探蝶逍遥記

木曽探索行(8/12-13) PartⅡ:タテハチョウ達

 PartⅠで「第3のターゲット」と書いたのが、オオミスジです。「Neptis属ファン倶楽部会員」?である管理人としては、是非ともデジタルで撮り直したい目標の一つでありました。以前から「乗鞍~木曽御岳山麓に多産・・・」の情報を得ていたので、かなり期待して出かけたのです。初日、街道沿いの集落あたりを通り過ぎると、早速雄大な滑空飛翔を目にすることができました。ただ、簡単には下に降りて来ません。やはり朝一狙いにしようと、翌日、オナガシジミを撮影した近くで待っていると、最初に飛び出したのはミスジチョウ。こちらはさすがにかなり欠けが目立ちます。やはり7月中に撮影に来るべきなのでしょう。ややあって、オオミスジ♀も飛翔開始。こちらは狙い通り、飛び始めてからすぐに下草に降り立ってくれました。少し欠けていますが、まずまずの画像が撮れてヤレヤレです。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/320

 この後はクルミの梢に飛び立ち、ジ・エンド。気持ちを切り替え、チャマの探索に向かいました。チャマ探索をした牧場や牧草地で圧倒的な個体数を誇るのがジャノメチョウ。草叢から急に飛び立って慌てさせられます。ここは広角でまず飛翔写真にトライ。この蝶、絶対的な飛翔スピードはないものの、結構不規則に方向転換するので歩留まりはそれほど上がりません。何とかど真ん中にヒットしたのを貼ります。この画像を撮影する頃から雲行きが怪しくなり、やがて雷鳴が轟き始めました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/250、+0.3EV、内蔵ストロボ

 無尽蔵にいると思われるジャノメチョウ。当然カップルも沢山できます。朝・昼・夕方問わず多くの交尾ペアを目にすることができました。明るい草原を飛び交うジャノメですが、交尾は比較的暗目の環境で人目を忍んで過ごすようで・・・。
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D70, ISO=500, F11-1/100、+0.3EV、内蔵ストロボ

 一方、山麓に点在するスキー場は針葉樹林帯に位置し、笹がゲレンデ脇に密集しています。ここに多いのがヒメキマダラヒカゲ。ヒヨドリバナにはアサギマダラと一緒に多くの個体が吸蜜に来ておりました。ここでは結構粘って♀の開翅吸蜜シーンをゲット。後翅表に配された眼状紋は惚れ惚れする美しさだと思いませんか?
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D70, ISO=500, F8-1/800、+0.3EV

 2日目。チャマ探索も徒労に終わり、下山する直前に寄った林道脇。ヒヨドリバナの群落に、魅力的なタテハが集っていました。信州の夏の定番、クジャクチョウは何時見ても美しく、ミドリヒョウモンの橙色もそれほどスレていません。そんなヒョウモンを撮影していると、ちょっぴり大きめのヒョウモンが。おぉ!期待もしていなかったオオウラギンスジヒョウモン♀の登場です。何を隠そう、管理人にとって、ヒョウモン類の中で最もお気に入りが突然姿を現したのです!もう心臓ドキドキモード。でも優しいこの娘さん、ゆっくりと吸蜜してくれて、途中から余裕を持ってアングルを工夫した撮影ができました。久しぶり、テレコンを外した10.5mm対角魚眼で目一杯寄り、下から見上げる好みのアングルで撮影。苦労した甲斐があって、本遠征でのベストショットが撮れました。で、いつものようにちょっぴり大きめの画像を貼ります。何時見てもホンマ、格好ええタテハです。
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D70S-10.5, ISO=500, F11-1/320

 8月、信州の高原と言えば、皆さんもキベリやエルを想定されるでしょう。ただ今回の探索行では全く出会えず、ちょっと不思議な感じがしました。その代わり、ジャノメチョウやヒメキマダラヒカゲといった普段あまり真面目に取組まない蝶達に焦点を当てることができ、彼らの魅力を十分に味わうことができました。次回はオナガシジミ以外のシジミチョウをご紹介したいと思います。 (PartⅢに続く)
# by fanseab | 2006-08-16 20:59 | | Comments(14)

木曽探索行(8/12-13) PartⅠ:オナガシジミ

 猛暑の関西を抜け出して、涼しい信州の高原で蝶撮影を満喫してきました。場所は管理人初体験の木曽御岳山麓。で、今回のメインターゲットは第2化のチャマダラセセリ探索です。拙ブログを開設して以来、環境省指定「絶滅危惧Ⅰ類」として、ヒョウモンモドキ、クロシジミをご紹介してきました。しかし、絶滅までのカウントダウンの観点からは、長野県のチャマ個体群が一番厳しいのではないか?と管理人は睨んでいます。Websiteで紹介されている当地での生態写真は5月中旬頃の写真が多く、8月に発生する第2化の画像は極めて稀だと思います。おまけに小生、ポイントを知っているわけでなく、今回はポイントとなりそうな牧場や牧草地を訪ねて放浪する極めて効率の悪い探索行となりました。
 もちろん、成功確率は0.1%程度と予めあまり期待せず、チャマ以外の第2、第3のターゲットも念頭に来シーズン以降の下見と割り切って高原を探索しました。
 結論から言えば、主要な牧場、牧草地を5箇所ほど丹念に調査しましたが、坊主。やはり、5月発生の第1化品に比較して難易度は上のようです。またチャマ以上に期待したホシチャ、アカセセリも坊主。スジチャ、ヘリチャ、キバネもスレが進んで撮影意欲が萎え、セセリ類に収穫はありませんでした。

 そこで、密かに第2ターゲットとしたオナガシジミで成果が出たので、初回はこの蝶についてご紹介しましょう。オナガについては、山梨県下で7月下旬~8月にかけて、結構念入りにクルミを調べた経験がありますが、出会えず。関西に拠点を変えてからは、更に珍品度が上がったので、何とかゲットしたいと長竿、脚立持参でチャマ探索の合間に根性入れてクルミ林を探索しました。

 初日に見出した2頭ばかり飛び出したクルミの木が良さげだったので、翌日朝7時半に長竿で叩き出し開始。すると、どうでしょう。次から次へと夏空にキラキラとオナガシジミが飛び出します。総数10頭ほど。どうやら「御神木」を掘り当てたようです(^^) ほとんどは真横か上に舞い戻ってしまいますが、なかには変わり者(?)もいて、下草に降りてきてくれます。この変人、いや失礼!貴重な個体をモデルに撮影を楽しめました。舞い降りたのはカボチャ畑の上。朝日を浴びたカボチャの葉の上で長い尾を風にそよがせながら、翅をスリスリし始めました。
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D70, ISO=500, F18-1/125、-0.3EV、撮影時刻:7時39分

 そのうち、いよいよご開帳。初めて見るオナガの開翅です! ビロード状の質感に朝日を浴びて、薄緑色の幻光も観察され、地味ながら深い味わいです。
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D70, ISO=500, F11-1/640、-0.3EV、撮影時刻:7時45分

 次に超広角にも挑戦。カボチャの葉が地上、かなり低い位置なので、魚眼前面レンズが泥とカボチャの葉に触れないよう、細心の注意を払っての作画になりました。バックに「御神木」が見えています。
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D70-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/320、-0.3EV、撮影時刻:7時49分

 この後、体が暖まると、舞い上がってクルミの葉上に。ここでもご開帳。この角度からは淡い紫色の幻光が見えます。一見地味に見えるオナガの翅表ですが、色々と仕掛けがあって楽しめます。
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D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=640, F7.1-1/1250、撮影時刻:7時53分

 11時頃、別のポイントで2mほどの高さのクルミの葉上で休息している♀を発見しました。暑さを避けて木陰に身を寄せている感じ。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F13-1/50、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時4分

 90mmマクロで撮影しようとファインダーを覘くと、ウロウロと葉の上を動き回りながら、ストローを伸ばしてなにか吸っています。おそらく吸水なのでしょう。オナガシジミのストローが黄色だってこと、読者の皆さん、ご存知でした?肛角部の橙色とセンスを合わせたような黄色のストロー。彼女、意外と洒落者です。
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D70(トリミング), ISO=500, F8-1/250、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光-0.3EV)、撮影時刻:11時3分

 この吸水?行動。実は初日の朝9時半頃にも観察できました。また2週間前に鈴鹿山脈でキリシマ♂を観察した際にも朝方、同じようにアカガシの葉上でウロウロ歩き回りながらストローを伸ばしている姿を観察しております。ミズイロオナガやウスイロでも同じような行動を取るのか?興味のあるところです。

 今回の遠征で、これまで撮影に苦労していたのが嘘のように一気にオナガの撮影が進展しました。この高原、そこいらじゅうにクルミが生えているので、どこがポイントか困惑しますが、どうやらクルミが密集せず、南向きに開けた環境下、数本単位で生えているような場所で個体数が多い感触を得ました。次回は第3のターゲットにしていたタテハチョウの仲間をご紹介したいと思います。 (PartⅡに続く)
# by fanseab | 2006-08-14 18:52 | | Comments(14)

「管理人は見た!シジミ縁毛の後光を」PartⅢ:キリシマミドリシジミ

 拙ブログの専売特許(?)、拘りの「シジミ縁毛後光現象」関連記事です。そろそろ定番化しそうなので、ここで題名にも拘ることに。
○原×子主演のTVドラマ、「家政婦は見た!」シリーズをパクって、「管理人は見た!シジミ縁毛の後光を」シリーズといたしましょう(爆)

 で、今回はシリーズ第3弾、いよいよ大物、キリシマミドリシジミのご登場でございます。2日間、鈴鹿山中で開翅シーンと格闘している最中にも、何故か冷静にこのシリーズ企画のことを考えていた管理人でありまして、午前中遅い時間帯では、逆光でのテリ張りシーンしか拝めないため、逆にこのシリーズもの撮影には絶好のチャンスとなったのでした。

 前置きが長くなりました。まずは1枚。真下やや横からの撮影。おぉ!縁毛がサファイアブルーに輝いているではないですか!?キリシマ表翅の輝きは強烈ですが、縁毛の輝きもまた素晴らしい!! 本シリーズ撮影では強アンダーの露出設定が必要です。ここでもキリシマ撮影用にアンダーに振った条件設定。それでもオリジナル画像は縁毛が1部白トビを起こしているほど強烈な輝きです。
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D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=640, F10-1/320、-1.0EV

 ↑の写真は全開翅に近い状態でしたが、この後、風が吹いてきて翅を閉じかけた時、今度は目を疑う現象が! なんと、裏面全体にも淡いブルーの後光が差しています! 銀白色の裏面を持つため、表翅のサファイアブルーが透けて見えるキリシマ固有の現象なのでしょうか?ともかく、どんな角度から見ても飽きさせない素晴らしい撮影対象であることを改めて思い知らされた次第です。
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D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=800, F7.1-1/640、-1.7EV

 ところで、これまで本シリーズで登場したシジミの縁毛、いずれも後光の色はブルーです。「ブルー以外には光らんのかな?」なる疑問もそろそろ浮かんできました。このままだと、本企画も変化に乏しく先行きが心配です(^^; どなたかブルー以外に光るネタをご存知ないでしょうか?
# by fanseab | 2006-08-09 22:55 | | Comments(6)