2021年4月に採卵・飼育、同年5月に蛹化した蛹1♂個体が今月21日に羽化しました。
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EM12-Z60,ISO=100,F5.6-1/50、外部ストロボ
前翅長は26mm。通常サイズよりやや大型かもしれません。蛹の休眠期間は2年。昨年5月15日付の記事(クリック・タップでジャンプ)で、最長休眠期間9年の公知事例があることをご紹介しました。管理人の本種飼育経験でも20年以上前に今回と同じく2年休眠個体の羽化を観察しております。半開翅の場面も撮影。

EM12-Z60,ISO=100,F5.6-1/125、外部ストロボ
前翅表中室基部から、黒い条痕が中室端の黒班に向けて伸びています。
ツマキの様な休眠蛹では、休眠打破処理方法により羽化時期が左右されるようです。昨年はそれまで蛹4頭を保管していた冷暗所から3月に入り、明るい室内環境に移しました。しかし羽化したのは2頭のみ。そこで今回は、1月より明るい環境に移し、春先に向けて日長が徐々に延長することを蛹に体感させるようにしました。この処置が功を奏したのか、今回1♂が無事覚醒、羽化したのです。ところが未だ残りの1頭は覚醒の兆しがありません。このまま休眠を続け来年以降(休眠3年目)に羽化するか様子見の状況です。
本日6日は二十四節季の一つ、啓蟄。虫屋にとっては最も馴染みのある節季でしょう。今年正月過ぎから継続観察している多摩川べりの首題幼虫も、どうやら体内時計で節季を検知したようです。今年観察している「ご神木」数本から合計49頭の越冬幼虫を見出しており、これらの極一部で、目覚めの兆候がありました。個体#41の事例をご紹介しましょう。
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EM12-Z60(2段目:7コマ/3段目:6コマ深度合成+トリミング),ISO=100,F5.6-1/50、外部ストロボ
体長9.5mmの個体で、枝脱落部の凹みに潜んでいます。2月12日時点では、周囲と紛れる彩色でしたが、3月2日になると、胸部あたりが淡緑色に変色、腹節全体もやや緑色を帯びて淡色化していることが分かります。直近の3月4日は2日と有意差がない感じ。
一方、緑色を帯びずとも、ややピンク色に変色した個体も確認できました。個体#8の事例です。

EM12-Z60(5コマ深度合成+トリミング),ISO=100,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:13時16分
画像ではあまり明確ではありませんが、この個体は南側の樹肌に潜んでおり、西日が当たると体が透明化していることが確認できます。ですので、経験上既に覚醒がスタートしていると思います。昨年の越冬個体飼育経験から、枝先に登った後、徐々に緑色化する事例もあります。一方、個体#41のように越冬位置で予め緑色化して後、枝先に登る個体もいるようで、どうやら覚醒→体色変化のバリエーションは様々あるようです。
これ以外の個体は現時点で、ほぼ体色変化がありません。個体#25の事例を示します。

EM12-Z60(5コマ深度合成+トリミング),ISO=100,F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:12時08分
この子は未だ黒褐色状態です。現時点でヤナギの芽は微かに芽吹いた程度ですが、来週には芽吹きが活発化しそうで、恐らく多数の越冬個体の覚醒→枝先への移動が始まるかもしれません。
2017年3月10日付記事(クリック・タップでジャンプ)で、ホームページ(以下HP)なる蝶関連サイトが「絶滅危惧種」化していることを取り上げました。それから6年、拙本体HP(クリック・タップでジャンプ)も、もはや絶滅危惧第1類レベルに相当するヤバイ状態になっています(^^; 一番気になるのは更新頻度が低下すると訪問客が離れること。もちろん凄くニッチなページコンテンツだけに、コアな客層を逃さない工夫をせねばなりません。今回は新規画像を入れるなどの中身の更新ではなく、ページスタイルを変える抜本的改善を施してみました。
<背景1:スマホの出現>
拙HPを開設した2005年当時、あらゆるサイトはパソコン(以下PC)で閲覧することが前提として作成されておりました。携帯は未だガラケーの時代で、液晶画面が小さくて見難く、老眼の方は苦労してサイトを眺めていた時代。それが2007年にiphoneが上市され、次いでアンドロイドスマホも2009年に追随し、大画面でサイトを自由に見られるようになりました。その結果、相対的にPCで閲覧するユーザーが減少しました。つまり、スマホの出現は、既存サイトにとって大きな変革期を迎えました。PCは「横長」画面で閲覧するスタイルなのに対し、スマホは「縦長」画面で見ます。PC閲覧前提で作成されたウェブサイトは非常に閲覧し難くなったのです。
<背景2:フレーム構成の弊害>
2005年当時のPC用サイトデザインは、左にメニュー、右に本体ページを分割配置する「フレーム」構成方式が主流でした。ところが、スマホでフレーム画面を覗くと、左右分割した画面を横方向に圧縮して表示することになり、フォントが相対的に圧縮されて判読し難くなります。改訂前トップページのPC画面、および対応するスマホ画面を例示します。


スマホでは、サイト名(東南アジアのファン倶楽部)は辛うじて読めますが、メニュー画面は小さすぎて判読不可能なレベルです。そこで2本の指で見たい部分を拡大する「ピンチアウト」操作が必須となります。この操作は極めて煩雑で、そのサイトを読もうとする気力が一気に失せてしまいます。
<スマホ専用ページを再構築するか?>
対策として、フレーム構成の無いスマホ専用のページを作成するプランもあります。しかし、拙サイトの場合、jpeg,htmlファイルの合計は約2000もあり、このプランを実行するには体力・気力がもうありません。
<妥協案の実施:メニュー画面の改良>
結局、現行フレーム構成の拙サイトを「なるべくスマホで読みやすく改良する」ことを基本コンセプトにしました。このため、左側にズラッと並んでいる各メニューをタップ操作で確実に押せることを先ずトライしました。現状ではメニューのフォントが小さく、各メニュー間隔があまりにも小さいため、タップをすると、意図しないメニューを押してしまう弊害が出ます。フォントとメニュー欄の長さ・高さを微調整して、タップが楽にできるよう調整・改良しました。
<妥協案の実施:本体ページの改良>
こちらも横方向に長いデザインを縦方向に長くする改良をしました。スマホユーザーは縦方向スクロールすることを厭わないからです。但し、フレーム構成の悪影響で本体ページの幅が相対的に狭くなっているので、文章は極力短く、フォントを大きくする工夫をしました。改良前後でのスマホ閲覧画像の比較をします。

判読難易度差は一目瞭然だと思います。
<モバイルフレンドリーテスト>
「見易くなった」と自己満足したのですが、客観的に見て大丈夫なのか不安だったので、便利なソフトを使ってみました。googleが公開・提供している「モバイルフレンドリーテスト」。
https://search.google.com/test/mobile-friendly?hl=ja
googleは2015年より検索アルゴリズムを大幅に改定し、「モバイル(スマホ)ユーザーに優しいサイトを優先的にヒットさせる」ようにしました。その後、上記テスト方法を公開中。このサイトを開いてテスト対象URLを入力すると、最初にロボット対策ジズゾーパズル問題が開き、これをクリアーすると、テストがスタート。およそ1分以内に回答が出ます。回答はOK判定(スマホで見るのに適合)、NG判定(同不適合)の2種類。NGの場合はその理由も提示されます。管理人が当初改良したスマホ対応版を判定にかけると、無情にもNG判定(^^;その後、メニュー欄フォントサイズなどを微調整後、ようやくOK判定が得られてホッといたしました。
今回は未だトップページのみを改良したに過ぎません。今後「メインページ:各地域の蝶」のページ改良をゆっくりと進めていきたいと思います。