探蝶逍遥記

多摩川お散歩撮影(10月上旬)

 10月に入ってようやく秋らしくなったものの、「これぞ秋晴れ!」と言える快晴の日は皆無の様相。今年の天気は本当に意地悪ですね。
 多摩川の河川敷にあったキバナコスモスの群落が数年前に草刈りでバッサリと刈られてから、秋口の撮影の楽しみが減ってしまいました。僅かに残るキバナコスモスで待機してツマグロヒョウモン♂を撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F4-1/4000,撮影時刻:11時01分

 やはりタテハはカメラに前進してくる場面がカッコエエですね。この日、お目当てのヒメアカタテハとコスモスのコラボは撮影できず。今年はヒメアカの個体数が少ないように思います。次は黄色いセンダングサの群落に移動してイチモンジセセリの撮影。標本画像のように、前後翅共に綺麗に全開した場面の撮影がこの日の目的。ホバリング気味にセンダングサを舞う♂個体に狙いを定めパチリ。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/4000,撮影時刻:11時35分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/4000,撮影時刻:11時35分
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EM12-Z60(トリミング),ISO=1000,F4.5-1/4000,撮影時刻:11時36分

 3枚の中では、3枚目がベストショット。ホバリング中にも拘らず、イチモンジセセリの翅旋回速度は相当速く、1/4000sec.でも止め切れておりません。このような状況では、『前翅先端が少しブレて却って動感が得られた・・・』と言い訳するのも手ですね(^^) 真面目な話、ビタッと翅を写し止めるには1/6400sec.が必要なのでしょう。
 帰りしな、土手近くでヤマトシジミ♂を発見。ムチャ綺麗な♂個体なので、思わず撮影。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F3.5-1/500,撮影時刻:12時28分

 淡紫色のヨメナとのコラボが抜群の美しさ。♂は晩秋に入ると、この個体のように前翅前縁に銀白色の鱗粉が載って、えらく高貴な感じに変身します。ヤマト♂の美しさを再発見したのでした。ブログ仲間のブログ名ではないですが、将に「たかがヤマト、されどヤマト」ですね。真夏のヤマトを真剣に追いかける気はありませけど、早春・晩秋にはやはり貴重な被写体です。
# by fanseab | 2018-10-15 21:56 | | Comments(0)

ウラナミシジミ(10月上旬)

 先日の台風24号接近時は関東地方でも、物凄い強風が吹き荒れました。幸いにも雨量は思ったほどでも無く、所謂「風台風」でした。多摩川縁に出てみると、増水してオギ群落など、河川敷の植物が全て横倒しになっています。但し昨年秋に来襲した台風による増水に比較すると、水量は低目に推移したようで何よりでした。増水を間逃れたクズ群落の上ではウラナミシジミが数多く飛んでいました。この時期、既にクズの花は盛りを過ぎているので、彼らの吸蜜源は、主にアレチウリ(Sicyos angulatus)。「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定された『札付きのワル』ですね。最初は♂の吸蜜後開翅の場面。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング),ISO=200,F5.6-1/500,撮影時刻:12時11分

 非常に綺麗な個体。できれば尾状突起が風にたなびいて、伸びて欲しかった! 次はアレチウリ吸蜜からの♂飛び立ち場面。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=500,F2.8-1/4000,撮影時刻:11時01分

 次は♀。残り少ない葛の花弁に産卵している個体が地表で開翅休息しておりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200,F5.6-1/320,撮影時刻:11時46分

 尾状突起が切れた個体ですが、深みのある色合いに感動して思わずパチリ。次は♀の飛び立ち場面。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=800,F3.5-1/4000,撮影時刻:12時05分

 撮影後、この子の美しさに思わず涙が出ました。特に前翅の地色とブルーのコントラストが際立った個体であること。ルリウラナミシジミ(Jamides bochus)♀を彷彿とさせる鮮やかさが抜群! 地表での♀開翅画像と比較すると前翅ブルー鱗粉の載りの良さが明快です。この数コマ後の画像もアップします。
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EM12-Z60(トリミング),ISO=800,F3.5-1/4000,撮影時刻:12時05分

 こちらはちょっとピンボケで申し訳ありませんが、比較のため掲載します。上記2枚の左右前翅を比較して、前翅のブルー発色が「構造色」に基づいている点に気が付きました。羽ばたきの角度によりブルーの濃さが全く違います。こんな個性的な個体に出会えて、宝物を拾った気分でした。ウラナミシジミを馬鹿にしてはいけませんね!
# by fanseab | 2018-10-07 20:57 | | Comments(4)

アオバセセリ幼虫の観察:その4(9月下旬)

 前回観察(クリックでジャンプ)から1ヶ月が経過したので、幼虫の様子を覗いて来ました。最初は樹高の低い株。ここは唯一、1個体のみ亜終齢幼虫の巣を確認しておりました。巣は健在でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60,ISO=400,F3.5-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 流石に1ヶ月経過して、巣は枯れかかってきています。巣の入口を覗いてみました。
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EM12-Z60,ISO=400,F5.6-1/25,外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 橙色のテントウムシ状の頭部が見えていました。明らかに頭部の大きさが拡大し、橙色がやや赤みを帯びてきました。恐らく終齢(5齢もしくは6齢)に到達していると思われます。それにしても、巣の入口に大事な頭部を晒している姿には驚かされました。ひょっとすると意図的に鮮やかな頭部を露出させて、外敵を驚かせる作戦なのかもしれません。
 どうやらアオバセセリの亜終齢~終齢幼虫は、齢を重ねても巣の更新はせず、古い巣を結構辛抱強く使い続けるタイプのようです。今回再度、この株の全体を観察すると、前回確認できなかった終齢幼虫巣(矢印)を発見。
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EM12-Z60,ISO=200,F3.5-1/50,外部ストロボ、撮影時刻:9時38分

 樹冠近く高いので、中身の存在は確認できず。この後移動して、樹高10m近い別のアワブキ株をチェック。前回3-4個の亜終齢幼虫巣を確認しておりましたが、残念ながらいずれも無くなっておりました。いつも参考にしている生態図鑑(※)には次の記述があります。
『・・・幼虫が蛹化に先立ってそれまですんでいた自分の巣を切り落とす行動が観察されている。この行動は越冬蛹になる幼虫にも、第2回の成虫になる幼虫にも認められる。・・・』
 越冬前に蛹化準備のために巣を切り落とす行動はコチャバネセセリでも観察されています。今回観察した株の巣は上記行動で切り落とされたものか?あるいは自然に落下したものかは、不明です。但し、最初に観察した低い株に比較して陽当たりの良い場所に生えているので、紅葉・落葉の時期は早めに推移しているようです。従って幼虫も早めに越冬準備に入った可能性もあります。幼虫は地表を歩いて近辺の常緑樹の葉裏で蛹化するらしいので、念のため株近くの葉裏をガサゴソ調査しましたが、白い蝋で覆われた蛹を発見することはできませんでした。まぁ、野外でアオバセセリ越冬蛹を発見するのは素人には難しいのでしょうね。
 こうなると、最初にご紹介した巣がどのような経過を辿るのか?興味が出てきますので、もう少し、経過観察をすることにします。

※福田晴夫他,(1983)原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ).p.212,保育社(大阪).
# by fanseab | 2018-10-04 22:08 | | Comments(2)