-gy8(トリミング), ISO=800, F29-1/25、-1.7EV、外部ストロボ、調光補正-1EV、撮影時刻:10時29分

 なおこの画像、撮影のため、枯茎を反時計方向に180度回転しております。管理人は初めてバシロの卵を見ましたが、想像以上にでかいですね。その卵の拡大像。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23515845.jpg
D90-1855@52mm-gy8(トリミング), ISO=800, F20-1/40、-1.7EV、外部ストロボ、調光補正-1EV、撮影時刻:10時26分

 表面の彫刻の雰囲気は、まるでシジミチョウの卵のようで、不思議な感覚です。魚露目をつけたついでに、♂吸蜜画像も撮ってみました。
ウスバシロチョウ♀の探索(5月10日)_f0090680_23522061.jpg
D90-1855@55mm-gy8(トリミング), ISO=400, F29-1/200、-1.7EV、外部ストロボ、調光補正-1EV、撮影時刻:10時32分

 必死の思いの♀探索も満足な結果にはなりませんでした。今週末まで新鮮な♀が残っているか?ちと心配です。
by fanseab | 2009-05-18 23:56 | | Comments(8)
Commented by maeda at 2009-05-19 05:53 x
産卵シーンは素晴らしいできではと思いますが、これ以上求めるのは贅沢に思えます。
♀は吸蜜以外は藪にいることがほとんどだと思います。
Commented by fanseab at 2009-05-19 07:08 x
maedaさん、♀の撮影は銀塩時代にも経験がなく、今回が初めてでした。ご指摘のような行動パターンも今回の追跡で初めて理解できました。次回からは探索ポイントを絞れると思います。
Commented by ダンダラ at 2009-05-20 14:41 x
ウスバシロの産卵シーンが良く撮れていますね。
なかなか難しくて、こんなふうには撮れないです。
手前の草をどけるときに良く逃げませんでしたね。
Commented by banyan10 at 2009-05-20 18:00
ウスバシロの産卵は素晴らしいと思います。
何度か観察して一度だけ撮れていますが、もっと邪魔な草などが多い状況でした。
Commented by fanseab at 2009-05-20 20:31 x
ダンダラさん、♀は合計2個続けて産卵したので、1卵目で草被り状態の証拠写真を撮り、2卵目で、博打で思い切って草をどけました。連続産卵中だったので、産卵に集中していて、草を除ける作業に鈍感だったのかもしれません。
Commented by fanseab at 2009-05-20 20:37 x
BANYANさん、コメント有難うございます。小生♀産卵シーン撮影は初体験で、ビギナーズラックだったかのもしれません。産卵シーンではやはり、頭部・複眼・腹端が写って欲しいので、そっと草をどけました。
Commented by 愛野緑 at 2009-05-20 22:50 x
ウスバシロの産卵は、図鑑の解説そのもののようです。
産卵シーンを見たこと無いので卵を探す気になりませんが、昔、採集したときに、三角紙の中に数卵産み落としていたことがありました。
Commented by fanseab at 2009-05-21 22:58 x
愛野緑さん、こんばんは。小生、あまり図鑑等の予備知識が無かったのですが、やはり産卵挙動のソワソワした感じは種類によらず、共通するもので、ピーンと来ました。産卵ポイントは結構ジメジメした場所でマムシも気にしながらの撮影でした。
名前
URL
削除用パスワード