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カラスアゲハの飼育メモ:パート2

 拙ブログをアップしているエキサイトブログでは、数年前から記事ランキングが掲載されるようになりました。どんな記事にアクセス数が多いか?結構興味深いものがあります。さて、このランキングでトップを維持しているのが、
カラスアゲハの飼育メモ(前蛹まで)』
です。イモムシ画像中心の飼育記事がランキングトップになるのも面白いですが、実は管理人にとって、↑の記事はちょっと中途半端で不満の残るものでした。理由は標題にあるように飼育個体が蛹化に失敗し、羽化まで至らなかったからです。そこでリベンジマッチとして今回新規に飼育をやり直しました。それが今回記事の眼目。

 7月下旬に採卵した3卵(個体#A,#B,#Cとします)を全てコクサギで飼育。3卵共に7月31日に孵化。以下幼生期画像は主として個体#Bで撮影。初齢幼虫の姿です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(5コマ深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月1日

 体長は3.8mm。初めてカラスを飼育した際にも感じたことですが、外観が緑色を帯びていることが最大の特徴。ナミアゲハとは全く異なります。8月4日に2齢到達。
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EM12-Z60(上段:自動深度合成/下段:8コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月6日

 体長10mm。毎度お馴染みの鳥糞状に変化。全体に「テカリ」が出てきました。8月8日前後に3齢に。下記の画像は個体#Cを撮影。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月8日

 体長13mm。①胸部の微小斑点および、②各腹節背線側に一対の白班(矢印)が出現。この二点が2齢との形質差となります。個体#Bは8月9日前後に4齢到達。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月12日

 体長25mm。鳥糞状からイモムシ状へ変化する過渡期のような斑紋・色調を示しています。8月15日に5齢(終齢)到達。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月18日

 体長45.5mm。緑を基調に全体に白色斑点が散在し、胸部の雲型模様など、カラスアゲハ終齢幼虫は独特な美しさを持っていると思います。8月23日に前蛹へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月23日

 体長27mm。前回の飼育ではここから蛹化まで到達しませんでしたが、今回は無事翌24日に蛹化。
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EM12-Z60(左画像:5コマ/右画像:自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月25日

 体長33.5mm。鮮やかな明るい緑色です。緑色型以外に褐色型もあるようです。一見アゲハの蛹に似ておりますが、胸部背面が殆ど突出しないのが特徴。実はこの後、再び悲劇が起きました。↑の蛹画像でご紹介した個体#Bは蛹化時に触覚付近に微妙な傷が発生したらしく、結局羽化には至りませんでした。一方個体#Aは以前と同様蛹化時に異変が起きて脱皮が叶わず死亡。結局個体#Cのみ♀が羽化しました。羽化時期は9月5日頃と推定。所用で羽化直後の撮影は叶わず。
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EM12-Z60、ISO=400、F6.3-1/60、外部ストロボ、撮影月日:9月9日

 前翅長は54mm。今回は3個体飼育したので、何とかフルステージ画像撮影が叶いました。ただ2個体が羽化まで至らなかったのは残念です。やはり前蛹→蛹化の過程は蝶の変態にとっても極めてデリケート、かつ重要な瞬間であることを改めて認識いたしました。
by fanseab | 2017-09-20 21:20 | | Comments(4)

フタスジチョウvs.ホシミスジ:幼生期性状比較

 国産Neptis属の中で、フタスジとホシミスジは兄弟種の関係になります。本記事では特に終齢幼虫と蛹の形態・性状差について、詳述します。フタスジ幼生期の詳細は直前記事をご覧下さい。
 先ずは終齢幼虫。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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ホシミスジ画像は2014年10月撮影分

識別点を下記にまとめます。
(1)第7-9腹節側面の淡色模様:矢印#1
ホシミスジは鮮やかな緑色、フタスジは僅かに緑色を帯びる程度に留まる。
当該斑の面積(腹節全体に対する相対値):ホシミスジ>フタスジチョウ
(2)背面突起:矢印#2
突起長さ:ホシミスジ>フタスジチョウ
(3)背面模様:矢印#3
暗色斜帯はホシミスジでより明確→ホシミスジ:全体に地色と暗色斜帯とのコントラストが明快。

 次いで蛹の形態比較です。
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ホシミスジ画像は2014年10月撮影分

識別点は下記の通り。
(1)懸垂器と腹端背面のなす角度:#1
ホシミスジがより鈍角。
(2)前翅後縁部形状:#2
フタスジでは前縁側に強く湾曲する。
(3)背面から見込んだ時の翅部の巾:#3
ホシミスジはより巾広い。
(4)頭部突起形状:#4
ホシミスジでより顕著(やや前方に突出する傾向)。

 両種共に、♂♀差・個体差がどの程度あるかは、今後の検証課題です。卵の微細構造同様、兄弟種だけに両種は終齢幼虫・蛹形状共によく似ていますね。
by fanseab | 2017-08-22 21:43 | | Comments(2)

フタスジチョウの飼育メモ

 7月10日付記事(クリックで記事へジャンプ)でご紹介したフタスジチョウについて、現地で採卵した4卵を飼育した結果を報告します。飼育した個体を各々#A~#Dとします。初齢途中までは、産附されたホスト(一部植物名不明、一部はシモツケ)で飼育、その後は全てユキヤナギを餌に用いました。現時点までに4個体の生育状況は2群に分かれました。個体#A、#Cは一気に成長し、#Aは羽化済、#Cも8月中に羽化予定。一方、個体#B,#Dは緩やかな成長曲線を描き、現在は共に3齢で、恐らく自然状態の個体同様、秋には越冬態勢に入る模様です。本記事では個体#Aを中心に飼育経過を述べます。

 4卵共に7月11日に孵化。初齢幼虫の姿です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(上段3コマ/下段7コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月12日

 体長は2.5mm。淡褐色でコミスジとそっくりな姿。初齢時の食痕も示します。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月12日

 この画像の葉先に産卵されており、その周辺から食い始め主脈中央に静止しています。一方、シモツケの穂先に産附された個体#Dは当初シモツケの穂を齧っておりました。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月12日

 その後、穂が枯れたのでユキヤナギの葉に移動させました。初齢の後半になると、ユキヤナギの葉をカールさせて巣を形成しました。個体#Dの様子です。
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EM12-Z60(8コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月14日

 この時点では未だ完全に閉じた状態の巣ではありません。基本、頭部を葉柄側に向けています。その後、筒状の巣が形成されるため、齢数変化が観察し難くなりました。7月15-16日にかけて2齢到達。2齢の巣(個体#A)です。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月17日

 巣の前後は開放状態。巣前後の葉を食べるため、特徴のある巣形態になります。巣の上部を切断して無理やり2齢の姿(#A)をパチリ。
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EM12-Z60(13コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月17日

 体長4.3mm。初齢よりずんぐりとした体形になり、体色も濃淡がついてきました。巣の完全解体を断念したため、側面画像は撮影できず。巣から顔を覗かせた個体#Dの姿もパチリ。
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EM12-Z60(8コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月17日

 7月19日前後に全個体共に3齢到達。3齢(個体#C)幼虫の姿です。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月26日

 体長6.2mm。体色の濃淡が明確になり、淡い背線も顕著になりました。更に後胸、第2腹節に突起が形成されました(矢印#1)。第7-9腹節の濃褐色斜帯(矢印#2)が顕著になってきました。個体#Aは7月22日に4齢へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月24日

 体長8.5mm。背中側から幼虫を見ると、第2-4腹節部分の巾が拡大し、Neptis属4齢幼虫にほぼ共通する姿に変身。第7-9腹節濃褐色部に白色斑(矢印)が出現しました。幼虫は静止している際、頭部を深く下げ、胸部~第2腹節を高く持ち上げる独特なポーズを取っています。この習性は終齢(5齢)まで観察できます。なお、4齢時点で3齢まで過ごした巣を完全に放棄し、通常はユキヤナギの枝もしくは葉に静止しております。個体#Aは7月26日に5齢(終齢)に。
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EM12-Z60(上段6コマ/下段自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月31日

 体長は13.5mm。体色の濃淡コントラストは4齢よりも明確になりました。第7-9腹節の白斑部は淡緑色を帯びてきました。ここで参考までに、初齢~終齢までの頭殻(脱皮殻)の形状比較をしてみました。
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深度合成・コマ数:初齢16、2齢15、3齢24、4齢5、5齢10

 なお、上段(初齢~3齢)と下段(4,5齢)では、拡大率を変えております。また、5齢頭部上方は幼虫本体の脱皮殻。終齢幼虫は8月6日に前蛹。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月6日

 上手い具合にユキヤナギの枝からぶら下がってくれました。体長14mm。撮影時に結構モゾモゾ動くので深度合成撮影はできず。翌7日に蛹化。
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EM12-Z60(左から各々6コマ、5コマ、4コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月8日

 体長12.5mm。淡褐色の表面に複雑な模様が織り込まれた姿は、Neptis属蛹に共通する特徴でしょう。8月13日の朝方、前翅模様が透けて見え、腹節も緩んで羽化直前の兆候を示しました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日(時刻):8月13日(6時54分)

 ほぼ1時間後、無事♀が羽化しました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日(時刻):8月13日(7時59分)

 例によって、羽化瞬間は確認できず。前翅長は24.5mm。7月に生息地(山梨)で観察した♀に比較すると一回り小さいサイズ。やはり促成栽培(孵化から33日で羽化)故、小サイズ化は避けられない宿命でしょうか。開翅もユキヤナギバックに撮影。
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EM12-Z60、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日(時刻):8月13日(8時13分)

 フタスジチョウは後翅白帯がスッキリしたデザインなので、後翅の縁毛がとってもお洒落。縁毛フェチの管理人の琴線に触れるものがありますね。

 なお、飼育の途中でしたが、国内産Neptis属研究の権威、F氏に私信を出し、飼育のコツを伺いました。同氏によれば採卵飼育の場合、孵化後幼虫を冷蔵庫に出し入れするなど、極端な温度変化を与えないと当年度羽化(2化品として羽化)に至るとのこと。今回はほぼ同日に孵化した4個体をほぼ同一条件で飼育し、冷蔵庫保管処理をしないにも拘らず、2個体のみ越冬しそうな状況です。成長スピードを急速にするか、緩慢にするかのスイッチはどの時点で、どんなメカニズムで入るのでしょうか?疑問は尽きません。なお、兄弟種、ホシミスジの幼生期との比較については、記事を分けました。そちらもご覧下さい。
by fanseab | 2017-08-22 21:35 | | Comments(0)

コミスジの飼育メモ:幼生期の長い事例

 去る5月下旬、オナガアゲハの産卵シーンを撮影した当日、現場の林道でコミスジの産卵も目撃しました。フジの葉先に産み付けられた卵を拡大撮影用に持ち帰り、フジで飼育しておりました。コミスジは2015年10月に飼育実施済で、その際の飼育メモ(クリックでジャンプ)はこちらです
 夏場の飼育では科・種類によらず、孵化後概ね1ヶ月で成虫が羽化します。上記事例でも孵化後38日で♀が羽化しました。ところが、今回は幼虫期が長く、結局♂が羽化するまでの時間は異例の62日。これには驚きました。採卵した卵の超拡大像です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P1442@42mm-P14R(16コマ深度合成+トリミング)、ISO=64、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月23日

 卵直径(棘皮を含む最大径)は1.1mm。孵化後経過日数を前回飼育品(括弧内表示)と比較してみました。
2齢到達   4日(4日)
3齢     10(17)
4齢     15(39)
5齢     20(47)
蛹化    28(55)
羽化    38(62)

 初齢期間および4齢以降の経過日数は両者ほぼ同じですが、それ以外のステージで極端な差が出ました。飼育環境は室内の薄暗い場所で、前回とさしたる変化はありません。
 幼虫画像は撮影せず。蛹画像を前回と比較してみました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月23日(右画像は2015年10月撮影分)

 一般に同一種類であれば幼生期の長い個体ほど、より大きく成長することが知られております。今回飼育品の体長は16.5mm、前回は15.2mmで♂♀差を考慮すると、やはり今回個体はやや大き目の感じがします。ただコミスジ蛹としては個体変異の範囲内かもしれません。7月28日に羽化した♂画像です。
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EM12-Z60、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月28日

 前翅長27mm(因みに前回飼育品は25mm)。羽化に気付かず、暫く飼育プラケース内で暴れていたため、羽化直にしては翅が痛んでしまいました。
 蝶の飼育をしていると、時々常識から外れた行動を取る個体がおります。今回のコミスジ飼育でもちょっぴり驚かされました。
by fanseab | 2017-08-03 20:58 | | Comments(4)

ルリシジミ終齢幼虫はカメレオン?

 関東地方は暑い日が続いております。明らかに雨不足で、主要河川では取水制限も始まったとか。暑さが続くと食欲も減退します。そんな折、夏場の食卓にオクラやサヤインゲンは欠かせませんね。彩鮮やかな緑色の野菜は視覚に訴え、食欲を増進させてくれます。サヤインゲンに煎りゴマを振り掛け、これをつまみに冷えたビールをグイッと・・・・♪♪。管理人は飲める口ではないのですけど、やはりビールが無いと夏は乗り切れません。
 さて、そのサヤインゲン。シジミチョウ飼育時の代用食としても有名です。特に蕾や花穂を食うシジミ類には有効とされています。管理人も将来の某種飼育に備え、今回、ルリシジミを実験材料として、サヤインゲン飼育をトライしてみました。近所のマンション植え込みのハギから採卵、初齢の後半からサヤインゲンを与えてみました。順調に育った終齢幼虫の姿です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月11日

 半分にカットした鞘にへばり付き、白い果肉に頭部を突っ込んで食っています。面白いことに2齢の途中位までは果肉を好まず、鞘内の緑色のゼリー状組織を食べておりました。終齢になると、ほぼ果肉のみ食っています。糞の色も食べた部位毎に異なっています。矢印Aは上記ゼリー状組織を食べた糞、同Bは果肉によるもの。見事に糞の色が違います。幼虫の体色は餌のサヤインゲンにソックリですね。

 実は過去にルリシジミは2度飼育経験があり、当時の終齢幼虫と比較してみました。
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上段:2013年9月撮影、中段:2016年7月撮影

 過去2回はそれぞれクズ・イタドリの花穂を給餌しておりました。与えた餌の色相に忠実に幼虫体色が変化する様は見事。将にカメレオンですね!
by fanseab | 2017-07-22 20:13 | | Comments(4)

オナガアゲハの飼育メモ

 5月29日付の記事(クリックでジャンプ)でオナガアゲハの産卵シーンをご紹介しました。この時、産附された1卵をお持ちかえりし、フルステージ飼育を行いました。餌は全てコクサギで実施。実は昨年9月上旬、コクサギに産附されたオナガアゲハ2卵の飼育を試みた経験があります。この時、代用食としてサンショウを与えましたが、食いつきが悪く初齢の途中で、失敗に終わりました。その反省から昨年秋にコクサギの苗を購入し、今回の飼育に備えていたのでした。
 5月27日に孵化。孵化直後の初齢幼虫です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-P1442@42mm-P14R(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月27日

 動き回っているので、深度合成ができず。素直に焦点深度の深いコンデジで撮るべきでした。翌日、落ち着いたところで、再度初齢を撮影。
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上段:EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ
下段:D500-1855改@38mm(2コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F8-1/320,-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月28日

 体長は5mm。カラスアゲハ同様、全体に緑色を帯びております。コクサギを食い始めた初齢幼虫と食痕のツーショットです。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月28日

 向かって左端に台座を構え、右側縁を食べるスタイル。29日に眠、翌30日に2齢。
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EM12-Z60(4コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月31日

 体長8.2mm。棘皮の長さが相対的に短くなり、尾端付近腹節にある白色部分が目立つようになりました。2齢時の食痕も示します。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/30、外部ストロボ、撮影月日:5月31日

食している葉は初齢時代と同じ。葉の先端(上部)、基部側も食っています。6月2日に3齢へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月3日

 体長16.5mm。胸部が拡幅し、第7-8腹節の白色部がより顕著になりました。4日に4齢。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月6日

 体長24.5mm。胸部気門線上の白色部が目立つようになります。第7-10腹節はほぼ全体が白色になりました。ここで、類似種のクロアゲハ4齢幼虫との比較図をアップしておきましょう。
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クロアゲハは2013年8月撮影分画像

 識別点は画像中に記載した通りです。いずれも「鳥の糞」に擬態しているとされております。確かにヌメヌメとした光沢は「落とされて間もない糞」の質感ソックリですね。6月7日に眠、翌8日に5齢(終齢)になりました。
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EM12-Z60(上段:自動深度合成/下段:5コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月11日

 体長43mm。非常に鮮やかな青緑色を呈しております。その独特な色調を敢えて表現するならば、「マラカイトグリーン(緑青:ロクショウ)」かな。ただ画像では上手く色調を再現できておりません。幼虫斑紋の特徴を4齢同様、クロアゲハと比較してみました。
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クロアゲハは2013年8月撮影分画像

 識別点を3箇所提示しておりますが、識別点1で見分けるのが一番楽だと思います。但し、「斜帯が背線上で分離する」特徴はモンキアゲハ終齢幼虫にも見られるので、注意が必要。参考までに、終齢幼虫頭部の拡大像も撮ってみました。
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EM12-Z60(6コマ深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月11日

 蛇の目玉に擬態している部分も、複雑な模様をしております。終齢幼虫は最大47mmまで成長しました。6月15日に下痢便を出し、翌16日に前蛹。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月16日

 体長28mm。前回飼育したキアゲハ同様、見栄えのする枯枝に吐糸してくれてホッとしました。6月17日に蛹化。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月19日

 体長35.5mm。褐色型でした。非常に特徴のある蛹です。全体にスリムで、成虫の翅形・尾状突起同様、細長さが際立っています。それとPapilio属の蛹はいずれも「くの字」型を呈しておりますが、オナガの蛹は将に「くの字」。クロアゲハの蛹と形態比較も行ってみました。
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クロアゲハは2013年8月撮影分画像

 頭部を正面から見ると、「兎の耳」状の突起があります(各画像右下の囲み)が、この突起もクロアゲハに比較して左右に開裂せず、真っ直ぐ上方に延びている特徴があります。蛹化してから12日目の朝、全体に黒化し、腹節も緩んで羽化間近の兆候を示しました。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日

 この画像を撮影したほぼ2時間後に無事♂が羽化しました。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=320、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月29日

 前翅長59mm。翅を左右に僅かに開きながら乾かす途中、オナガ♂のシンボル、後翅の横白班がチラリと顔を覗かせます。これ、堪らなく綺麗ですね。昨年晩夏に一度飼育を失敗していただけに、無事羽化迄辿りつけてホッといたしました。
by fanseab | 2017-07-05 22:03 | | Comments(4)

キアゲハの飼育メモ

 5月4日付記事(外部リンクで、キアゲハ第1化の産卵シーンをご紹介しました。この時、ハナウドに産まれた2卵を持ち帰り、フルステージ飼育を行いました。なお、食草としてハナウドを全ステージで使用。2卵共、5月6日に孵化。初齢幼虫の姿です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(上段2コマ/下段自動深度合成:トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月8日
 体長5.5mm。この段階では他のPapilio属初齢幼虫とさほど変わらない様相です。初齢時の食痕もアップしておきましょう。
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EM12-Z60(2コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月8日

 ハナウド葉上に残された小さな褐色斑点は、初齢幼虫が「舐め食い」した跡。成長するに連れ、葉全体を食い切っていきます。2齢以降は、葉の縁から普通に食い始めます。5月9日に眠、翌10日に2齢へ。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月12日

 体長10mm。第3-4腹節背面の白色班が目立つと共に、各体節の橙色班が目立ってきます。この「橙色」斑は、キアゲハ幼虫の一大特徴でしょう。13日に3齢。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月15日

 体長12.5mm。橙色斑がより目立ってきました。16日に眠、翌17日に4齢に。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月19日

 体長23mm。各体節が淡緑色を帯び、淡緑・橙・黒のトリコロールカラーに変身です。3齢に比較して体節の棘皮が目立たなく、「イモムシ」スタイルになりました。21日に5齢。
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EM12-Z60(上段3コマ/下段5コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3(上段)/8(下段)-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月25日

 体長43mm。フィールドでも見慣れたキアゲハ幼虫の姿です。しかし、何回見てもユニークなデザインの芋虫ですね。5月26日に前蛹になりました。
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EM12-Z60(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月27日

 体長31mm。飼育プラケース内に枯枝を入れておいたら、上手い具合に枯枝に吐糸してくれて、有難い限り。プラケース壁面への蛹化は撮影していても、味気ないものですから・・・。前蛹を撮影した27日に無事蛹化。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月31日

 鮮やかな緑色型を期待していたのですが、地味な黒褐色型になりました。体長34.5mm。フィールドでも、老熟幼虫が枯枝に吐糸し、黒褐色型で蛹化した場合は、素晴らしい擬態になることでしょう。なお、↑の画像では作画の関係で、左右画像の拡大倍率は変えております。なお、この個体より一足早く、別個体が5月25日に蛹化しました。こちらは同じ枯枝に吐糸したにも拘らず鮮やかな緑色型蛹になりました。両者を比較しておきましょう。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月31日(右画像は5月27日)

 両者の印象は大変異なります。緑色型は羽化の時期が接近すると、翅部分の黒化で羽化間近であることを知らせてくれますが、褐色型だと、翅部分が元々黒いため、腹節の緩み等に気を付けてないと、羽化時期予測を誤りそうです。褐色型蛹は、6月8日に無事羽化。♂でした。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月8日
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影月日:6月8日

 ピカピカ個体なので、後翅裏面のブルー鱗粉が載っている部分を拡大撮影してみました。
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EM12-Z60(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F6.3-1/50、外部ストロボ、撮影月日:6月8日

 ベージュ~橙色、黒~ブルーへ変わるグラデーションは本当に綺麗です。ブルー鱗粉には鮮やかなスカイブルー、落ち着いた暗色系ブルーなど、個々の鱗粉の多様性に改めて驚かされます。
 なお、緑色型蛹も無事6月5日に羽化。こちらも♂でした。
by fanseab | 2017-06-25 21:09 | | Comments(2)

ヒメジャノメの飼育メモ(越冬幼虫)

 昨年秋~今年春先にかけて、「想定外の」ヒメジャノメ飼育を実施しました。何故『想定外』だったかは後述します。昨年の9月末、栃木県のオオヒカゲポイントで、カサスゲ葉上に付いていたジャノメチョウ亜科の幼虫を2頭発見。オオヒカゲは産卵時期でしたので、幼虫はオオヒカゲではなく、ヒメジャノメでした。スゲ類に付いていたヒメジャノメ幼虫は初体験。拙宅に持ち帰り、越冬飼育をトライすることに。ヒメジャノメについては、以前、2014年12月の記事(外部リンク)でフルステージ飼育をご紹介したことがあります。
 眠に入った幼虫2頭の全景です。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-85VR(トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日:2016年10月1日

 上の個体(識別コード:#A)は恐らく3齢で体長13.5mm。一方、下(同#B)は2齢で体長9mm。個体A.B共に10月2日に脱皮し、Aは褐色型4齢(Bは緑色型3齢)になりました。
個体Aの全景です。
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D71K-85VR(2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日:2016年10月4日

 体長は15mm。ヒメジャノメの褐色型幼虫を見るのはこれが初めて。第3・4腹節境界亜背面の黒班(矢印)が顕著に目立ち、濃褐色の背線も顕著で、緑色型幼虫とはかなり雰囲気が異なります。なお、飼育にあたり、スゲ類を拙宅近辺から入手するのが困難だったので、イネ科各植物を与えてみました。結構好き嫌い無く食ってくれたので、助かりました。具体的には個体Aに対し、チカラシバに似たイネ科(同定できず)を、個体Bには、当初アザマネザサ、その後はチヂミザサを与えてみました。
 個体Bは10月14日に褐色型4齢へ。チヂミザサ葉上に静止する個体Bです。体長は18mm。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日:2016年10月31日

 葉先に頭を向け、葉柄に近い部分を斜めに切り落とす食痕も見えます。一方、個体Aは10月24日に5齢へ。
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D71K-85VR(上段4コマ/下段2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日:2016年10月31日

 体長は20mm。4齢と比較して体色は殆ど変りませんが、亜背面の黒班は目立たなくなりました。個体Bは12日遅れの11月5日に5齢へ。個体AB共に5齢で越冬態勢に入りました。図鑑には『越冬の齢数は主として4齢(※)』と書かれています。ただ越冬齢数は越冬環境等で多少の変動はあるのでしょう。越冬管理方法としては、冷蔵庫保管が最も簡便だと思いますけど、今回は10月下旬から飼育プラケースを夜間のみ屋外放置、日中は屋内の冷暗箇所に置く・・・、やや手間のかかる方法を採用してみました。日毎にプラケース内の糞数をカウントしてみると、個体AB共に12月10日前後から糞数がほぼゼロとなり、越冬態勢に入りました。越冬時の幼虫画像は撮影を失念しましたが、全体に体色が淡くなり、メタボ体型に変化し、体をS字状に曲げて静止しております。

 年が明けて3月16日、個体Aのプラケースを開けてみると、何と糞が3個。いつ食ったのか不明なものの、どうやら枯草を食べた様子。多少気温が上がった場合に一時的に休眠から覚めるようです。個体Aは3月29日に死亡。それまで飼育に用いたチカラシバ類似のイネ科新芽が出るのが遅く、早めに休眠から覚醒した個体が餓死してしまったのでした。一方、個体Bは4月3日に活動再開。チヂミザサの新芽が開いていないので、チカラシバ類似のイネ科を食わせました。4月5日~11日にかけては所用で観察できませんでしたが、この間の糞数は91個。一日当たり平均13個に相当。4月12日よりホストを再びチヂミザサに変更。4月15日に終齢(6齢)に到達。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月17日

 体長は27mm。体色が褐色から淡い緑色に変化しました。5齢時に見られた亜背線の黒班も完全に消えています。数日経過すると、体色は鮮やかな緑色に変わりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月21日

 体長は32mm。なお、上段の画像撮影時に頭部が動いてしまい、当該部の深度合成が破綻して見苦しくなっている点はご勘弁下さい。6齢時は写真のように、チヂミザサの茎分岐部に常時静止し、ここを基点に葉を食べに行きます。
 ここで、4~6齢の頭部の比較をしてみました。
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 静止中の幼虫は頭部を深く前傾しているため、頭部を真正面から写すのは結構難しく、脱皮した頭殻を撮影した方が容易です。ここでは6齢のみ頭部を撮影したものの、やはり真正面画像にはなっていません。先に紹介した図鑑(※)には、『越冬幼虫の頭部の突起は非越冬幼虫のものよりも太く短い』との記述があります。4齢と5齢の頭殻を比較してみると、確かに「猫の耳」が太短くなっています。そして6齢時に再び耳がちょっと伸びているようにも見えます。
 
 4月30日に前蛹。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年5月1日

 体長19mm。前蛹を撮影した5月1日に蛹化。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年5月3日

 体長は16mm。緑色型です。5月12日には翅部分が黒化してきました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年5月12日

 翌5月13日の朝、無事♂が羽化しました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年5月13日

 前翅長25mm。羽化直の眼状紋は何遍見ても、綺麗ですね! 羽化直だと、♂のシンボル、後翅裏面中室上側の太い翅脈もハッキリとしています。
 今回、実は恥ずかしながら蝶が羽化するまで、飼育幼虫を「クロヒカゲ」だと思い込んでいました。終齢幼虫の細長い体型や、蛹の体型を見た瞬間にLetheではなく、Mycalesisだと気づかねばなりませんが、思い込みで勘違いを起こしました。当初採幼したポイントが暗い環境で、クロヒカゲにピッタリと思えたこと、それとクロヒカゲの飼育が未経験であったため、飼育した~い願望が募ったことも相まって、思わぬ思い込みをしたのでした。それでもこれまで未経験の越冬世代ヒメジャノメの飼育が経験でき、色々と勉強できたことは幸いでした。
※福田晴夫ほか(1984) 原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ).保育社,大阪, 141pp.
by fanseab | 2017-06-18 20:53 | | Comments(4)

コチャバネセセリ:越冬幼虫飼育顛末記

 昨年10月30日付けの記事(外部リンクで、本種終齢幼虫の越冬飼育にトライ中であることを述べました。その後どうなったのか?ちょっと触れてみたいと思います。

 当該記事でもご紹介した越冬容器です。 
                                  
+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@4.5mm(トリミング),ISO=200、F2-1/1250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2016年9月9日

 過度の乾燥を防止するため、概ね1週間に1回、如雨露で水遣り管理をしました。年が明けて今年の3月30日に巣を恐る恐る開封。1頭(個体識別#2)は正常、もう1頭(同#1)はミイラ化して死亡しておりました。
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TG4@5.5mm(トリミング),ISO=100、F2.3-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2017年3月30日

 生き残った#2の巣を4月14日に再開封。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月14日

 向かって右側の開封箇所(3月30日開封)はきちんと再度吐糸して封じ切りされておりました。幼虫の様子を覗うため、今度は向かって左側を開封。
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EM12-Z60(10コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月14日

 幼虫の頭部・ベージュ色の胴体部分が見えています。どうやら無事の様子。5月に入ると蛹化する可能性があるので、4月24日に再チェック。予想通り、蛹化しておりました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング),ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影年月日:2017年4月24日

  体長は16mm。飴色の独特な色をしております。5月7日には複眼が黒くなり、羽化が近づいた様子。
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TG4@18mm(トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2017年5月7日

 経験上、遅くとも10日には羽化する筈。しかし、10日を過ぎても羽化の兆候が無いので、再度チェックしてみると・・・・。
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TG4@18mm(トリミング),ISO=100、F3.6-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日:2017年5月11日

 あらら、蛹殻だけが残されて蝶の姿はありません。どうやら蛹は寄生されていたようで、寄生種は網掛けした隙間から逃げてしまったのだと悟りました。網掛けの網目は5mmほどで、コチャバネは勿論脱出不可能ですが、寄生バエや寄生蜂などの膜翅目にとってはザルみたいなものだったのでしょう。
 一週間に一度の水鑓り等、結構手間暇かけて越冬幼虫を管理していたつもりが、実は寄生種の管理をしていたことになります。コチャバネの飼育が失敗したのみならず、憎たらしい寄生種の姿を確認できなかった二重の悔しさが残った飼育になりました。まぁ、野外で採幼した場合は避けられないリスクなのですけどねぇ~・・・。チャンスがあれば、夏場に採卵して、フルステージ飼育をしてみたいものです。
by fanseab | 2017-06-11 21:16 | | Comments(6)

ルリシジミの飼育メモ

 イタドリに産卵するルリシジミ(外部リンク)」の画像を撮影した日、採卵を実施し、フルステージ飼育をしましたので、その時の記録をまとめます。餌は野外同様、イタドリの花穂を与えました。6月20日に孵化(卵期5日)。孵化間もない初齢幼虫です。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-1855改@55mm(上段のみ2コマ深度合成、トリミング),ISO=100、F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月20日

 体長は1.1mm。体毛が長く、まるでヤマアラシのようです。以下初齢含め幼生期画像は全て「頭部を左」に配置して作図しております。孵化2日後、眠に入りました。眠状態の初齢幼虫です。
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D71K-1855改@55mm(上段4コマ/下段3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月22日

 体長1.7mm。少し体色が緑色を呈してきています。体長も小さいし、体色もイタドリの花穂そっくりで、どこに幼虫が居るのか?戸惑う場面もしばしばです。23日に2齢へ。
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D71K-1855改@35mm(上段3コマ/下段2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月24日

 体長は2.3mm。体毛の分布が密になりました。この時期、幼虫の体長・体色が丁度イタドリの花穂と類似し、巧妙な擬態を呈しています。恐らく、野外で初齢・2齢幼虫を探索するのは相当苦労するでしょうね。6月25日に3齢到達。
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D71K-1855改@35mm(上段5コマ/下段3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月27日

 体長は4.9mm。体は淡緑色を帯び、体毛の長さは2齢に比較して相対的に短くなっております。28日に眠、翌29日に4齢(終齢)に到達。
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D71K-1855改@26mm(4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月4日

 体長10mm。2-3齢まで、ほぼ無地で顕著な特徴の無い体色が、体節毎に微妙に色彩が変化する姿に変わりました。また幼虫を真上から見込んだ時、多くのシジミチョウ終齢幼虫がそうであるように、体節に「ハの字」型模様が出現しております。第一腹節にある「ハの字」模様(矢印)は格段に濃色で、よく目立ちます。イタドリの花穂に巻き付いて静止している終齢幼虫の全体像もアップしましょう。
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D71K-1855改@34mm(5コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月29日

 図体がデカくなり、体色もやや緑色を帯びてきたので、イタドリの花穂とは識別可能ですが、遠目から眺めると、未だに擬態の巧妙さが際立ちます。クズの花を食う場合は体色がちゃんと紫色に変化しますし、まるでカメレオンのような幼虫です。
 7月6日、無事前蛹になりました。
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D71K-1855改@35mm(5コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月6日

 体長7.3mm。他のシジミチョウ終齢幼虫は通常老熟すると、ピンク色を帯びるものですが、ルリシジミは前蛹になっても殆ど体色が変化しません。翌7日に蛹化。
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D71K-1855改@35mm(上段5コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月8日

 体長は6.7mm。褐色を帯びた全体像は他のシジミチョウ蛹と同様の外観です。面白いのは終齢幼虫時代に目立った第1腹節背面の「ハの字」模様が蛹になっても残っている点。蛹化から8日経過した7月9日、翅が黒化、腹節が緩み、羽化間近のサインです。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:7月15日

 湿気の多い環境で蛹を保管したため、蛹はカビまみれ(^^;  ↑の画像撮影直後にどうやら羽化した模様。いつものように羽化瞬間を捉えることができずガッカリです。仕方なく、味気ない背景で成虫を撮影。♀でした。
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D71K-85VR,ISO=100、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:7月15日

 前翅長12mm程度のやや小さい個体。今回のフルステージ飼育とは別にフィールドで3齢幼虫2個体を採幼し、これも飼育、1♂1♀が羽化しました。フルステージ飼育した個体(下図上段)含め、蛹の斑紋比較をしてみました。
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D71K-1855改@35mm(上段5コマ/中・下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月8日(中・下段は6月27日)

 前述した背面にある「ハの字」模様(矢印)は安定的に出現する斑紋のようです。また♂と♀で腹端の窄まり方が異なるように見えます。♂の方がより尖っているように思えますが、一般的にシジミチョウ蛹で同様な傾向を示すのか? 管理人は知見不足です。
by fanseab | 2016-08-02 21:11 | | Comments(2)