探蝶逍遥記

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スジグロシロチョウの産卵(7月中旬)

 カラスアゲハ第2化でも撮ろうと東京都下の里山公園に出向きました。結果は坊主。黒系アゲハはナガサキ♂のみでガッカリ。暑さの中、日陰の遊歩道でスジグロシロの♀が盛んに食草探しをしておりました。そのうち、イヌガラシに産卵。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時29分

 フォーカスポイントを間違えピンボケの酷い画像(^^; 恥ずかしながら証拠画像として貼っておきます。この後も母蝶は必死にホスト探しをしているので、こちらもイヌガラシ探しを手伝い(?)ますが、簡単ではありません。凡そ5X15mの範囲を少なくとも10分以上、母蝶は探し続けておりました。産卵状況です。
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TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時55分

 ↑の産卵シーンで産附された卵を黒矢印で示します(見難いですが)。別の葉に3卵(白矢印)確認できます。ホストの数が限定されるので、特定の株に集中産卵するのでしょう。

 卵はお持ち帰りし、超拡大撮影を実施。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段4コマ/下段5コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯

 スジグロ卵の正面像(卵を真上から覗くアングルで撮影)は初撮影。縦隆起は16本で、先端は鋭角に尖っています。卵の高さは1.2mm、最大直径は0.48mm。TG4でも撮影したので、マイクロフォーサーズ拡大システムで撮影した絵と比較もしてみました。
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左画像のみTG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 スジグロ卵の大きさだと、TG4でも専用拡大システム撮影画像と遜色ない絵が得られます。ついでに、別途TG4で撮影したモンシロチョウ卵拡大像と比較をしてみました。
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右画像のみTG4@18mm(5コマ手動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ(撮影は7月下旬)

 2種卵の形状特徴・微構造差がきちんと把握できます。因みにモンシロ卵の高さは0.96mm、最大直径は0.42mmで、スジグロより一回り小さいサイズ。モンシロ卵の撮影では自動深度合成(テントウムシ印に設定したカメラおまかせモード)に失敗するケースが多く、ここではブラケットモード(FocusBKTモード)で10コマ撮影し、任意の5コマでマニュアル深度合成しております。自動深度合成ではフォーカスステップ巾、撮影コマ数を任意選択できないのが、悩みの種で、次回TG4ファームウエア更新では、考慮して頂きたい点です。
by fanseab | 2016-07-26 21:36 | | Comments(2)

ツバメシジミの産卵(6月上旬)

 ルリシジミと同じ時期に多摩川縁で撮影した画像紹介です。路傍のアカツメクサにはキマダラセセリの他、ツバメシジミの個体数も大変多く、吸蜜の合間に行われる♀産卵シーンも比較的容易に撮影できました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR,ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時45分

 アカツメクサの未だ色づいていない花穂の頂部に産卵しております。次に産卵状況。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 かなり入り組んだ場所に産まれています。毛先のフンワリとしたベッドに包み込まれた幸せな卵かも・・・。でも、これでは卵の微構造は見難いので、別途分かりやすい場所に産附されている卵を撮影。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 直径は0.54mmで、ここまで小さいとTG4での微構造表現もちょっと苦しい感じ。そこで、以前APS-C一眼拡大専用システムで撮った絵と比較してみました。
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下段:D7K-85VR-24R(2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影:2012年10月

 ルリシジミではあまり感じませんでしたが、明らかな有意差が認められます。0.5mmクラスの卵拡大撮影にはTG4はちょっと、役不足なのかもしれません。
by fanseab | 2016-07-06 21:07 | | Comments(0)

イタドリに産卵するルリシジミ(6月初・中旬)

 多摩川縁のマイポイントで、ヒメジャノメ♀を追跡していた際、林縁でルリシジミ♀が緩やかに舞っておりました。どうやら産卵モード。産み付けた植物は、タデ科のイタドリ(Polygonum cuspidatum)。その淡いベージュ色の花穂に多数の卵を産んでおりました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時10分(6月初旬)
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時43分(6月中旬)
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時45分(6月中旬)

 1枚目に黄矢印で示した卵はどうやら、別の鱗翅類のものと推定されます。イタドリは既に1963年、ルリシジミの「新食草」として認定されています。文献(外部リンクを参照願います。

 上記文献によれば、「飼育時にイタドリの新芽と花穂を同時に幼虫に与えたところ、新芽は食わず、花穂のみ食した・・・」とあります。イタドリの葉・茎にはシュウ酸が多量に含有されており、昆虫の摂食には適さないのです。同属のヤナギタデ(P. hydropiper)には辛味成分のタデオナールが入っていたり、タデ科植物の多くは昆虫忌避成分を含有して、食害を防いでいるのです。『タデ食う虫も好き好き・・・』の諺にも謂れがあるのですが、ルリシジミ幼虫は有害成分含有の葉や茎をきちんと避け、花穂のみ食べる智慧者のようです。同幼虫はクララの花穂も食べる事例が知られていて、オオルリシジミ生息地ではホストの競合関係にあります。彼らは猛毒(キノリチジンアルカロイド)を含有するクララであっても、花穂の毒性は低いことを知っているのでしょうね。

 イタドリは河原の至る所に生えていますが、ルリシジミはやや暗い環境に生えている株を好むようです。産卵状況です。
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TG4@13.5mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.2-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影:6月初旬

 少し見難いですが、矢印部に合計4卵確認できます。完全に花弁が開くと幼虫は摂食しないので、母蝶はまだ淡緑色の蕾を付けた花穂を念入りに選択し、産卵するようです。例によって、卵の超拡大像撮影にチャレンジ。最初はTG4にて。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影:6月初旬

 ルリシジミ卵は1mmを切るサイズですが、TG4は素晴らしい絵を叩き出してくれました。比較の意味で、マイクロフォーサーズによる超拡大システムでも撮影。なお、撮影した卵は↑とは別の個体です。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段4コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影:6月中旬
 
 やはり専用システムでは、拡大率が高いこともあって、解像度には裕度があるようです。そこで以前、使用していたAPS-C一眼を用いた専用拡大システムも含めて、3方法の画質比較を行ってみました。
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上段のみD71K-85VR-24R(3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F29-1/320、-1.7EV、外部ストロボ、撮影:2013年7月

 卵直径が同一サイズになるよう、各画像の拡大率を変えております。使用機材のセンサーサイズも記載しておきました。各オリジナル画像の拡大率は(1)>(2)>(3)の順に低くなるので、TG4は流石に解像度の点では少し苦しいことは否めません。しかし、コンデジ一丁で、ここまで解像できるのは素晴らしいと思います。20-30年前までは、一眼レフに重たい拡大ベローズを装着し、三脚でガッチリ固定しながら、ケーブルレリーズで息を潜めてシャッターを押していた光景が思い出されます。今はフィールドでポケットからサッとTG4を出して、気楽に卵拡大撮影ができるようになりました。将に隔世の感がありますね。
by fanseab | 2016-06-28 20:57 | | Comments(0)

ヒメジャノメの交尾・産卵(5月下旬他)

 ヒメジャノメ第1化の個体数が増加してきた先月下旬、多摩川縁を探索してみました。予想通り沢山の個体が林床に集結しておりました。ふと、足元を見ると何と!いきなり交尾ペアに遭遇しました(上が♀)。

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D71K-34VR,ISO=200、F7.1-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時38分(5月下旬)

 恐らく管理人にとって初撮影。♂♀でのサイズ差がよく分かる画像になりました。この直前、ペアにちょっかいを出す♂がおりました。
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D71K-34VR,ISO=400、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時35分(5月下旬)

 この時のショックでペアは飛び立ち、一枚目の絵を撮影した経緯がありました。実は、2014年にヒメジャノメの交尾ポイントと2mも離れていない場所で、ヒカゲチョウの交尾(外部リンクも観察しております。ここは蛇目蝶♂達にとって、「大願成就」する聖地なのでしょう。
 6月に入ってから、♀産卵シーンにもチャレンジ。過去2回、9月下旬の第2化で撮影を試みており、第1化での撮影は今回初トライになります。参考までに過去記事は下記。

(1)2012年(外部リンク)
(2)2014年(外部リンク)


 産卵時間帯は正午以降と推測し、林床に待機して♀が「産気づく」タイミングを計ります。13時35分過ぎ、1頭の♀が動き始めました。地上高約30cmを保ち、小刻みに翅を振りながら、ゆったりとホストを探索していきます。最初のチャンスはアズマネザサ葉裏への産卵。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時39分(6月上旬)

 ヒメジャノメの産卵は通常地上高15cmほどのかなり低い位置になされますが、この時は地上高70cm。葉被りも無い絶好の状況でしたが、右側に回り込む時間が無く、腹端までの写し込みができませんでした。次に産卵状況。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時45分(6月上旬)

 TG4での拡大像も撮影。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時30分(6月上旬)

 表面網目模様の描出が上手くできておらず、リング状ディフューザーの欠点である、ドーナツ状偽構造が出たB級画像ですね。光沢のある卵撮影は上記欠点を隠すため、相当神経を使います。
 さて、最初の産卵シーンに満足できなかったので、後日リベンジマッチ。今回もアズマネザサ葉裏でしたが、葉被りを避けるため、上方から狙うしかありません(^^;
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時46分25秒(6月中旬)

 この21秒後に再度チャンスが。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時46分46秒(6月中旬)

 しかし、今回は産卵後、腹端を離した場面で、シャッターチャンスが遅れてしまいました。なかなか思い通りに撮らせてくれません。更にこの♀個体を追跡し、ようやく背景光、構図も理想通りの絵が撮れました。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時46分46秒(6月中旬)

 こちらはアズマネザサではない、イネ科の草本(種類不明)。しかし、母蝶が去った後、裏面を確認すると卵は無く、どうも産卵を回避した模様。なので、上の絵は「産卵シーン」ではなく、「産卵行動シーン」に格下げです(^^;

 今回観察した♀2個体は明らかに13時40分頃に「産気」付いておりました。ところが、林床を覗いてみると、この時間帯に全く動く気配の無い♀個体を数頭確認しております。どうやら産卵時間帯に相当の個体差があるように思えました。
 一方、ヒメジャノメ発生から少し遅れて発生するヒカゲチョウの場合は、午後3時過ぎ、複数の♀が一斉に産卵を始める行動を良く観察しております。まるで、「産卵祭りだ!それ行けワッショイ、ワッショイ・・・♪♪」とお祭り騒ぎのような時間帯があるのです。それに比べると、ヒメジャノメ♀の行動パターンは非常に読み難いですね。
by fanseab | 2016-06-17 22:56 | | Comments(0)

ダイミョウセセリの産卵(5月下旬)

 ウスバシロ産卵シーン現場で同時にダイミョウセセリ第1化♀も産卵しておりましたので、狙ってみました。最初は♀の飛翔シーン。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z12,ISO=400、F5-1/3200、撮影時刻:11時46分

 ダイミョウ♂の占有飛翔はスピードが速いので結構難しい対象です。ただ、♀のホスト探索→産卵の際は、ホバリングをするので、かなり楽です。ここでは思い切って置きピン20cmでトライし、迫力が出ました。母蝶の背景にヤマノイモ属の茎と若葉が写っており、母蝶の右上葉上には既に産卵された1卵が確認できます。

 産卵シーンは数回チャンスがありました。最初は茎上に産んだ珍しい場面。
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D71K-85VR,ISO=400、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時36分
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D71K-85VR,ISO=400、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時36分

 これまで管理人はダイミョウの産卵は何度も観察しておりますが、葉上ではなく、茎に産み付けたのは初体験です。若葉が未だ少ない状態の株だと、茎に産まざるを得ない場合も多いのでしょう。茎上に産まれた卵の拡大像です。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時53分

 母蝶腹端の毛で隠蔽工作された状況がよく分かります。↑の飛翔画像に写っている1卵の横に母蝶がもう1卵産み付けました。その拡大像がこちら。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時49分

 画面向こう側の卵が新規に産み付けられたもの。結果的に2卵塊の様相を呈しています。このようなダイミョウの卵塊も今回初めて確認しました。この場合、先に孵化した初齢幼虫がこの葉で巣を造り、後で孵化した子は、巣作りの葉を求めてウロチョロしなければなりませんね。
 2個目の卵を産み付けるまでの様子を動画にまとめてみました。下記youtube動画でどうぞ。画面中央の再生マーク(3角印)をクリックすると再生がスタート。再生後、画面右下の「youtube」ボタンを押すと、youtubeサイト上での大画面再生が可能です。



 動画の前半は産卵する葉に着陸するまでを40コマ/秒で高速連射した絵をスライドショー化したもの、後半は動画で、最後に2卵塊の拡大像でまとめております。12mm広角レンズで高速連射した後、そのまま動画撮影に移行しています。腹端をグルグル回しながら隠蔽工作する様子はやはり広角ではちょっと分かり難いですね。できれば、60mmマクロで描写すべきでした。これは次回以降の宿題です。
by fanseab | 2016-06-13 20:15 | | Comments(4)

アカタテハの産卵など(5月下旬)

 ウスバシロチョウの産卵行動を追跡していた谷戸では、同時にタテハチョウの産卵シーンも観察することができました。最初はアカタテハ第1化。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/500、外部ストロボ、撮影時刻:13時34分

 ウスバシロが全く姿を見せない曇り空の中、母蝶は元気に飛び回り、カラムシの葉上に産卵しておりました。卵の超拡大像です。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、+0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時44分

 TG4のファームウエアが最近更新され、自動深度合成撮影がより確実に実施できるようになりました。卵撮影を結構頻繁に行う管理人にとっては、本当に有難い改良です。
 アカタテハは明るい草地を飛び回っての産卵ですけど、林道脇の薄暗い環境で産卵行動を取っていたのはイチモンジチョウ第1化の♀でした。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時27分

 葉上をチェックしたのですが、残念ながら産んでおりませんでした。この産卵場所から東側へ15mほど離れた陽光の降り注ぐ地点には、スイカズラの群落があったのですけど、母蝶はそちらには無関心で、薄暗い一角にえらくご執心でした。イチモンジ♀の産卵行動を真面目に観察したのは、これが初めてで、もちろん、産卵シーン撮影も今回が初体験。第2化以降できちんと再観察をしたいものです。

 さて、アカタテハが飛び回っていた草地には、大きな蛹がいくつもぶら下がっておりました。ヒオドシチョウの蛹です。
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D71K-85VR、ISO=400、F10-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時02分

 ざっと観察して全7頭ほど。最寄りのエノキから10m以上は離れております。やはり、彼らは蛹化時に相当な距離を歩き回るようですね。鮮やかな緋縅色をもうすぐ観察できることでしょう。寄生で全滅・・・ってことのないように祈ります。
by fanseab | 2016-05-30 20:51 | | Comments(7)

アカボシゴマダラ第1化の産卵(5月中旬)

 既に第1化産卵シーンは撮影済ですが、運の良い事に拙宅庭での産卵シーンが撮影できました。エノキの幹を伝い歩きした後、産卵しました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時38分

 当初、樹肌上を調べても卵が発見できず、産卵を回避したのかと思いましたが、何と、庭木の管理目的で以前、エノキに掛けておいた細紐上(矢印の裏側)に産んでいました。その超拡大像です。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時12分

 母蝶は一旦、拙宅を離れたものの、1時間50分後に再度舞い戻り、葉裏に産卵。
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D71K-85VR、ISO=400、F9-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時23分

 しかし、卵は確認できず、今回は産卵を回避した模様。母蝶が再訪する直前、エノキ全体をチェックしてみると、樹肌に直接産んだ1卵を発見。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時19分

 同属のゴマダラチョウでも幹の上に直接産むのは普通なので、驚くには当たりません。この卵も超拡大してみました。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時59分

 これまで管理人がアカボシの産卵行動を観察した結果、葉上・葉裏はもちろん、樹肌上、枯木、枯葉、ドングリの皮等、凡そ場所に無頓着に産んでいることがわかります。それにしても、巨大で白化したアカボシ第1化♀の姿には都度驚かされます。擬態のモデルは中国大陸に棲むAporia属とされていますが、これほどまでにデカいと果たして擬態効果が有るのか疑問ですね。
by fanseab | 2016-05-29 15:56 | | Comments(2)

ウスバシロチョウの産卵行動(5月中・下旬)

 風薫る五月、五月晴れの空に映えるのは、やはりウスバシロの舞。今年も♀産卵シーンにチャレンジしてみました。最近通い詰めている東京都下の谷戸に都合3回出動。
 先ずは中旬に第1回目のトライ。この日は午前9時40分現地着。快晴で正午の気温は28℃に達しました。しかし、10時を過ぎてもウスバシロの姿はなし。全ての蝶発生が早い今年、ひょっとしてバシロの発生も終わったか・・・、とちょっと心配になりました。それでもようやく10時40分頃♀が登場してくれてホッと一息。ハルジオンでの吸蜜シーンです。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z12、ISO=200、F3.2-1/5000、-0.7EV、撮影時刻:10時43分(初日)

 この♀をマークするつもりでしたが、どこかに雲隠れ。その後3♀を発見するも午前中は産卵行動なし。昼過ぎまでは、♂飛翔シーン撮影等をしつつ♀が産気付くまで待ちます。
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F5-1/3200、撮影時刻:12時09分(初日)

 正午前、ハルジオン上で♂(画像下の個体)に迫られて悲鳴を上げている(?)♀を発見。
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D71K-85VR、ISO=200、F6.3-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時57分(初日:5月中旬)

 しつこい♂の攻撃をかわした♀は暫くしてようやく産卵行動をスタート。低い飛翔高度を保ちながら、急に下草に舞降ります。下草伝いに地面に降りて、産卵場所を探索しているシーンです。
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D71K-85VR、ISO=200、F8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:12時10分(初日)

 この時は気に入った場所がなかったのか、産卵はせず、再度浮上した後、2回目も産卵を回避、3回目にようやく好みの場所が見つかったようで、産卵してくれました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時11分(初日)

 概ね、茂みのややこしい場所に入り込むので、側面からの撮影を諦め、偶々ポッカリ空いた茂みの隙間を通して上方から撮るしか方法がありません。これがウスバシロ産卵シーン撮影の最大の難点です。しかも、↑は産卵直後に腹端を離した状態の絵。同様な産卵行動モードを取るヒメウラナミジャノメ同様、普通種の中でも撮影が最難関の種と言えましょう。この後、4回目の産卵行動で茂みに潜り込んだ際、この個体の姿を見失ってしまいました。それでも4回、連続的に産卵行動を取ったので、撮影チャンスに恵まれました。産卵直後の卵の拡大像です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時21分(初日)

 ノシラン(Ophiopogon jaburan)と思しき常緑性草本の葉裏に産み付けてありました。産卵直後は淡いピンク色を呈していて、産卵時に使用された接着物質が未乾燥の状態にあります。超拡大像は以前撮影済ですが、上手く撮れていなかったので、再撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段5コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時58分(初日)

 直径1.55mm、高さ0.78mm。時間経過と共に卵はピンク→ベージュ色に変化していきます。この時点では精孔部にまだ赤い色素が残っているようですね。真球かつ表面が平滑な他のアゲハ類とは一線を画した微構造を有し、超拡大撮影したくなる対象です。

 結局、初日は正午以降、午後2時まで粘るも♀は全く産卵行動を示さず、仕方なく帰宅。1週間後に再チャレンジ。しかし、この日は朝からドン曇り。正午の気温は24℃。9時30分~14:00まで粘るもウスバシロの姿はなし。流石に発生は終わったかと思った終了間際、ようやく1♀が舞い降りましたが、すぐに樹冠に消えました。気温がある程度あっても、日照に恵まれないと産卵行動のトリガーがかからないことを実感しました。

 翌日、晴間が期待できるので、3回目のチャレンジ。この日は朝から快晴で、正午の気温は29.9℃まで上昇。10時丁度に1♀が樹冠から下草に舞い降りました。この日は全体で3♀を確認。結構黒化した個体もおりました。その子の吸蜜シーンです。
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D71K-85VR、ISO=200、F9-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時13分(3日目:5月下旬)

 気温が高いと直ぐに翅を閉じるので、このような全開吸蜜シーンって、結構撮り難いのですよ。狙いを付けたのはこの子ではなく、比較的白い個体。10時15分に最初の産卵行動がありました。しかし、撮影不可能な草叢下だったので撮影は断念。草叢から再浮上した♀は悔しいかな、♂の攻撃を受けてしまいました。
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D71K-85VR、ISO=200、F9-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時17分(3日目)

 下草に逃げた♀(右側個体)を♂が必死に追跡して格闘しております。ようやく♂から逃れた♀は暫く草上で休憩。その後吸蜜行動を取りますが、直ぐには産卵行動に移りません。♂からの求愛拒否行動で体力を相当消耗するのでしょうね。結局♂の攻撃から逃れて30分経過後に、ようやく2回目の産卵行動。今回は草丈が低かったのですが、産卵したかは確認できませんでした。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:10時48分(3日目)

 草叢から這い上がった♀は暫く日光浴。その後は全く産卵行動を示さず、こちらも痺れを切らして13:00に撤退。初日に出会った♀は連続的に産卵行動を取ったのですが、3日目の個体は産卵間隔が異常に長く辟易しました。産卵間隔時間差は単なる個体差なのか、あるいは卵巣内に残存する卵数に依存しているのか、興味のある点です。結局、2年連続でウスバシロ産卵シーンをトライしたものの、2009年に撮影した画像の質を凌駕できておりません。参考のため、2009年撮影画像もご紹介しておきます。
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D90、ISO=200、F9-1/200、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2009年5月10日、9時52分

 当然ながら、ウスバシロ産卵シーンは、来シーズンに再リベンジ予定です。
by fanseab | 2016-05-26 20:16 | | Comments(2)

アオスジアゲハの産卵(5月上旬)

 拙宅付近に棲む平地性アゲハ類の中で、唯一産卵シーンをゲットできていなかったのは、今回取り上げるアオスジアゲハです。♂♀共に俊敏なこのアゲハ、♀産卵シーンは何回か目撃しておりますが、撮影には至っておりません。今回は一念発起して、下記に示すように、6日間を費やしてトライしてみました。以下、撮影順に画像をご紹介します。撮影地は川崎市内の拙宅から徒歩圏内にあるマンション付近。植栽のクスノキにやって来る個体を狙いました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時46分(初日)

 これは午前中にクスノキにやってきた個体(右下囲みは卵付近の拡大像)。赤い新芽を好み、茎や葉裏に産み付けていきます。この事例では前後ショットのEXIF情報から計算して、着地から産卵終了までわずか2.5秒。2秒弱で完了することも多く、本当に厳しい撮影対象です。管理人は産卵シーンに対して独自の自己評価基準を持っています。つまり、「尾端と卵の同時写し込み」が出来て、初めて『A級ショット』と判定しています。故に↑の画像はB級ショット。産卵の直前にシャッターが切られてしまっています。次は2日目の画像。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時05分(2日目)
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時07分(2日目)

 クスノキには多数の実生(ヒコバエ)がありますが、母蝶は幹から直接顔を出しているような真っ赤な新芽を好む傾向にあります。1枚目は将にそのような状況で、幹に直接産み付けたようなポーズを取っております(実際に産んだか否かは未確認)。2枚目はバランスよく仕上がりましたが、いかんせん遠過ぎます。これも産卵直前にシャッターを切っていて卵は写し込めておりません(^^;  次は4日目の撮影分。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時36分40秒(4日目)
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時36分44秒(4日目)

 一枚目は産卵場所を探索する母蝶。この4秒後のショットが2枚目。空抜け画像なので、発色が悪いです。これまた卵と腹端の同時写し込みには失敗。最後に5日目の画像。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時56分(5日目)

 これまたやや遠目のショットですが、ようやく光の周りが良く、今回写した中でのベストショット。そうは言っても卵は写っておらず、『A級ショット』を求めてリベンジマッチが必要ですね。

 今回は産卵時間帯を探索するため、相当労力をかけての撮影となりました。マンションの植栽クスノキは合計50本ほどあり、このうち、東側・南側の約20本に着目し、両側約100mの距離をトランセクト調査法のように、ゆっくり往復歩行し、回遊産卵して来る母蝶を待機する作戦。以下探索時間帯・天候等のメモです。

初日:10:30-12:00、晴れ
   10:46産卵撮影
2日目:13:00-15:10、曇り21℃
   14:03-07産卵撮影
3日目:10:30-12:00、14:15-15:10、晴れ強風
   ♂テリ張り行動のみ観察、♀坊主
4日目:10:45-12:15、13:30-14:00(降雨中止)、曇り21.5℃、東風強い
   13:36産卵(撮影失敗)
5日目:9:30-11:00、12:00-15:30、快晴、風強い、24.5℃→29.9℃
   産卵9:36、9:56(撮影)、10:30の3回観察
6日目:9:25-11:15、13:00-15:45、快晴→晴れ、風やや強い、25℃→28.9℃→25℃
    9:47(吸蜜含む)および10:12/10:30の3回産卵観察(14:10に♂吸蜜)

 観察時間の合計は17時間40分。そこで出会った母蝶の産卵行動合計時間は僅か10分弱。文字通りの「骨折り損の草臥れ儲け」でした。少なくとも午前9時30分~11時頃に産卵時間帯のピークがあるように思います。正午前後はこちらがランチタイム休憩しているので、産卵するのかは不明。以前真夏の第3化?の産卵シーンを目撃したのはいずれも午後2~3時頃で、今回も1時30分過ぎおよび2時過ぎに観察・撮影しており、この時間帯に2回目のピークがあるように思えますが、確証はありません。予想通り、強風が吹き荒れる日は産卵行動を中止するようです。
 撮影地のクスノキは年に数回、定期的な剪定が実施されます。晩秋に必ず一回実施される剪定作業で、アオスジ越冬蛹の多数個体が犠牲になるはずですが、当該剪定のお蔭で、5月初旬頃には大量の実生が株に付きます。第1化母蝶発生個体数は少ないものの、2化世代の発育にとっては好ましい状況を提供するのです。一方、夏場の剪定前はクスノキの成葉が物凄く茂って、アオスジ産卵シーンの撮影は葉被りで苦労します。そんな背景もあって、今回第1化に注目して撮影にトライしたのです。しかし、個体数が♂♀共に非常に少なく、撮影をより困難なものにしてしまいました。
 最終日に観察した産卵シーン直後に、園芸植物で吸蜜する母蝶の姿もアップしておきましょう。
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D71K-34VR、ISO=400、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時48分(6日目)

 白い園芸植物はセリ科のホワイトレースフラワー:別名ドクゼリモドキ(Ammi majus)でした。セリ科と言えば、多摩川の河川敷にはこの時期、ハナウド(Heracleum moellendorffii)が沢山咲いています。しかし、ハナウドにアオスジ第1化がやって来たのを見たことがありません(※)。同じセリ科でも選好性があるのですね。ドクゼリモドキは地中海原産だそうですから、地中海沿岸に棲んでいないアオスジが遠目から吸蜜源として選好できるのも大変不思議です。

※5/22追記:
 先日、ハナウドで吸蜜するアオスジを目撃しました。小生の経験不足だったようです。但し、ハルジオンとハナウドが共存している環境下では、ハルジオンをより好むことも観察できました。上記該当部分を線引きしておきました。
by fanseab | 2016-05-15 20:46 | | Comments(2)

テングチョウの産卵(4月上旬)

 コツバメ撮影をした谷戸では丁度エノキの芽吹きが始まり、テングチョウ産卵のピークを迎えておりました。テング産卵シーンは昨年撮影済。今回の目的は腹端と卵の同時写し込みです。運が良いことにすぐに目標達成!

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時06分

 母蝶が斜め下を向いてくれたお蔭で右前翅表まできちんと表現できました。春先のテング産卵シーン撮影ではどうしても裏面から覗き込むアングルになり易いので、表翅の表現って、結構難易度高いのですよ。この絵で産んでいるエノキの新芽先端にも別の1卵が確認できます。続いてエノキ新芽の隙間に産みこんでいるシーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 既に2卵産卵済みで、3卵目を産んでいる瞬間です。昨年の記事(外部リンク)でもご紹介したように、テング♀の産卵器官は独特で、先端は細い円錐形。その部分を母蝶の頭の向きまでほぼ180度屈曲可能な機能を有しております。産卵準備行動中の♀画像を貼っておきます。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時45分(この絵のみ3月下旬撮影)

 矢印で示した円錐形暗赤褐色部分が産卵器官。この後、更にこの部分を枝に平行まで曲げ、エノキの新芽と枝部分の隙間に潜入させ、産卵するのです。円錐形産卵器官はエノキの新芽をこじ開けて、その隙間に産み付ける場合にも効果を発揮しています。2枚目の産卵シーンで産み付けられたエノキ新芽の拡大像です。
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TG4@18mm(トリミング+6コマ深度合成)、ISO=100、F4.9-1/500、内蔵LED、撮影時刻:10時36分

 この新芽には手前側に3卵、反対側に2卵、合計5卵も産み付けられていました。TG4の画像もISO=100で撮影できれば、ご覧のように素晴らしい解像度が期待できます。卵は俵型。産卵直後は淡緑色を帯びた乳白色で、次第にベージュ色に変化していきます。超拡大撮影は拙宅に持ち帰り撮影しました。撮影に用いたのは↑の新芽ではなく、別の卵塊。卵の全体像を把握したいので、思い切って新芽を枝から取り除いて撮影してみました。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+5コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影時刻:15時53分

 卵形状の全体像把握はこれでOK。但し、産卵器官より同時に射出される接着剤が卵表面に残っているため、表面微構造は上部と下部以外は隠されてしまい、上手く表現できません。卵直径は0.58mm。高さは0.88mm。俵型ですが、精孔のある上部はやや扁平化しているようです。タテハチョウ科は通常葉上に産卵される関係上、卵の底部は平面もしくは、扁平形状であるのに対し、テングチョウ卵は逆に底部先端が窄まっています。新芽の隙間や新芽と枝の隙間に卵を埋め込ませるに最適化された形状なのだと思います。さて、もう少し接着剤の影響が少ない卵で再撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段5コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯増灯、撮影時刻:15時53分

 何とかマシな画像ですが、それでも接着剤の影響を完全には回避できないようです。精孔部付近はタテハチョウ科に共通する縦条隆起とこれに直交する線で構成されています。但し縦条隆起の数は、タテハチョウ亜科に属するルリタテハ(10本)・ヒオドシチョウ(9本)より圧倒的に多い35本。パッと見、シロチョウ卵のような独特な雰囲気ですね。
by fanseab | 2016-04-11 21:23 | | Comments(2)