探蝶逍遥記

ツマキチョウの求愛飛翔(5月上旬)

 ゴールデンウイークの前半、多摩川縁ではツマキチョウの最盛期を迎えていました。ツマキは10年以上前、当地で珍品でしたが、最近は物凄く個体数が増えました。ムラサキハナナやセイヨウカラシナなど、上流から漂流して中流域に定着したホストが繁茂した結果と考えられます。ツマキの飛翔は結構難しい撮影対象。ただ♂♀が絡む求愛飛翔は比較的楽に撮れます。今回は300mm望遠で狙ってみました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング)、ISO=800、F9-1/2500、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時24分40秒
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D500-34VR(トリミング)、ISO=800、F9-1/2500、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時24分41秒
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D500-34VR(トリミング)、ISO=800、F9-1/2500、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時25分04秒

 ♂が後方から♀に迫るパターン。先頭の♀は産卵行動の途中、♂に襲われたようで、結局、愛は成就せず、♂から逃れた♀はその後、産卵行動を再開しました。
 アップした画像、これまでだとファインダーを覗きながらマニュアルフォーカスで合焦しておりましたが、今回はコンティニアス連続サーボAF(以下AF-C)での撮影をトライしてみました。しかも、同時にNikon一眼ボディ背面にある「AF-ON」ボタンを初めて使用。APS一眼としてNikonをD70の時代から継続して愛用しておりますが、背面「AF-ON」ボタンは恥ずかしながら今回ようやく活用したのです。

 実は昨年12月メインボディをD7100からD500に思い切って替えました。D500に期待した理由は、下記二点。
(1)高感度特性の向上
(2)AF(特にAF-C)の対象追尾性能の向上
 購入当初、多摩川縁でハト、カワウ、ヒメアマツバメの飛翔個体で上記特性を実地実験し、期待通りの成果が出て、満足しておりました。ところが蝶シーズンに入り、モンシロ・モンキなどにレンズを向けた結果、AF-C特性は期待外れでした。その後、色々とAF設定を弄り回しても埒が明かず、思い切ってD500ユーザーの先輩である、撮影仲間のI氏に相談しました。I氏のアドバイスは上述した『「AF-ON」ボタンを活用したらどうか・・・』でした。ネット上で調べてみると、同ボタンを使用して合焦させる方式を「親指AF」と呼ぶのだそうです。合焦操作を親指に、シャッター操作を人差し指に機能分担させる方式。D500は10コマ/秒の高速連射機能が売りですが、合焦しなければピンボケ画像の山を築いて、消去処理がムチャ大変になります。上記操作の機能分担で、ゴミ画像が減ることが期待されます。
 冒頭でご紹介したツマキは「親指AF」の練習がてら撮影してみました。一定の効果があるようですが、不規則かつ高速で飛ばれたら親指AFと言えども撮影は不可能かもしれません。但しゼフの卍飛翔を300mmで狙う際は確実に戦力になりそうです。

 300mmとは別に40mmマクロで従来通りの置きピンでもツマキ♂を狙ってみました。
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D500-40(トリミング)、ISO=800、F8-1/4000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時07分(4月下旬)
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D500-40(トリミング)、ISO=800、F8-1/4000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時13分(4月下旬)

 置きピンは50cm。このレンズで期待するのは蝶から一定距離離れて驚かせず、自然な飛翔姿勢を撮る事。フルサイズ換算の焦点距離は60mmで、一昔前標準レンズと言われた長さです。ファインダーを覗くと肉眼と変わらない縮尺で景色が拡がっております。未だ置きピン感覚に慣れないのですけど、得られた画像はまずまずです。歩留りはマイクロフォーサーズでの高速連射方式に比較して圧倒的に不利ですが、従来方式の飛翔撮影も捨てがたい味があると思っております。
 AFの件でご相談に乗って頂いたIさん、色々とご指導有難うございました。この場を借りて御礼申し上げます。
# by fanseab | 2017-05-08 22:11 | | Comments(2)

キアゲハ第1化の産卵(4月末)

 トランセクト調査を実施した日は都合15種の蝶に出会うことができました。今回は当日観察したキアゲハ産卵シーンをご紹介します。これまでに第1化産卵シーンは撮影済でして、主にセリ(Oenanthe javanica)に産むシーン(外部リンク)が殆どでした。
 今回は、多摩川縁で結構見かけるハナウド(Heracleum sphondylium)に産卵しておりました。当初新芽に産むものと期待してカメラを向けましたが、意外にも成葉に産み付けて、慌てて撮影したのがこの場面。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時57分

 腹端はおろか、後翅もまともに写っていない「C級ショット」ですね(^^; 産み付けられた状況です。
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D500-34VR、ISO=200、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時59分

 葉裏ではなく、葉表主脈の直上に産卵されております。近くにある複数のハナウドをチェックしたところ、葉裏に産附された事例もありました。結構、産卵場所に規則性はないようです。卵をお持ちかえりしてTG4で、卵を拡大してみました。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:21時11分

 Papilioの卵なので、表面構造も特になく、拡大しても面白みに欠けますね。なお最大直径は1.6mm、高さ1.4mmで、完全な球形ではありません。4日後、胚形成が進んだ時点で、更に超拡大してみました。
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EM12-P1442@42mm-P14R(9コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:5月3日

 実はマイクロフォーサーズボディをパナGX7からオリンパスEM1-MarkⅡに変えてから、卵の超拡大撮影時、深度合成・フォーカスブラケッティングに深刻な問題が発生し、悩んでおります。ここでは詳しく述べませんが、↑にアップした画像も一部取り込むべきコマが欠落しており、後方表面の一部がボケを生じています。今後の参考のため、敢えて失敗画像を掲載することにします。

 さて、冒頭の産卵シーンを観察した翌日もハナウドでの産卵行動に出会うことができました。偶々40mmマクロを装着して、飛翔モードに設定していたので、産卵直前の飛翔シーンを撮影。
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D500-40(トリミング)、ISO=800、F8-1/4000、-0.3EV、撮影時刻:11時16分

 飛翔モードから静止モードに切り替えが間に合わず、ここでもまともな産卵画像が撮れずガックリです。この時、産まれた状況をアップします。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時21分

 矢印先が卵で未だ開く前の若葉の葉裏に産み付けられております。ハナウドは草丈が高く、草被りとも無縁で背景がスッキリ抜けやすいはずです。キアゲハ産卵シーン画像としては、見栄えが良く、是非撮り直しをしたい対象です。
# by fanseab | 2017-05-04 21:40 | | Comments(2)

多摩川縁でのトランセクト調査(4月末)

 ミヤマチャバネセセリ第1化の発生数が気になったので、いつも歩いているルートでトランセクト(ルートセンサス)調査をしてみました。調査条件は、下記の通り。
①ルートとして多摩川中流域右岸(川崎市内)の30mX800mについて、上流側から下流にかけて片道調査。毎年実施している、ミヤマチャバネ越冬世代(第3化)終齢幼虫巣調査範囲と一致させてあります。
②歩行速度はほぼ一定(撮影時は除く)。
③目撃した蝶を順次記録。個体識別までしていないので、同一個体の重複カウントは当然含まれる。
※一般的な調査ではネットで捕獲して種・雌雄識別を行います。また、調査巾は左右目測各5m、合計10m幅が望ましく、同一個体の重複カウントは避ける・・・等の厳格なルールを適用して実施されます(※)。従って、今回は不謹慎な物言いをするなら、『なんちゃって、トランセクト』かな?

 4月29日(午前10:30~11:20),30日(同9:50~11:00)の両日実施した結果を下記します。両日共に天気は快晴、風が結構強いコンディションでした。
            <4月29日>   <同30日>
ナガサキアゲハ      ♂2        ---    
アゲハ           ♂1         ---
キタキチョウ        ♂1          ---
モンキチョウ        ♂18♀3     ♂17♀3
ツマキチョウ        ♂7♀1     ♂6♀1
モンシロチョウ       ♂7♀2     ♂12♀2
ベニシジミ         ♂1♀2      ♂1♀2
ヤマトシジミ        ---        ♂1
ツバメシジミ        ♂3       ♂4♀1
コミスジ           ♂2       ♂5
キタテハ          ---        ♂1
ヒメウラナミジャノメ    10       14(交尾ペア1含む)
ギンイチモンジセセリ   ♂1         ---
ミヤマチャバネセセリ   ♂1         ---

 概況としてモンキチョウ第1化がピークを迎えた感じ。それと、ヒメウラナミジャノメがドッと『湧いて来た』印象ですね。
 さて、肝心のミヤマチャバネですが、29日は行きのルートを戻る途中、♂1♀1に出会いました。結局29日は3個体目撃。30日は坊主。29日に観察した♀は正午頃、産卵行動を取っておりましたが、♂♀共に撮影のチャンスは無し。ミヤチャの個体数については、2日間の観察を通じ、坊主でなかったのでホッとしました。元来、ミヤチャは個体数が多いセセリではなく、今回調査から直ちに例年並みかどうかは言及できません。オギに産卵された卵も調査しましたが、ギンイチ卵1を確認するに留まりました。また、上記調査時間外ですけど、29日にキアゲハ♀1、30日にキアゲハ♂1♀1を観察しております。

 ところで、29日の調査終盤、川縁をネット持参で草叢を真剣に観察されている同好者に出会いました。お聞きしてみると相蝶会のメンバーの方で管理人同様、当地域のミヤチャ・ギンイチの動向を調査されているとのこと。ご挨拶して、最近の両種について、情報交換をさせて頂きました。貴重な情報を有難うございました。この場を借りて御礼申し上げます。

 本来ならミヤチャ画像を飾りたいところですが、今回は残念無念、画像アップはできません。代わりに29日の調査途中で出会った、とびきり綺麗なアゲハ♂の画像をアップしておきましょう。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR、ISO=200、F8-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時49分
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D500-34VR、ISO=200、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時50分
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D500-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時50分

 菜の花で長時間、吸蜜してくれたので助かりました。この時出会ったアゲハ♂は管理人にとって今シーズンの初見個体でもありました。

<参考文献>
 山本道也,1988. 蝶類群集の研究法. Sprc.Bull.Lep.Soc.Jap.,(6):191-210.



# by fanseab | 2017-05-02 21:55 | | Comments(4)