探蝶逍遥記

ミスジチョウの産卵(6月上旬)

 この時期、例年なら平地性ゼフ探索が定番。ただ今年はちょっと趣向を変えて、某蝶の探索をしてみました。ホストに局限する蝶故、探索する対象は蝶ではなくて、先ずはホスト。東京都西部には未だ点々と産地が残されている噂を頼りに、しかるべき地域を当ても無く歩き回る辛気臭い作業。この日は、予め地図上で選定した候補エリアの約1/2を歩き回り(走行距離約10km)、何とか一箇所で、目的のホストを発見するものの、蝶の姿は無し。次回以降に残りのエリアを探索することにしました。それでも『犬も歩けば何とやら・・・』で、意外な収穫がありました。住宅街に囲まれた里山公園の近くで、ミスジチョウを発見。カエデの傍で産卵行動を取っていたので、慌てて撮影。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング)、ISO=500、F8-1/800、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時06分

 ホストはイタヤカエデでしょうか? 都合5-6回の産卵行動を取っていたものの、相当高い位置で産むため、カエデの葉被りで撮影できず。↑の画像もかなりの遠距離で撮影したものを大幅にトリミングしてのご紹介です。冬場にミスジチョウ越冬幼虫を探索する際、人家の庭先に植えてあるカエデの低い位置から幼虫が見つかりますが、この日の母蝶は4m以上の高い位置に産卵しているのにはビックリしました。ミスジチョウの産卵シーンは、以前、2013年にクマシデ(カバノキ科)への産卵場面を撮影済(外部リンク)
ですが、クマシデは例外的なホスト。本来のカエデ科木本への産卵シーンはこれが初撮影になりました。次回はもう少し接近戦で撮影し、卵の拡大像も撮ってみたいところです。
 ミスジチョウは東京都西部に散在する里山公園で細々と生き残っていることを今回改めて実感しました。年1化であるため、各公園における存在証明が難しい蝶だと思います。公園の改修工事等で、人知れず消滅していくポイントも多いことでしょう。
 さて、この日はミスジチョウ以外にアカボシゴマダラ第1化の産卵行動にも出会うことができました。
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D500-34VR、ISO=400、F7.1-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時25分

 産卵場所を求めて、ウロチョロ歩き回っているシーンです。肝心の産卵シーンは太い枝の陰になって撮影できず。この母蝶はアカボシにしては結構高い位置に産み付けていたように思います。
# by fanseab | 2017-06-07 21:53 | | Comments(2)

カラスアゲハの産卵行動(5月下旬)

 オナガアゲハの産卵シーンを撮影したポイントは、同時にカラスアゲハの個体数も多く、カラスの産卵も狙い目でした。林道脇で全開休息している♀を発見。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時09分

 この後、この♀はすぐに産卵行動をスタート。崖地の茂みに入り込んでホスト探索です。
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 暗い茂みの中なのでフォーカシングに苦労します。結局、産卵行動を確認するまでもなく、そのうち沢筋の向こう側に移動してジ・エンド。母蝶が去った後、崖地を登って確認すると、コクサギの小さい株があり、どうやら♀はここに執着していた様子。コクサギの葉捲りをしてみますが、卵を発見できません。しかし、帰宅してから一連の画像をチェックしてビックリ!産卵された卵(矢印)が写っていたコマがありました。
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 ピントが蝶(右)に合わず、手前に合焦したお蔭で、卵がきちんと写っていた訳です。当初、葉捲りをしていた際、管理人の節穴だらけの観察眼では卵を見つけきれなかったようです。前回記事でご紹介したIさんによれば、産卵直後の卵の色は、「オナガが淡いベージュなのに対し、カラスはほぼ白色」とのこと。
 この日は、↑の個体含め、複数回カラスの産卵行動を観察できました。オナガ同様、低いコクサギの株を好みますが、より暗い環境の葉裏に産み付ける傾向があるように思います。その点、撮影の難易度がオナガに比較して高そうです。産卵環境の知見がある程度得られたので、今後リベンジの対象ですね。産卵時間帯については、オナガ♀が休息する正午以降にも継続するようで、オナガ♀とは微妙に異なるように思います。

 さて、ここには当然♀を追い求める♂も沢山舞っていました。暑い日だったので、渓流沿いで吸水する♂個体も撮影。
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D500-34VR、ISO=500、F8-1/2500、外部ストロボ、撮影時刻:12時39分
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D500-34VR(トリミング)、ISO=640、F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:12時40分

 渓流幅が狭くて、カメラを低く構えると葉被りになるのには苦労しました。カラス春型♂の吸水シーンも恐らく今回が初体験。嬉しい画像になりました。
# by fanseab | 2017-06-03 21:10 | | Comments(6)

オナガアゲハの産卵(5月下旬)

 サカハチの産卵狙いで探索した林道は黒系アゲハの宝庫でもあり、渓谷沿いを飛び交っているオナガ・カラスアゲハの産卵行動にも期待しておりました。オナガアゲハは昨年の第3化で別ポイントでの撮影をトライした経験があります。しかし、産卵環境や時間帯が不明確で失敗に終わりました。今回は偶々現場にチョウ類保全協会で面識のあるIさんが調査活動をされていて、Iさんより両種の産卵行動について貴重なヒントを頂きました。
 午前9時45分頃から♀の産卵行動がスタートしました。最初は高さ5m前後でホスト探索をしている様子。これでは接近戦に持ち込むことができないので、様子見に徹します。その直後、林道脇に現れたオナガの♀が低木のコクサギに産卵行動を取りました。慌てて連射し、何とか産卵場面をゲット!

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR、ISO=400、F8-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時07分

 次に産卵現場の全景・近景を示します。
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EM12-Z12、ISO=200、F6.3-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:10時31分
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EM12-Z12、ISO=200、F5.6-1/80、外部ストロボ、撮影時刻:10時40分

 産卵ポイントは林道の南向きで日陰になっている部分。産んだコクサギの樹高は僅か60cm。地上高25cmにある低い葉裏(矢印)に産んでおりました。樹高の高いコクサギにも産みますが、その際にも比較的低い木蔭にある葉を好んで産み付ける傾向があるようです。
 現場で採卵して、産卵翌日に拡大像を撮影。
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EM12-P1442@42mm-P14R(9コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F8-1/50、外部ストロボ

 直径1.46mm。Papilioの卵なので、表面構造もほぼツルツル、面白みには欠けます。
 その後も産卵シーンを期待しますが、欲張りにもサカハチと両天秤に掛けていることもあってか、良い場面に出会えません。正午過ぎになると、どうやら一旦休息タイムに入った様子。林道上の樹上で開翅休息する♀の姿がありました。
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D500-34VR、ISO=800、F9-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:12時53分

 ♀の休息タイムは恐らく14時頃まで続いた様子。結局、午前中に写したコマ以外はオナガ♀の産卵シーンは撮影できませんでした。一方、♂は午前10時から殆ど休みなく、探♀活動を続けております。林道に沿ってほぼ直線の蝶道を往復する行動パターン。午後からは林道の低い位置を飛翔し、短い吸水行動を取るようになりました。
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D500-34VR、ISO=500、F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分
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D500-34VR(トリミング)、ISO=1250、F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:14時00分

 吸水時間は1秒も無く、撮影するのにイライラさせられます。過去にオナガ♂も長時間吸水する様子を観察した経験がありますので、今回出会った♂の行動は意外でした。♂も流石に飛び疲れると、葉上で休息を取ります。全開で暫し息を吐いている場面。
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時24分

 観察途上で、一回だけ求愛行動も観察できました。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=1250、F8-1/1000、外部ストロボ、撮影時刻:13時59分

 ♀を後ろから♂が追う場面。この後、♂が先頭に立ち、♀を誘導する場面も観察できました。いつものパターンで、♀は交尾済のため愛は成就せず。ただアゲハ♀の求愛拒否は、シロチョウみたいに尾を上げるような積極的拒否行動を取らないのが面白いですね。
 オナガ♀の産卵時間帯は恐らく午後2時以降にもあるはずなのですけど、今回は撮影の集中力が切れたため、撮影は回避しました。それでも狙ってオナガ♀の産卵を撮れたので、大満足の撮影行になりました。今回、オナガアゲハの産卵行動について詳しくご教授頂いたIさんに対し、この場を借りて御礼申し上げます。
# by fanseab | 2017-05-29 21:54 | | Comments(2)