探蝶逍遥記

コンクリート塀上で越冬中?のツマグロヒョウモン幼虫

今日の関西地方、雨が上がって晴間が出ましたが、所用で遠くに出られず、超近場での観察レポートです。
本体HP・番外編、「ツマグロヒョウモン」に書きましたが、道路脇で発生したスミレを利用している首題幼虫の継続観察です。下の写真はポイント風景。
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今月初旬の観察では全部で6頭確認。1頭を除く、5頭が枯れたスミレを離れ、コンクリート塀に登っていました。ところが、昨日~本日にかけて精査したところ、下記の写真に示した1頭のみに減っていました。幼虫の体長はほぼ2cm。地上からの高さ30cmに静止しており、幼虫の左下にスミレの株が見えています。

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D70-10.5-X1.4TC、ISO=400、F16-1/15

コンクリート塀の壁に登ってしまう生態的背景はよくわかりませんが、わざわざ鳥等の外敵に体を晒すことは彼らにとって、極めてハイリスクの行動です。枯れたスミレの株を検すると、新芽がすでに出ており、少なくとも餓死ではないことは確か。死骸も転がっていません。どうやら恐れていた通り、鳥の餌食になったのでしょうか?

母蝶(♀)はカバマダラやスジグロカバマダラに擬態しながら、子孫繁栄に必死の努力をしているのに、息子(娘)達はのんびりと塀の上に寝そべって鳥の餌食?になるんですから、自然界は不思議です。都市部のヒートアイランド化や、公園等で競って植栽されるパンジー等の食草確保の容易さ等、複数の要因が重なって東進してきたツマグロヒョウモン。コンクリート塀等に囲まれたスミレ周辺での生存戦略は未だ手探り状態のようです。
# by fanseab | 2006-03-19 10:48 | | Comments(6)

AF DX Fisheye Nikkor 10.5mmF2.8EDの試写・飛翔写真

仕事の疲れも残っていて曇り空。フィールド行きは取りやめて、機材の話題です。
これまで広角接写・飛翔撮影にシグマ24mmF1.8を用いてきましたが、コンデジのCaprioR1と画角が重複することや、銀塩一眼で慣れ親しんだ対角魚眼の世界に愛着があるため、今シーズンは思い切って、首題レンズを戦力に加えました。

既に広角接写については本体HP・番外編、「越冬中のウラギンシジミ」等で使用しており、このレンズならではの画角を利用した環境描写で満足すべき結果が得られております。次なる課題は飛翔撮影での撮影条件探索です。そこで、先日、近場の伊丹市昆虫館に出向き、オオゴマダラ等を被写体に使い勝手を探ってみました。

この昆虫館は関西在住の蝶屋さんにとってはお馴染みの場所で、小生は今回が初めての訪問です。入館してまず驚いたのが蝶の生息密度の高さ。東京・多摩動物公園にある蝶園と比較すると、ケージ(ドーム)の大きさが小さいためか、蝶の撮影が極めて容易にできます。特にオオゴマダラの数は驚異的で、至る所で交尾ペアが成立しておりました。野外ではめったに遭遇しない求愛・交尾シーンの撮影練習もここでは楽にできるしかけです。有難いことです。

さて、問題の飛翔写真に挑戦です。今回は内蔵ストロボ使用を前提に、特にストロボの照射条件の探索を目的として、AE調光・スローシンクロモードで仕上がり具合の確認をしました。また、内蔵ストロボ専用に自作した簡易デュフューザーの機能も同時にチェックです。

まずは、遊歩道を歩くゲストの横を悠然と舞うオオゴマダラの作例。スローシャッターで翅が適度にブレて動感も演出でき、目論見とする情景描写ができました。オオゴマダラのような白い蝶をストロボ併用撮影する時は蝶が白トビしやすいので、少しアンダー気味に撮影しています。この事例では、蝶にかなり接近して撮影したつもりですが、それでもオオゴマダラはこの程度にしか表現されません。魚眼の場合はちょっと距離が離れると蝶が豆粒のように写ってしまうので注意が必要です。シジミやセセリではちょっと厳しいかな?
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D70-10.5, ISO=200, F20-1/80, 内蔵ストロボ+自作デュフューザー、わずかにトリミング

お次はリュウキュウアサギマダラ。上手い具合にカメラに接近してくる情景を撮影できました。魚眼ならではの描写に満足です。飛翔写真撮影では蝶を後方から「追いかける」形になって、見栄えがしない結果に終わることが多いものです。でも不意に蝶が振り向いたりして、この作例のように蝶の視線がカメラ側に向くと極めて写真に迫力が出ることが実感できました。
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D70-10.5, ISO=200, F20-1/80, +0.7EV、内蔵ストロボ+自作デュフューザー、わずかにトリミング

これ以外にもクロテンシロチョウ等、熱帯アジアのポピュラーな蝶と戯れながら、対角魚眼のいい練習ができました。野外の実戦フィールドでどんな絵作りができるのか?今から楽しみです。
# by fanseab | 2006-03-18 12:13 | 機材 | Comments(8)

ブログをはじめました(昨年のギフ撮影:23/Apr./'05)

本体HPの開設から1年が経過し、これまで「番外編」として記載・更新してきた日本の蝶についての写真紹介はブログの方が更新も容易かな?の思いもあって、ブログを始めることにしました。要領が未だわからないのでどうなることやら。。。。。

ブログの先輩方のサイトを拝見していると、毎日更新をきちんと守っている方もいます。私はそこまではとてもできませんので、「隔週更新」をまずは目標に運営しようかなと思っています。

で、最初はやはり初見が秒読み段階に迫ったギフチョウの話題提供がふさわしいと思い、昨年撮影した在庫を引っ張り出してみました。撮影場所は一昨年から通っている、但馬の山中。昨年は吸蜜シーンを確実に撮影することを目的にしていました。

一昨年見出したポイントでは個体数が前年に比べ少なかったのですが、僅かな陽射しが差し込んで上手い具合にスミレで吸蜜する個体がモデルになってくれました。
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D70, ISO=400,F6.3-1/800,+0.3EV(機材の略号は本体HP参照)

念願のスミレ吸蜜シーンを何とかものにできましたが、帰宅してからよく見るとスミレの花が枯れています。で、この写真の本体HPへのアップは見送りにしたのです。

次に90mmマクロで飛翔写真にチャレンジ。まずまずのピントがこの一枚。
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D70, ISO=640,F8-1/800,+0.3EV

90mmマクロでの飛翔撮影は結構難しいものですが、この時の悔しさがバネになって、この後、飛翔写真にのめりこんだきっかけになりました。

一旦、山を下って前から地図上で気になっていたポイントを訪ねることにしました。そこはあたり一面スミレのお花畑。ギフが出ないはずはない・・・・。こう確信して待つこと暫し30分。それまでどんよりとしていた空に陽が差すと、念願のギフが尾根から谷に降りてきてくれました。
スミレでも吸蜜してくれましたが、じっくり撮影できたのは、ヤマルリソウでの吸蜜シーンでした。
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D70, ISO=400,F11-1/250

この花、スミレよりも蜜の量がタップリあるのか、一つの花弁での滞在時間が長く、じっくりとピントを合わすことができます。結果、写真としての完成度も満足いくものでした。

この時の撮影を通じてギフ以上に印象に残ったのが、ヤマルリソウの清楚な色調です。咲き始めは赤紫、そして時間と共に淡青色に変化していくトーン変化はマクロレンズから見ていても飽きない眺めでした。またタムロン90mmのボケ味が最大限に活かされるシーンでもあります。
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D70, ISO=400,F4.5-1/1600,-0.3EV
# by fanseab | 2006-03-12 23:36 | | Comments(7)