探蝶逍遥記

ゼフィルスの生息調査活動(6/10)

 梅雨入りした曇り空。関西にもゼフの季節がやって参りました。で、本日は、小生の所属する某鱗翅学会の調査活動に参加すべく、北摂地方に出向きました。報文投稿以外にさしたる学会活動をしていない小生にとって、年1回、この調査の時のみ、学会員らしい姿になります。今年で3年連続の参加になるので、常連の参加者と旧交を温める貴重な場でもあるのです。

 調査について、若干ご紹介しておきましょう。調査手法はトランセクト法と呼ばれていて、調査地域を正方形のマトリックスに分割し、各分割ブロック毎に、単位時間当たりの目撃数を計数していきます。調査対象がゼフですから、飛び出すのを待ち続けるだけでなく、長竿で叩きだし、カウントすることもOKです。3年連続ともなると、小生も要領がわかってきて、「えーっ、ブロックNo.Aにアカ1頭発見、時間は・・・9時30分かあ。」等と独り言を言いながら、記録用紙に記入していきます(小生は撮影の合間に記録をしているのが実態)。この後、事務局側が用紙を回収・集計し、生息数が割り出されます。かれこれ10年以上もこの活動は継続されていますから、このポイントでのゼフ類の栄枯盛衰がかなり明確に判明してきたようです。
 また、調査地域は地元の方を中心とした定期的な下草刈りや計画的な植樹等、多大の努力が払われて環境保全が図られてきているので、調査を担当する我々も真剣にならざるを得ません。

 活動のご紹介はこれくらいにして、本日の成果を・・・と景気良くいきたいところだったのですが、結局出現したのは新鮮なアカシジミ3頭のみ。目線よりかなり上に止まった1頭をようやく望遠ズームで捉えた画像をアップします。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640、F10-1/640、-1.0EV

 昨年との比較で言えばざっと、10日遅れている印象です。上記記録用紙には当地に過去生息した9種類のゼフが記載されており、昨年(6/13)は4種ほど目撃しています。当地ではアカより遅れて出現する傾向のあるウラナミアカが1頭も発見できなかったので、時期の遅れは間違いないものと思います。
 「やはりフライング気味やったね・・」調査に参加された方の溜息でした。で、このままでは小生も収まりがつかないので、麓に下り、イボタの周辺を探索。もちろん狙いはウラゴ。ああ!結局これも坊主。満開のイボタの花に来たアサマイチモンジ吸蜜を撮影しましたが、どうも発生後半なのかボロ個体ばかりで消化不良の感がありました。
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D70, ISO=500、F10-1/200、+0.3EV

 梅雨空同様、モヤモヤ感の残った一日でしたが、本日の調査に参加された方、お疲れ様でした。また、事務局のO大学・H先生にはお世話になりました。来年は是非多くのゼフが飛び交うピーク時に調査をしたいものです。

【お知らせ】
本体HP、「スラウェシの蝶」を科別表示方式に変更し、3科4種を新規追加しました。お時間があれば、お立ち寄りください。
# by fanseab | 2006-06-10 22:14 | | Comments(4)

ビョウヤナギ

本日は花の話題です。
小生の居住地、兵庫県・六甲山麓は阪神大震災の影響で町並みが大きく変わったとされています。震災の教訓から、立て込んだ住宅の周囲に延焼を防止するための小公園や緑地が計画的に配置され、幹線国道沿いにも緑が積極的に植えられています。丁度、現在、国道沿いの緑地に「ビョウヤナギ」の黄色い花が咲き誇っています。茶筅(せん)のように密集した細長いオシベが大変艶やかな花です。
f0090680_203969.jpg
D70-10.5-X1.4TC, ISO=400、F11-1/250、+0.3EV

↑の写真のように、トラックの運行規制がかかるほど交通量の多い国道脇で、すさまじい排気ガスに晒されながら元気に咲くタフな花でもあるのです。ネットで調べてみると、この花、江戸時代に中国からもたらされたオトギリソウ科の草本で、和名は「未央柳」もしくは「美容柳」の当て字が使われるとか。カタカナで「ビョウ」ですから、当初、小生は画鋲の「鋲」を連想し、「鋲柳」と勝手に漢字をあてがっていました。何故この花が鋲に似ているんだろう?と暫く合点がいきませんでしたが、美容と聞いて納得です。でも「美容」なら『ビョウ』ではなく『ビヨウ』と『ヨ』を全角で書くべきだろ、とついツッコミを入れたくなります。

さて、丁度この花が咲き始める頃、関西ではウラゴマダラシジミやアカシジミといった平地性ゼフィルスが出現し始めます。そうして艶やかな黄色い花が色褪せて枯れる頃、関西の平地~低山地産ゼフも発生末期を迎えていることでしょう。ウラゴあたりの撮影に出撃したいのはやまやまですが、今週は自宅でゴロゴロしながら、のんびりとブログ仲間の画像を楽しみたいと思います。もちろん、お目当ては出始めのゼフ達。皆さん素敵な写真を期待してますよ~♪
# by fanseab | 2006-06-03 20:04 | | Comments(2)

紫色の幻光を求めて

昨日(5/30)は久しぶりの年休。遠征の疲れも残っていて静養する予定でしたが、良い天気にじっとしていられず、大阪・淀川河川敷へコムラサキの探索に出かけてきました。

ポイントに到着してみると、沢山のヤナギが有り、いい雰囲気。でも川岸はと言うと、発泡スチロールの塊やペットボトルが山のように漂着してゴミ溜め状態。こんな環境で本当にいるのか?と訝しげに探索すると、柳の梢を黒いシルエットが・・・。やはりいました!しかし梢のてっぺんを飛翔するので首を上げたままお預け状態。そのうち1頭が柳の茂みに潜り込み、探してみると、コゴメヤナギ?の樹液を吸っていました。この時期、彼らにとって貴重な吸汁源なのでしょう。風でそよぐ茂みの間からピンポイントに蝶を狙わねばならず苦労したショットです。
f0090680_21311089.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=500、F11-1/400、-0.3EV、内蔵ストロボ

しばらく歩き回ると結構個体数は多いものの、テリ張り位置は川面の柳の葉上。撮影可能な場所は極めて限られます。ようやくのことで、ぎりぎり狙える角度に完品の♂が止まってくれました。それでも400mmレンズでなければ確実に撮影困難な位置で、望遠ズーム様々のショットです。光の回り込みが絶妙で、いい雰囲気に仕上がりました。
f0090680_21321699.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=500、F8-1/500、+0.3EV

さらにウロウロ探し回ると、上手い具合に90mmマクロの射程距離にこれまた新鮮な♂がモデルになってくれました。所謂「斜め45?度開翅」ポーズで、タテハチョウが最も凛々しい表情を見せるシーンを切り取ることができました。この角度からの写真としては、これまで小生が撮影した中でもお気に入りの作例となりましたので、少し大きめの画像でお見せしましょう。
f0090680_21325855.jpg
D70, ISO=500、F5.6-1/500、+0.3EV

さて、問題は首題幻光色の撮影です。川面に向かってテリ張りするので、今日はチャンスがないかな?と諦め半分でしたが、昼過ぎ、川岸の砂地に♂が吸水にやってきました。シャッターを押しながら、紫色が見える角度は局限されることを実感しました。何とか一番輝いた画像を貼っておきます。残念ながら、後翅肛角部が揃って欠けた(バードビークか?)個体でした。恥ずかしながら、小生、このタテハの幻光色撮影はこれが初体験。まあ最初はこんなもんでしょう。完品撮影は第2化以降のチャンスに賭けることにします。
f0090680_2135294.jpg
D70, ISO=500、F13-1/800
# by fanseab | 2006-05-31 21:41 | | Comments(12)