探蝶逍遥記

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チョウゲンボウのホバリングなど(3月下旬)

 前々回の記事で多摩川の猛禽類をご紹介しました。そこで登場したチョウゲンボウに興味を持ち、その後も姿を追っておりました。3月中旬に姿を見せた後、一旦どこかに雲隠れし、ガッカリさせられましたが、下旬になって再登場してくれました。低空を飛んでいた個体が一気に急上昇し、ホバリング(停空飛翔)を始めました。この時、生憎カメラを持参しておらず、慌てて拙宅に戻り、現場で待機しますが、姿が消えておりました。双眼鏡で周囲を観察すると、数100m上流側でホバリングしている個体を再発見。何とか間に合い、その姿を撮影できました。最初はGIF動画です。

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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング+3コマ合成)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:13時54分

 この日は北風が強かったのですが、驚いたことに、ホバリング中、殆どブレずに空中で停止しております。時折、羽ばたきを中止し、完全な滑空状態で停止できるのには驚きました。何という、バランス感覚なのでしょう!遠くから観察すると季節外れの凧が上がっているようにも見えます。粘って観察すると、管理人のほぼ真上でホバリングしてくれました。
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D71K-34VR-X1.4TC、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:13時54分

 尾を扇状に180度拡げ、翼と完全に一体化して揚力を稼いでいるように思えます。まるで工芸品の扇子を思わせる尾の美しさに感動です! 尾の羽には9本の細い黒色条が確認できますが、これは雌の特徴だそうで、雄にはないようです。
 ホバリングして餌を探索し、何か動きをキャッチすると一旦急降下して距離を縮め、再度ホバリングで最終確認をします。確信を持てると、再急降下して餌の捕獲に向かいます。確信が持てない場合は再度上昇し、場所替えしてホバリングをする行動を繰り返しています。その途中、斜め下向きから撮影したショットです。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:13時54分

 この時は尾を細く畳んでハヤブサ属らしい形状になります。眼光も鋭いですね。次に急降下する瞬間の画像。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:14時03分

 やはり、この瞬間が一番迫力を感じるシーン。一旦、枯草に潜り込んで餌を捕まえ、再上昇する瞬間の画像がこちら。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:14時01分

 次に餌を嘴で咥えて上昇する途中のシーン。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:14時01分
 
 この時はどうやらカナヘビ類を捕まえたようで、餌を脚で掴み、カナヘビの細い尾が尾前方に確認できます。昆虫類を捕獲したシーンも撮影できました。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/3200、撮影時刻:13時59分

 こちらは嘴に餌を咥えています。ピクセル等倍で餌を詳細に確認すると、六本脚であり、大型のカメムシあたりかもしれません。日を改めて、少し下流側で今度は岩の上で摂食中の個体を発見。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:14時07分
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:14時18分

 撮影中は何を食べているが不明でしたが、食事後、飛び去った後に現場を確認、帰宅後の画像も詳細確認した結果、どうやら犠牲者はハクセキレイのようでした。食事中の様子は動画でも撮影。youtube動画もご覧下さい。

 なお、光通信同等の高速回線ご利用の方は、youtube画面右下の歯車マーク(設定ボタン)をクリックし、解像度を自動(360p)→1080pHDに上げてご覧頂くことをお勧めします。向う岸には、仲間が襲われたとは知らず無邪気に?飛び交うハクセキレイの姿も確認できます。多摩川縁にはハクセキレイやセグロセキレイが溢れるほど飛んでいますから、チョウゲンボウにとっては格好の標的になるのでしょうね。

 ところで、このチョウゲンボウ個体の頭部と尾翼上面は濃灰色で、雄個体でした。雌の両部分は濃茶色で、ここも性差確認のポイントとなるようです。彼が食事した岩には判別できないほど砕かれたハクセキレイの躯(むくろ)と灰色の羽毛が散乱しておりました。一見愛くるしい表情も見せるチョウゲンボウですが、無慈悲なほど餌を食い散らかす様子を見て、改めて猛禽類であることを再認識させられました。なお、チョウゲンボウの狩場は一定ではなく、常時同じポイントで、ホバリングが観察できる訳ではありません。多摩川中流域の相当広範囲を移動しながら、獲物を捕らえているようです。
by fanseab | 2016-03-30 21:26 | 野鳥 | Comments(0)

多摩川の水鳥たち(3月上旬~中旬)

 猛禽類の観察と同時進行で撮影した水辺の鳥達をご紹介します。猛禽類同様、同定間違いあれば、ご指摘下さい。最初はオオバン。

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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/2500、撮影時刻:11時25分(3月上旬)

 多摩川縁には釣り人達が糸を垂れておりまして、その近辺で、彼らも群れをなして餌を探しているようでした。多摩川ではカモ類と並んで一番個体数が多いようです。黒い頭に目が真っ赤。遠目には目がないように見えます。カモに比較すると脚が長く、長い脚が邪魔をして、水上の泳ぎ方はぎこちなさを感じます。
 次いで、ホシハジロの雌。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:11時03分(3月上旬)

 この子はいつも独りぼっちで寂しそうに浮かんでおりました。ペアリングの時期がカモ類よりも遅いのでしょうか? お次はカイツブリ。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=400、F5.6相当-1/2500、撮影時刻:11時49分(3月中旬)

 オオバンの群れに紛れ込んで餌取りしていますが、個体数は圧倒的に少ないです。潜水が得意な水鳥は目が赤い種が多いように思います。ただ、この子はほぼ真円の黄色い目玉に黒目。メジロの眼と同じデザインですね。偶々嘴の先端から水滴が落ちる瞬間を捉えたので、絵に動きが出てくれました。次はカンムリカイツブリ。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:10時23分(3月上旬)

 まるでろくろ首のように長くて白い首が特徴。羽や「冠」部分は黒いので、遠目からは白い棒が突っ立って泳いでいるように見えます。スコットランド・ネス湖の伝説的怪獣を彷彿とさせますね。常に潜水して餌を取り潜水時間も長いので、撮影のチャンスが少なく、とても撮影難易度の高い鳥だと思います。潜水の瞬間を捉えたのが次のショット。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:10時37分(3月上旬)

 長い首先を水面に当てて、素早く潜ります。一旦、潜ると想定外の遠い場所に浮上したりするので、マニュアルフォーカシング(MF)が厳しいのです。なにせフルサイズ換算600mmの望遠レンズを振り回してのMFは眩暈上がりの管理人の身には辛いものがありました。なお、この子の近くに比較的ノンビリとした仲間が泳いでおりました。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:10時28分(3月上旬)

 頭に冠もなく、最初はカンムリカイツブリの雌かと思いました。しかし、ネット上で調べると、別種のハジロカイツブリ。前種もこちらも目が真っ赤で異様です。カンムリカイツブリに比較すると警戒心が希薄で、釣り人が投げ糸をしていても近辺を平気で泳ぎ回り、より接近戦での撮影ができました。それに潜水回数が少ないので、フォーカシングも容易。最後はイソシギ。ハクセキレイやセグロセキレイ達と一緒に水辺をちょこまか動き回って餌を啄んでおりました。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/2500、撮影時刻:10時50分(3月中旬)

 岩から岩へ飛び移る瞬間もゲット。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F6.3-1/2500、撮影時刻:10時51分(3月中旬)

 餌取りの途中、コンクリートブロックの上で羽繕いをする姿が可愛かったので、GIF画像にまとめてみました。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング+3コマ合成)、ISO=400、F5.6-1/3200、撮影時刻:10時59分(3月中旬)

 羽繕いの最中、眼を閉じる瞬間が特に愛くるしいので、ピックアップしてみました。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/3200、撮影時刻:10時59分(3月中旬)

 目を閉じるのは、気分が良くて恍惚状態に入るのか、羽毛が目に入るのを避けるためなのか、どちらなんでしょう? 水辺に集う鳥達の観察も良い気分転換になりました。
by fanseab | 2016-03-23 21:35 | 野鳥 | Comments(0)

多摩川の猛禽類(2月中旬~3月中旬)

 久しぶりのブログ更新になります。
実は1月22日起床時に突然眩暈(めまい)を発生し、その後体調不良が続いておりました。眩暈は直ぐに収まったのですが、平衡感覚が直ぐに戻らないのと、視神経を刺激する行為、つまりパソコン・TV視聴、読書・車の運転等が全くできない状態が続き、鬱々とした日々を過ごしておりました。お蔭様で3月に入ってから、ようやく平常時の感覚が戻ってきました。その間、体調には波があり、気分が優れる時は2月中旬頃より、マイフィールドを散歩がてら野鳥の観察をしておりました。今回はこの一ケ月間に思いがけず出会った猛禽類をまとめてご紹介します。なお、管理人は野鳥に関して素人ですので同定間違いあればご指摘願います。

 最初はノスリ。この子は数年前より冬場に姿を見せており、今回、初めて真面目に行動を追跡観察してみました。相当敏感な鳥で、接近戦を許してくれません。ようやく撮れた一コマを相当トリミングしてこの状態。

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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:10時59分(2月中旬)

 和名由来通り、地面スレスレを飛翔して小動物を捉える行動パターンのため、いつも地上高5m以内の低い位置に止まり、周囲を見張っております。意図的に背景にビル群を配置させて撮ったのが次のショット。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=320、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:12時16分(3月上旬)

 ノスリの背後には多摩川の流れがあるのですが、ミサゴのように川魚を狙うことはないので、常に視線は川と反対側のフィールドに向けられています。次は地上高50cm程度の低い位置で監視する姿です。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=320、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:15時04分(3月上旬)

 胸から脚にかけては白くて目立つため、慣れると遠方からでも双眼鏡無しで姿を確認することができます。通常は地上高3m程度を飛翔するため、飛翔画像を撮り難いものです。ただある時、双眼鏡片手のバーダーが彼(彼女?)の縄張りに異常接近したためか、ビックリして飛び立ち、運よく管理人の上空を通過しました。慌てて撮影したのが次のショット。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=320、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:12時41分(3月上旬)

 太陽が画面左前方にあるため、アイキャッチが来て、更に管理人へのカメラ目線!逆光で羽の透明感も出て最高の仕上がりになりました。鬱々とした気分が吹き飛ぶショットに満足です。白色の猛禽類は気品を感じさせますね。因みに多摩川で一番ポピュラーな猛禽類、トビの飛翔画像も参考掲載しておきます。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F6.3相当-1/3200、撮影時刻:10時39分(3月上旬)

 ノスリと比較すると、羽裏面の色調は白黒真逆のパターンなのですね。特に矢印で示した翼角と呼ばれる付近が白いのがトビの特徴とされています。

 次はチョウゲンボウ。都会に進出してきたとされていますが、まさかマイフィールドにいるとは思いもよりませんでした。川縁に近い比較的低層マンションの屋上から顔を覗かせている個体をパチリ。
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D71K-34VR-X2TC(トリミング)、ISO=400、F13-1/4000、撮影時刻:10時40分(2月下旬)

 嘴も小さく、正面から見ると、とても愛くるしい表情をしていますね。ただ相当に警戒心が強く、いつも上半身の一部が見えるだけで、なかなか全身を晒すことはありません。ようやく電柱上に止まったところをパチリ。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=400、F6.3相当-1/2500、撮影時刻:12時12分(3月中旬)

 赤茶色の羽が印象的です。今度は背面に回って撮りたいのですが、チャンスがありません。粘った末、ようやく撮れたのが次のショット。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/2500、撮影時刻:11時27分(3月中旬)

 こうして見ると、何だかスズメの親分のような色彩ですね。この後、慌てて飛び立ちマンションの脇をすり抜けるように飛んでいきました。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/2500、撮影時刻:11時29分(3月中旬)

 さて、3種類目はハヤブサ。いつものようにノスリ狙いでヤナギを観察していると、不意に高速で見慣れぬ猛禽類が訪れ、ヤナギに止まりました。少しずつ匍匐前進して行くと、あら不思議、ノスリよりも鈍感なのか結構接近戦で正面画像を撮ることができました。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F5.6相当-1/3200、撮影時刻:14時18分(3月上旬)

 全体に細身で、白黒のコントラストがスッキリしたキュートなデザインですね。目の周りと逞しい脚が共に黄色で良いアクセントになっています。それと止まっているヤナギもそろそろ芽吹き始めた頃で、季節感のある画像になりました。この後、もう少し寄ろうと思った瞬間、気づかれて飛ばれました。一旦南方の川岸上空に飛び立った後、Uターンして上空に戻り、その後、東京都側上空に消えて行きました。途中何とか飛翔画像も撮ることができました。
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GX7-34VR(トリミング)、ISO=250、F5.6相当-1/3200、撮影時刻:14時19分(3月上旬)

 拡げた翼の先端(初列風切)も尖っていて、スピード感が増す感じです。

 4種類目はオオタカ。トビの飛翔画像を狙っている最中、突然地面からトビより小ぶりの猛禽類が飛び立ち、小さな回転半径でクルクル舞って、上昇していきました。その際撮ったのが次のショット。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:11時13分(2月中旬)

 最初はハヤブサかと誤認しましたが、別途調査した結果、オオタカと判明。拡げた翼の先端が尖るのがハヤブサ類の特徴だそうで、この画像では確かに尖っていませんね。オオタカの識別点の一つとして「明確な白い眉班」があるらしく、それを強調するように翼を斜め上から見込んだショットもご紹介しておきましょう。
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D71K-34VR-X1.4TC(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:11時29分(2月中旬)

 この後、オオタカはグングンと一気に上昇して消えました。
 これまで多摩川縁での野鳥観察を真面目に行ったことはありませんでしたが、怪我(体調不良)の功名と言えましょうか、トビ以外の猛禽類を4種類も初見・初撮影できて嬉しかったです。たまには蝶以外の生き物にも目を向けてみることも大切ですね。

 今回34VRの活用法として、①X1.4/X2テレコンとの組み合わせ、②GX7との組み合わせを試してみました。テレコンはニコン純正ではないですが、VRもきちんと効いて野鳥撮りには効果を発揮しそうです。ただ流石にX2だと色収差が目立ち、X1.4までに留めて使用するのがベストな選択なようです。また、マウントアダプターを介してGX7ボディで使う方法は、レンズのVRが機能せず、ボディ側手振れ補正のみの使用となります。ですので、静止画像を撮るのに手持ちでは厳しい印象です。唯一の取柄は軽くて手持ちでの飛翔撮影に便利な点でしょう。
 なお、多摩川縁ではモンキチョウ♂を2月27日に初観察しました。例年よりも10日ほど早い記録となります。まだ、蝶を追いかける体力が回復していないので、蝶撮影は少し先延ばしの予定です。
by fanseab | 2016-03-17 21:22 | 野鳥 | Comments(10)