探蝶逍遥記

<   2016年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧

晩秋のルリタテハ

 秋も深まると寒気の影響か、晴間が簡単には拝めなくなります。天気予報で「晴れ」と出ていても、朝からドン曇り・・・、午後になってやっと陽が差すこともしょっちゅうです。
 さて、拙宅近くの里山公園でブラブラ蝶探索をしていると、頭の付近をビューっとかすめ飛ぶ黒い影が。反射的にカメラを向けると、そこには日向ぼっこしているルリタテハの姿がありました。

f0090680_1633771.jpg
D71K-34VR,ISO=100、F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:14時40分(11月中旬)

 午後になって陽射しが強くなって飛び出してきたのでしょう。テリ張り圏内に管理人が侵入してきたので、スクランブル発進した様子。ただ、テリ張りと言うよりは、ノンビリと秋の穏やかな陽射しを楽しんでいるように見えました。
by fanseab | 2016-11-29 21:58 | | Comments(2)

季節外れの降雪の後で(11月下旬)

 昨日24日、東京都心で観測史上初めて、11月の降雪記録となりました。ビックリしましたね。一夜明けて、ようやく快晴の青空が拡がりました。ただ、強い寒気の影響で、空気は凍りついたままです。
 さて、今月中旬から最終盤のアオスジアゲハの幼虫を観察しております。マンション近くのクスノキの根元から生えている実生に当初、8頭程の初齢幼虫が付いているのを発見。餌不足が明らかだったので、2頭を別の株に避難させてあげました。今日、様子を覗いて見ると実生にいるべき(8-2=)6頭のうち、3頭のみ(いずれも3齢)葉上に付いておりました。その内の2頭が身を寄せ合って、静止しております。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_17472529.jpg
TG4@5.5mm(自動深度合成),ISO=100、F2.3-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:11月25日

 まるで仲の良い兄弟みたいですね(^^) 以下、兄弟の会話・・・。

兄:「昨日は参ったね、寒くて死ぬかと思った。」
弟:「俺もマジそう思ったよ。しかし、兄貴よう、俺達の母ちゃんは
なんでまたこんな寒い時期に俺達を産んだのかなぁ?ああ、6月頃
産まれたかったなぁ~」
兄:「母さんを恨んではいけないよ。母さんも本能で産んでるん
   だからねっ!時期を選べないんだよ!」
弟:「そんな物知り顔で言わないでよ。本当は兄ちゃんも母ちゃんを恨んで
   るんでしょ?」
兄:「・・・・・。それより俺達の餌足りるのかなぁ。お前ちょっと
   新しい葉を探してこいよ。」

 この兄弟の運命や如何に? 暫く継続観察することにします。また、この兄弟から10m程離れたクスノキの株にも小さな実生があり、葉裏に何と2齢幼虫が付いておりました。
f0090680_17475662.jpg
TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/640、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:11月25日

 この子も餌の確保には苦労しそうです。どうやら母蝶の産卵時期は今月初め頃と推定されます。10月中旬には元気に飛ぶ♂の姿を見かけた記憶がありますが、結構遅くまで母蝶は活動しているのですね。
by fanseab | 2016-11-25 20:57 | | Comments(6)

ミヤマチャバネセセリ越冬世代幼虫個体数の確認

 本年9月7日の記事(外部リンク)で、今シーズンはミヤマチャバネが不作であることを示唆しました。来シーズンの個体数は、越冬世代終齢幼虫の巣を確認すれば楽なので、10月下旬~11月上旬にかけて実施してみました。確認エリアはいつも定点観測している川崎市側多摩川河川敷の30mX800m。相当虱潰しに調査した結果、何と1頭のみ。虎の子の1頭につき、巣を開いてみた状況がこちら。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_1740723.jpg
TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時15分(10月下旬)

 これは明らかに寄生個体で、グッタリして動く気配がありません。念のため調査エリアを東側(下流側)に広げた結果、ようやくもう1個体を発見。その巣(黄矢印)です。
f0090680_17403539.jpg
TG4@4.5mm,ISO=200、F2.8-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時39分(10月下旬)

 この子は撮影の数日後、無事巣から離脱し、地上で蛹化した模様。結局、定点観測エリアでは、「越冬世代正常個体がゼロ」と異常事態であることが判明。これでは少なくとも来シーズン春に出現する第1化もあまり期待できない状況です。真面目に定点観測をスタートさせた過去6年間の個体数をまとめてみると以下の通り。
2011年 13頭
2012年 29頭
2013年 21頭
2014年 データなし(記憶が曖昧だが10頭は確認?)
2015年  4頭
2016年  1頭
このデータからだと、2014-15年から急激に個体数が減じたようにも思われます。ただ蝶の個体数推移では、10年レベルでの周期的増減もあり得るので、もう少し継続観察が必要です。気になっているのは、多摩川縁の植物相変化。生息地のスナップがこちら。
f0090680_17413284.jpg
TG4@8.4mm,ISO=100、F3.1-1/100、-0.7EV、撮影時刻:16時22分(10月下旬)

 食草のオギ群落は黄色破線で囲ったエリア。手前側の群落Aと向こう側の群落Cは10年前までは連続した群落でした。しかし、多摩川の河川工事で川崎市側の支流を堰き止め、東京都側に流れを一本化した影響で、川崎市側河川敷の乾燥化が進行しました。この結果、オギ群落の面積が著しく減少し、ギンイチモンジセセリの個体数は明らかに激減しました。ただ、ミヤマチャバネはオギ群落をそれほど必要としていない筈なので、今シーズンの個体数激減の主原因だとは考え難いのです。因みに図内Bは外来植物として有名なアレチハナガサ(Verbena brasiliensis)の群落。観察エリアの多摩川中流域では5年程前から急速に繁殖した印象があります。この植物は根茎が極めて頑丈で、洪水でもビクともしません。オギ群落の分断に一役買っていると思っています。果たして来シーズン、ミヤマチャバネはどうなるのか?目が離せません。
by fanseab | 2016-11-17 22:13 | | Comments(2)

野鳥に食われたアカボシゴマダラの蛹(11月上旬)

 拙宅玄関前にあるエノキには、ここ10年来アカボシゴマダラがよく産卵し、ほぼ一年を通じて全ステージの観察をすることができます。今年も秋口になって終齢幼虫の個体数が増加。10月1日~11月3日までに合計13頭が蛹化しました。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
f0090680_1712464.jpg
D71K-85VR,ISO=200、F10-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時43分

 この子は、11月3日に蛹化した個体。10月19日までに蛹化した8頭は無事羽化したのですが、10月20日以降に蛹化した5頭は11月7日までに全て野鳥に食われてしまいました。食害に気付いたのは11月5日。朝方確認したはずの2個体が見当たらず、何と、尾端だけが残っておりました。
f0090680_17133168.jpg
D71K-85VR(2コマ深度合成+トリミング), ,ISO=200、F10-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時45分

 尾端の尾鉤は相当強固なので食いちぎることができなかった模様。昼前に気になって玄関を開けると、目の前のエノキからシュジュウカラが慌てて飛び去る姿を目撃しました。10m程度離れた地点から管理人をじっと注視しており、暫し睨めっこした後、名残惜しそうに去って行きました。この時点でまだ3頭の個体が残っていたのですが、昼食後、更に2頭が食われたことが判明。慌てて虎の子の1頭(↑でアップした画像の個体)を護る為、蛹近くに威嚇用空のペットボトルをぶら下げて、様子を見ることに。2日間は退避効果があったようですが、11月7日になって、この1頭も食われてしまい、ガックリ(^^;

 これまで夏期間にも、継続観察中の蛹が忽然と消失する事件が発生しており、恐らく野鳥の仕業だろうと推測しておりました。但し、現行犯らしき鳥を目撃したのはこれが初めて。改めて野鳥の持つ、学習能力の高さを思い知らされました。実は最後の1頭のすぐ傍に4齢幼虫もいたのですが、野鳥はこの子には目もくれずに蛹を捕食したのです。やはり質量共に優る蛹を優先して食べたのでしょう。管理人は、玄関先のエノキを観察し、これまでの10年間で凡そ100頭近く、アカボシの蛹を確認してきましたが、寄生で羽化できなかった事例は皆無です。ゴマダラとアカボシの寄生率差に関するデータを持っておりませんが、寄生率の低さも、アカボシの急激な拡散に一役買っているのだと思います。エノキの葉が青々と茂る夏場は隠蔽効果が高いためか、野鳥による食害は低く、葉が落ちて黄ばんで来ると、緑色の蛹は野鳥に狙われやすいのでしょうね。
by fanseab | 2016-11-12 17:20 | | Comments(4)