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探蝶逍遥記

北ボルネオ・キナバル遠征記:(17)ドクチョウ亜科

 ドクチョウ亜科と言っても、読者の皆様には馴染みがないかもしれません。本物のドクチョウ属(Heliconius)は南米で繁栄していますが、東南アジアに棲んでいるのは姿形がヒョウモンチョウに似た俊敏なタテハチョウです。いずれもポーリン温泉付近での撮影。最初は、アルキッペウラベニヒョウモン(Phalanta alcippe alcippoides)。                               ++いずれの画像もクリックで拡大されます++       
北ボルネオ・キナバル遠征記:(17)ドクチョウ亜科_f0090680_2026286.jpg
D70, ISO=200, F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:2008年5月2日、12時04分

 他のタテハを撮影中、いつの間にか足元に小さなタテハがまとわり付くように吸水していました。緑色の複眼がとっても可愛らしいと思いませんか?同属のウラベニヒョウモン(P.phalanta)はこれまで結構撮影していましたが、本種は初体験でした。

 お次はエロタコウモリタテハ(Vindra erota montana)♂。
北ボルネオ・キナバル遠征記:(17)ドクチョウ亜科_f0090680_20265041.jpg
D70, ISO=200, F9-1/125、-0.7EV、撮影時刻:2008年5月3日、10時29分

 どの遠征先でも観察可能な普通種ですが、いまだに♀には出会っていません。因みに♀はメスグロヒョウモンのように、♂とは全く異なる緑褐色をベースにした風格あるタテハなので、管理人にとって、♀との出合いは、憧れになっています。さて、♂の飛翔シーンはこちら。
北ボルネオ・キナバル遠征記:(17)ドクチョウ亜科_f0090680_20271414.jpg
D40-10.5(トリミング), ISO=800, F2.8-1/2500、-2.0 EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:2008年5月2日、14時32分

 右端下に吸汁しているチャイロフタオチョウ(Charaxes bernardus repetitus)が見えます。本音を言えば、もう少しエロタを接近して撮影したいところですが、ポイントの雰囲気は良く出ていると思います。

 ラストはエマレアミナミヒョウモン(Cirrochroa emalea emalea)。
北ボルネオ・キナバル遠征記:(17)ドクチョウ亜科_f0090680_20273621.jpg
D70, ISO=400, F9-1/800、-0.7EV、撮影時刻:2008年5月2日、10時11分

 以前、ダナムバレーで、このタテハの開翅を撮るのにえらく苦労したことを覚えています。当時は銀塩でしたので、フィルム枚数を気にして開いた瞬間にシャッターを切ることに集中したものの、失敗作ばかりでガッカリしたものでした。デジタルになって、コマ数を気にせず、バシャバシャ撮り続けた結果、シャープな開翅シーンをゲットできました。デジタル様々と言ったところでしょうか?
続いて飛翔シーン。
北ボルネオ・キナバル遠征記:(17)ドクチョウ亜科_f0090680_20275073.jpg
D40-1855@18mm(トリミング), ISO=800, F7.1-1/3200、-1.3 EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:2008年5月2日、11時18分

 残念ながら、こちらはピンボケです(^^;; もう少し綺麗な飛翔を撮りたいものですね。次回はタテハチョウ亜科をご紹介しましょう。
by fanseab | 2009-02-14 20:31 | | Comments(8)
Commented by maeda at 2009-02-15 07:52 x
南方系の蝶は採ることが中心だったので、よく観察することはありませんでした。ですから写真がとっても新鮮に思われます。
Commented by cactuss at 2009-02-15 07:59
見たことのない蝶は皆、新鮮です。
外国の蝶も撮ってみたいと思いますが、出国することや外国の蝶の情報がなく、また、一番は長く休むことができないので、行くことができません。定年になったら行きたいなと思っています。
Commented by fanseab at 2009-02-15 19:15 x
maedaさん、国内の蝶でもそうですが、「採る」と「撮る」行動の違いで、蝶の挙動を観察する時間に差が出ますね。どうしたら相手に接近できるか?は一緒でも、強引にネットで掬うか、カメラに収めるか?相手との駆け引きの質が変わってきます。
Commented by fanseab at 2009-02-15 19:20 x
cactussさん、まいどどうも。海外遠征に行く前には、事前に図鑑で勉強しますが、飛翔パターンまでは図鑑には記載できないため、驚きの連続です。蝶の写真を撮るだけでなく、現地に行くまでのプロセスも楽しいですね。小生も体力があるうちに何とか時間を作っていろいろと出かけたいと思っています。
Commented by thecla at 2009-02-15 23:46 x
南方は、タテハチョウも日本で目にするのとはかなり違って楽しいですね。
北もいいし、南もいい、お金と暇の両方があればいいのですが(笑)
Commented by fanseab at 2009-02-16 07:08 x
theclaさん、タテハファンの小生にとって、東南アジアは天国のような場所です。ヨーロッパや極東は日本産の近縁種が多いので、初めて出会った時のドッキリ感は南の方が大きいような気がします。あと、欧州だと往復時間が長いのが辛いですね。
Commented by 虫林 at 2009-02-16 18:35 x
エマレアミナミヒョウモンはなかなか格好が良いですね。また飛翔写真もシャープで背景の広がりも良くて、うなってしまいました。背景からすると、天気も良くて、気持ちの良い1日だったみたいでとても良い感じです。
Commented by fanseab at 2009-02-16 22:44 x
虫林さん、エマレア、いい感じでしょ!キナバルでも標高の高い公園本部付近は毎日正午過ぎからずっと雨でストレスが溜まりましたが、標高を下げたポーリン温泉では午後3時頃まで、灼熱の太陽の下、撮影が楽しめました。暑さとの戦いはもちろんあるのですが・・・
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