探蝶逍遥記

多摩川縁でのトランセクト調査(4月末)

 ミヤマチャバネセセリ第1化の発生数が気になったので、いつも歩いているルートでトランセクト(ルートセンサス)調査をしてみました。調査条件は、下記の通り。
①ルートとして多摩川中流域右岸(川崎市内)の30mX800mについて、上流側から下流にかけて片道調査。毎年実施している、ミヤマチャバネ越冬世代(第3化)終齢幼虫巣調査範囲と一致させてあります。
②歩行速度はほぼ一定(撮影時は除く)。
③目撃した蝶を順次記録。個体識別までしていないので、同一個体の重複カウントは当然含まれる。
※一般的な調査ではネットで捕獲して種・雌雄識別を行います。また、調査巾は左右目測各5m、合計10m幅が望ましく、同一個体の重複カウントは避ける・・・等の厳格なルールを適用して実施されます(※)。従って、今回は不謹慎な物言いをするなら、『なんちゃって、トランセクト』かな?

 4月29日(午前10:30~11:20),30日(同9:50~11:00)の両日実施した結果を下記します。両日共に天気は快晴、風が結構強いコンディションでした。
            <4月29日>   <同30日>
ナガサキアゲハ      ♂2        ---    
アゲハ           ♂1         ---
キタキチョウ        ♂1          ---
モンキチョウ        ♂18♀3     ♂17♀3
ツマキチョウ        ♂7♀1     ♂6♀1
モンシロチョウ       ♂7♀2     ♂12♀2
ベニシジミ         ♂1♀2      ♂1♀2
ヤマトシジミ        ---        ♂1
ツバメシジミ        ♂3       ♂4♀1
コミスジ           ♂2       ♂5
キタテハ          ---        ♂1
ヒメウラナミジャノメ    10       14(交尾ペア1含む)
ギンイチモンジセセリ   ♂1         ---
ミヤマチャバネセセリ   ♂1         ---

 概況としてモンキチョウ第1化がピークを迎えた感じ。それと、ヒメウラナミジャノメがドッと『湧いて来た』印象ですね。
 さて、肝心のミヤマチャバネですが、29日は行きのルートを戻る途中、♂1♀1に出会いました。結局29日は3個体目撃。30日は坊主。29日に観察した♀は正午頃、産卵行動を取っておりましたが、♂♀共に撮影のチャンスは無し。ミヤチャの個体数については、2日間の観察を通じ、坊主でなかったのでホッとしました。元来、ミヤチャは個体数が多いセセリではなく、今回調査から直ちに例年並みかどうかは言及できません。オギに産卵された卵も調査しましたが、ギンイチ卵1を確認するに留まりました。また、上記調査時間外ですけど、29日にキアゲハ♀1、30日にキアゲハ♂1♀1を観察しております。

 ところで、29日の調査終盤、川縁をネット持参で草叢を真剣に観察されている同好者に出会いました。お聞きしてみると相蝶会のメンバーの方で管理人同様、当地域のミヤチャ・ギンイチの動向を調査されているとのこと。ご挨拶して、最近の両種について、情報交換をさせて頂きました。貴重な情報を有難うございました。この場を借りて御礼申し上げます。

 本来ならミヤチャ画像を飾りたいところですが、今回は残念無念、画像アップはできません。代わりに29日の調査途中で出会った、とびきり綺麗なアゲハ♂の画像をアップしておきましょう。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_14104971.jpg
D500-34VR、ISO=200、F8-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時49分
f0090680_1411116.jpg
D500-34VR、ISO=200、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時50分
f0090680_14111025.jpg
D500-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時50分

 菜の花で長時間、吸蜜してくれたので助かりました。この時出会ったアゲハ♂は管理人にとって今シーズンの初見個体でもありました。

<参考文献>
 山本道也,1988. 蝶類群集の研究法. Sprc.Bull.Lep.Soc.Jap.,(6):191-210.



# by fanseab | 2017-05-02 21:55 | | Comments(4)

モンキチョウの求愛飛翔など(4月下旬)

 ギンイチを追跡した日に撮影した蝶をアップしておきましょう。最初はモンキチョウの求愛シーン。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_1125086.jpg
EM12-Z12、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:12時12分

 これは置きピン約40cmで実施。求愛行為が長く続きそうなので、急遽置きピンを最短の20cmに設定し直して撮影続行。
f0090680_1131877.jpg
EM12-Z12、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:12時12分
f0090680_1133134.jpg
EM12-Z12、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:12時13分

 やはり、置きピン20cmだと、迫力が出ます。概ね肉眼で見た感覚が出せるようです。それでも焦点深度は浅く、2枚目は♀はほぼジャスピンなのに、♂はピンボケ。♂が♀を先導するパターンですから仕方ないのですけど・・・。
 
 モンキチョウは個体数も多く、♀産卵シーンも何とかゲット。
f0090680_1135937.jpg
D500-34VR、ISO=400、F9-1/800、-1.0EV、撮影時刻:12時17分

 残念ながら腹端が葉被りになってしまいました。この時期、カラスノエンドウの茎もかなり伸びてきて、モンキ♀も新芽に拘らず産み付けているように思います。

 モンキを撮影する前、同じ置きピン20cmでベニシジミの求愛シーンにもチャレンジ。
f0090680_1142397.jpg
EM12-Z12(トリミング)、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:11時18分

 こちらも、これまで撮影したベニシジミ求愛シーンの中でも一番迫力が出ました。置きピン20cmは撮影対象がきちんと捕捉できる場面でないと使えません。ただ上手く嵌れば、文字通り「ハイリスク・ハイリターン」で、迫力ある画像が出ることを改めて認識。

 林縁では羽化直のコミスジ第1化に出会えました。
f0090680_1144555.jpg
D500-34VR(トリミング)、ISO=200、F9-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時31分
f0090680_1145523.jpg
EM12-Z12(トリミング)、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:12時32分

 このタテハが登場すると、もう春ではなくて、初夏の気分ですね。この日、ヒメウラナミジャノメは未だ発生しておりませんでした。でも1週間後には確実に登場するでしょう。
 土手際では越冬明けのキタキチョウ♀が産卵行動を取っておりました。
f0090680_1151628.jpg
D500-34VR(トリミング)、ISO=800、F8-1/4000、-0.3EV、撮影時刻:12時40分

 この時期、結構ボロボロになっている♀もおりますが、この子は結構綺麗です。それにしてもキタキチョウの前翅って、こんなに尖っていたかなぁ? まるでAppias(トガリシロチョウ)みたいですね。暫くこの♀蝶を追跡したのですけど、結局産卵には至りませんでした。
# by fanseab | 2017-04-27 21:22 | | Comments(0)

ギンイチモンジセセリの飛翔(4月下旬)

 諸般の事情でギフ撮影は回避。近場の多摩川縁で、この時期恒例のギンイチ・ミヤチャ探索。今回赴いたポイントは数年前の晩秋時に不審火でオギが焼野原になり、個体数が激減した場所。去年からようやく復活傾向があり、期待してオギ原に踏み込んでみました。早速数頭ご挨拶に来てくれましたが、いずれもスレ個体。全く止まる気配がないので、飛翔一本に絞って撮影。先ずは最初の一頭。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_17104281.jpg
EM12-Z12(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/3200、撮影時刻:10時48分

 よく見ると、左前翅の損傷が激しいです。羽化不全の影響かもしれません。ギンイチの飛翔は不規則で、目線を切ると、対象をすぐに見失ってしまいます。経験上、お尻を追いながら撮るやり方では置きピン位置を外し易く、蝶の進行方向と並進して撮らねば失敗します。没画像を山のように築きながら、何とか数枚の作例が残りました。
f0090680_17122850.jpg
EM12-Z12(トリミング)、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:11時43分;以下撮影データは同一
f0090680_17124926.jpg
f0090680_17132446.jpg
f0090680_17135872.jpg

 できれば咲き誇っている、カラスノエンドウの紫色を背景に添えたいところですけど、そうは問屋が卸してくれませんね。
 この時期のもうひとつの楽しみ、ミヤマチャバネセセリは全く姿が見えません。オギ原に散在する「ポッカリと空いた空間:草地」が、ミヤチャ♂のテリ張りポイント。そこをじっくり探索するも坊主。ギンイチ飛翔画像に証拠として1♂飛んでいる姿が写っておりましたが、個体数が少ないことは間違いありません。拙宅直ぐ近くのポイントでも最近数が減っているので、ちょっと心配です。

 河川敷を飛ぶシロチョウに目を向けると、モンキチョウの個体数が例年並みにようやく増えてきました。3月が寒かった影響で羽化時期が単に遅れたためなのでしょう。ツマキチョウはもう♀の時期になっていました。
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EM12-Z12(トリミング)、ISO=640、F8-1/3200、撮影時刻:11時34分

 今回、ギンイチ♀には出会うことができませんでした。できれば第1化の産卵シーンも仕留めてみたいものです。あっ、そうそう、4月に入ってからの拙宅近傍でのアゲハチョウ類初見記録をまとめておきますね。

ナガサキアゲハ♂:4月16日
クロアゲハ♂   :同17日
ジャコウアゲハ♀:同23日

 不思議なことに、アゲハは未だ1頭も目撃しておりません。アオスジアゲハはもう少ししたら飛ぶことでしょう。
# by fanseab | 2017-04-24 21:46 | | Comments(0)