探蝶逍遥記

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ツマグロヒョウモンの産卵など(10月上旬)

 夏眠明けヒョウモン♀の産卵シーン狙いで横浜市内の里山公園に出かけてみました。目論見のミドリ・メスグロは全く姿を見せず、ガッカリです。林道には第3化最終盤のクロヒカゲ♂が佇んでおりました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時10分

 クロヒカゲも産卵シーンは未撮影なので、♀を探しますが発見できませんでした。テングチョウは既に休眠から覚めて日光浴をしておりました。
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D71K-34VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、撮影時刻:12時37分

 この絵では明確に表現できておりませんが、右前翅に微かな青紫色の幻光が確認できます。丁度ムラサキツバメ♂表翅と同じような鈍い輝きです。本当に僅かな撮影アングルの変化で幻光は消えてしまいます。一度キッチリ狙いたい対象かもしれません。
 ヒョウモン類産卵シーンを諦め、カメラもリュックに収納・帰り支度をしている時、急にヒョウモン♀が出現しました。どうもミドリ♀より大きい感じ。裏面を見ると何とオオウラギンスジの♀です!カメラを取り出す余裕がないまま観察を続けると、畦地の枯草に産み付けました(矢印近傍)。
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TG4@4.5mm、ISO=100、F8-1/160、-1.0EV、撮影時刻:13時42分

 産卵時間は13時20分過ぎ。産卵位置を確認した後、母蝶を追跡しましたが、姿を消しました。仕方なく先ほどの産卵箇所を捜索しますが、結局卵を発見できず、本当にガッカリいたしました。ミドリ・メスグロはある程度狙っての産卵シーン撮影は可能ですが、このポイントではオオウラギンスジは珍品で、千載一隅の撮影チャンスを逃し、しばし歯ぎしりをしておりました。畔道ではツマグロ♀が結構頻繁に産卵しておりましたので、「帰りの駄賃?」として撮影。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時30分

 次に産卵状況です。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時31分

 枯草ではなく、スミレの葉裏(矢印)に産み付けておりました。この画像は撮影のため、葉を少し裏返しております。卵の拡大像は既に撮影済み(外部リンク)ですが、今回再トライしました。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段8コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=200、F14-1/250、外部ストロボ

 最大直径0.8mm、高さ0.8mm。結果は前回撮影画像の方がベターですね。機材の違いもさることながら、照明条件で卵表面起伏性状の描写が大きく左右されます。フラットになり過ぎても駄目だし、陰影を強調し過ぎても、表面ディテールが消えてしまうので、いつも補助照明方法に悩みます。同じ撮影機材(外部ストロボも共通)で撮影アングルのみ変えて撮った2枚を比較しておきましょう。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段5コマ深度合成)、ISO=200、F14-1/250、外部ストロボ

 (1)はストロボ1灯を左側より、(2)では上方より照射しております。(1)では卵の右半分が陰になりディテールが潰れていますが、左側全体の表面構造描写は陰影が付いて上手く表現できています。一方、(2)では光がほぼ卵全体に回っている反面、卵底面近傍のディテール表現が不十分です。では、どう光を回せば良いのか?毎回試行錯誤の連続です。シロチョウ、シジミチョウ、タテハチョウ各々で最適照明条件が異なるのが難しい点でもあり、またトライし甲斐のあるテーマでもあります。
by fanseab | 2015-10-11 16:14 | | Comments(4)

型破りなアカボシゴマダラ産卵行動(9月中旬)

 コミスジ産卵シーンを撮影した当日、アカボシゴマダラの産卵シーンも複数回目撃しました。この公園は野鳥も多く、鳥の「落し物」から発芽したエノキの実生も多数あり、樹高30cmにも満たない株にもアカボシゴマダラ♀は産んでいきます。そんな実生にやって来た♀個体は、葉上に1卵産み付けた後、ソロソロと下に降りていき、やがて地面に到達すると、何を思ったのかエノキから遠ざかり、枯葉の積もった地面に腹端を突き刺し、何と産卵いたしました!

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時41分

 「トノサマバッタじゃあるまいし、お前本当に蝶の♀なんかいな?」と心の中で呟きながらどこに産んだのか、母蝶が去った後、探索すると、マテバシイ堅果(ドングリ)の果皮に産んでおりました。
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D71K-85VR、ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時43分

 今月16日付けの記事(外部リンク)で、エノキの根際に産む事例をご紹介しましたが、エノキからことさら離れた落葉中に産み付ける事例を観察したのはこれが初めてです。

 ドングリの皮で孵化した初齢幼虫がエノキに辿りつくためには多大な苦労をすることでしょう。単に気まぐれなお母さんなのか、それとも『獅子の子落とし』なることわざの通り、意図的に我が子に試練を与えているのか・・・。誤産卵行動と言えばそれまでですが、この日はちょっとビックリいたしました。
by fanseab | 2015-10-02 23:03 | | Comments(6)

コミスジの産卵:その3(9月中旬)

 ムラサキツバメの産卵シーンを撮影した当日、公園内にはコミスジも多数飛翔しておりました。正午前の時間帯はコミスジの産卵行動も顕著になるので、ムラツと両睨みで探索していると、予測通り、多くの♀産卵シーンを目撃することができました。最初はクズへの産卵シーン。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時00分

 少し見難いですが、腹端の先端に青緑色の卵も確認できます。念のため、分かりやすいように、母蝶が飛び立った後の産卵状況もアップしておきます。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分

 クズの場合、葉先が針のように細くなり、そこに♀が産卵するので、腹端と卵の同時写し込み作業としては、クズが一番楽だと言えましょう。この公園内にはクズ以外に、ニセアカシアの株も随所にあり、そこでの産卵も確認できました。
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D71K-85VR(右下囲みはトリミング画像)、ISO=400、F11-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時23分

 この絵も背景が明るく露出が難しい状況で、腹端付近が良く見えませんので、右下囲みに拡大画像を載せておきました。矢印先に産み付けられたばかりの卵が確認できます。これで前回ニセアカシア産卵シーン撮影時に課題としていた「腹端と卵の同時写し込み」に関して何とかリベンジができました。面白いのはニセアカシアに産んでいた♀個体の挙動です。葉上に止まった後、後ずさりする直前、翅をブルブルと小刻みに震動させるのです。その瞬間の画像がこれ。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時20分

 やや低速シャッターを切っているため、翅(特に前翅)がブレているのがお分かり頂けると思います。あたかも産卵前に母蝶が「陣痛」を感じているかのようで、ある種の感動を覚えました。
by fanseab | 2015-09-29 22:18 | | Comments(4)

ムラサキツバメの産卵(9月中旬)

 比較的身近に観察できるシジミ類産卵シーンの中で是非とも仕留めたい対象としてムラサキツバメがあります。今回はいつも晩秋に越冬集団観察を実施している東京都内の公園を訪れました。真っ先に向かったのは越冬集団が形成されるマテバシイご神木近辺。しかし、マテバシイのヒコバエ(実生)に卵の姿はなく、幼虫の巣ばかり目立ちます。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-P8、ISO=400、F14-1/30、外部ストロボ、撮影時刻:10時00分

 葉裏の巣を捲ってみると、大きな終齢幼虫がアブラムシ幼体と共棲しておりました。
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D71K-85VR、ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時06分

 本種幼虫がアブラムシ類と共生関係にあるのか?興味深い疑問点です。次に卵を見つけるべく、広い公園のあちこちを探索。ようやくマテバシイ実生上で複数のシジミ卵を発見。恐らくはムラサキツバメのものと思われますが、現行犯逮捕(産卵現場の確認行為)をしなければムラツとの保証はありません。更にウロチョロしていると、ようやくマテバシイ実生に絡みつくような飛翔をしているムラツ♀の姿を発見。これがその実生。
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D71K-85VR、ISO=100、F10-1/320、-1.0EV、撮影時刻:11時22分

 高さは1.5m程度。南向きで陽当たりの良い場所です。そのうち♀は枝に乗り移りました。さては産卵か・・・と身構えると、どうやらアブラムシの分泌液を吸汁しているようです。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時56分

 既に産み付けられた3卵(矢印)が確認できます。その後、母蝶は飛び立ち、新芽付近などに着地→飛翔→着地を繰り返しながら、ようやく1卵若葉の葉裏に産み付けました。
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D71K-85VR、ISO=320、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時02分

 その後、複数回の撮影チャンスがありました。
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D71K-85VR、ISO=320、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時04分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時09分

 2枚目の産卵シーンはアブラムシの群生している茎上に産み付けております。孵化した初齢幼虫がアブラムシの分泌液をひょっとしたら栄養源にしているかもしれない・・・と思わせる光景です。3枚目は薄暗い根元に近い太い茎に産んだ事例で、腹端付近に青緑色の卵が確認できます。ムラツ卵も他のシジミ類同様、産みたては鮮やかな翡翠色をしており、時間の経過と共に白色へ変化していきます。

 産卵行動はほぼ連続して数卵産み付けた後、マテバシイ葉上に開翅日光浴、もしくは吸汁行為で英気を養い、再び産卵行動に移ります。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、撮影時刻:11時02分
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D71K-85VR、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時12分

 ↑の2枚目はマテバシイの葉上に滴下したアブラムシの分泌液を吸汁しているものと思われます。また、上記産卵行動の途中、突然母蝶は姿を消してしまいます。そうして5分間ほど経過するとまた元の実生に戻り、産卵行動を再スタートさせます。姿をくらましている間は、他の実生に移動しているのか?樹冠高い位置で休息しているのかは定かでありません。昼過ぎまで観察してみましたが、11時過ぎが産卵行動のピークで、正午過ぎは吸汁・開翅休息行動が目立ち、産卵行動は確認できませんでした。午後にもう一度産卵時間帯のピークが訪れるのか?確認が必要ですね。

 さて、定番の卵拡大像撮影にももちろんトライしました。ところがこれが結構難物で一苦労しました。マテバシイ成葉の葉裏への産卵状況です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時22分

 2卵確認できますが、当初、2卵共にムラツ卵だと思い、拙宅に戻ってから後日拡大撮影をトライしました。ところが撮影途中、どうも表面構造が異なることに気づき、結果、↑の葉裏画像で#1はムラツで間違いないのですが、#2はムラサキシジミの卵であることが判明。2卵が別物であることに気が付いたものの時既に遅し、2卵共孵化しておりました(^^; そこで慌てて近所のマンションの植え込みを緊急探索し、マテバシイよりムラツと思しき卵を確保し、再撮影。事なきを得ました。先ずは問題のムラサキツバメ卵の拡大像です。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段5コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:22時22分

 直径0.70mm。高さ0.38mm。卵直径はルリシジミよりは大きいものの、アサマシジミよりは小さく、母蝶の図体を考えると、大変に小さい卵です。表面は細かい網目構造で囲まれ、その網目交点から針状突起が伸びております。ここで同じArhopala属のムラサキシジミ卵と微構造比較をしたのが次の画像(画像をクリックし拡大してご覧下さい)。
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ムラサキシジミ卵の撮影条件:GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段5コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:22時11分

 両者の形状・サイズ・微構造は酷似しております。実際肉眼、および10倍のルーペ上で、両者を判別同定することはほぼ不可能。いつも愛読している図鑑(※)にはムラツ、ムラシ両卵の特徴点として下記の記述があります。
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<ムラサキツバメ>
ムラサキシジミに比べて直径は小さいが高く、卵殻表面の針状突起は短い。
<ムラサキシジミ>
ムラサキツバメに似るが、本種のほうがやや大型、扁平であり、針状突起はより長い。
※福田晴夫他、原色日本蝶類生態図鑑(Ⅲ)、1983.保育社、大阪.
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 他方、管理人が撮影した結果からは下記のようにまとめられます。

①両種のサイズ、扁平度にそれほど極端な差異は認められない。
②針状突起の長さもほぼ同じ。但し、突起形状は両者で異なり、ムラツは東京スカイツリーのように基部から先端までの直径はほぼ同じ。一方、ムラシは東京タワー、もしくはエッフェル塔のように基部付近は太く、先端方向へ徐々に窄まるタイプ。
 また、両者で一番異なるのはサイズ・扁平度ではなく、
③表面の網目構造です。真上から卵を観察した際、ムラシに比較してムラツの網目は細かく、網目で囲まれた凹部壁面は楕円形など曲面で構成されています。一方、ムラシの当該凹部壁面は多角形状です。さらに側面から見ると、網目の大小差は一目瞭然で、ムラツは網目がより細かいのです。

 上述したように、当初マテバシイ葉裏から見出した2卵の見分けがつかなかったのにも得心がいきました。ムラツもムラシも多化性故、両者♀が同時期に産卵する可能性は十分にあり、「マテバシイ=ムラツが産卵」との固定観念があったがために生じた思い込み・失敗でもありました。何はともあれ、ムラツ産卵シーンと卵拡大像が無事ゲットできてホッといたしました。
by fanseab | 2015-09-25 23:07 | | Comments(6)

コミスジの産卵など(9月中旬)

 前回の撮影結果にあまり満足できなかったので、多摩川縁の同一ポイントで再チャレンジです。今回はできれば腹端と卵の同時写し込みが目的。関東・東北地方に大水害をもたらした大雨が過ぎてようやく強い陽射しが戻った中、コミスジはじめ多くの蝶が嬉しそうに飛び回っておりました。さて、このポイントでのホストとして植栽のニセアカシア(Robinia pseudo-acacia)を利用しているだろうと以前から推測しておりました。その理由として、コミスジ♂がニセアカシアの枝先で占有行動をする姿をしばしば目撃していたからです。念のためクズでの産卵も視野に入れてクズが繁茂している地点と両睨みで午前中探索。そして推測通り、ニセアカシアでの産卵行動を目撃・撮影いたしました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時53分

 ほぼ葉の中央に着地し、後ずさりしながら葉の先端に産み付けたようです。しかし、撮影後、確認すると、産卵はしておりませんでした。その後、高さ2-3mのニセアカシアの葉先に産む♀を目撃しましたが、アングル上、葉裏に位置して撮影できず。ようやく横から狙える位置に来たのでパチリ。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 残念ながら葉被りで腹端も卵も見えておりません(^^; ただ撮影後の確認で卵は確認できました。この♀個体が↑の絵を撮る直前に産んだ葉も含めて産卵状況をまとめてみました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時09分(上段)/12分(下段)

 矢印が卵で、いずれも葉先端に産まれています。下段は↑の産卵シーンで産んだ卵です。何とかニセアカシアをホストとして利用していることが確認できましたが、どうにも絵としては不満足。これはリベンジが必要ですね。
 さて、冒頭にも触れたように酷い降雨明けの晴天だったため、蝶相は豊富でした。先ずは地面で吸水するゴマダラチョウの♂。
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時10分

 イチモンジチョウ並みに小さな個体でした。とにかく在来種ゴマダラを見ると何故かホッとしますね。次は移入種アカボシゴマダラ♀の産卵。
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D71K-34VR、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 ここではエノキ実生の葉に産んだ後、根元の薄暗い場所に潜り込んで枯枝上(矢印先端)に産卵しております。アカボシは産卵場所に特別な拘りが無く産んでいく感じで、旺盛な繁殖力の一原因なのでしょう。そろそろ店じまいしようか・・・と歩いていると、枝先に褐色のタテハが飛来しました。久しぶりに出会ったコムラサキでした。
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D71K-34VR、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時54分

 5月の第1化以降、今年は多摩川縁でコムラサキの観察を怠っていたので、思わずパチリと撮影です。時々開いてくれるので、開翅も狙いました。
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D71K-34VR、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時52分

 至近距離で紫色の幻光を撮影するのも本当に久しぶりでした。
by fanseab | 2015-09-16 22:25 | | Comments(0)

コミスジの産卵(9月上旬)

 昨年来の課題であるキマダラセセリ産卵シーン撮影目的に多摩川縁を探索しました。前回ギンイチ産卵を観察したポイントへ行くと、道路沿いの草地は何と完璧な草刈りをされていて丸坊主状態(^^; ギンイチはおろか、目的のキマダラセセリの姿も見えずガッカリ。少し歩き回って別の環境を探索するもキマダラセセリを見出せません。その代り林縁をフワフワ舞っていたコミスジに着目すると、木蔭のヤブマメ群落に舞い降りました。湿地で吸水するのかと見ていると葉上に舞い降り、産卵挙動です! 慌ててカメラを向けました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

 腹端を曲げながら葉上で後ずさりする挙動はNeptis属に共通するものです。一旦母蝶は飛び上がって葉を離れた後、同じ葉上に再度着地して産卵です。
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D71K-34VR、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

 木陰で葉被りが酷く、おまけに通常使用している外部ストロボを拙宅に置き忘れてしまい、代用外部ストロボで誤魔化しましたが、産卵シーンとしてはB級ショットですね。これまで管理人が観察したコミスジ産卵は全て明るい環境でフジとクズのみでした。ヤブマメへの産卵事例は初めて。産卵シーンも以前から狙っておりましたが、意外と遭遇できず今回が初撮影になります。産卵状況です。
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TG4@5.5mm、ISO=250、F2.3-1/125、内蔵LED、撮影時刻:11時36分

 クズやフジだと葉の先端に産むことが多いのですけど、今回(矢印)はそうではありません。次いでそのままコンデジを使用し、深度合成撮影。
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TG4@18mm(トリミング+自動深度合成)、ISO=1000、F6.3-1/100、内蔵LED+外部LED、撮影時刻:13時27分

 未成熟の苺を想起させる外観。外部LEDの照射アングルが悪く、卵表面の凹凸感が上手く表現できていません。ここまでの撮影で猛烈な藪蚊の襲撃に遭い、顔面は腫れてボコボコ状態。マイクロフォーサーズでの超拡大撮影をする集中力が切れたので、一旦卵を拙宅に持ち帰り、後日撮影です。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段5コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=200、F14-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時25分

 ほぼ六角形のディンプル(凹み)の各頂点から棘皮が伸びた非常に複雑な形状です。棘皮を除いた最大直径は0.86mm。高さは0.97mm。ここで同属のホシミスジ卵と形状比較をしてみました。ホシミスジは昨年9月に東京都下で撮影した亜種setoensisのものです。
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 コミスジ卵は、ホシミスジに比較して一回り大きいことを除き、ディンプル形状等ほぼそっくりですね。一方、色合いはホシミスジがかなり白っぽく写っています。原因として光源の違いに起因するものと推察しておりますが、本来色調差があるのかもしれません。この辺の事情については、別途詳細確認することにします。
by fanseab | 2015-09-07 22:56 | | Comments(4)

ギンイチモンジセセリ第3化の産卵(8月下旬)

 前回綺麗なギンイチモンジセセリ♀を確認したので、産卵狙いで再度出撃。今回は拙宅から車で10分ほど離れた個体数の多い多摩川縁のポイントを探索してみました。しかしオギ群落の状況が一変し、タケニグサや外来植物が繁茂しており、ギンイチの姿がありません。仕方なく、駐車場に戻る途中、道路脇の草地を歩いていると、ヨタヨタとギンイチが飛び出しました。良く見るとススキ等、イネ科の草丈が揃い、密に生えているギンイチが好む環境でした。暫く探索すると全部で5頭ほど確認。一番綺麗な♀に狙いを付けますが、全く不活発な状態。暫く待機すると少し開翅してくれました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/500、撮影時刻:12時14分

 ラッキーな事に表翅は全くの無傷! 半開翅状態なので、表翅と裏面がバランス良く表現できるように工夫してみました。ブログ仲間のkenkenさん(外部リンク)が、しばしば「表翅と裏面を同時に表現するのがお好み・・・」と書かれております。そうなんです!ギンイチのように表翅(漆黒)・裏面(黄金色)の配色デザインが完璧に異なる蝶では、kenkenさんならずとも、両サイドを同時表現するべきですね。そのうち全開したので、こちらもパチリ。
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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/500、撮影時刻:12時17分

 曇り空が幸いして、表翅のシットリ感が上手く表現できたように思います。この後、思い立ったように飛び立ち、産卵をスタート。数回産卵を終えると、葉に静止して日光浴。5-10分ほど休憩して産卵を再開・・・。こんなリズムを繰り返しておりました。ホストになるイネ科の葉が密に生えている場所に好んで産むのと、産卵の瞬間に体をクルリと回転する傾向があるので、本種産卵シーンの撮影はいつも苦労します。最初に失敗例を2コマアップしましょう。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400(左)/200(右)、F11/(左)9(右)-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時21分(左)/13時11分(右)

 左は葉被りの事例。右はアングルが悪く、腹端と卵の同時表現がイマイチのショットです。全体で30回ほど産卵行動を目撃しておりますが、合格ショットは10回ほど。何とかOK判定した画像を3コマアップしておきましょう。
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D71K-34VR、ISO=400、F11-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時23分
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時53分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時11分

 3枚目の産卵シーン前後の腹端を拡大したのが次の画像。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時11分17.40秒(上)/13時11分18.30秒(下)

 産卵管が出てから0.9秒で産卵完了です。また母蝶が葉に止まってから産卵を終えるまでは約3-4秒。この間にフレーミングとフォーカシングを完了させねばならないので、難易度が高いですね。♀を追跡している途中、新鮮な♂も見つけたので、思わずパチリ。
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D71K-34VR、ISO=200、F5-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時42分

 羽化直なのでしょうか?♀がすぐ近くを飛翔しても全く反応しません。「発情?」するのは羽化後、結構時間がかかるのでしょうかね。この子もそのうち半開してくれました。
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D71K-34VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時44分

 無傷を期待したものの、残念ながら右前翅基部に傷があります。それと画面中央左を斜交する前ボケが汚く、ガッカリです。
 過去、管理人の撮影したギンイチ産卵シーンは全て第1化でして、第3化産卵シーンは今回が初めて。今まで第3化品は残暑と格闘しながら撮影するイメージがあり、積極的に撮る気がしませんでしたが、この所異常に冷涼な気候なので、撮影意欲が湧きました。しかも綺麗な♀個体に巡り会えて、ほぼ理想的な開翅シーンも撮ることができ、満足して帰宅いたしました。
by fanseab | 2015-08-30 22:18 | | Comments(6)

モンシロチョウの産卵など(6月下旬)

 モンシロの産卵はここ数年、毎シーズン撮影しております。ただ、シロチョウ科共通の習性として産卵時間が結構短く、そんなに簡単な対象ではありません。今回は拙宅近くの多摩川縁で、意図的に半逆光の状態で産卵シーンを捉えてみました。最初は縦位置トリミングした絵。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時36分

 産卵植物はこの時期の定番、マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)です。モンシロを含め、シロチョウの産卵シーンでは翅のディテールをきちんと表現するための露出補正がポイントとなります。ストロボ照射で逆光側を潰さず表現しつつ、かつ白飛びを抑えるのが苦労する点。露出面でもモンシロは易しい対象ではないのです。次は背景をスッキリとさせての一コマ。
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D71K-34VR、ISO=400、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時37分

 もう少し左側に回り込んで写したかったのですが、これが精一杯でした。最後はカメラ目線を結構落としての画像。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時41分

 カメラ目線を下げた分だけ背景が遠くなり、背景ボケを稼げる利点がありますね。モンシロは午前中の産卵をスタートさせると、結構長時間連続的に産んでいくので、シャッターチャンスは結構あります。卵の拡大像はこれまで何回も撮影済ですが、今回新規に導入したオリンパスのTG-4で再撮影してみました。
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TG4@18mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=1600、F4.9-1/80、内蔵LED、撮影時刻:8時47分(産卵撮影日とは別に撮影)

 手軽に撮れる卵の超拡大像としては合格レベルの画像です。これまで管理人は同じタフシリーズのTG-2を使用してきました。実はTG-2を購入した直後にTG-3が発売され、悔しい思いをしました。ブログ仲間がTG-3で素晴らしい成果を出しているのを横目に、「TG-4が出るまでは我慢するぞ~!」と痩せ我慢を重ね、ようやく購入した次第(^^;  以下、TG-2とTG-4の機能比較をひとくさり・・・。

 先ず、今回モンシロ卵の拡大像を同一条件で撮影・比較したのが次の画像。
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左:TG2@18mm/右TG4@18mm(共にトリミング)、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時56分(産卵撮影日とは別に撮影)

 最大の差異は高感度特性。TG-2ではこの拡大倍率では画像荒れが目立ちます。顕微鏡モードでは被写体ブレを防止するため、シャッター速度を1/100sec.を切る必要があり、どうしてもISO=800まで上げることを余儀なくされておりました。しかし、画像荒れにはいつも悩まされておりました。ただTG-4でもISO=1600まで上げると、流石に画像荒れが酷く、何とかISO=800に留めたいところ。更に、購入してみて下記の問題点が明らかになりました。
(1)深度合成時の撮影条件制約
 深度合成機能はTG-3から新規導入され、タフシリーズ最大の利点でもあります。今回、TG-4になって「RAWファイル撮影も可能」との謳い文句に大いに期待しておりました。ところが、深度合成時には下記制約があることが判明。
(a)RAWは使えない。しかも最大画素数は800万画素に制限される。
(b)ISO感度はオートモードに設定されてしまう。
これまでTG-2の顕微鏡モード使用時に、LED照明・ストロボ照射でホワイトバランス(WB)が結構崩れることを経験しており、RAWで撮影して現像時にWB微調整しようと目論んでいただけにガッカリでした。もちろんISO設定が制限されるのも問題。更には、

(2)「深度合成」処理はEXIF情報に記載されない
 先ず、深度合成撮影時に僅かな手振れを起こすと、「合成に失敗・・」旨のメッセージが多発して悩まされました。さらに画像のEXIFファイルに「深度合成」を示す記録がされないので、画像一覧時に深度合成したコマを探すのにムチャクチャ苦労します。他のjpeg画像と峻別できないのは辛い(^^;

 そんなこんなで、卵の超拡大撮影時には結局、フォーカスブラケット(BKT)モードを使用し、パソコン上でオフライン深度合成をする方がベターな使い方だと納得しました。なお、BKTモードでもRAWは使用できませんが、少なくともISO感度のマニュアル設定が可能です。

 なお、モンシロ撮影の当日、イネ科のオギを探索すると、ミヤマチャバネセセリ第2化の卵を3卵確認できました。第2化品はそれほど個体数が多くないのですが、既に♀が発生している証拠のため、卵の画像をアップしておきましょう。
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D71K-34VR、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時21分

 腰高な位置に産卵され、必ず葉の縁に産み付けられる特徴、なおかつ卵直径もデカいので、遠目からでもすぐに発見ができるのです。ミヤチャがいるならギンイチ第2化もいるだろうと成虫探索をしましたが、こちらは未発見でした。そもそもこのポイントではギンイチ個体数は少ないので、ちょっと無謀な試みではありました。
by fanseab | 2015-07-03 22:18 | | Comments(4)

ムラサキシジミの産卵他(6月中旬)

 ミズイロオナガの産卵シーンを撮影した日はコナラやクヌギ幼木の周辺を飛び回るムラサキシジミの個体数も大変多く、産卵シーンも数多く目撃いたしました。これまであまり真面目に本種の産卵シーンを撮影していなかったので、少し拘ってみましたが、大した絵は得られません。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時20分

 コナラの新芽に産み付けた場面です。種類によらず、少し真面目に写してやろうと目論むと、案外上手く撮れないものですね。咄嗟に、あるいはついでに撮影した画像の方が良い絵が撮れたりするのが悩み所。
 お次は産み付けられた卵の拡大像。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時26分

 微小突起を結ぶ各稜がほぼ直交するのがこの卵の特徴。ルーペで見ればムラサキの卵であることは一目瞭然ですが、肉眼レベルでは他のゼフ卵と誤認することが多いものです。キリシマミドリの産卵状況確認のため、アカガシをチェックする際、あるいはハヤシミドリの同様な調査で、カシワをチェックする際、ムラサキだと判明してガッカリさせられることが多いものです。一方、高原のカシワを確認しながら、「こんな寒冷地にもムラサキがいるのだ」、と変に感心したりもします。

 さて、この日はヒカゲチョウ♀の産卵時期がピークを迎えていたようで、雑木林の下草付近を徘徊し、ネザサに産み付けていく母蝶の姿が沢山観察されました。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:15時20分

 ヒカゲチョウの産卵場面は観察頻度が多く、撮影のチャンスも多いのですけど、低い位置に産むので、腹端を表現するのが大変困難な対象です。腹端を観察できるアングルまでカメラ目線を下げると、大概葉被り画像になってしまうのです。この場面もギリギリカメラ位置を下げての作例。今年は何とかLethe属の仲間、クロヒカゲの産卵シーン撮影にもトライしたいものです。
by fanseab | 2015-06-23 23:05 | | Comments(0)

ミズイロオナガシジミの産卵(6月中旬)

 前回記事通り、ウラナミアカの産卵シーンは叶いませんでしたが、この日、思わぬ出会いがありました。クヌギ・コナラの疎林で待機中、コナラの幼木上を旋回する白っぽいシジミが登場。すぐにミズイロオナガ、それも明らかに産卵行動中の♀であると確信いたしました。もちろん、ミズイロオナガの産卵シーン撮影も昨シーズン以来の課題。胸が急に高まります。幼木上をクルクル旋回した後は、先ず葉上に舞い降りて、暫く静止しております。クヌギ葉上で休む母蝶です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時37分

 数10秒ないしは1~2分間葉上に静止した後、枝先に移動し始めます。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時39分

 この後、枝伝いに歩き、好みの場所を探索して行きます。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時40分

 大きなお腹が見えていますね。好みの場所を探し当てると、ようやく産卵です。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時40分

 ただ、産卵ポーズを一旦取っても、直ぐに中止して更に場所移動する行動は他のシジミチョウ♀の産卵パターンと一緒です。ミズイロオナガ越冬卵探索経験のある方なら理解できると思いますが、枝落ちした窪みの脇とか、彼女達が好みそうな産卵部位はそれほど沢山ある訳ではありません。暫く枝を歩き回って望みの部位が無いとわかると、再度飛び立ち、別の株を物色して、結構なスピードで幼木周辺を巡回飛行します。もう少し緩やかな飛行を予想しておりましたので、これにはビックリです。次はコナラの細枝表面凹部に産み付けようとするシーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時52分

 最初に母蝶を確認してから凡そ15分程産卵行動を行い、残念ながらその後、母蝶の姿を見失ってしまいました。母蝶が消え去った後で、カメラのモニター頼りに産まれた筈の卵を探索しますが、サッパリ発見できません。産卵シーン撮影ではよく経験することですけど、産卵シーン撮影に重点を置くと卵の位置確認が疎かになるパターンです。ミズイロオナガの越冬卵は撮影済ですが、「産みたて」の綺麗な卵を撮りたいのが人情。母蝶が訪問した6株を順番に検査し、最後に母蝶を確認したクヌギの幼木で、ようやく卵を発見。
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TG2@6.9mm、ISO=400、F8-1/40、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時21分

 ただ、拡大像からも明らかなように、淡褐色に汚れた状態。ひょっとすると昨年産卵された未受精卵の可能性も否定できません。そこで更に調べてみると、何と同じ枝先から2卵を発見。こちらは色が真っ白で、産卵後、間もないことがわかりました。
f0090680_16132196.jpg
TG2@5.5mm、ISO=400、F8-1/40、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時21分

 先ほど管理人が観察した母蝶が産んだか否かは定かではありませんが、とにかく新鮮な卵を発見できてホッといたしました。例によって、2卵の一つを超拡大撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段6コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影時刻:20時57分

 ユニークな金平糖形状はいつ見ても面白いですね。長径0.96mm、短径0.80mm。高さ0.37mm。同じミズイロオナガでも褐色に汚れた卵に比べ、新鮮な卵は凄く大きく感じられるものです。
 ウラナミアカシジミの産卵シーン目的で延べ2日間、クヌギ・コナラの疎林に待機・探索してみました。本年5月末からの雑木林観察では、ウラナミアカやアカの個体数が多く、逆にミズイロオナガは全く観察できておりませんでした。それが何と、今年最初に出会ったミズイロオナガ個体が産卵行動中の♀だったのは大変ラッキーでした。やはりフィールドで諦めずに粘れば、何かしらの成果が出るものだと痛感いたしました。
by fanseab | 2015-06-19 22:55 | | Comments(6)